雨や曇りの日だからこそ気をつけたい「かくれ脱水」と「梅雨型熱中症」に注意!
更新日: 2026.06.15
投稿日: 2026.06.16
毎年更新される真夏の暑さ。ダラダラと汗をかくような日には、水分補給や冷却など、親子で注意して熱中症対策も万全でしょう。
しかし梅雨の時期や雨や曇りの温度が比較的低い日にこそ、「かくれ脱水」や「梅雨型熱中症」の危険性が潜んでいます。
汗をかいていないから大丈夫でしょ…?
気温が低いのに熱中症になるの?
と不思議に思いますよね。
今回は、「かくれ脱水」と「梅雨型熱中症」について詳しく解説します。
「かくれ脱水」と「梅雨型熱中症」ってなに?

本格的な夏を前に、気温がさほど高くなく、雨や曇りの天気のときも、子どもは大人よりも汗をかき、水分補給を十分に行っていないことがあります。
そんな時に要注意なのが「かくれ脱水」と「梅雨型熱中症」。
「かくれ脱水」とは、体の水分不足に気づかず脱水症状が進んでしまっている状態のこと。
脱水と聞くと、「喉がカラカラ」「手足が痺れる」「ふらふらする」といった症状を想像しますが、そういった症状がないうちに進行するため注意が必要です。
そもそも脱水症状とは、体から水分が出ているにも関わらず水分やナトリウムを摂らないことで、体液そのものが減って体の生命維持機能が働かなくなる状態。
そのまま気づかないで脱水状態が進行すると、意識低下やけいれんを起こすこともあります。
また「梅雨型熱中症」とは、湿度が高く汗が蒸発しないことで起こる熱中症のこと。
梅雨の時期や雨の日は湿度が高くて洗濯物が乾きにくいのと同じで、汗も蒸発しにくくなります。
汗が蒸発しないと、体内に熱がこもり体温が十分に下がりきらないため、熱中症になってしまうというメカニズム。
「かくれ脱水」も「梅雨型熱中症」も大量の汗をかいたり、激しい喉の渇きを感じにくいため、知らないうちに進行しているのがポイントです。
子どもは「かくれ脱水」と「熱中症」になりやすい?

なぜ、子どもは「かくれ脱水」と「梅雨型熱中症」になりやすいのでしょうか。
○ 体の水分量が多く、失いやすい
○ 体が暑さに慣れていない
○ 喉の渇きに気づかない・我慢してしまう
○ 大人より体温が高い
体の水分量が多く、失いやすい
子どもの体の水分量は、大人の60%と比べて多い傾向があります。
特に乳幼児は70〜80%で水分を失いやすく、簡単に脱水症状になってしまいます。
加えて代謝が活発で、体温調節機能が未熟なため、汗やおしっこで水分を失いやすいといわれます。
また腎臓が発達段階にあり、おしっこの量を調整して水分調整をする働きが十分ではないことも一因です。
体が暑さに慣れていない
暑さに体を慣らすことを、「暑熱順化」といいます。
特に梅雨の時期は暑熱順化ができていないため、上手に汗をかいて体温を逃すことができません。
急な気温の上昇に体がついていかず、体温調整が追いつかないため、真夏の暑い時期よりも熱中症になる危険性が高まるといわれます。
また本格的な暑さではないため、親子ともども警戒心が薄く、水分補給や熱中症対策を油断しがちです。
体を暑さに慣らすため、「汗ばむ程度の運動をする」「夜は湯船に浸かる」など、日頃から汗をかく練習をしておきましょう。
喉の渇きに気づかない・我慢してしまう
子どもは楽しく遊んでいると、喉の渇きや体の不調をキャッチする脳のセンサーが働かず、脱水症状や熱中症が進んでしまいがち。
また仲間同士で活動していると、「途中で抜けたくない」「中断させると迷惑だから」と、水分補給をしないこともあります。
「疲れた」「気持ち悪い」「めまいがする」といった症状も、言葉で伝えられないこともあるでしょう。
自分の体調に目を向けることも少ないので、気づいたら症状が進んでいるのが子どもの脱水や熱中症。
周囲の大人が変化に気づいてあげることが大切です。
体温が高くなりがち
子どもは体重に対しての体表面積が大きいため、外気の影響を受けやすいといわれます。
つまり暑い日は体温が高くなりやすく、寒い日は体温が下がりがちです。
しかも身長が低いため、地面からの熱を受けやすいのも特徴。
自分で洋服を脱ぎ着して、体温を調整することも難しい場合もあります。
体温が上がると、体は汗をかいて熱を逃がそうとしますが、この時に水分と塩分が失われるため、脱水症状を起こしやすくなります。
また脱水が進むと、体内に熱がこもって熱中症のリスクも高まります。
子どものサインを見逃すな!かくれ脱水と梅雨型熱中症の兆候とは

