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非認知能力

子どもの非認知能力を育む褒め方・叱り方

更新日: 2022.10.17
投稿日: 2021.03.05

自分の情動を上手にコントロールする能力など、テストの点数では表せない幅広い力をさす「非認知能力」。

幼少期に非認知能力を身につけておくことが、大人になってからの他者との関わりや幸福感、経済的な安定につながると考えられ、世界中で注目を集めています。

子どもの非認知能力を育むために欠かせないものが、親の接し方や、褒め方・叱り方です。

将来、自分で考え、自分で動き、未来を切り開ける子に育てるための、わが子への接し方や褒め方・叱り方について紹介します。

子どもを「一人の人間」として尊重する

日々成長過程にある子どもはみな、生まれながらに「挑戦する力」「思いやる力」「がまんする力」などさまざまな力を備えています。

このような力をすこやかに育てるために大切なのが、「接し方」や「褒め方・叱り方」です。

まず、子どもへの接し方について考えてみましょう。

モンテッソーリ&レッジョ・エミリア教育者の島村華子氏は、著書『自分でできる子に育つ 褒め方叱り方』において、子育てには2種類の接し方があると述べています。

ひとつは、「条件つき子育て」です。
子どもの行動の善し悪しにより、ご褒美や罰を使いながら愛情の注ぎ加減を調整し、行動をコントロールしようとするものです。

もうひとつは、「無条件子育て」です。
行動の善し悪しにかかわらず愛情を注ぎ、子どもの気持ちに寄り添う子育てです。

「条件つき子育てと無条件子育ての違いは、『子どもを一人の人間として尊重して見ているか、そうでないか』にあります。

条件つき子育ては、短期的には親のいうことを良く聞くようになりますが、子どもは『親が望むようにふるまわなければ愛してもらえない』といった恐怖心やプレッシャーを抱くことがあります。

子どもと正面から向き合い、何か問題がおきたらご褒美や罰でコントロールするのではなく、いっしょに解決するよう接していく無条件子育てを行うことで、自己肯定感を高め、自分でできる力を身につけていくことができます」。(島村華子氏)

幼少期から、わが子を認め、ていねいに温かく関わることで、子どもは「自分は愛されている、大事にされている」と肌で感じ、「生きるって面白い!」「生まれてきて良かった!」と、心に栄養を蓄えていきます。

それが、非認知能力の根っことなっていくのです。

子どもの非認知能力を育む褒め方のポイント4つ

次に、子どもの非認知能力を育む褒め方・叱り方について考えていきましょう。

子育てにおいて、子どもを褒めたり叱ったりするのは必須の行為です。

第一に、子どもの非認知能力を育む褒め方のポイントを4つ、紹介します。

プロセスに注目して褒める

結果だけではなく、一生懸命に取り組んでいるプロセスに注目します。

たとえば、運動会に向けてかけっこの練習を頑張っていたのに、運動会当日に転んでしまったら、「いつも頑張っていたのは知っているよ。大丈夫!」と言ってあげましょう。

当たり前にできていることに注目して褒める

「自分で服を着替えられたね」「『いただきます』って元気にいえたね」etc。

子どもが当たり前にできていることに注目し、認めることで、自分に自信がついていきます。

「具体的に」褒める

子どもが自分で描いた絵を見せてきたときなどは、「あら、上手ね!」とひと言ですませるのでなく、「この花びらのところが、とても細かく書けているね」「この目の描き方が素敵だと思うよ」など、気づいた点を具体的に伝えましょう。

お手伝いなど子どもに協力をお願いする

子どもにお手伝いをお願いし、してもらったことに対して「ありがとう」「助かったよ」と声をかけるのも、立派な褒め言葉です。

子どもができそうなお手伝いからお願いしましょう。

子どもの非認知能力を育む叱り方のポイント4つ

第二に、子どもの非認知能力を育む叱り方のポイントを4つ、紹介します。

否定しない、命令しない

注意するのと同時に「だめ!」「やめさない!」などと命令すると、その時は怖いので従いますが、「親に認めてもらえない」と自信をなくし、反発するようになります。

恐怖心をあおらない

「そんなことしていると、おまわりさんに怒られるよ」「死んじゃうからね」など、子どもの恐怖心をあおるような叱りはNGです。

子どもの勇気を奪ってしまいます。

親の気持ちを伝える

本当は宿題が終わっていないのに「宿題終わったよ」とウソをつかれた時などは、「ウソつきは泥棒のはじまりだよ!」などとおどすのではなく、「ウソ言われるとママは悲しいな」など、親の気持ちを伝えることで、子どもは自分のしたことを「自分ごと」としてとらえるようになります。

命に関わるような時、ルールを守れない時は注意する

命にかかわるような危ないことをした時、走ってはいけない場所で走るなどルールを守れない時は、毅然とした態度で注意します。

なぜいけないのかを説明することも必要ですが、だらだら話しても集中力が続かずスルーしてしまうこともあるので、なるべく短い言葉で伝えましょう。

しっかり褒められ、きちんと叱られることで、子どもは前に進んでいくことができます。

子どもへの接し方を確認し、褒め上手、叱り上手な保護者をめざしましょう。

まとめ

・行動の善し悪しにかかわらず愛情を注ぐ「無条件子育て」を
・結果でなくプロセスに注目して褒める
・叱る時は、「否定しない」「命令しない」「恐怖心をあおらない」

編集部より

親の子どもへの褒め方や叱り方で、子どもへの非認知能力の成長に大きく影響することが分かりました。
子どもを一人の人間として尊重して見る「無条件子育て」を取り入れることで、親子の関係でありながらも、一人の人として関わることができ、それが大きな非認知能力を育むことに繋がります。
また、より非認知能力を育むためには、子どもへの褒め方、叱り方が重要になっていきます。
子どもへのコミュニケーションを大切にして、子どもの非認知能力を育んでいきましょう!

(参考文献)
・自分でできる子に育つ褒め方 叱り方(島村華子著・ディスカバー・トゥエンティワン)
・非認知能力を育むためには(無藤 隆著・朝日新聞Edua)
・叱りゼロで子どもは自分でできるようになる!(原田綾子著・PHP研究所)
・子どもにとって糧となる 褒める 叱るとは(植松紀子監修・PHP研究所「のびのび子育て」

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