ラージハート

非認知能力

なかなか友だちができない子…友だちづくりに役立つ5つの力とは?

更新日: 2023.01.04
投稿日: 2022.04.01

「新しい環境で友だちはできたかな」
「消極的なわが子が、友だちの輪に入れているか」

親なら誰でも持つ心配のタネですね。

いつもひとりでいるように見える子でも、必要な場面ではしっかりコミュニケーションを取っているものです。

それでも「うちの子は勉強をしないで、友だちと遊んでばかり」なんて話を聞くと、「うちの子はちょっと違うかも…」と不安になることもあります。

今回は、友だちづくりがちょっぴり苦手な子に必要な力や、親ができる働きかけについて考えてみましょう。

友だち作りが苦手な子…その特徴とは?

多ければよいというものでもないけれど、いなければいないで心配になる「友だち」という存在。

大人になれば、「親友が1〜2人いれば十分」「幼い頃の友だちは、そんなに長く続くものでもない」、ということは理解できますが、毎日幼稚園や保育園、学校に行くわが子を見ていると、もっと上手に友だちと関わってほしいと思ってしまいますよね。

当然ながら、子どもにも友達づくりが得意な子とそうでない子はいます。

では、友達づくりがあまり得意ではない子には、どんな特徴があるのでしょうか。

・自分から働きかけるのが苦手

・消極的な性格

・友だちを必要としていない(一人が好き)

自分から働きかけるのが苦手

自分から話しかけるのが苦手な子や恥ずかしがり屋の子、自分の気持ちを表現するのが不得手な子も、友だちづくりには時間がかかるかもしれません。

また、以前に「入れて」「一緒にやろう」と提案した時に、拒否された経験などがあり、気持ちが萎縮しているのかもしれません。

消極的な性格

友だちを作るには、「友達になりたい」「仲間に入れてほしい」という意思表示が必要です。

そのためには声をかける積極性や、自分の気持ちをオープンにする自己開示なども必要になります。

自分に自信がなかったり、相手に興味がないと、積極的に行動に移せないこともありますね。

友だちを必要としていない(一人が好き)

ひとりで何かに集中したい、自分のやりたいことがはっきりしている、ひとりで過ごすのが苦ではないという子も、実は多いようです。

こういうタイプは、必要なタイミングになれば友だちを作るでしょうし、同じ趣味の子や好みが似ている子と仲良くなる可能性が高いでしょう。

親は「友だちに囲まれた幸せそうなわが子」を想像していても、わが子が「ひとりでいる方が落ち着くタイプ」なら、少し様子を見ていても大丈夫かもしれません。

友だちづくりに役立つのは…5つの非認知能力!

明るくて誰からも慕われるリーダータイプ、思いやりがあって優しい子など、大人が考える「友だちがたくさんいる子」のイメージはありますよね。

しかし実際は、人と群れない自立心がある子や自制心のある子など、「生きていく力」が備わった子、つまり非認知能力が備わった子の周りには人が集まってくる傾向があります。

では友だちづくりに必要な5つの力とは、一体どんな力なのでしょうか…?

