スマホ育児って結局どうなの? ついスマホを渡してしまうママ・パパが知りたい「上手なつき合い方」
投稿日: 2026.02.17
「スマホ育児」という言葉、聞いたことはありますか。
子育てをする際にスマートフォンやタブレットを活用して、子どもに動画や知育アプリを見せることです。
公共の場で子どもがぐずってしまったり、待ち時間などで静かにしていてほしい時などによく使われる方法ですが、人との関わりが減り、スマホ依存を助長するのでは…などの心配もされています。
しかしこれだけデジタル機器が発達した現代、子どもをスマホやタブレットから完全に遠ざけることは難しいでしょう。
ここでは上手にスマホ育児を取り入れるための、考え方や関わり方を紹介します。
もくじ
あまり良くないのはわかっているけど、こういう場面で使ってしまう…

誰もが「スマホに子守りをしてもらおう」とは考えていないけれど、公共の場で困った時やワンオペでどうしようもない時などは、頼ってしまいますね。
では世の中のママ・パパたちは、どんな場面でスマホを子どもに見せているのでしょうか。
など、ママやパパたちの後ろめたいような気持ちや、周囲の人たちの理解が進んでいない様子が見て取れます。
データで見る「スマホ育児」

では実際のところ、世の中の親たちはどの程度育児にスマホを活用しているのでしょうか。
さまざまなアンケート結果からデータで現在のスマホ育児の実態について調べてみましょう。
コズレ子育て研究所の0歳〜未就学児の子どもを持つ親へのWebアンケートによると、「子どもがスマホやタブレットを利用することはある?」との質問に、32%が「ある」と答えており、対象を1歳以上の子どもにするとその割合は倍の約60%に跳ね上がります。
1歳以上になると外出機会が増え、自我も育ってくるため、「静かにしていてほしい場面」が増加するのかもしれません。
またその頻度については「毎日」と回答した人がもっとも多く44%、週に数回が32%と、スマホ育児が日常的になっていることを示しています。
またユニ・チャームが調べたアンケートではスマホ育児経験者の割合は46%で、その理由は「泣いたりぐずったりした時の負担が減る」が71.5%とダントツでした。
反対にスマホ育児をしたことがない人は51%と半数以上で、その理由は、「視力発達への悪影響が心配」が49.7%、「コミュニケーション能力や情緒面への悪影響が不安」が36.9%、「将来的に長時間使用などの依存への心配がある」が30.3%(複数回答可)と、デジタル機器の子どもへの影響を心配していることがわかります。
次は小学生のスマホ使用についても、少し見てみましょう。
令和5年の総務省の調査では、小学生のうちインターネットを利用しているのは86.2%。
そのうちスマホを使っているのは71.2%で前年の68.5%と比べると2.7%上昇しており、家族で使うパソコンや家庭用ゲーム機などより個人的な機器に移行しているのがわかります。
乳幼児の頃からスマホに親しみ、日常的にデジタル機器を使いこなす子どもたちの姿が想像できますね。
スマホ育児のメリット・デメリット

