スポーツ後のクールダウンを習慣にして、体への負担を減らそう!
更新日: 2025.01.16
投稿日: 2025.01.17
スポーツをする前の「ウォーミングアップ」は、怪我防止やパフォーマンスアップのためにスポーツ教室や部活動でも行うところが多いでしょう。
しかしスポーツ後の「クールダウン」はどうでしょうか。
見過ごされがちなクールダウンですが、体の熱をゆっくりと発散し、筋肉や心肺機能を静かな状態にするため、スポーツ後の体の負担軽減に有効です。
また体だけでなく、気持ちを落ち着かせてメンタルも整える大切なプロセス。
今回はクールダウンの重要性やその方法について紹介します。
もくじ
クールダウンとはなにか?
クールダウンとはスポーツや体を動かした後に、高くなった体温や心拍数を元に戻し、興奮状態になった体を静めることをいいます。
ウォーミングアップに比べると認知度も高くなく、省略されがちなクールダウンですが、スポーツ後にしっかり行うことで「疲労回復」や「ケガの予防」などが期待できます。
運動をした後に急に動きを止めてしまうと、それまでスムーズに流れていた血液が心臓や脳に戻りにくくなり、めまいや吐き気を起こすこともあります。
クールダウンにはそれらの不調を防ぐ目的もあるのです。
また激しい運動の後は白血球が減るため、一時的に免疫力が低下するといわれます。
クールダウンをしっかり行うことで体温変化をゆるやかにし、風邪や体調不良を予防することもできるでしょう。
つまりクールダウンは運動後の体への負担を軽減し、疲れた体を早く元に戻すための大切なプロセスなのです。
クールダウンを習慣化すると、なにがいいのか?
運動後にクールダウンをすることで、どんな効果が期待できるのでしょうか。
○ 疲れた筋肉の回復
○ 硬くなった筋肉を柔らかくする
○ ケガの予防
○ 運動後の体のバランスを取り戻す
○ 気持ちがリラックスする
疲れた筋肉の回復
筋肉運動の後には、乳酸やアンモニア、二酸化炭素などの「疲労物質」が体内に蓄積されます。
これをそのままにしておくと筋肉の疲労が取れづらくなるので、なるべく早く体の外に排出するのが望ましいのです。
クールダウンをすると、この疲労物質の体外排出を促すため、運動後の疲労感が軽減し疲れが残りにくくなると言われます。
硬くなった筋肉を柔らかくする
スポーツの後は疲労物質が筋肉の中に蓄積されるため、運動前よりも筋肉が硬くなる傾向があります。
また運動によって高まった血流が、運動後に急激に低下することも、筋肉が硬くなる原因だと言われます。
筋肉が硬くなるとケガや筋肉痛の原因になりやすく、オスグッド(成長期に多い膝の痛み)やシーバー病(踵の成長痛)につながることも…。
クールダウンをしっかり行うことで、スポーツ後に硬くなった筋肉をほぐし、柔軟性を取り戻すことができます。
ケガの予防
クールダウンをすることで筋肉中の疲労物質を早く排出し、硬くなった筋肉をゆるめて柔軟性を回復させられます。
そうすることで、運動中に傷ついた筋組織への修復が進み、筋肉のリカバリーができるためケガの予防にもなります。
運動後の体のバランスを整える
スポーツの後は、脳などから筋肉を収縮させる信号が出て太い筋肉の線維が細い筋肉の線維をたぐり寄せて筋肉が短くなるため、筋肉が収縮した状態になります。
そして心拍数や血流、呼吸などが急激に変化するため、体全体のバランスが崩れがちです。
クールダウンは、そのバランスを整えてくれます。
またフル稼働していた心臓の動きをゆっくり元に戻し、循環器系・呼吸器系を守る役割もしています。
気持ちがリラックスする
運動をしている時は体が戦闘状態になり、「交感神経」が活発になります。
運動が終わり、ジョギングやストレッチでクールダウンをすることで気持ちが落ち着き、「副交感神経」が優位になります。
副交感神経が優位になると心身ともにリラックスするため、その効果から筋肉も柔らかく、しなやかになります。
なにをすればいい?クールダウンの方法とは
クールダウンは、少しずつ心拍数を下げる有酸素運動とストレッチを組み合わせて行います。
決められた方法はありませんが、基本的な手順を紹介します。
② 気持ちが落ち着くまでゆっくり深呼吸をして、呼吸を整えます。
③ 反動をつけない静的なストレッチで、よく使った部位や特に疲れている部分を1箇所30秒程度、息を吐きながらゆっくり伸ばします。
④ 最後に深呼吸をしたり、ポーズを決めて終わると精神的な「締めくくり」になり、達成感や満足感が得られるでしょう。
取り組むスポーツの特性によって、子どもの体の負担を減らせるようなメニューを加えてもいいですね。
クールダウンを行う際のポイントは、
○ できれば雨や風などが当たらない屋根のある場所で行う。
○ 気持ちを落ち着かせるため、静かな場所や他のチームと離れたところで行う。
○ 子どもが寒さを感じているようなら、早めに終わらす。
○ 長くても30分以内で終わるように、子どもの年齢などによって調整する。
などに気をつけて行うと、より効果が期待できるでしょう。
大切なのは「重要性の理解」と「習慣化」
子どもの筋肉はもともと柔らかいといわれますが、運動後にしっかりクールダウンすることで疲労を持ち越さずに、ケガを予防することができます。
子どもの場合、特に成長期とも重なっているため、油断せずにケアをして痛みや不調を出さない工夫が必要です。
そのためには大人がクールダウンの重要性を理解して、毎回運動後にクールダウンをする習慣を身につけることが大切。
「クールダウンすることで自分の体を守ることができる」「パフォーマンスが向上する」「ケガが予防できる」ことを子どもに伝え、積極的に声かけをしたり、大人も一緒にクールダウンするなどの行動が鍵になるはずです。
一生付き合っていく体を大切に扱う習慣は、子どもの生涯の健康を支えてくれるでしょう。
・ウォーミングアップに比べて、見過ごされがちな「クールダウン」はケガの予防や疲労の早期回復に有効。
・運動後にクールダウンをすると、硬くなった筋肉がほぐされて気持ちもリラックスする。
・クールダウンは運動後、体が温かいうちに始めて30分程度で終わらせるのがポイント。
・運動後のクールダウンを習慣化すると、子どもの体の健康を守ることができる。
(参考文献)
・グリコ | ウォーミングアップ・クールダウンは重要!知っておきたい方法や効果
・名古屋オーシャンズフットサルスクール | 子どもでもクールダウンは重要!ケガをしないために知っておきたい方法とその効果
・サカイク | 試合や練習後のクールダウン、しっかりできていますか?