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【2024年最新!】外遊びをさせない方が危険!子どもが熱中症にならないために知っておくこと

更新日: 2023.06.09
投稿日: 2024.07.02

【2024年最新】外遊びをさせない方が危険!子どもが熱中症にならないために知っておくこと

日差しが強くなるこれからの時期、気をつけたいのが熱中症です。
近年、子どもの熱中症を心配して外遊びを極力させない保護者もいるようですが、それは本当の意味での熱中症対策になっていないこと、知っていますか?
ふだんから、時間や場所を選んで外遊びをしている子どもたちのほうが、熱中症になりにくいのです。
この記事では、熱中症になりにくい体づくりと外遊びの必要性について紹介します。

熱中症が心配で、子どもに外遊びをさせないのは逆効果

日差しが強い夏の季節になると、子どものスポーツや運動、遊びといったシーンで心配になるのが熱中症。
重度の場合は命に関わることもあることから、子どもの熱中症を心配して「外遊びをさせない」という保護者も少なくないようです。

しかし、外遊びは、子どもの体力や気力、自律神経の発達や精神的な発達に欠かせませんし、将来的にメタボリック症候群の予防にもなるといわれています。
また、友達と外遊びすることで協調性など非認知能力が養われ、ストレス発散の手段としても、非常に有用です。
日頃からの外遊びで汗をかく習慣をつけ、暑さになれることで体温調節機能を向上させ、熱中症の予防にも役立ちます。
熱中症や外遊びの正しい知識を知って、夏に備えましょう。

熱中症に備えるためにも、子どもの外遊びは大切


わが子の熱中症を心配するあまり、暑い時期に外遊びを控えたくなる保護者の方の気持ちもわかりますが、クーラーが効いた部屋で1日を過ごす日々を続けていると、子どもは暑さになれることができず、かえって体調を崩しやすくなることもあります。
外遊びで汗をかくことは、基礎代謝、体温や血圧の調節能力、脳・神経系の働きといった、自律神経機能の向上につながります。
自律神経の発達は、身体的な調整機能だけではなく、子どもの意欲や自発性などに影響を与えます。
熱中症に備えるためにも、本格的に熱くなる前の時期から、子どもの外遊びは大切です。
遊ぶ時間や場所に注意し、熱中症予防グッズを上手に活用しながら外遊びを取り入れたいものです。

梅雨明け前にも熱中症になる人が多い?

まだ真夏ではなく、気温もそれほど高くない梅雨明け前の時期は、「まだ熱中症対策は大丈夫」と油断してしまいがちですが、暑さに体が慣れておらず、熱中症になるリスクがあります。

・連日、雨が降り続いて、急に晴れた日
・梅雨明け直後
・前日気温が低く、翌日気温が上がった日

このような日は、子どもの体調を注意深く見守りましょう。

子どもは大人よりも暑さを感じやすい

子どもは体温調節が未熟で体の水分量が多く、大人より多くの水分を必要とします。
また、背が小さいため地面からの熱の影響を受けやすく、大人よりも暑さを感じやすいといえます。
ただ、自分では水分不足や熱中症の症状を感じにくく、とくに小さな子どもは初期症状からあっという間に症状が進行してしまうこともあります。
親や周りの大人が十分見守ることが必要です。

暑熱順化の大切さ

「暑熱順化」という言葉、知っていますか?
暑熱順化とは、体が暑さに慣れること。
暑熱順化がすすむと発汗量や皮膚血流量が増加し、体の表面から熱を逃がす「熱放散」がしやすくなり、熱中症になりにくくなるといわれています。
気温が上がり、熱中症の危険が高まる前に、無理のない範囲で汗をかく経験を重ねておくことが大切です。

ただし、子どもは大人よりも、暑熱順化の効果が得られにくいことが示唆されており、暑さ慣れが不十分な状態で激しい運動するには注意が必要です。

最近は、本格的な夏の季節に入る前から気温の上昇傾向が見られます。
朝や夕方など気温が上がり過ぎない時間帯に、30分程度でOKですので、外遊びや、走ったりジャンプしたりなど軽めの運動を意識的に取り入れて汗をかき、暑さに体を慣れさせておきましょう。

また、暑熱順化の効果は、1週間~3週間程度で消失してしまい、効果を保つためには、5日に1回は暑い環境で運動を行うことが必要だと言われています。

お盆休みなど、クーラーの効いた部屋に1週間も居続けると、暑熱順化の効果は失われてしまうと考えられます。長期休みでも、5日に1度程度は汗をかくような環境で運動すると良いでしょう。

熱中症とは?

