もう子どもの忘れ物で悩まなくていい? 忘れ物が少なくなる5つの工夫
更新日: 2022.04.19
投稿日: 2022.04.15
何度伝えてもなかなか改善しない「子どもの忘れ物」。
「もう注意するのに疲れた…」と、子どもの忘れ物に頭を抱えるお母さんやお父さんは、あなただけではありません。
でも大丈夫です!
親子で防止策を考えて実行することで、少しずつ忘れ物を減らすことができます。
今回はその方法を一緒に考えていきましょう。
もくじ
そもそも忘れ物をしてしまう原因とは?
持っていくはずの体操服が、子ども部屋に残っていた。
忘れ物が多くて、先生から注意されてばかり。
口で何度伝えても繰り返される子どもの忘れ物に、「なぜ? どうして?」という気持ちになっているお母さんやお父さんは多いでしょう。
そもそも子どもの忘れ物は、脳が発達している途中であるがゆえの問題でもあります。
子どもの頃は忘れ物が多かったのに、大人になってからは減ったという人は意外と多いのです。
では忘れ物が多い子の特徴をいくつか見てみましょう。
片づけが苦手
「やるべき宿題プリントが見つからない」など、片づけができないことで忘れ物が増えてしまう子は多いはずです。
片付けが苦手な子は、頭の中も整理されておらず、ぐちゃぐちゃとして何から手をつけていいのかわからない状態なのかもしれません。
片づけは幼い頃からの習慣が影響することもあるので、
・持ち物を少なくして入れ場所を決める
・出したら元に戻す習慣をつける
・一つのことが終わってから、次のことに着手する
など、片づけをする生活習慣を身につけると、頭の中も同時に整理できるでしょう。
後回しにする癖がある
「学校の準備は前の日ではなく、当日の朝が多い」「宿題は提出期限のギリギリにやる」など、やるべきことにすぐ取り組まない=先延ばしにするタイプの子どもは、自然と忘れ物が増えがちです。
なぜなら、準備に十分な時間がかけられないので、用意すべきものが見つからなかったり、時間が足りなくて最後まで終わらせられなかったりするから。
これは大人が注意するよりも、自分で「直そう」と思わないと変わりません。
ある程度は見守りながら、本人が悩んだ時、「どうしたらいいかな?」「対策を考えよう」と提案して、ベストな答えを親子で導き出しましょう。
ワーキングメモリが成長している途中
人が何かを記憶する時、「ワーキングメモリ」という場所に一時的に情報を記憶させ、「明日はコンパスを持っていく」「宿題は水曜日に提出」といった行動に移しています。
このワーキングメモリは脳の一時的な情報の置き場所、つまり脳の作業台です。
その大きさは人によって差があり、作業台が大きければ色々な情報を同時に処理できますが、小さければ少しの情報でも処理できずパンクしてしまい、うっかり忘れにつながります。
ここで大事なのは、ワーキングメモリのサイズは、「その子の学習能力や情報処理能力とは関係ない」ことと、「成長やトレーニングで増やせる」ということ。
1年単位でゆっくりと子どもの成長を見守りながら、少しずつ忘れ物を少なくしていきましょう。
子どもの忘れ物を少なくするには? 具体的にできる5つの工夫
「成長したら忘れ物癖も直るだろう」と放置したり、学校で困るだろうからと親が毎回届けていても、根本的な解決にはなりません。
それは、忘れ物を減らすには「忘れ物をしない習慣」が必要だから。
今回は親子で一緒に行う5つの工夫を考えてみました。
〇帰宅後にランドセルやカバンの中身をすべて出す。
〇持ち物の数を減らし、シンプルにする。
〇忘れ物パターンを知る。
〇準備のタイミングを決める。
〇親子でチェックリストを作成する。
帰宅後にランドセルやカバンの中身をすべて出す
子どもが帰宅したら、すぐにランドセルやカバンの中身を出して、学校からのプリントや連絡、持ち物や提出物を確認してしまいましょう。
子どもの記憶がまだ新しい間にこれをやってしまうことで、忘れ物が減る効果があります。
帰宅が遅い親の場合も、お母さんやお父さんが帰ってきたらすぐにこの作業をやってしまうのが理想的。
「カバンの中身を全て出す=一度リセットする」ことで、今日と明日をしっかり区切り、頭を整理することもできます。
その際に「宿題はもう終わっているか」「明日の持ち物は何か」を一緒にチェックし、翌日の支度をしてしまえば一石二鳥です。
持ち物の数を減らし、シンプルにする
明日の持ち物を用意したり、宿題をする場所がグチャグチャになっていれば、どこに何があるかもわからず、忘れ物の温床になります。
親子で一緒に勉強机や本棚などを片づけて、スペースと頭の中を整理整頓しておきましょう。
