子どもに急増中「スマホ首」は万病のもと!今すぐできる予防&改善ストレッチ
投稿日: 2025.12.09
長時間のオンライン学習やスマホゲームの普及により、子どもの間で「スマホ首」(ストレートネック)が深刻な問題として増加傾向にあります。
単なる首の症状と侮ってはいけません。
放置すると、慢性的な肩こりや頭痛、集中力の低下など、学業や日常生活にまで影響を及ぼす可能性があると考えられています。
この記事では、スマホ首の具体的なサインから、今すぐ家庭でできる簡単な予防法、そしてスマホ首になってしまった時の効果的な改善ストレッチを解説します。
もくじ
子どもにも増加中の「スマホ首」のサインを知っておこう

近年、「スマホ首」(=「ストレートネック」)という言葉を聞く機会が増えました。
これまでは大人の生活習慣病のように扱われていましたが、今は小学生、さらに園の子どもたちにも広がっている症状として知られています。
背景には、スマホやタブレット、ゲーム機の普及だけでなく、学習のデジタル化や家庭での動画視聴の時間増加など、子どもたちを取り巻く生活環境の変化があります。
スマホ首ってどんな状態?

「スマホ首」(=「ストレートネック」)とは、うつむいた姿勢が続くことで、本来緩やかなカーブを描いている首の骨(頚椎)がまっすぐに近い状態になってしまったことを指します。
首の前傾角度が15度増えるごとに、首にかかる負担は2~3倍に増えると言われています。
例えば、15度前傾すると、首に約12kg、30度では約18kgの重さが加わると言われています。
ほんの少しうつむくだけでも、首や肩は自分の思っている以上の重さを支え続けることになるのです。
子どもに起こりやすい理由
子どもは骨格がまだ柔らかく、筋力も発達です。
大人に比べて首や肩への負担の影響が出やすく、姿勢が崩れやすいのが特徴です。
また、子どもは遊びや学習に集中していると、長時間同じ姿勢を取り続けてしまいがち。その結果、首や肩に負担が蓄積し、スマホ首につながってしまうことが多いと言われています。
スマホ首の主なサイン
スマホ首のサインとして、
・背中が丸く見える、猫背になってきた。
・動画視聴やゲームのあとは疲れた様子になる。
・長時間座っていると姿勢が崩れる。
・朝起きると首や肩が痛いと言う。
などが挙げられます。
特に低学年の子どもはまだ自分の体調を言葉で説明するのが難しいため、保護者が日頃から、子どもの様子に注意を払うことが大切です。
学校でのタブレット学習が増えている地域もあり、家庭と学校の両方でうつむく時間が増えている子どももいます。
成長期の姿勢は体の発育にも影響するため、早めの気づきと予防が大切なのです。
今日からできる! 家庭でのスマホ首予防法

スマホ首を防ぐには、日常の中の小さな工夫が大きな効果を生みます。
特別なアイテムや難しい運動は必要ありません。家庭で少し意識するだけで姿勢が変わり、スマホ首の予防に繋がります。
以下、家庭でできる予防法を紹介します。
正しい姿勢の基本は「目線の高さ」

うつむく姿勢が長く続くと、首に常に負担がかかります。
特に、机の上に平置きされたタブレットやゲーム機は、どうしても前かがみになりがちです。
そこでポイントになるのが、「画面を目線に近づける」という工夫です。
タブレットはスタンドを使うだけで姿勢が自然と立ちやすくなります。
スマホの場合は、手で少し高い位置に持つようにするか、クッションで角度をつけて見やすい高さに調整しましょう。
本や学習ドリルなら、ブックスタンドを使えば、顔を下げずに読む習慣がつきます。
椅子と机の高さを合わせる
座っているときの姿勢が崩れる大きな理由のひとつが、足が安定しないことです。
理想は、
「足裏が床につく」「膝は90度」「肘は机の高さに近い」
この3つがそろっていること。
小柄な子どもは椅子に座ると足がぶらぶらしてしまうことも多いので、踏み台を用意するだけで姿勢の安定感が大きく変わります。
踏み台は段ボールや低いスツールでも代用できます。
机の高さが合わない場合は、椅子の高さを調整したり、クッションを使ったりすることで姿勢を整えやすくなるでしょう。
30分に1回は「姿勢リセット習慣」を
どんなに正しい姿勢で座っていても、集中すると前かがみになったり、同じ姿勢を続けたりしてしまいます。
そこでおすすめなのが、
「30分に1度、姿勢リセットをする習慣」
です。
タイマーをセットし、時間が来たら「背中を伸ばす」「肩回しをする」「立ち上がって1分だけ歩く」といった簡単な動作を行うことで、首・肩の負担が大幅に減ります。
短時間でも、体の緊張が取れて集中力もアップするため、勉強の効率向上が期待できます。
寝転び・うつ伏せ姿勢を避ける
子どもがスマホを見るときに多いのが、うつ伏せや横になった姿勢です。
しかし、この体勢は首を不自然に曲げ続けることになり、スマホ首になりやすい代表的な姿勢です。
「画面を見るときは、椅子に座る」
これを子どもと約束すればOK。
小さな約束でも、毎日の積み重ねで大きな変化につながります。
保護者ができる声かけの工夫
子どもに「姿勢を正して!」と言っても、なかなか効果が続きません。
大切なのは、優しく・短く・具体的に伝えることです。
×「姿勢悪いよ!」→⚪︎「おへそが上を向いてるかな?」
×「気をつけて見なさい!」→⚪︎「あと5分したら体のびのびしようね」
叱るのではなく、姿勢を直しやすい環境と声かけを意識することが、予防につながります。
「スマホ首かも?」と思ったときにすべきこと

