「共感力」が高い子は、みんなと一緒に成長できる
更新日: 2023.01.04
投稿日: 2021.04.23
社会に出てから人と接するときの基本姿勢は、相手を理解し、相手を受け止め、自分の考えを述べることです。
そのために必要なのは、他人事を自分ごととして理解する「共感力」です。
当たり前ですが、小さな子どもの頃から、親や先生、友達など周りの人と上手に関わることはできません。
騒ぎすぎて周りから迷惑がられたり、いやな思いをしたり、嬉しい気持ちを味わったりなど試行錯誤を重ねながら共感力を学んでいくものです。
共感力を育て、人を思いやれる子にするために親ができることについて、考えてみましょう。
もくじ
共感力とは、「相手を理解し思いやる力」
そもそも「共感力」とはなんでしょう。
共感力とは、ひと言で表すと、「相手を理解し思いやる力」です。
共感力には、周りに悲しそうな顔をしている友達がいたら「どうしたのだろう?」などと思う力に加え、「周りの人の気持ちと自分の気持ちは異なることもある」と受け入れる力、「感情には、喜びや悲しみ、怒りや不安だけでなくさまざまな種類がある」と知る力などが含まれます。
幼児期は、園や学校、習い事の教室など家庭とは異なる場で、楽しさや心細さ、友達関係での軋轢などたくさんの感情を体験し、「相手の気持ちを理解すること」を少しずつ身につけ始めていく時期です。
この時期は、自分が思ったり感じたりしたことを、一方的に表現することが中心となります。
相手の気持ちを理解するまでにいたらず、いざこざがおきたり友達に手が出てしまったりすることもあります。
しかし、成長するにつれ、自分の気持ちを言葉にしながらも相手の言葉に耳を傾けることができるようになり、小学生くらいになると、周りの人とのコミュニケーションが少しずつ上手になっていきます。
心の成長が著しい幼児期から学童期は、子どもの共感力を育むのにもっとも適した時期です。
この時期に共感力を育むことが、社会で豊かにたくましく生きる力であり、学校や塾などの学力テストでは計ることのできない力として世界的に注目されている「非認知能力」の育成につながります。
次のページでは、子どもの共感力を育むために親が意識するポイントやおすすめ習慣をご紹介します。
子どもの共感力を育むために親が意識したいこと
わが子の共感力を、無理なく自分らしく育んでいくには、親はどのように関われば良いのでしょうか?
ポイントを2つ、紹介します。
子どもが自分の気持ちに気づけるような働きかけをする
人の気持ちを理解するためには、まず最初に、自分の気持ちを理解できるようになることが大切です。
なぜなら、私たちは常に、「自分だったらどのように感じるか」を手がかりにして、相手の気持ちを想像するからです。
子どもが自分の気持ちに気づけるようにするためには、周りからの「そういうときって、こんな気持ちになるよね」という言葉や「そうだね、わかるよ」という働きかけが大切です。
日常のさまざまな場面で、子どもに対し、「⚫⚫️ができるようになって嬉しいね」「くやしくて思わず怒っちゃったんだね」など、「気持ち」を表す言葉を意識して使うことで、子どもは自分の気持ちを十分感じることができ、相手を思いやれるようになっていきます。
ネガティブな感情を否定せず、受け入れる
嫌なことをされると腹がたって、「ちきしょう!」という言葉を発したり、悲しいことがあると、わんわん泣いたりなど、さまざまな行動で表してます。
子どもがネガティブな感情を表すと、親はつい「そんなことでいちいち怒らないの!」「泣くのをやめなさい!」などと言ってしまいがちです。
しかし、嫌なことをされて腹が立ったり、悲しいときに涙が出てきたりするのは、自然なことです。
「いやなことをされて、くやしかったんだね」「⚫⚫⚫で悲しかったんだね」など、子どものネガティブな感情を否定せず、受け入れてあげましょう。
共感力アップにつながる! 家庭でのおすすめ習慣
子どもの共感力アップにつながる、家庭でのおすすめ習慣を紹介します。
読み聞かせで登場人物の気持ちを親子で話し合う
絵本や児童文学の読みきかせのあと、「⚪⚪⚪のとき、主人公はどんな気持ちでいたと思う?」など、親子で登場人物の気持ちを想像しながら話し合ってみましょう。
子どもの考えを否定せず、「なるほど、△△ちゃんはそう思ったんだね。ママは️️️〇〇だと思うよ」など、対話を楽しみながら、相手の気持ちを想像するスキルを育んでいきましょう。
ごっこ遊びを楽しむ
おままごとで赤ちゃんのお世話をするお母さんになったり、学校ごっこで先生役になったりなど、ごっこ遊びを楽しむことは、異なる立場の人の気持ちを理解する助けになります。
日々の会話の中で、親自身も自分の気持ちを表現するよう意識する
子どもがお手伝いしてくれたら「ママ、⚪⚪ちゃんがお手伝いしてくれて嬉しいよ」「お片づけの約束守ってくれなくて悲しいな」など、子どもとの会話の中で、なるべく親自身の気持ちを表現するよう心がけましょう。
昨今、心理学者や教育学者の間でも、「子ども時代に共感力を育むことがいじめ防止につながる」という声が高まりつつあります。
また、高い共感力を持つ人は社会性にすぐれ、学業や仕事面においても成果を発揮しやすいと言われています。
非認知能力にもつながる共感力を、親子で育んでいきましょう。
・共感力とは相手を思いやる力で、主に幼児期から学童期に育まれる
・子どもが自分の気持ちに気づけるような働きかけを意識する
・読み聞かせやごっこ遊びで共感力を育もう
共感力を育むことは、社会に出た時に人と関わっていく中で、絶対に必要不可欠な力であり、非常に重要な力であることが分かりました。
またこの共感力を子どものうちから育むことで、大人になった時に相手の気持ちや思いをより深く想像し、感じることができるようになります。
共感力を育むためには、子どもが小さなうちから、○○をしたら人はどのような思いをするのかを大人が言葉で伝えることが大切です。
他の人の立場に立ち、常に○○をしたら、〇〇をされたら、どの様な気持ちになるかを考え、想像するような環境をたくさん作っていってあげましょう!
(参考文献)
・個性をのばしながら、人とうまく関われる子に(袰岩奈々監修・PHPのびのび子育て)
・All About|思いやりを育てる・・大人が子供に教える共感力を育むヒント(長岡真意子執筆)
・いじめっ子を育てない方法:共感の初期のルーツ(マイア・サラヴィッツ執筆・TIME)
・子育て&教育ひと言コラム 伸芽’Sクラブ|子どもの共感力とは思いやり。子どもの思いやりを育てるには何が重要