賛否両論あるスマホ育児ですが、具体的にどんなメリットどデメリットがあるのでしょうか。
スマホ育児のメリットとは?
◯ 子どもが落ち着く
外出先や公共の乗り物などの中、また家で親が家事や仕事をする際に、スマホを活用することで子どもが落ち着きます。これにより家事や仕事をする時間を確保できます。
◯ 親が心理的に余裕を持てる
体の具合が悪い時や料理中、少し休みたい時などにスマホを頼ることで、心理的に余裕が持てストレスが軽減できます。
◯ 学びのアプリなどもある
知育のコンテンツや英語動画など、子どもの知識を蓄積したり、外国語学習にプラスになるものもあり、子どもは楽しく学ぶことができます。双方向(インタラクティブ)学習は、一方的に教えられるよりも学習効果が高くなると言われます。
スマホ育児のデメリットとは?
◯ 言葉や感情のキャッチボールが減少
面と向かっての親子の相互やりとりが少なくなることで、言葉や気持ちのキャッチボールが減少してしまいます。これにより言語発達に遅れが出ることが懸念されています。
◯ 刺激に慣れてしまう
スマホから流れてくる動画は、音や色、次々と繰り出されるテンポの速い情報など、日常生活よりも刺激が強くなります。人は刺激に慣れると、もっと強い刺激を求めるようになるため、現実世界での遊びを「退屈」に感じやすくなってしまう可能性があります。
◯ 視力低下
スマホやタブレットなどの使用により、世界的に子どもの近視が増えているといわれます。視力だけでなく、運動不足や体力の低下、猫背などの身体的な影響も心配されています。
◯ 習慣化してしまう
「泣けばスマホを触らせてもらえる」「グズれば動画が見られる」と学習してしまうと、親も子もデジタル機器を頼る気持ちが芽生えてしまいます。習慣にしないためには関わり方に注意が必要です。
よくある悩みを集めてみました

「長時間スマホを見せるのはダメだけど、長時間ってどれくらい?
「時々ならOKって、時々の頻度は…?」
など、「実際はどうなの?」という悩みや疑問、ありますよね。
今回はよくある「スマホ育児の悩み」を集めてみました。
電車やお店などでスマホに頼りっぱなしなのはダメ…?
公共の場で子どもがグズったり、泣いてしまうと、「どうにかしなきゃ」と思いますね。
そんな時は、まず「お外、行ってみる?」「窓の外、何が見える?」など、スマホ以外のもので気持ちを紛らわせてみましょう。
それでも難しい場合は、「5分だけ」「動画1本見たら終わり」などと区切りをつけて、スマホに頼るのもアリでしょう。
気をつけたいのは、子どもが親の期待通りの行動をしなかった時に、すぐ「スマホを見せれば静かになる」と全面的に頼ってしまうこと。
あくまでも最終手段として活用するように心がけることが大切です。
動画やアニメではなく写真フォルダを見るのは大丈夫?
動画やアニメーションよりも、写真は刺激が少なく、会話が生まれやすいのでおすすめです。
一緒に写真を見ながら「この時、楽しかったね」「これはどこに行った時だった?」などと記憶を辿ったり、日常の話につなげたり、会話を楽しむようにしたいですね。
動画やアニメは、どうしても受け身になりやすく、情報が一方通行になりがち。
写真をもとに双方の会話や対話が生まれるようにすれば、スマホ育児を上手に活用できているといえるでしょう。
スマホで動画を見るなら何歳から? 時間はどれくらいが目安?
WHO(世界保健機関)のガイドラインによると、
・1歳児にも推奨しない
・2〜4歳児には1日1時間以内(少ないほどよい)
とされています。つまり2歳までは見せない方がいいという見解です。
また日本小児科医会も2歳までは長時間見せないように呼びかけており、特に寝る2時間前には使用を控えるように提言しています。
ただ親が体調不良になったり、どうしても家で仕事をしなければならなくなったりと、さまざまな事情もあるでしょう。
その場合は、
・動画の後に外遊びの時間を多くする
・動画を見せた日は親子遊びの時間を長く取る
などの調整をするようにしましょう。
スマホじゃなくてタブレットならいい?
タブレットはスマホの画面を大きくしたものなので、子どもへの影響は同じです。
ただ画面が大きい分、タブレットは親子で一緒に見るのに向いているので、子どもと一緒に動画やアニメなどを楽しむことができます。
できれば子どもだけで見せっぱなしにするよりも、親子で対話しながら一緒に楽しめるといいですね。
子どもが外遊びをしたがらず、スマホばかり…
動画やアニメは子どもの心を掴むコンテンツばかりなので、子どもはつい夢中になってしまいます。
言葉だけで「外に行ってきたら」「体を動かしなさい」と伝えても、重い腰は上がらないはず。
「◯◯を見に行ってみようか」「帰りにケーキ屋さんに寄ろう」など、少し興味が出そうなものを追加して、外遊びに誘ってみましょう。
「体を動かさないとよくない」「スマホは目に悪い」などと正論をぶつけても、子どもの心はなかなか動きません。
親のスマホ使用が子どもに影響する?
子どもは「言われたこと」よりも、「見たこと」を真似する傾向があります。
つまり親が四六時中スマホを見ていれば、子どもも「見たい」という気持ちが強まります。
とはいえ親の生活からスマホを根絶することは不可能なので、
・子どもが話しかけてきたら、一旦、スマホはやめる
・どうしても使う必要がある場合は、「これが終わるまで待ってね」と伝える
・子どもの前でスマホを使う時間を少しずつ短くしてみる
など、親側のスマホの使い方に気をつけてみましょう。
親子で上手にスマホを活用するには

