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スポーツ

スポーツのやる気が高まる!子どもとの関わり方

2023.02.10

子どもがスポーツの習いごとをしていれば、その競技に前向きに、やる気いっぱいで取り組んでほしいと思いますね。

実は親の言葉かけや行動によって、子どものやる気をアップさせたり、逆にダウンさせてしまうことがあります。

今回は、スポーツのやる気をアップさせる家庭での関わり方を考えます。

やる気がある子とない子の違いって?


自分から前向きにどんどん挑戦していく子と、言われてもやらない子、やる気が見えない子。

この違いはなんなのでしょうか。

まずは混同されがちな用語から整理していきましょう。

やる気とモチベーションの違い

「モチベーションが下がっている」「もっとモチベをアップしよう」など、やる気や意欲と同じように「モチベーション」という言葉を使っている場面をよく見かけます。

しかし本来モチベーションは、motivate(動機づける、興味を起こさせるの意)が語源の言葉。

やる気の原動力がモチベーションなので、モチベーション自体は上がったり下がったりしません。

例えば、コーチの上手なプレーを見て、

「かっこいい!あんな風になりたい」→ モチベーション
「うまくなるために、もっと練習するぞ!」→ やる気・意欲

原動力であるモチベーションが高いほど、やる気や意欲が継続するといわれます。

外発的動機付けと内発的動機付け

行動のきっかけになるモチベーションですが、これを高めるには「外発的動機づけ」と「内発的動機づけ」の2種類があります。

外発的動機づけは、外部からの刺激や働きかけによって生まれるモチベーションのこと。

例えば「ホームランを打ったらごほうびをあげる」といった報酬や、「成績が下がったらおこづかいを減らす」などのペナルティー、「周囲からほめられたい」など自分以外のものから受けるものを目標にする場合もこれにあたります。

それに対し、内発的動機づけは自分の興味や関心、達成感、好奇心など、自分の中から生まれてくるもの。

「うまくなりたい」という向上心や具体的な目標、「これをやってると時間を忘れてしまう」「とにかく楽しい」喜びや達成感も内発的動機づけのひとつです。

外発的動機づけに比べて、やる気が継続しやすく高い集中力が発揮できるといわれます。

短期的な目標には向かないといわれますが、スポーツのように「長く続けること」が大切な分野には、自分の中にやる気の種を持つ内発的動機付けが重要になるでしょう。

主体性と受動性

自分からやりたいことを見つけて動く「主体性」に対し、人からの指示を待つ、言われてから動く「受動性」。

親としては「主体性を持ってほしい」と思いますが、まずは子どもが自ら動ける環境を整え、子どものなかに主体性を育てるのが第一歩。

大人から信頼され、行動を任せられた子ども。
失敗しても叱られない、話をよく聞いてもらった子ども。

は、主体的に動けることが多いようです。

また、「うちの子は周囲に流されてばかり」「人に言われないと動かない」など、受動的に見える子どもも、心の中に主体性を育てている最中かもしれません。

子どもが自発的に動くまで大人は見守り、過剰に干渉せずに待つことも大切です。

子どものやる気を奪う「親のやりがち行動」


子どものやる気を奮い立たせても、親が気づかずにそれを奪ってしまってはもったいないですね。

子どものためを思っていても、実は子どものやる気をダウンさせてしまう親の行動には、どんなものがあるのでしょうか。

子どもを待ってあげられない

「早くしなさい!」「宿題、やったの?」と、常に急かされている子どもは人からコントロールされることが日常になり、やる気や意欲は下がってしまいます。

自分のペースで物事を進められないストレスは、大人も子どもも同じです。

見ていると口を出したくなる場合は、物理的に子どもから目を離すことも時には必要。

子どもの行動に口出し・手出しし過ぎる

子どもが「包丁を使いたい」と言っても「危ないから、また今度ね」
子どもが忘れ物をしないように、親が持ち物をすべてチェックする

など親が危険や失敗を恐れる行動が、子どもの意欲を減退させています。

怪我も忘れ物も失敗を重ねるからこそ、「次からはこうしよう」と学べます。

やる気のある子どもになってほしければ、子どもが「やりたい」と言ったことを尊重し、子どもの仕事は子ども自身に任せましょう。

プロセスではなく結果を気にする

試合でゴールを決められなかった
勉強を頑張ったのによい点が取れなかった

子どもの行動について、親はつい結果を見てしまいます。

親が子どもの頑張り(プロセス)ではなく結果ばかりを気にしていると、子どもはよい結果が出せなかった時、「自分は価値がない」と思ってしまいます。

「(結果は出なかったけど)練習や勉強をがんばったね」「その努力が一番大切」と、大人がしっかり伝えてあげましょう。

親がいつまでも満足しない

「試合のメンバーに選ばれた!」と言えば、「試合で活躍しないとね」
「点数あがった」と言えば、「次は100点取ろうね」

「一緒に喜んでもらえる」「ほめてもらえる」と思ってよいニュースを報告しても、親が喜ぶどころか、次なる目標を提示してしまうと、子どもは「嬉しくないのかな」とがっかりしたり、「いつまで頑張ればいいんだろう」と無力感を感じてしまいます。

