子どものスマホ、みんなはいつから?スマホデビューのタイミングと注意点
投稿日: 2025.06.03

子どもにいつからスマホを使わせるか、親としては悩みますね。
学童や習い事の行き帰りの連絡もつきやすく、「持たせた方が安全?」と思うこともあれば…。
「スマホ依存になったらどうしよう…」「ネットいじめに遭わないか」と心配も増えます。
子どものスマホ使用の現状をデータで見ながら、子どものスマホに関して考えてみましょう。
もくじ
いつからスマホを持ち始める?
NTTドコモモバイル社会研究所が全国の小学生および中学生とその親を対象に行った「2024年親と子の調査」(回答数1300)によると、年々「未所有」や「キッズケータイ」の数値は減少し、スマートフォンの所有率が上昇傾向にあるといいます。
特に小学4年生〜6年生のスマホ所有率は、コロナの影響か2021年から急激に上昇し、2024年には初めて「自分専用のスマホを持っている子ども」が半数を超えました。
つまり小学校高学年になると2人に1人がスマホを持っていることになります。
また2024年の中学生のスマホ所有率は87%と、90%近くの子どもが自分のスマホを所有しているという結果に。
では、いつからスマホを持ち始める子が多いのか、グラフで見てみましょう。
(NTTドコモモバイル社会研究所調べ)
小学2年生のスマホ所有率が13%なのに対して小学3年生のスマホ所有率は29%まで上昇し、3人に1人がスマホを所有していることになります。
そして、次に所有率が大きく上昇しているのが小学5年生から6年生になるタイミングです。5年生で41%だったものが、21%増えて、62%になり、6年生になると半数以上の子がスマホを持っていることになります。
以前は「塾に通い始める4年生」「中学に進級するタイミング」など、節目に「はじめてのスマホ」を持たせる傾向があったのですが、少しずつ若年化が進んでいるようです。
また基本的にネットに繋がらず、アプリの追加もできないキッズ携帯は安全かつセキュリティ面で心配が少ないため、初めて携帯を持つ子にはよい選択といえるでしょう。
しかし、年々「友だちと連絡が取りづらい」「機能が少なすぎる」などの理由で子どもからはスマホを望む声が高まり、2022年にはキッズ携帯よりスマホを持つ小学生の方が多くなっているようです。(NTTデータモバイル社会研究所調べ)
「子どもがスマホを持つ」ことで、保護者が抱く不安
子どもにスマホを持たせることに対して、保護者はどんなことを心配しているのでしょうか。
保護者の不安な声をいくつか紹介しましょう。
スマホは子どもが楽しめるゲームやSNSの宝庫なので、自分のスマホを持ったら夢中になることは目に見えてる。早くからスマホを利用すると、依存症になりやすいと聞いたこともあるし、勉強にも影響しそうで心配。(小学3年・男子)
先輩ママ友いわく、メッセージアプリやSNSを始めると友だちとの関係が微妙になる子が多いらしい。学校では普通に話しているのに、夜のLINEは自分が入っていない別グループができていたり…。嫌な思いをするくらいなら、まだ持たせない方がいいかなと思っている。(小学4年・女子)
ゲーム実況のYouTubeにハマっている息子は、スマホを持ったら課金したりグッズを買いそう…。小学生でも推し活で破産する子がいるというニュースを見るけど、大丈夫かな。(小学5年・男子)
K-POPが大好きな娘は、家族用のタブレットで知らないファンの人たちと楽しくやり取りをしている様子。知らない人とつながることに抵抗がなくなると、スマホを持った時に犯罪に巻き込まれたりしないか心配。(小学5年・女子)
今は家族のタブレットやゲーム機を使ってゲーム時間を過ごしていますが、終わりの時間が守れず、親子で言い合いが日常茶飯事。自分のスマホを持ったら、もっと「ゲーム時間」や「使い方」で喧嘩になりそう…。(小学2年・男子)
子どもにスマホを持たせる時、親が注意すべきこととは
スマホをいつ持たせるのか…、それは家庭の事情や習い事、連絡手段の有無などにより、変わってきます。
