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子どもが直面する新時代リスクと身を守る知恵

更新日: 2026.05.18
投稿日: 2026.05.19

子どもが直面する新時代リスクと身を守る知恵

ニュースなどの報道を見ていると、子どもが犯罪やSNSトラブルに巻き込まれたり、野生動物の危険にさらされたり…現代の子どもはさまざまなリスクに直面しています。

親世代とは少し違ったリスクの傾向もあり、子どもをどう守ったらいいのか心配になりますね。

今回は新時代のリスクと身を守る知恵についてお伝えします。

昔とは違う 現代に潜むさまざまな危険


親世代が子どもだった頃に比べると、現代は社会環境やデジタルツール、自然災害の種類もかなり違います。

それに伴い、子どもたちを取り巻くリスクは形を変え、より複雑になったといえるでしょう。

今や小学生のインターネット利用率は97.2%、中学生は98.1%、高校生では99.4%(*)とほぼ100%近くになっており、知らない人とつながったり、ネットいじめのようなことが親の目の届かないところで起こってしまう可能性が高まっています。
*こども家庭庁:令和5年度青少年のインターネット利用環境実態調査より

また気候変動に関しても、命に関わるような猛暑日が続き、自然災害や熊などの動物被害も甚大になっています。

さらに特徴的なのは、こうしたリスクが関連し合って、早いスピードで進行する点です。

例えば災害時にSNSで誤情報が流れてパニックが起きたり、インターネットでつながったことで犯罪に巻き込まれたりと、子どもの情報管理もさらに重要になっているといえるでしょう。

子どもをトラブルから守るには、親が闇雲に怖がったり禁止するのではなく、きちんと理解して時代に合った対策を取る必要があります。

今回は、

○ SNS・オンラインゲーム
○ 犯罪
○ 自然災害
○ 熱中症などの健康被害
○ 動物

の、5つの視点から子どものリスクを考えてみましょう。

SNS・オンラインゲーム


子どもにとって、今や切り離すことのできないSNSやオンラインゲーム。

「遊び」や「友だちとの交流の場」であると同時に、トラブルや犯罪の種になることも多く、子どもが家の中にいても知らない誰かとつながっている怖さがあります。

SNSやインターネットで、やってはいけないこととは?

男女関係なく、「ネットで知り合った人と会うのは絶対に禁止」「写真を送れと言われたら必ず断る(スルーする)」など、「絶対にダメ」なルールはきちんと伝えて守ることを徹底します。

また何気なく撮った写真から自宅や個人を特定されることがあるので、公園の遊具やマンホール、窓の外の景色など映り込みを親子で確認しておきましょう。

課金や利用時間の制限、フィルタリングやペアレンタルコントロールなどは、子どもに理由を説明して必ず設定を。

「あの時、注意しておけば…」と後悔しないためにも、「ネットにはどんな危険性があるか」「子どもが犯罪に巻き込まれた過去の例」をしっかり教えて、親が心配していることも伝えておきます。

すぐに相談できる関係性を

どんなに注意をしていても、子どもが犯罪やトラブルに巻き込まれてしまうことはあります。

一番大切なのは、親が信頼できる相談相手として機能することです。

親としてはつい「宿題やったの?」「ちゃんとしなさい」といった指示や確認が多くなってしまいますが、いつもの「雑談」を大事にするのがコツ。

子どもがトラブルを隠す最大の理由は、「親をがっかりさせたくない」という気持ちです。

「何があっても味方でいてもらえる」「親に相談すれば大丈夫」という安心感を持ち、「困った時に頼る相手は親」という関係性が構築されていると、最短距離でトラブル解決に動くことができます。

犯罪


13歳以下の子どもが巻き込まれた犯罪のうち、女子は「不同意わいせつ」「略取(無理やり連れ去る行為)や誘拐」が多く、男子は「暴行・障害」が多いというデータがあります。

具体的なリスク回避の方法をお伝えします。

○ 犯罪に巻き込まれないための「ひまわり」
○ 怪しい人から2mキープ
○ 車の進行方向と逆に歩く
○ 家の玄関に入るまで油断しない
○ 防犯ブザーの使い方
○ 家族で確認しておくこと
 

犯罪に巻き込まれないための「ひまわり」

「危ない場所に近づかないで」と伝えても、子どもは「危ない場所」がどんなところか自体がわかりません。

危険な場所を見分けるためのヒントが「ひまわり」の合言葉に隠されています。

ひ→ひとりきりになる場所
ま→まわりから見えにくいところ
わ→脇道や後ろから近づきやすい場所
り→利用されていない空き地や空き家

このような場所は犯罪者が潜んでいることが多いので、子どもには近づかないように約束させましょう。

これ以外にも「トイレには1人で行かない」「遊んでいる時もなるべく1人にならない」「1人で行動する時は特に周囲に注意する」など、普段から子どもに言い聞かせることも忘れずに。

怪しい人から2mキープ

知らない人や少し怪しく感じる人からは、手を伸ばしても届かない2m以上の距離を取るのが安心です。

2mはだいたいどれくらいの距離なのか、親子で実際に確認して、実際に逃げる練習もしてみましょう。

・不審な人がいたら→人がいる方向へ移動する
・手を掴まれたら→とにかく声を出す(ワー・キャーではなく助けて!)