その際、子どもが持つアイテムを最小限の数に絞ることも大切です。
もう使わない文房具やドリル、これから使う新品のノートなど、余計なものは処分するか別の場所に移動して、すっきりとさせましょう。
親と子どもでは片づけのやり方、しまい方が違うかもしれません。
子どもが使うスペースの責任は子どもにあることを説明し、子ども自身が出し入れしやすい方法を採用しましょう。
忘れ物パターンを知る
「時間がない時に忘れ物をすることが多い」「他の荷物がある時に忘れ物をしがち」など、お子さんの忘れ物パターンはそれぞれです。
わが子の忘れ物パターンを把握することで、より絞った対策を取ることができます。
例えば「朝に急いで支度をすると忘れがち」なのであれば、前日準備を徹底する。
「他の荷物を持っていく時に忘れることが多い」なら、他の荷物も一緒に入る大きなバッグを用意するなど、物理的対策を講じることで、忘れ物が減らせるでしょう。
まずはわが子をよく観察して、弱点やパターンを見つけ出すのが第一歩です。
準備のタイミングを決める
例えば「帰宅後にすぐ」「夜ご飯の直後」「歯磨き前」など、時間ではなくタイミングを決めて翌日の準備を行いましょう。
時間で決めてしまうと、習い事や塾などで時間がずれた際にできなくなってしまうので、毎日行うルーティン行動を基準にするといいですね。
また学校に行く前の朝の時間は、バタバタと慌ただしいのでおすすめできません。
前日のうちに準備を済ませておくことで、「うっかり宿題を忘れる」「明日の授業で使う道具が見つからない」といったミスも減らせるでしょう。
親子でチェックリストを作成する
一覧表リストやホワイトボードでマグネットを使うなど、親子で使いやすいものを探して、チェックリストを作りましょう。
教科書、ノート、ふで箱、宿題など、毎日持っていくものはもちろん。
体操服、給食スモッグ、月謝などイレギュラーなものも分かる範囲でリスト化しておくと便利です。
見える化しておくことで、子どもが学校で取り組んでいることも把握しやすくなり、親子のコミュニケーションにも役立ちます。
翌日の準備が終わったら、親子でこのチェックリストを元に最終確認を。
低学年のうちは親子で行っていたチェックも、学年があがるうちに子どもが自分でできるようになるでしょう。
対策ができたら、残るは習慣化だけ!
忘れ物対策を講じて、実際に忘れ物が少なくなったら、あとはそれを習慣化するだけです。
子どもといえども、忘れ物をするのは「恥ずかしいこと」だったはず。
忘れ物が少なくなったことで、不必要なストレスや後ろめたい気持ちから解放されたことでしょう。
親は忘れ物が少なくなったこと、しっかり準備をしていることを、まずは褒めてあげます。
そして今度は、それをブラッシュアップしてあげましょう。
例えば、親子でしていた準備やチェックを1人でできるようにサポートしてあげたり、チェックリスト作りを任せたり、弟や妹の忘れ物チェック係をお願いしたり、よりステップアップした役割を任せてみましょう。
持ち物や提出物などを管理できるのは、成長の証。
身の回りを整理整頓して、ルールを守ろうと努力し、実際の行動に移すというのは「自己管理力」が育った証拠です。
忘れ物の癖は、習慣次第で必ず改善します!
諦めず、子どもを励ましながら、子どもの自己管理力を育てていきましょう。
・忘れ物が多いのには「片付けが苦手・後回し癖・ワーキングメモリが成長中」などの理由がある。
・子どものタイプに合わせた具体策を講じることで、効果が見えやすい。
・対策を習慣化することで、忘れ物が減らせる。
子どもの忘れ物は親からすると解決したい1つの課題ではないでしょうか?何回言っても直らないということばかりですよね?ですが、今回のコラムでなぜ忘れ物をしてしまうのか!?どうしたら忘れ物をなくしていくことができるのか!が分かりました。親としてできることとして、ただ伝えるのではなく、一緒に片付けや準備をするところから始めてはいかがでしょうか?コラムにも書かれているように、片づけ方が分からなかったり、後回しにしてしまっていたりするのかもしれません。子どもとコミュニケーションを取りながら、整理整頓の癖づけを身に付けて、忘れ物をなくしていけるようにしてみましょう!
(参考文献)
・NHK ウワサの保護者会 | どうして忘れものをするの?
・ベネッセ | 子どもの忘れ物、防止するコツとやってはいけないこととは?
・All About | 子どもの忘れ物が多いのは親の責任?! 親子の会話3STEPで忘れ物対策
・個別指導ベスト | 子供の忘れ物が多い! その原因と対処法とは?