子どもが脱水症や熱中症になる時は、小さくても必ず兆候があります。
脱水状態と熱中症では、いくつか重なるサインもあるので、大人が子どもをよく観察することが重要です。
下記のような様子が見られたら、水分補給をして涼しい場所や日陰で休ませましょう。
・唇が乾いてカサカサしている
・手の甲をつまむと盛り上がった皮膚が戻らない
・トイレの回数が減る
・おしっこの色が濃い
・舌が白い
・口の中がネバネバしている
・なんとなく元気がない
・よだれが減っている
・あくびが頻繁に出る
・足がつる
・顔が赤い
・大量の汗をかいている(もしくは全く汗をかかない)
・元気がない
・手足が痺れている
朝と帰宅後にできる「脱水」と「熱中症」の回避術

朝・昼・晩と、親が子どもにずっと付き添っていれば、水分補給や体調の変化にも対応できますが、実際には不可能です。
ただし、朝や夜に仕込んでおくことで「かくれ脱水」と「梅雨型熱中症」を回避する方法があります。
そして子どもの帰宅後の対応でも、夜間の脱水・熱中症や翌日の体調に大きく違いが出ます。
○ 【朝】朝ごはんに味噌汁を出す
○ 【朝】水分補給のスケジュール化
○ 【朝】暑さ指数のチェック
○ 【朝】水筒の中身をひと工夫
○ 【帰宅後】まずは水を1杯
○ 【夜】ぬるめのお風呂
○ 【夜】ミネラルたっぷりの夕食を
【朝】朝ごはんに味噌汁を出す
水分と塩分をバランスよく摂取できる「味噌汁」は、脱水・熱中症対策には最強のアイテム。
また野菜やきのこ類、海藻などもたくさん入れて、ミネラルをたっぷり摂取できる「具だくさん味噌汁」にすれば、心強い1日のスタートが切れます。
味噌汁でなくても、「野菜たっぷりスープ」や「梅干し」でもOK。
水分と塩分のみならず、ミネラルを朝一番で体に入れることで、体液バランスが整います。
【朝】水分補給のスケジュール化
子どもは「喉が渇いたら水を飲んでね」「水分補給を忘れずに」と言われても、つい後回しにしてしまいます。
こまめに水分を摂らせるには、具体的に「いつ」「どれくらい飲む」かをスケジュール化して伝えておきましょう。
例えば…
・朝食時にコップ1杯
・2時間目が終わったら3口
・お昼(給食やお弁当)にコップ1杯
・帰宅後にコップ1杯
・お風呂前にコップ1杯
・寝る前にコップ1杯
というふうに、具体的にどれくらい飲むかを親子で約束しておきます。
学校や習い事の間、親は管理できませんが、朝や夜の自宅での水分補給習慣が根づいてくると、自然と体が水分を欲して、意識できるようになります。
専用の水筒やペットボトルを用意して、目盛りをつけて、「今日はしっかり飲めた」「少し残っているから、忘れちゃったね」と親子でチェックするのも効果的です。
【朝】暑さ指数チェック
気温だけを確認していると、梅雨時期の気温が低い時は特に危険です。
環境省が発表している「暑さ指数(WBGT)」は、気温はもちろん、湿度や照り返しも考慮した熱中症予防の国際基準。
梅雨のジメジメした日は、気温が低くても汗が気化せず、熱中症の危険性がより高まります。
暑さ指数をチェックすることで、前もって対策ができます。
【朝】水筒の中身をひと工夫
子どもに持たせる水筒の中身は、「水」や「麦茶」が基本。
しかし「運動会の練習がある」「習い事で運動をする」といった場合は、塩分と糖分が同時に摂れる「薄めたスポーツドリンク」も有効です。(学校によっては禁止しているところもあるので、要確認)
また「たっぷり水分が摂れるように」と、子どものサイズに合わない大きすぎる水筒を持たせても、どこかに置きっぱなしにしたり、カバンに入れたままにしたら本末転倒です。
子どもが手軽に使えるサイズにするか、中身の量を調整しましょう。
【帰宅後】まずは1杯を習慣に
子どもの水分補給は、タイミングを決めて行うのがスムーズ。
特に学校や外出先から帰ってきた時は、体全体がカラカラに渇いていることが多いので、水分補給にはベストなタイミング。
冷蔵庫に麦茶やレモン水などを冷やしておいて、手洗いうがい後に、まずは1杯飲ませましょう。
砂糖たっぷりのジュースや炭酸飲料などではなく、無糖の水やお茶がベストです。
【夜】ぬるめのお風呂
むし暑くなってくると、ついお風呂ではなくシャワーだけで済ませがちですね。
しかし本格的な夏前の湿気の多い時期は、体の中に熱がこもりがちで、汗もうまくかけない状態。
38〜40度くらいのぬるめのお風呂に10分ほど浸かると、皮膚の血管が開いて、体内の熱が逃げやすくなります。
また暑熱順化のトレーニングもできるので一石二鳥。
しっかり水分補給をしてから、ぬるめのお風呂にじっくり入り、乱れがちな自律神経も整えましょう。
【夜】ミネラルたっぷりの夕食を
本格的な夏前の梅雨や曇りの季節、汗をかいていないようで、実はひっそりと汗をかき、水分や塩分、ミネラルが体から失われています。
ミネラルが失われると、体の中の細胞に水分をキープする力が弱まり、体液のバランスが崩れてしまいます。
それにより脱水状態に拍車をかけてしまうため、夕食にはミネラル(特にカリウム)たっぷりの食事を用意しましょう。
カリウムが豊富なのは、
さといも・さつまいも・じゃがいもなどのいも類。
バナナ・メロン・キウイフルーツなどの果物。
ひじき・昆布・焼き海苔などの海藻類。
納豆・枝豆・豆腐などの豆類。
水に溶けやすいという性質があるので、茹でるよりも蒸すなどして栄養が失われないようにするのがコツ。スープにして汁ごと摂るのもいいですね。
子どもに伝える「自分の守り方」