など、その時々の対応が取れるようにしておくといいですね。

車の進行方向と逆に歩く

後ろから近づいてくる車には気付きにくいため、走る車とすれ違うように歩くと、不審な車を見分けやすくなります。

もし車が急に止まっても、車の進行方向と逆に向かって逃げれば、車がUターンする時間が稼げるため、連れ去りや車内への引き込みを防ぐことができます。

家の玄関に入るまで油断しない

家の鍵を開ける時は

・すぐに鍵を出して素早く開ける
・後ろに誰かいないか確認する
・中に入ったらすぐに鍵を閉める
・誰もいなくても「ただいま」と声に出して言う

が基本。

マンションに住んでいる場合、オートロックを抜けた瞬間に安心してしまいますね。

しかし不審者がマンションの敷地内に入り込むことはさほど難しくないので、家に入るまでは気を抜かずに周囲に注意が必要です。

エレベーターに乗る際、見知らぬ人と一緒になりそうになったら「お母さんが来るのを待っているので」などとやり過ごします。

ドアが閉まる寸前に知らない人が乗ってきたら、ボタンを背にして立ち、いつでも非常ボタンを押せる状態にしておきましょう。

防犯ブザーの使い方

自分に危険が及ぶ場面では、迷いなく防犯ブザーを使います。

実はブザーは鳴らした後の行動が重要で、ブザーを鳴らしたら、その場に投げ捨てて全速力で逃げるが正解。

犯人は音を止めようとブザーに集中している間に、助けを求めたり、遠くに逃げるなどの避難行動が鉄則です。

不審者は声を出されたり、ブザーを鳴らされたりすると、犯行を諦めるケースが多々あります。

電池が切れていないかは常に確認し、布団の中や枕で挟むなどして月に1回は音が鳴るかをチェックしましょう。

家族で確認しておくこと

子どもを狙う犯罪者は、「お母さんが倒れたから車で病院に行こう」「道に迷ったから案内して」など、子どもの善意につけ込んだ悪質な手口が多く、いざという時は怖くて大声が出せないこともあります。

普段から、「声を出す」「走って逃げる」「防犯ブザーを使う」といった防犯行動の練習をしておくことが重要です。

また通学路の「子ども110番の家」を確認しておき、「困った時は入っていいマークだよ」としっかり伝えて、家から学校・公園の道中でどこにあるかをチェックしましょう。

通学・外出時の約束「いかのおすし」

いか→行かない
の→乗らない
お→大声を出して叫ぶ
す→すぐ逃げる
し→知らせる

で、基本的な防犯意識を持っておくといいですね。

自然災害


近年は、地球温暖化や自然環境の変化により、災害の種類が増えて規模も大きくなっています。

災害別に注意を見ていきましょう。

河川の氾濫

7月下旬から9月上旬の夏〜初秋にかけて増えるゲリラ豪雨。

都市部においても、エアコン室外機などの熱で積乱雲が発生しやすくなるといいます。

通学路が線路などのアンダーパスになっていたり、川や水路の近くの低い土地を通る場合は、「雨が降ったら避難路を通る」と決めて、通学路同様、親子で一緒に歩いておきましょう。