いろいろな不安があるなかで、トラブル回避のために親ができるポイントを紹介します。
○ ダウンロードするアプリを選ぶ
○ フィルタリングサービスは必ず利用
○ スクリーンタイム機能を活用する
○ 親子で決めた約束は必ず守る
ダウンロードするアプリを選ぶ
お絵描きアプリや学習系のアプリなど、子どもの知的好奇心を刺激するアプリは、ダウンロードしてもOK。
また子ども向けの動画視聴アプリやオフラインのゲームアプリであれば、時々保護者がチェックをすることを条件にダウンロードしても大丈夫でしょう。
LINEなどのメッセージアプリは、基本的には家族間の連絡のみにした方が安全。
友だち同士で「メッセージを送りたい」と言われたら、必要な時に親がチェックをすることを条件にするなど、子どものスマホのやり取りを放置しないことが前提です。
またTikTokやInstagram、FacebookなどのSNS、見知らぬ人とプレーするオンラインゲームは他人とつながってしまう可能性があり、犯罪に巻き込まれてしまう可能性が高まるので、小学生のうちはアプリの使用を制限した方がいいでしょう。
フィルタリングサービスは必ず利用
スマホキャリアの各社が提供する「あんしんフィルター」と呼ばれるサービスを利用しましょう。
フィルタリングの強度は各自で設定できるので、使い始めのうちは「強」に設定するのがおすすめ。
子どもの成長や利用状況とともに強度をゆるめたり、使える機能を増やしたり、定期的に更新していくといいですね。
フィルタリングサービスを利用すると、子どもの位置情報を保護者が確認できるのも安心です。
スクリーンタイム機能を活用する
スクリーンタイム機能は、iPhoneやAndroidなどのスマホそのもので設定するものです。
親子でiPhone利用の場合は「ファミリー共有」を設定することで、またAndroidの場合は親のGoogleアカウントから子どもの利用状況を管理・制限することができます。
スクリーンタイム機能を利用すると、アプリごとに利用時間を制限できたり、不適切なウェブサイトを閲覧できなくしたり、課金を制限したりできます。
スマホを持たせるタイミングで時間制限をかけることを子どもに伝え、お互い納得のうえでスクリーンタイム制限をかけましょう。
フィルタリングサービス同様、子どもの年齢や利用状況に応じて、スクリーンタイム制限を見直すといいですね。
親子で決めた約束は必ず守る
「ゲームは1日1時間、SNSは30分」「自室に持ち込まず、使うのはリビングで」「友だちとのLINEは親に時々見せる」など、スマホ使用の約束は必ず最初に決めましょう。
そして「約束を破ったら1週間預かる」「使いすぎた分だけ利用時間を減らす」など具体的なペナルティを決めて、それを実行することも大切です。
約束を守らせようと、ガミガミ叱る必要はありません。
親は静かに見守り、約束を守れなかった時に必ずペナルティを発動すれば十分です。
親が口ばかりだと「約束を破っても使わせてもらえる」「ペナルティなんて無いようなもの」と子どもが感じてしまいます。
子どもが約束を軽く見るようになる前に、大人が「約束を守る」ことを迷わず体現しましょう。
「子どもにスマホを持たせるべき?」よくあるお悩みを紹介
子どものスマホに関しては「持たせた後はどうなるのか」、保護者にも迷いや疑問がありますよね。
世のお母さん・お父さんは、どんなことに悩んでいるのでしょうか。
A:キッズ携帯は安全性に重きを置いた携帯電話です。GPSで居場所が確認できたり、防災ブザーが搭載されていたりと安心な機能が搭載されている一方、インターネットやSNSの利用が制限されているため、友だちとトラブルになったり、知らない人とつながる可能性は低いでしょう。一方スマホはネットにもつながり、SNSも閲覧できてゲームもできるなど、高性能な携帯電話。最初はキッズ携帯から持たせ始め、時期が来たらスマホに変えるなど段階的に利用するのがおすすめです。