年々最高気温を更新する、近年の異常な暑さ…子どもの体を守るために「親ができること」もありますが、大事なのは子どもが自分で自分を守る知恵を持つこと。
子どもが自分の体の状態を把握して、対応する力がつけば、親から離れていても安心です。
そのために、子どもに伝えておくことは…
→ 喉の渇きを自覚するレベルだと、体内の水分はかなり減っている状態。学校に着いた時、休み時間、給食(昼食)時など、「タイミングを決めて水を飲む」を約束しておきましょう。その際、水やお茶を3口、など具体的に決めておくといいですね。
→ 自分でおしっこの色を確認して、黄色が濃くなっていたら危険信号。「急いで水を飲んでタンク補充」して、薄い黄色になったらOKです。「おしっこでチェックができる」と理解できると、今後もセルフチェックができて安心です。
→ 「体が重い」「だるい」「生あくびが出る」のは、脱水症や熱中症のサイン。「これくらいで具合が悪いって言ったら恥ずかしい」なんて思っているうちに、重症化することもあります。普段から自分の体に意識を向けて、変化のサインを見逃さないようにしたいですね。
子どもが自分の体の声に気づけるように

梅雨の湿気や初夏の蒸し暑さは、想像以上に子どもの体に負担をかけているもの。
特に曇天の涼しい日や雨の日はつい油断をして、体がカラカラに渇いてしまいがちです。
そこから「かくれ脱水」や「梅雨型熱中症」になってしまうこともあるので、暑い日同様、注意が必要です。
大切なのは、子ども自身が自分の体の声に気づけること。
正しい知識と意識で、変化の激しい季節を乗り越えたいですね。
・雨や曇りの気温が低い日でも、脱水症や熱中症になることがあり、それを「かくれ脱水」や「梅雨型熱中症」と呼ぶ。
・子どもはかくれ脱水や梅雨型熱中症になりやすい。
・朝や夜の食事や過ごし方で、脱水や熱中症の対策をすることができる。
・子どもが自分の体調の変化に気付けることが大事。
(参考)
・日本気象協会 | 熱中症について学ぼう:熱中症のメカニズム
・コクリコ | 【子どもの熱中症】「汗をかかせたほうがいい」は危険な誤解! 正しい暑さ対策とは
・日本スポーツ協会 | 熱中症を防ごう













専門家コメント
実用書の編集・ライティング、人物インタビューを中心に活動中。子育てや街紹介のポータルサイトでは1000件以上の学校や教育施設、子育て支援施設を取材。「学業とスポーツは必ず両立する」を信条に、息子2人を大学まで野球漬けに育てあげる。趣味は、はた織り・耳かき・スポーツ観戦。好きな言葉「中庸」。