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非認知能力

子どものやる気を引き出す! 大人のコーチング・テクニックを鍛えよう

更新日: 2023.12.06
投稿日: 2023.11.28

知識や情報を子どもに教えるティーチングではなく、子ども自らが答えを見つける手伝いをする「コーチング」は、今、子育ての分野でも注目されています。

その背景には、「自発的に行動できる子」「主体的に学べる子」を育てたいという保護者の思いがあるのかもしれません。

そしてコーチングでやる気を引き出せれば、自立心や自制心、忍耐力、思いやりなど多くの非認知能力も育てることができるでしょう。

今回は保護者や大人のコーチング・テクニックを鍛えて、子どものやる気や熱意を引き出す方法を一緒に考えていきましょう。

コーチングとはなにか


コーチングは、相手の自発的な行動を引き出すコミュニケーションスキルのひとつ。

もともと「馬車」を意味する言葉で、「人を目的地まで連れて行く」「導く」ことからスポーツなどを教えるコーチもそう呼ばれるようになりました。

コーチングは古くから人材育成や目標達成のために、ビジネスやスポーツの分野で使われてきた手法で、受験や試験など明確なゴールが決まっている時は、子どもにもこの手法をそのまま当てはめても有効です。

そして子育てのように具体的なゴールがない場合でも、コミュニケーション・ツールとしてコーチングを取り入れることで、子どものやる気や前向きな気持ちを引き出すことができます。

まずは子どもの話をよく聞き、「子どもが自分で答えを導き出せる」と大人が信じることが第一歩。

そして子どもに質問をしたり、共感をしたり、反対に保護者の気持ちを子どもに伝えることで、子どもは自分と向き合い、考えをまとめて、自主的に行動できるようになっていきます。

まずはコーチングとティーチングの違いから見ていきましょう。

コーチングとティーチングの違いとは?


一般に「ティーチング」は、保護者や教える側の知識や情報を相手に伝えて、指示や指導することです。

例えば保護者が昔やっていたスポーツを子どもに教えたり、勉強を見てあげるのはティーチング。

ティーチングでは教える方が上、教えてもらう方が下という上下関係が生まれます。

また教える側の知識や情報の限界が、教えられる側の限界になりがちです。

反対に「コーチング」は答えを与えるのではなく、本人に考えさせ、答えを引き出すやり方。

保護者や教える側は「正解は子どもの中にある」と考え、子どもから話を聞いたり質問をしながら、子どもが自分で答えを見つけるのをサポートします。

保護者と子どもは対等な立場で一緒に考え、子どもが自発的に行動したり、答えを出すまで待つので時間がかかります。

ティーチングとコーチングのメリット・デメリットをまとめると…

⚫️ティーチングのメリット⚫️
・時間をかけずに答えが出せる
・子どもの情報量や知識が増える
・親子で共通認識を持ちやすい
⚫️ティーチングのデメリット⚫️
・自分で考える力が育ちにくい
・指示を待つ子になりがち
・教える側の知識や情報量の限界が子どもの限界になってしまう
⚫️コーチングのメリット⚫️
・子どもの自主性が育つ
・問題を解決する力がつく
・フラットな親子関係が築ける
⚫️コーチングのデメリット⚫️
・結果が出るまで時間がかかる
・保護者に忍耐力やコーチングの知識が必要

どうしたら子育てにコーチングを活かせるか?


では実際に子育てにコーチングを活かすには、どうしたらいいのでしょうか。

ここでのポイントは、子どもが保護者を自分の「理解者」「味方」だと感じて、じっくりと自分自身に向き合えるようになること。

子どもとの信頼関係を構築するコーチングのやり方は4つ。

○ 子どもの話を聞く
 
○ 子どもに質問する
 
○ I(アイ)メッセージを伝える
 
○ 子どもに共感する
 

子どもの話を聞く

まずはとことん子どもの話を聞いてみましょう。

アドバイスをしたり、意見を言ったり、話を遮るのはとりあえず我慢して、ここはとにかく耳を傾ける「傾聴」に徹します。

「ただ聞く」だけだと、子どもは「本当に聞いてるのかな…」と不安になるので、相槌を打ち、時には「そうだよね」「わかる」などと合いの手を入れながら真摯に耳を傾けるのがコツ。

新しい発見があれば「そうなの?」「知らなかった」「それでそれで」などと、こちらが興味を持っている様子を見せたり、楽しそうに聞いてみましょう。

じっくり話を聞いてもらえると、子どもは「受け入れてもらえた」と安心でき、話しながら頭の中が整理されて、自分の考えや感情をまとめることができます。

子どもに質問する

子どもへのコーチングは、「話を聞くこと」と「質問をすること」が大切なポイントになります。

子どもは質問されることで、答えを出そうと自分の気持ちや考えを深く掘り下げていくからです。

子どもに「どんな気持ちだったか」「なぜそう思ったか」「何かアイデアはあるか」など、考えを進めやすいように色々な角度から質問すると、子どもが考えを深める助けになります。

