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非認知能力

自分で考え、行動する!子どもの「見えない学力」の育て方

更新日: 2022.10.17
投稿日: 2021.03.12

学力には、「見える学力」と「見えない学力」があります。

「見える学力」とは学校の成績や学力をさし、「見えない学力」とは、近年メディアでたびたび取り上げられる「非認知能力」をさします。

変化の激しいこれからの時代は、「見える学力」だけでなく、「見えない学力」を伸ばすことが求められていくと言われています。

10年後の子どもに必要な「見えない学力」の大切さや、親が心得ておくべき子どもとの関わり方にについて、解説します。

「見えない学力」を育むことで、本当の意味での学力が身につく

子どもが小学生になり、中学年から高学年くらいになると、学習塾に通い始める子が出てきます。

子どもたちの中には、塾に通っていなくても勉強が良くできて立派な成績をとる子がいます。

その反面、塾に通っていても、親の思いとは裏腹になかなか成績が上がらす、かえって勉強ぎらいになってしまう子も少なくありません。

この違いはどこから来るのでしょう。

生まれ持った遺伝や素質などではありません。

学力には、テストや通知表などによって示される「見える学力」と、それを支える土台である「見えない学力」があります。

大切なのは、「見えない学力」です。

「見えない学力」とは、すべての子どもに等しく必要な、何かがおこったときに自分の頭で考え行動できる力です。

わが子にしっかりとした学力を身につけてほしいと願うのなら、まずは、「見えない学力」を豊かに育んでいくことが大切です。

たとえ塾通いさせていても、「土台」がなければ、本当の意味での学力は身につかないものなのです。

では、「見えない学力」とは、一体どんなものなのでしょうか。

次のページで、「見えない学力」づくりに大切な3つの要素を紹介させていただきます。

「見えない学力」づくりに大切な3つの要素とは

文部科学省特別選定作品にも選ばれ大きな話題となったドキュメンタリー映画『みんなの学校』。

この映画の舞台である大阪市立大空小学校初代校長として、障害の有無にかかわらずすべての子どもたち学び合い育ち合う教育に力を注ぎ、現在は全国で講演活動を行っている木村泰子さんは、著書『10年後の子どもに必要な 見えない学力の育て方』の中で、「見えない学力」は次の三つの要素によって成り立っていると述べています。

・ 人を大切にする力
・ 自分の考えを持ち、表現する力
・ チャレンジする力

これらの「見えない学力」は、必ずしも学校の成績とは直結しているわけではありません。

しかし全く無関係ではなく、むしろそれを支え、それを超えたもの、人間の能力の最も根源的な部分であると考えられます。

以下、その要素を紹介します。

人を大切にする力

自分を取り巻く周りの人との違いを認め、「自分がされていやなことは人にしない、言わない」力です。

“他人ごと”を“自分ごと”に変換し、「自分だったらどう感じるか」を想像し、人を大切にする力が、これからの時代には必要です。

もし人を傷つけてしまったら、周りの人といっしょに、そうならないようにするにはどうすればいいかを考えます。

自分の考えを持ち、表現する力

「文句」を「意見」に変え、自分から自分らしく、「僕は(私は)⚪⚪⚪だと思う」と、自分の言葉で語る力です。

この力は、園や学校、家庭、習い事で通っている教室など、子どもの居場所が子どもにとって“安心できる環境”であることで、初めて発揮されます。

チャレンジする力

文字通り、失敗をおそれず挑戦する力です。

失敗が挫折につながったり、二度と立ち直れなくなってしまったりしてしまうことではなく、失敗したら「どうやり直そうかな」「やり直せばいいだけだよね」と思えるたくましさが大切です。

これら三つの要素を高めることで「見えない学力」は伸びていきます。

そして、「見えない学力」は、「見える学力」=成績)を上げていきます。

「見えない学力」づくりは、シングルエイジ(0歳から9歳まで)時代が重要なポイントとなっているようです。

子どもの個性を受け入れて尊重し、親自身も「自分」という人格を忘れない


子どもの「見えない学力」を伸ばすために、親は何をしたらよいのでしょうか。

あまり難しく考える必要はありません。あたり前ですが、親と子は、別々の人間です。

子どもは、親の持ち物ではありません。

わが子の個性を受け入れて尊重することです。

そして、子どもをよくみて、
「この子は何が好きなのだろう」
「今、何に興味があるのだろう」
「何を実現させたいのだろう」
など、子どものことに“気づく力”を磨いていくことが大切です。

「○○ちゃんはこう思ったのね」「△△がしたかったのね」などと、その場その場で気持ちに共感し、失敗したら「大丈夫?」「こうしたらどう?」などと声をかけ、「ピンチはチャンス」「失敗は宝物」という経験を重ね、頑張りが持続できるような関わりを意識しましょう。

親自身も、「親」である前に、一人の人間です。

どんなに忙しくても「自分」という人格を忘れず、まずは気楽に、やってみたいこと、好きなことに関わる時間を意識してもつようにしましょう。

親自身が頑張る姿、輝いている姿は、子どもにとって、心の栄養になります。

子どもをおさえつけるのではなく、「子どもといっしょに成長していこう」という気持ちを抱きながら、「見えない学力」を育んでいきたいものです。

まとめ

・しっかりとした学力の土台にあるのは「見えない学力」
・「見えない学力」の三つの要素は、「人を大切にする力」「自分の考えを持ち、表現する力」「チャレンジする力」
・親は、「子どもといっしょに成長していこう」というスタンスで子どもと関わろう

編集部より

学校の成績や学力である「見える学力」認知能力を良くするためには、自分の頭で考え行動できる力「見えない学力」非認知能力を高めることが大切であるとわかりました!
この「見えない学力」は、勉強のみならず、すべてにおいて人としての土台となる力です。
この力を育む時期としては、9歳までの時期が大切と言われており、また家庭のなかでの親とのかかわりが非常に大切になっていきます。
自分の子どもだから、きっとこの子も〇〇だろうと決めつけるのではなく、親と子であっても、人と人である大前提を忘れずに、自分の子が何に興味を持っているのか、何をしたいのか、なりたいのかなど、コミュニケーションを取りながら、受け入れ、認めてあげることが大切です。
家庭の中でこの!「見えない学力」非認知能力を一緒に育んでいきましょう!

(参考文献)
・10年後の子どもに必要な 見えない学力の育て方(木村泰子著、青春出版社)
・AI時代を生き抜くために、子どもに今必要な『見えない学力』とは(木村泰子著、出典:ダイヤモンドオンライン)
・非認知能力の育て方(ボーク重子著・小学館)
・育児情報誌miku|非認知能力って? どうしたら伸ばせるの?

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