子どもは親を満足させるために存在しているわけではないので、子どもからのよい知らせには、子ども以上に喜びましょう。

子どもがやる気を発揮できない環境

例えば、子どもが自主練をしようとするときに、「弟や妹と一緒にやって」とつい面倒を見させてしまったり。

兄弟姉妹の習い事を優先して、本人のやりたいことを後回しにしてしまったり。

子どもにやる気があっても、環境が整っていないとその気持ちが持続できないこともあります。

また、親のマイナス思考や消極性がやる気を削いでしまうこともあるので、「きっと無理」「やっても無駄」など否定的な言葉かけは避けましょう。

子どもに口うるさく言ってしまうお母さんの話


スポーツの習い事は、親の方が真剣になりすぎてしまうこともあります。

先輩お母さんたちの「失敗談」を聞いてみましょう。

事例①子どものプレーに対してつい口を出してしまう

「自分が同じスポーツをやっていたせいか、子どもの悪いプレーばかりが目について、試合後は私からのダメ出しが恒例に。そのせいか子どもがやる気をなくし、先日、パパから“ママは試合を見にこなくていい”と言われてショックでした…」(11歳女子・バスケット)
「試合中、チームメイトの子がうちの子にボールをパスしないので、思わずコーチに直談判してしまった私。それを知った我が子は、“恥ずかしくてもう練習に行けない”と練習拒否に。自分の短気を反省しても、もう遅い…」(9歳男子・サッカー)

事例②やる気が見えないと、つい「やめさせる」などと言ってしまう

「自分から習いたいと言ったのに、自主練もせず、練習にも前向きじゃない息子。奮起させようと“もうやめなさい!”と強めに怒っったら、“そうしようかな…”と逆効果になってしまった」(10歳男子・野球)
「あまり意欲的じゃないので、子どもの負担にならないように “やめてもいいんだよ”とことあるごとに声をかけていたら、“私は私で楽しいのに、どうしてやめろって言うの?”と泣かれた。子どもそれぞれに感情表現が違うんだと気づかされた」(8歳女子・バレエ)

子どものやる気を引き出すポイント5つ


子どものやる気を引き出すため、親としての関わり方にちょっぴり工夫してみましょう。

ポイントは5つ

◯ 「アドバイス」よりも「観察」を
◯ 子どもの気持ちや考えを引き出す質問をする
◯ 子どもを「先生」にする
◯ とことん話を聞く
◯ 子どもの体を「元気」にする

「アドバイス」よりも「観察」を

「次の試合は◯◯してみたら?」「コーチの話はよく聞いてね」など、子どものやる気を引き出そうと、親はついアドバイスをしてしまいます。

しかし普段から子どもをよく観察しておけば、子どもの「やる気」のリズムが見え、元気がなくなるタイミングがわかることも。

そして観察する癖がつくと、無駄に叱ったり小言を言うことが減るので、子どもは「信頼されている」と感じ、自分から積極的にチャレンジできるようになります。

子どもの気持ちや考えを引き出す質問をする

「今日はどうだった?」「練習は楽しい?」といった漠然とした質問だと、「まあまあ」「楽しい」と通り一遍の返事をして会話は終わってしまいます。

・どんな部分が楽しいのか
・今、一番興味があるのは何か
・どんなテクニックを身につけたいのか
・どの選手の、どんな技術を真似したいか

など、子どもが自分自身を深掘りしなければ答えられないような質問をしてみましょう。

質問をされることで、子どもは「どうなんだろう?」「自分は何が好きなのかな」と考える癖がつきます。

子どもを「先生」にする

例えば子どもの練習や試合を見た後で、「あの時、どうしてA君はB君にパスしたのかな」「なぜあの得点は認められなかったの?」など、子どもを先生に見立てて、疑問や質問をどんどん投げかけてみましょう。

チームの仲間だからこそわかることやプレーヤー独自の考え方があり、それを言葉で説明することで第三者的な視点を養うことができたり、伝える力も身につきます。

人に説明することで、子ども自身の学びにもなるでしょう。

また自分が好きなスポーツに、親も関心を持ってくれていることは嬉しく感じるはずです。

とことん話を聞く

子どもが話をしてくれるなら、とことん耳を傾けて子どもに寄り添いましょう。

この時、助言したり否定したりせず、「そうだよね」「よくわかるよ」と聞くことに専念することが大事。

話を聞いてもらうことは単なる報告とは違い、「相手を受け入れること」です。

自分を全面的に肯定してもらい受け止めてもらうと、やる気がムクムクと芽を出し、挑戦する気持ちが生まれます。

また話を聞いてもらうだけですっきりして、問題が解決することもあるでしょう。

子どもの体を「元気」にする

習い事ばかりで子どもが疲れていたり、スマホやゲームのやり過ぎで慢性的な睡眠不足だったり…。

子どもに元気がなければ、スポーツのやる気は起こりません。

子どもに疲れている様子があれば、時には習い事やお出かけを控えて体を休ませることも必要です。

規則正しい生活と栄養のある食事で、子どもの体に元気を取り戻させましょう。

まとめ

・「モチベーション」は行動を起こすきっかけを指し、「やる気」は前向きに取り組もうとする気持ちや意欲のこと。
・外部からの刺激でやる気になることを「外発的動機づけ」、自分の内面からの興味や好奇心でやる気が出てくることを「内発的動機づけ」といい、内発的動機づけの方がやる気が持続する。
・親が過剰に干渉したり、結果ばかりを気にすると子どもの意欲を萎えさせてしまう。
・子どものやる気を引き出すには、子どもの話に耳を傾け、子どもを信頼することが大事。
・子どもは安心できる環境でなら、自発的にやる気になる。

(参考文献)
スポスル | 【親必見】スポーツをする子供のやる気を引き出す方法とは!?
おやこのくふう | 【やる気スイッチはどこ?】勉強、スポーツ、習い事…おやがやる気にさせようと思うほど子どものやる気が下がるという残念な事実!
子供のためにできる108のこと | 【内発的動機づけ】スポーツをする子供のやる気を引き出す6つの法則
カイタク本屋 | モチベーションとやる気の違いとは?この2つを爆上げする方法
GOLD MENTAL | スポーツをしている子供のやる気スイッチを入れるには? 主体性を育むには親の関わりが必須!

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