また蓋のない用水路は、水が溢れると境界が見えなくなって危険です。

水はあっという間に増水し、10分で道路がふさがるなど一瞬で豹変するため、自己判断をせずに「雨が降ったら避難路で帰る」と決めておくといいでしょう。

また津波警報や洪水警報が出たら、逃げ込める高いビルや公共施設を確認しておくことも重要です。

地震

地震の際はブロック塀や自動販売機、電柱などが倒れてくる危険性があるため、日頃から「揺れたら離れる」を意識しておきましょう。

子どもが小学生になると一人で行動することも増え、災害時に1人で判断する可能性もあるでしょう。

「緊急時の集合場所」や「ここまでなら学校に戻る、これ以上家に近ければ帰宅する」などを家族内で決めておき、災害用伝言ダイヤルの使い方も練習しておくといいですね。

熱中症などの健康被害


近年の暑さは、生死に関わるレベルにまで達しています。

「登下校中に水分補給ができるように水筒持参OK」「ランドセルの負荷軽減のために教科書を学校に置いておく」など、さまざまな配慮も進んでいます。

日傘を使ったり、ランドセル用冷却パットを活用したり、登下校中の熱中症対策は万全にしておきましょう。

またスポーツ中の熱中症対策も大切。

コーチや指導者のいうことをよく聞き、「頭がいたい」「だるい」「吐き気がする」など、いつもと違う感覚があればすぐにSOSを出すように伝えておきましょう。

できれば春先から外で遊ぶ習慣をつけ、暑熱順化で暑さに慣れておくと体が汗をかいて熱を逃しやすい「夏仕様」の体になります。

暑いからといって「冷房の効いている部屋ばかりで過ごす」「まったく運動をしない」という生活になっていると、実は熱中症の危険性も高まります。

「睡眠不足」「(食欲不振からの)栄養の偏り」「運動不足による体力低下」などは、熱中症だけでなく体調を崩すもとになるので、なるべく体を動かして食事も睡眠もたっぷりとるようにしましょう。

野生動物


自然環境の変化や山林の管理の問題で、野生動物が山からおりてきて人々の生活を脅かすニュースが増えています。

以前は狩猟者が多く、野生動物の駆除が人によって行われていたことで「人間=怖い生き物」でしたが、今や私たちの生活圏は動物たちの生息域と重なり、人間への恐怖心が薄れているといわれます。

野生動物(特に熊)と遭遇する可能性がある場合は、鈴を持たせたり、友だちと賑やかに歩くなど人間の存在を相手に知らせる必要があります。

また匂いに誘われて出没するので、「お菓子や食べ物を持ち歩かない」「食べ歩きをしない」「ゴミを外に捨てない」などの予防も効果的です。

そしてもし遭遇してしまった時、距離がある場合は大声などで刺激せず、目を合わせながら少しずつ後退りしましょう。動物は逃げるものを追う習性があるため、絶対に背中を見せて逃げないようにします。

目の前でばったり鉢合わせしてしまった時は、首や頭などを手で守りながら、その場に丸くなって伏せる「防御姿勢」を取りましょう。

またスズメバチや毛虫、ヒアリなどの虫も油断できません。ハチ類は黒や黄色、オレンジを好むので白っぽい長袖長ズボンで肌の露出を少なくするといいですね。

想定しておけば対処できる! 親子で心構えを


人はイメージしていない行動はできないと言われています。

つまりその時をイメージして想定しておけば、身を守る行動や対処ができるということ。

「どうせそんなこと、起きないでしょ」「その時に判断すれば大丈夫」などと悠長に構えていると、避けられるはずの被害に遭う可能性もあります。

子どもの頃から防犯や危険回避の意識を持っていると、中学・高校・大学・社会人と年齢を重ねても、犯罪や危険な芽を事前に摘むことができます。

街を歩きながら、日常的に「あのトンネルは暗いから怖いね、別の道から行こうか」「あのトイレは一つの入り口から男女が分かれるから危ないね」などと話しておくと、「何が危ないか」「どういう場所は気を付けるべきか」の理解が進みます。

「自分のことは自分で守る」「自分の命は大切にされるべきだ」と理解すると、犯罪だけでなく、生活全般において意識が高まり、より健康に安全に過ごすことができるでしょう。

改まって「リスクに関する話をする!」と力まずに、日々の生活から親子で観察力・防衛力を磨いていきましょう。

まとめ

・現代の子どもを取り巻くリスクは、種類が増え、より複雑になっている。
・SNSを介した犯罪や自然災害、野生動物たちによるリスクもある。
・「もしもの時」を普段からイメージしておくと、子どもはとっさの時に動ける。
・親子の雑談を増やして、なんでも相談できる関係性をつくっておくと、なにかあった時にも解決しやすい。

(参考文献)
・JR東日本・都営交通・東京メトロ | 自分を守る力をつける(子どもの防犯)
・アルソック | 小学生の防犯対策! 持たせたい防犯グッズや覚えたい約束事も解説
・千葉県警察 | 子どもを犯罪から守るために
・スタディサプリ | 通学途中の大地震にも慌てず身を守る10の知恵
・マイホームマガジン | 通学路や公園、トイレでの犯罪被害を防ぐには?専門家に聞く子どもの防犯対策

元井 朋子の画像

執筆者プロフィール

元井 朋子(モトイ トモコ)

編集ライター

専門家コメント

実用書の編集・ライティング、人物インタビューを中心に活動中。子育てや街紹介のポータルサイトでは1000件以上の学校や教育施設、子育て支援施設を取材。「学業とスポーツは必ず両立する」を信条に、息子2人を大学まで野球漬けに育てあげる。趣味は、はた織り・耳かき・スポーツ観戦。好きな言葉「中庸」。

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