この時、矢継ぎ早に質問攻めにするのではなく、ゆっくり考える時間を確保してあげるのがポイント。

「今日の学校は楽しかった?」「宿題はいつやるの?」など、答えが「Yes / No」や簡単に答えられる質問はなるべく避けると、子どもの考える習慣が身につきますね。

I(アイ)メッセージを伝える

I(アイ)メッセージとは、感じたことを正直に伝える私(アイ)が主語のメッセージのこと。

・私はあなたの話を聞いて楽しかった
・学校のことを話してくれて嬉しい
・約束を守ってくれなくて悲しい

など、保護者がどう感じたかをストレートに言葉にして話してみましょう。

この方法だと、子どもを否定せずに保護者がどう感じたかを伝えることができます。

そして子どもが相手の感情を想像して、人の気持ちを汲み取る練習にもなります。

気をつけなければいけないのは、「忘れ物をしたなんて、私は残念だわ」「テストの点が下がってがっかりした」など、Iメッセージのように見せかけて、結局子どもを思い通りに動かそうとしたり、子どもを否定するメッセージを伝えてしまうこと。

子どものやる気や前向きな気持ちを奪わないよう、あくまでも保護者の純粋な気持ちを話すようにしましょう。

子どもに共感する

共感すると聞くと、「なにがなんでも子どもに賛成する」「全部を受け入れなくてはいけない」と思うかもしれませんが、難しいことは必要ありません。

子どもが考えたことに対して、「そうか」「あなたはそう感じたんだね」と事実をそのまま受け止めるだけで十分です。

子どもが「つらかった」と話したら、「そうか、つらかったんだ」。
子どもが「わからない」と言えば、「そうだよね、わからないよね」

とオウム返しをするだけで、子どもは「共感してもらえた」「受け入れてもらった」と感じます。

鋭い指摘やアドバイスをするよりも、話の語尾を単に繰り返す方が子どもの信頼を得やすく、「自分の考えを話そう」と思えるでしょう。

また子どもの様子をよく観察して、子どものペースに合わせることも大切。

例えば子どもがゆっくり話している時は、保護者もゆっくりと質問したり。

子どもが低めの声でボソボソと話している時は、保護者の声のトーンも落とすなど、その場の空気に合わせて話を聞くと子どもも話しやすくなりますね。

コーチングを親子のコミュニケーション・ツールに!


ここまで見てくると、親子間のコーチングがそんなに難しい手法ではないことがわかってきますね。

「答えは子どもの中にある」と信じて、それを見つけ出すサポート役になれば、子どもは自然と自分で考えるようになります。

保護者が懸命に自分の知識や経験を伝えようと思っても、どうしても限界が訪れてしまうもの。

そして、これまでの「知識を身につける教育」だけでは、近い将来、立ち行かなくなるのは目に見えています。

子ども自身が考えて、自ら答えを見つける習慣がつけば、将来にわたって自主的・能動的・積極的に行動できる大人に育つはずです。

日常的に「話をじっくり聞く」「考えを尊重し合う」「質問する」というやりとりが親子間にあれば、子どもは自信を持ち「自分にはできる!」と感じられますね。

そして「やる気」「前向きな気持ち」「情熱」がふつふつと湧き上がってくるでしょう。

子どもが持つ力を引き出す「コーチング」を、わが家のコミュニケーション・ツールとして役立ててみませんか。

まとめ

・保護者が子どもに知識を教える「ティーチング」ではなく、子どもが自ら答えを導き出せるようにする「コーチング」が注目されている。
・コーチングはビジネスやスポーツの分野で使われてきたが、親子間のコミュニケーション手法としても有効。
・大人は「子どもの話を聞く」「質問する」「アイメッセージを伝える」「共感する」ことで、子どもが自分で考え、答えを導き出すのを手伝う。
・日常的にコーチングをしていると、子どもは否定されることがないので、自信を持ち積極的な行動パターンになる。

(参考文献)
・生活協同組合コープ | らいふジャーナル こどもの能力を引き出すコーチング
・日本親子コーチング協会 | コーチングとは
・見守る子育て | 子育てコーチングとは?自主性を引き出す3つの方法
・RiseMom  リセマム | コーチングの枠組みから学ぶ、伸ばす子育てと親子対話のコツ
・キミノスクール | 子育てコーチングを用いたお子様との対話テクニックとは

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