◯ 人の気持ちに寄り添う「共感力」

◯ お互いの気持ちをやりとりできる「コミュニケーション力」

◯ 自己主張ばかりをしない「自制心」

◯ 自分も相手も尊重できる「自己肯定感」

◯ 友だちに頼りすぎない「自立心」

人の気持ちに寄り添う「共感力」

共感力とは相手の気持ちに寄り添って、「そのとおりだな」「わかるわかる」と感じる力のこと。

大人のように的確な声がけはできなくても、「そうか、◯◯くんは嫌だったのか」「僕もそんな時あるな」といった、簡単な共感で十分です。

相手の立場に立った言動ができる子は、誰からも好かれ信頼されます。

お互いの気持ちをやりとりできる「コミュニケーション力」

コミュニケーションは、自分から相手へ、そして相手から自分への双方向のやりとりがとても大切です。

自分の意見を発信するだけ、相手の話を「うんうん」と聞いているだけでは、コミュニケーションは成立しません。

自分の気持ちを素直に表現できる、そして相手の言葉もしっかり聞く、これができれば子どものコミュニケーション力としては十分です。

自己主張ばかりをしない「自制心」

自分の思いを周囲に伝えることはコミュニケーションの基本ではありますが、自分の主張ばかりを通そうとすると、友だちは離れていってしまいます。

団体行動ではもちろん、1対1の付き合いでも、我慢をしたり、相手の話が終わるのを待ったり、自分を抑える「自制心」が必要な場面は多いのです。

我慢ができない子や必要以上に我が強い子は、もしかしたら自信がなくて声高に意見を発信しているのかもしれません。

自分も相手も尊重できる「自己肯定感」

「自分は大丈夫」と思える自己肯定感は、自信を持って生きていくための大切なスキル。

自己肯定感がしっかり育っている子は、自分のことも大切に思えると同時に、周囲の人のことも大切にできる子が多いのです。

小さな失敗や友だちとの言い合いがあっても、自分に対する自信があれば、軸がぶれずに堂々としていられます。

それが魅力となって、たくさんの友だちを引き寄せることになるでしょう。

友だちに頼りすぎない「自立心」

友だちがたくさんいるといいと思う反面、わが子が「友だちと一緒じゃないと何もできない」「人と群れるのが好き」になったら…と考えると少し心配ですね。

友だちとの楽しい時間は持ちながら、自分の好きなことに熱中するひとりの時間を持つことは大切です。

例えば誰かを仲間はずれにしたり、いじめっ子のグループがあっても、ひとりでいることが平気で「自立心」がある子は、その仲間に入らなくても不安な気持ちになりません。

また趣味や好きなことがある子は、視野も広く話に幅があるので、友だちを作りやすいでしょう。

友だちづくりを助ける、家庭での働きかけとは

もしわが子が「友だちができない」「友だちのつくり方がわからない」と言ってきたら…。

そしてちょっぴり思い悩んでいるようなら、何か家庭でサポートしてあげたいですね。

ここでは、友だちづくりを助ける家庭での働きかけについて考えてみましょう。

親子のやりとりを増やし、コミュニケーション力をサポート

相手に共感する気持ちや、友だちの思いを汲み取る優しさは、友だちづくりの基本。

子どもは言葉で表現する力が十分ではないかもしれませんが、

「◯◯が楽しかった(嫌だった)のね。今度はお友だちに、そう伝えてみようか」
「◯◯ちゃんは、悲しかったのかもしれないね。明日、大丈夫だったか聞いてみて」

など、大人が子どもの気持ちを代弁したり、相手を思いやる言動を促してみてもよいでしょう。

すぐには実行できないかもしれませんが、「嫌な時は嫌と言ってもいいんだ」「自分の意見は、やさしく・はっきり言うと伝わる」など、少しずつ共感する力力やコミュニケーションを学んでいきます。

また家庭内でも、「あいさつ」や「お礼」など言葉のやりとりをたくさんすると、子どもが言葉の力を実感でき、コミュニケーション力がアップしますね。

マイナス反応を封印し、子どもに自信を持たせる

自信があり、自己肯定感の高い子は、強い根を張った大きな樹木のような精神力を持っています。

人間関係で少し嫌なことがあっても不安になりにくく、精神が安定しているので、気持ちのコントロールもしやすいようです。

子どもが自己肯定感を持つには、親から受け入れられていることを実感し、「自分は今のままでいいんだ」「愛されているんだ」と安心できる環境が土台になります。

例えば子どもが失敗したり、予想外の行動をしても、「叱る」「文句を言う」「ダメ出しをする」といういつものマイナス反応をちょっと我慢してみましょう。

その代わりに、
「どうして失敗したと思う?」と、子どもの意見を聞いてみたり、
「びっくりしたけど面白かったよ」と、逆に褒めてみたり…。

頭ごなしに否定せず、「子どもも独立した人間である」ことを認めて尊重すると、子どもの自信につながります。

具体的なアプローチを提案してみる

例えば、

・困っている子を助ける。
・したい遊びに誘ってみる。
・共通の趣味や同じ持ち物など、共通項を持っている子に話しかける。

といった、わが子にもできそうな「友だちづくりの第一歩」を提案してみましょう。

公園などで親子一緒に遊ぶ機会があれば、お母さんやお父さんが話しかける見本を見せてあげてもいいですね。

小学生であれば、

・PTAに積極的に参加して、学校のことを子どもと共有する。
・仲良くなりはじめた友だちを家に呼んでみる。
・仲の良いお母さんやお父さんに頼んで、その子の家に呼んでもらうようにする。

といったサポートも可能です。

小さなきっかけから話が盛り上がったり、友だちの友だちという関係から仲良しに発展することもあります。

まずは肩の力を抜いて、小さな働きかけからスタートさせてみましょう。

まとめ

・友だちづくりに苦手意識のある子は、「自分から働きかけるのが苦手」「消極的」「友だちを必要としていない」といった特徴がある。
・友だちをつくるのに役立つのは、「共感力」「コミュニケーション力」「自制心」「自己肯定感」
「自立心」の5つの非認知能力。
・家庭での働きかけで、子どもに自信がついたり、コミュニケーション力がアップし、友だちづくりに積極的になれる。

編集部より

うちの子って友だちのことを聞いても「分からない」「知らない」と言ってくるし、積極的なタイプではないから自分から話しかけるのも苦手だから、学校や園で友だちいるのかな?と不安になってしまう親はたくさんいますよね。そんな時は、まず子どもの特徴をしっかりと捉えてみましょう。子どもからしたら友だちづくりは大きな勇気を出す一歩かもしれませんが、その行動をすることで非認知能力の成長にも繋がることが分かりましたね!そして一歩を踏み出してもらうためには親のサポートが必要不可欠です。たくさんコミュニケーションを取り、サポートしながら寄り添いましょう!

(参考文献)
・日経WOMAN | “友達力”をつけるためには「一人でいる力」も必要
・伸芽’s クラブ |子どもの友だち作りが上手くいかない…。苦戦するわが子に親がしてあげられるサポートは?
・あんふぁんweb | 困ったら増田先生に聞いてみよう! 放課後職員室

記事一覧に戻る

よく一緒に読まれている記事

無料で非認知能力を測定できます!

バナーをタップすると体験版の測定が可能です。

みらぼ

非認知能力を知ろう

非認知能力とは、IQや学力などとは異なり、社会で豊かにたくましく生きる力と言われる、挨拶・礼儀、リーダーシップ、協調性、自己管理力、課題解決力などのことです。園や学校の先生をはじめ、お子様がいるご家庭のママやパパにも注目され始めている能力で非認知能力を高める教育への関心度が高まっています。

  • 非認知能力とは?
  • 非認知能力が必要とされる理由
  • 非認知能力を高める5つの理由
  • 非認知能力を高める方法

非認知能力を知ろう

非認知能力とは、IQや学力などとは異なり、社会で豊かにたくましく生きる力と言われる、挨拶・礼儀、リーダーシップ、協調性、自己管理力、課題解決力などのことです。園や学校の先生をはじめ、お子様がいるご家庭のママやパパにも注目され始めている能力で非認知能力を高める教育への関心度が高まっています。

  • 非認知能力とは?
  • 非認知能力が必要とされる理由
  • 非認知能力を高める5つの理由
  • 非認知能力を高める方法

ラージハート公式Facebook