A:「自分の部屋に持ち込まない」「食事中は使わない」などのスマホルールを決め、ダラダラと使わせないように気をつけましょう。同時に、積極的に親子の時間を作ることも大切です。スマホを悪者にするのではなく、上手な付き合い方を教えるのも親の役目かもしれません。時には親子で面白いアプリを教えあったり、一緒にゲームをしてみたり…スマホを真ん中にして親子で楽しむ時間を作ってもいいでしょう。
A:フィルタリング機能やペアレントコントロール(保護者の管理・制限機能)を必ず利用して、子どもが勝手に課金したりSNSに投稿できないようにしましょう。「知らない人と連絡を取らない」「自宅や学校がわかるような写真を送らない」など、スマホを持たせる前にネットリテラシー意識を持たせることも大事。また定期的に利用状況を把握することも有効です。この時、親が「チェックする」というよりも、「一緒に確認しよう」という意識で行いましょう。
A:初めてスマホを持たせる時は、「ルール設定」「ペアレントコントロール」「意識の共有」など、強い介入が必要になります。使い方を観察しながら、少しずつ段階的に介入を弱めていくのがベスト。大切なのは、何か困った時に「保護者に相談できる信頼関係」をつくっておくことです。現代の子どもたちはスマホと生涯付き合っていく世代。子どもが賢く上手にスマホと付き合えるように、最初の一歩を慎重に踏み出しましょう。
スマホの「上手な付き合い方」を身に付けよう!
今や小学校高学年の半数がスマホを持つ時代になりました。
近い将来、ほとんどの小学生がスマホを持つようになり、友だちと意思疎通をしたり、自分自身で情報発信をしたり、自己表現のツールとして利用するようになるでしょう。
スマホを持つことで、
○ 親子で連絡がつきやすくなる
○ 親子・友人とのコミュニケーションが増える
○ 調べ学習の習慣が身に付く
○ 情報の活用ができるようになる
など、メリットもたくさんあります。
多くの子どもたちがスマホを持っていますが、誰もが依存症になる訳ではありません。
子どもがスマホと上手に付き合うためには、
・ネットやSNSの怖さや危険性を伝える
・人をいじめたり、友だちの悪口などネガティブな使い方は禁止
・親がスマホとの付き合い方の見本を見せる
・困った時はまず親に相談できる関係性をつくる
など、スマホを持つうえで気をつけるポイントを親子で理解し、実行することが大切です。
子どもの個性や成長に見合ったタイミングを見極めて、子どものスマホ生活をスタートさせられるといいですね。
・2024年の調査で初めて小学校高学年のスマホ所有率が半数を超え、中学生になると90%近くがスマホを持っている。
・スマホ依存や高額請求、友だちとのトラブルなど、スマホを持つことで起こる問題に多くの保護者は不安を持っている。
・スマホ所有が避けられない現代、スマホとの「付き合い方」を身につけることが大事。
(参考文献)
・NTTドコモモバイル社会研究所 | 【子ども】スマホの所有率 小学生高学年 昨年比+10ポイントを超える(2025年1月30日)
・HugKum | 子どもにはいつスマホを持たせる?「連絡手段として必要」「トラブルが怖い」500人のママパパのポジティブ・ネガティブ意見をご紹介
・TONE | 子どもに携帯・スマホはいつから持たせるべき?200人の親に聞きました
・みらいいメディア | 子どもにスマホ、いつから持たせる?起こりうるトラブルや対処方法についても解説
・Rakuten Mobile | キッズ携帯のおすすめの選び方は?機能はスマホとの違い、利用時の注意点
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実用書の編集・ライティング、人物インタビューを中心に活動中。子育てや街紹介のポータルサイトでは1000件以上の学校や教育施設、子育て支援施設を取材。「学業とスポーツは必ず両立する」を信条に、息子2人を大学まで野球漬けに育てあげる。趣味は、はた織り・耳かき・スポーツ観戦。好きな言葉「中庸」。