もし「最近姿勢が悪いな」「首や肩の痛みを言うことが増えた」と感じたら、まずは家庭でできる対処から始めましょう。スマホ首は、多くの場合、軽いストレッチや姿勢改善を意識することで良くなっていくと言われています。
おうちでできる簡単ストレッチを
朝起きたときや寝る前、スマホやパソコンを使った後などに行いましょう。
・首を左右に回す:顔を正面に向けたまま、首をゆっくりと左に回し、耳が肩に近づくようにします。同じように、首を右に回します。これを10回ずつ繰り返します。
・首を前後に曲げる:顔を正面に向けたまま、首をゆっくりと前に曲げ、あごが胸に近づくようにします。同じように、首を後ろに曲げ、顎を上に向けます。これを10回ずつ繰り返します。
・首を横に傾ける:顔を正面に向けたまま、首をゆっくりと左に傾け、耳が肩に近づくようにします。同じように、首を右に傾けます。これを10回ずつ繰り返します。
肘を回す: 肘を曲げて肩に指をつけ、肩甲骨を寄せるイメージで肘をゆっくりと回します。10回行い、逆方向も同様に行います。
肩甲骨を寄せる:椅子に座り、背筋を伸ばして両手を腰に当てます。肘を後ろに引き、胸を張るように肩甲骨を寄せ、10秒キープします。
壁を使って背筋を伸ばす: 壁の前に立ち、「頭・背中・お尻・かかと」を壁につけます。その後、お尻とかかとを少し離し、背筋がまっすぐになるように10秒キープします。
姿勢改善は習慣の積み重ねを意識して
姿勢は毎日の習慣で決まります。 そのため、すぐに良くなるわけではありませんが、
· 画面の高さを正しく調整する。
· 足がしっかりつく椅子を使う。
この3つを日々くり返すことで、多くの家庭では1~2週間ほどで子どもの姿勢に変化が見られ、スマホ首の改善につながると言われています。
次のような場合は、整形外科や小児科の受診を検討してください。
· 首や肩の痛みが慢性化している。
· 寝つきが悪い、寝起きに首が痛い。
· 風邪等でないのに、頭痛が週に何度もある。
· 手や腕にしびれる感じがある。
· 姿勢を正しても、すぐに首が前に落ちる。
「痛みが続く」「しびれがある」「普段と違う姿勢が続く」のいずれかがあれば、早めに医療機関に相談するのが安全です。
今の時代だからこそ、子どもの姿勢を守ろう
デジタル機器は、子どもたちにとって学びにも遊びにも欠かせない存在です。
しかし、便利さと同時に、姿勢に負担がかかりやすいという側面もあります。
スマホ首は、スマホを“使うことそのもの”が悪いのではなく、「使い方」と「姿勢」が大きく影響します。
机や椅子の高さを整える、画面を目線に近づける、30分に1回体を動かす、寝転び姿勢を避ける——こうした小さな習慣が、子どもの体を守ります。
今日からできることはたくさんあります。
ぜひ、家庭で無理のない形で正しい姿勢の習慣を整え、スマホ首を予防していきましょう。
・「スマホ首」は大人だけでなく子どもたちの間にも広がっている。
・日々の姿勢や学習習慣、デジタル機器を使う際の環境を見直すことで、スマホ首予防はできる。
・気になる症状が続いたら、早めに医療機関に相談を。
参考文献)
「子ども要注意 ストレートネックとは? スマホ・ゲーム原因も」(出典:いこーよネット)
「激痛が走る“スマホ首” 子どもは要注意 現代人の約8割が発症 医師に予防法を聞いた」(出典:FNNプライムオンライン)「
「急増!子どもの“スマホ首・肩こり”を予防するストレッチ」(出典:きのこらぼ)
「子どもの「スマホ首」を防ぐ!テキストネック症候群の実態と親ができる5つの対策」(出典:桃谷うすい整形外科)
「スマホと子供の健康|頭痛・スマホ首etc 脳神経外科スタッフの親心」(出典:けやき脳神経リハビリクリニック)
「スマホ首とは?」(出典:大正製薬)