熱中症は、気温や湿度が高い環境下で体内の水分や塩分のバランスが崩れたり、体温や循環の調節機能が乱れたりすることによって生じる障害の総称をさします。
暑さで体の熱を発散する効率が悪くなると、体温調節機能や循環調節機能などがうまく働かなくなり、熱中症につながるのです。ここでは、熱中症の具体的な症状、原因、種類について紹介します。

症状

熱中症の代表的な症状には、以下があげられます。

・ めまいや立ちくらみ、顔のほてりなどの症状が出る。
・ 手足の筋肉がつったり、ピクピクけいれんしたりする。
・ 体がぐったりして、吐き気や頭痛を訴える。
・ 汗がとぎれなく出る、もしくは汗が全く出ていない。
・ 体温が高く、皮膚をさわるととても熱くなっている。
・ 声をかけても反応しない。
・ まっすぐ歩けない。
・ 自分でうまく水分補給ができない。

原因

熱中症を引き起こす原因には、

・ 気温が高い。
・ 湿度が高い。
・ 日差しが強い。

など環境の条件に加え、

・ 暑さに慣れていない。
・ 長時間屋外にいる。

など行動の条件、

・ 睡眠時間が足りていない。
・ 夏バテで食事がしっかりとれていない。
・外と室内の温度差による自律神経の乱れ。

などコンディションの条件が、大きく関連してきます。
これらの条件の下で、私たち人間が本来もっている体が熱を作る働きと、体の外に熱を逃がす働きのバランスが崩れたときに、熱中症が発生しやすくなります。

種類

熱中症は、以下の4つの種類に分けられます。

・ 熱失神
炎天下でじっと立っていたり立ち上がったりしたとき、運動して汗をかいたときに見られます。
脳への血流が減少することにより、めまいや失神などがおこります。

・ 熱けいれん
大量の汗をかいて塩分が失われている状態で水分を補給することにより、血液中の塩分濃度がさらに低下し、手足の筋肉がけいれんします。

・ 熱疲労
汗をかきすぎることで脱水症状になり、倦怠感、吐き気、頭痛などの症状が出ます。

・ 熱射病
体温が上昇し、40度以上になることもあります。
ぐったりしてこちらからの問いかけに反応しない、全身がけいれんしているなどの症状がみられたら、熱射病の可能性があります。
体温が高い状態が続くと多臓器障害を併発するおそれがあり、注意が必要です。

熱中症で倒れる人は屋外より室内のほうが多い?

熱中症は、暑い日に屋外で発症するというイメージがありますが、気温が高い部屋、湿度が高い部屋、通気が悪い部屋でも発症しやすくなります。
消防庁が発表したデータによると、2023年7月24日~30日までの全国の熱中症による救急搬送人員は、11,765人。
グラフを見ると、発生場所は住居が42.6%、公衆(屋内)が8.3%を占めており、約半分が室内で熱中症になったことがわかります。

住居    :敷地内すべての場所を含む
道路    :一般道路、歩道、有料道路、高速道路など
公衆(屋外):不特定者が出入りする屋外部分(競技場、野外コンサート会場など)
仕事場①   :道路工事現場、工場、作業所など
公衆(屋内):不特定者が出入りする屋内部分(劇場、飲食店、百貨店など)
その他   :該当しない項目
教育機関  :幼稚園、保育園、学校など
仕事場②   :田畑、森林、海、川など※農・畜・水産作業を行っている場合のみ

引用:消防庁「全国の熱中症による救急搬送状況 令和5年7月24日~7月30日(速報値)」

また、子どもを車内においてその場を離れ、事故につながるケースも少なくありません。
車でお出かけし、コンビニに立ち寄った際など、「少しの時間だから大丈夫」と思って子どもを車の中に残したりせず、保護者と一緒に行動するようにしましょう。

外遊び、お出かけの時の熱中症対策


気温が高い日に外遊びやお出かけをするときの、基本的な熱中症対策のポイントを紹介します。

予防方法

・子どもの様子に常に気を配る
子どもは遊びに夢中になると、「暑い」「のどが渇いた」など自分で気づけないことがあります。
周囲の大人が子どもの様子に常に気を配ることが大切です。

・遊ぶ時間帯や場所に注意する
公園などで遊ぶのは、太陽が照りつける時間を避け、朝や夕方などの暑さが落ち着いている時間にしましょう。
日差しが多い場所で遊んだあとは木陰で休むなど、めりはりをつけることが大切です。

・ こまめな水分補給
熱中症を予防するためには、こまめな水分補給を心がけることも大切です。
周囲の大人が定期的に声をかけ、少量でも頻回に水分を取るよう声をかけましょう。

