好奇心のある子が賢く育つ理由と、その育み方
更新日: 2023.01.04
投稿日: 2020.11.13
自ら好奇心を持ち、好きだと思えることに一生懸命取り組む子は、「賢い子になる」といわれています。ここでいう「賢い子」というのは、単に「学校の成績が良い子」ということではありません。
「好奇心がきちんと育っている子」のことです。
子どもの好奇心は、学校の成績にはすぐには直結しないかもしれません。
しかし、好奇心を抱き、好きなことに一生懸命取り組んだ子は、自分で自分の力をのばしていくことができます。
最初は成績がふるわないかもしれないけれど、「自分の好奇心を満たすためには勉強が必要である」と自分自身が気づけば、主体性をもって勉強し、成績をのばしていくこともできるでしょう。
本当の意味で「賢い子」の源にあるのは、好奇心なのです。
子どもの成長には、なぜ好奇心が大切なのか。子どもの好奇心を育むためにはどうしたらよいのかについて、紹介します。
好奇心が子どもを伸ばす理由
好奇心とは、「物事をもっと深く知りたい」という気持ちです。
1、2歳の子どもと外を散歩すると、突然立ち止まって道ばたの小石をじっと眺めたり、アリの行列を見続けたりなどで、なかなか前に進めない経験をしたことがある方が多いのではないでしょうか。
3、4歳になると、さまざまなことに対して親や周りの人に、「なぜ?」「どうして?」と聞くようになってくることが多いでしょう。
これが、好奇心です。
このくらいの年齢になると、「電車」「虫」「(アニメや漫画の)キャラクター」「パズル」「お絵描き」など自分が好きなもの、興味があるものがはっきりしてきて、それらについてたくさんのことを知りたがることや、やりたがるようになります。
親が子どもの好奇心と上手に関わることで、子どもは「もっと知りたい!」「もっと上手になりたい!」などのやる気や集中力が高まり、そのことに対して一生懸命取り組むようになります。
私たち人間には、自らを変化・成長させていくことができる力が備わっています。
何かひとつのことをつきつめればつきつめるほど、他の分野に興味をいだいたときも、同様にその世界を深めていくことができます。この積み重ねが、「賢さ」の源となるのです。
乳幼児期に育んだ好奇心は、子どもが大きくなったとき、何事に対しても前向きに取り組む力や意欲につながります。
子どもの好奇心をグングン育む親の関わり方とは
「子どもの好奇心を育てよう」といわれても、どのようにしたらいいのかわからない人も多いのではないでしょうか。
コツは、意外と簡単です。
親が、「我が子の好奇心を育てるためにいろいろ教えてあげよう」とかまえるのではなく、子どもとの時間を“楽しむ”ことです。
親子で散歩しているときに、「ママ、お花だよ!」「葉っぱが落ちてる!」などと言ってきたら、
「ほんとだ。きれいなお花ね。黄色いお花と、赤いお花が咲いているね」「葉っぱだね。ハートの形をしているね」など、子どもの好奇心を受け止め、親自身が気づいたことを少し添えて言葉を返しましょう。
このような関わりを繰り返すことで、さらに発見や想像がふくらみ、好奇心を育むことができます。
「電車」「恐竜」「お絵描き」「折り紙」など、子どもが好きなもの、興味を抱いているものを、親子でいっしょに取り組むことも大切です。
たとえば電車が好きな子が、図鑑を見て新幹線に興味をもったら駅や車両基地に行き本物を見る。折り紙が好きなら、折り紙の本を買ってきて、親子で折り紙を楽しむ。
大好きなママやパパといっしょに楽しむことで、子どもの“ワクワク感”は倍増し、もっと夢中になれるでしょう。
「子どもには、たくさんのことに興味をもってほしい」と思う親は多いでしょう。
しかし、好きなもの、興味を抱いているものは、たったひとつだけでもかまいません。
わが子の「好きなこと」を、とことんさせてあげましょう。
子どもが安心し、楽しくリラックスできる環境づくりも大切
「子どもの好奇心を育むためには親がいっしょに楽しむことが大切」とお伝えしましたが、子どもの心や体が疲れているときは、無理をさせることはありません。
好奇心は、楽しくリラックスしているときに生まれるものです。
親が「わが子の好奇心をどんどん育みたい」と思うあまりに、毎日のようにどこかにお出かけしたり、本を買い与え過ぎたりしてしまうと、子どもは逆に、ストレスを感じてしまいます。
家庭が子どもにとって「安心できる場所」であるかどうか、楽しくリラックスできる時間を過ごせているかどうかを、いま一度見直してみましょう。
十分な睡眠やバランスのとれた食事も大切です。
食事でいちばん大切なのは、朝食です。しっかり朝食を食べることで、脳が活動するために十分なエネルギーを摂取することができます。
子どもの好奇心を育むチャンスは、毎日の生活の中にたくさんあるものです。
親自身も夢中になれることを見つけ、頑張ったり楽しんだりしている姿を子どもに見せながら、焦らず、気負わず、ゆったりとした姿勢で子どもと向き合っていきましょう。
・子どもの好奇心に親が上手に関わることで、好奇心を育むことができる
・子どもが好きなこと、夢中になっていることを、親もいっしょに「楽しむ」
・子どもが安心し、リラックスできる環境が大切
子どもの好奇心を伸ばすことが、子どもの主体性や賢さに繋がることが分かりました。
好奇心を伸ばすためには、子どもが興味を持ったことに対して親がたくさん関わることが大切になります。その関わりの中で、親が感じたことや思ったことを子どもに伝えることで、更に子どもの想像力が膨らみ、新たな好奇心が生まれていきます。
親は、子どもに対して、子どもが安心しながら楽しくリラックスできる環境を作り、子どもたちの好奇心を育んでいきましょう。
(参考文献)
・賢い子に育てる究極のコツ(著・瀧 靖之 文響社)
・子どもを伸ばす脳育て|育児情報誌miku(監修・瀧 靖之)
・子どもの知的好奇心を育みたい!子どもを延ばすためにできること|伸芽sクラブ