ただし、お茶などカフェインが入った飲料は利尿作用があるため水分補給には適していません。

また、ジュースは美味しくてつい飲みすぎてしまいがちですが、砂糖や添加物に加えて糖分が多く含まれており、体内での消化や吸収に時間かかったりするため水分補給に向きません。
麦茶や水に加え、スポーツの時はスポーツ飲料、体調が悪い時は経口補水液など、シーンによって飲み分けることも大切です。

・ 服装選びも大切
体に熱がこもらないような素材や着こなしにも気を配りましょう。
素材は、吸収性や通気性の高い綿や麻などがいいでしょう。
また、熱がこもらないよう、襟ぐりや袖口があいたデザインもおすすめです。
直射日光から頭皮を守るだけでなく、頭の温度が上昇するのを防ぐために帽子も着用しましょう。

感染症対策などでマスクを着用する場合、呼吸による熱放散ができないため、熱中症リスクが高まると言われています。
「屋外ではマスクを外す」など、状況に応じて対応しましょう。

熱中症対策グッズ


気温の高い日に小さな子どもとお出かけする場合には、熱中症対策グッズを活用することも大切です。
以下、おすすめのグッズを紹介します。

・ ハンディ扇風機
手で持ち運んで使える小型扇風機です。首掛け式やクリップ式など、さまざまな形状のものがあります。

・ 冷感タオル
水に濡らしたり触ったりするだけで、簡単にひんやり感を得られるアイテムです。水に濡らして使用する「瞬間冷却タイプ」と濡らさずに使える「接触冷感タイプ」の2つの種類があります。

・ ヘッドクール
水に濡らして頭に巻くだけで、ひんやりとした感触を得ることができる冷却タオルです。水に濡らすとタオルの繊維の中に含まれている特殊なゲルが水分を吸収し、発熱を抑える効果を発揮します。

熱中症になってしまったら・・・


どんなに気をつけていても、熱中症になってしまうこともあります。
その際の対応法を知っておきましょう。

対応方法

子どもが「熱中症?」という症状が見られたら、まず第一に、風通しの良い日陰や、クーラーが効いている室内など涼しい環境を探して移しましょう。

体内に蓄積された熱を外に出すため、うちわや扇風機などで仰いだり、冷たいタオルや氷嚢、保冷剤、氷枕などで首やわきの下、太ももの付け根など太い静脈がある場所を冷やし、体温を下げます。

そして、冷たい水、麦茶、経口補水液、スポーツ飲料など水分を補給します。
ただし、意識障害がある場合は水分が気道に流れ込む可能性があります。
また、吐き気や嘔吐の症状がある場合は、少しずつ水分補給をしながらも医療機関へ向かいましょう。必要に応じては救急車を要請しましょう。

こんなときには医療機関に!

熱中症を疑う症状があり、意識がない、または呼びかけに対する返事がおかしい場合は、すぐに救急車を呼びましょう。
応急処置を行い水分を自力で摂れない場合は、医療機関へ。また、水分を自分で摂れて、必要な応急処置を行ったものの、症状が改善しない場合も、医療機関に行きましょう。救急車をよぶか迷った時は、専門家からアドバイスを受けることができる電話相談窓口(♯7119)に連絡してみるという手もあります。

子ども自身でのコントロールは難しいから、親がしっかりサポートしよう

子どもは体温調節機能が未熟で、体内の水分量も多いため大人より熱中症になりやすいとされています。

わが子を熱中症から守るために、今回紹介した正しい予防対策を行いましょう。
熱中症が疑われる症状が見られるときは、体を冷やすなどの応急処置を行い、状態に応じて速やかに医療機関を受診することが大切です。

まとめ

・子どもの熱中症に備えるためにも外遊びは大切
・遊ばせ方、服装、予防アイテムを知って万全に
・いざというときのための対処法を知っておくことも大切

参考文献)
「熱中症について学ぼう」(出典:熱中症ゼロへ)
「熱中症からカラダを守ろう 熱中症が起こるメカニズム」(出典:大塚製薬)
「熱中症の基礎知識」(出典:熱中症予防情報サイト)
「熱中症は4つの種類に分けられる 熱中症の概要や予防方法についても解説」
(出典:サントリーウエルネスオンライン)
「小児科医が解説★梅雨前後は熱中症になりやすい!?乳幼児も注意を!」(出典:たまひよオンライン)
「子どもは要注意!梅雨の熱中症。今からすべき3つの対策とは?」(出典:ぎゅってweb)
「お出かけ中の子どもは暑さに弱い!おすすめの熱中症対策アイテム4選」(出典:生活クラブ)
「熱中症を疑ったときには何をするべきか」(出典:熱中症マニュアル)
「子どもの熱中症を防ぐために」(出典:PEACEアスリートクラブ)

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