親子の生活に欠かせなくなっているスマートフォン。せっかくなら、上手に活用しながら、楽しく学んだり、ストレスなく時間を過ごしたりしたいですね。
ここでは年齢別にスマホとのつき合い方を考えてみました。
◯ 2〜3歳
◯ 3〜5歳
◯ 小学校低学年
◯ 小学校高学年
2〜3歳
まだデジタルの刺激には弱く、映像や音などに引き込まれてしまいます。
スマホを使うのは親が許可した時だけに限り、できるだけ短時間で済ませるようにしましょう。目安は1回5分程度。
もし公共の場でグズってしまったり、泣いてどうしようもない時は、写真や絵などを一緒に見ながら会話できるような環境づくりがベストでしょう。
できればスマホそのものを子どもに預けるのではなく、親子で一緒に閲覧するようにしたいですね。
3〜5歳
少しずつルールが理解できるようになりますが、まだまだ動画などの刺激は強く影響を受ける時期。
動画やアニメは1日トータルで10〜20分程度におさえ、連続で視聴するのは避けましょう。
見終わったら、「アニメのキャラクターを一緒に絵で描いてみる」「主題歌を一緒に歌う」など、リアルな世界の遊びに応用できるといいですね。
この時期は「ごっこ遊び」や「パズル」「お絵描き」「外遊び」などのリアルな遊びが想像力や社会性、空間認知を育むため、スマホと併用して実生活での遊びも充実させましょう。
小学校低学年
幼児期のスマホ習慣が日常化しやすいので、「時間」「場所」「マナー」などの約束事をしっかり決めた方がいいでしょう。
例えば「宿題を終わらせて、明日の準備が整ってから」「習い事が終わって、夕食まで」などリズムを作り、平日は1日30分まで、週末は1時間までなどを目安にメリハリをつけて付き合う習慣を。
小学生になったら、これらのルールは子どもの意見も聞いて一緒に決めましょう。
このルールを話し合って決めた場合と、親が一方的に決めた場合では、「スマホのルールを守る・守らない」に大きな差が出ることがわかっています。
小学校高学年
自分のスマホを持つ子が増え、閲覧ルールと共に「持たせるか・否か」の問題も絡んでくるでしょう。
SNSなどで友だちとのやりとりも増え、少しずつネットリテラシーも必要になってきます。
小学生のうちはルールを一緒に考え、ある程度制限をかける必要があります。
・平日はゲーム・SNS含めて1時間まで。
・「友だちの悪口を言う」「仲間はずれ」などの言動は許さない。
・パスコードを共有し、親がチェックできるようにしておく
など、もし子どもが抵抗しても「なぜ必要なのか」「いざという時に親が守れるように」と、その理由を丁寧に説明しましょう。
家族のスマホ利用を見直す機会にしよう!

2023年に発表された複数の研究で、子どもが泣くたびにスマホを与えられる環境だと、子どもが自分で自分をなだめる「セルフ・レギュレーション」の発達機会を失ってしまうという結果が発表されました。
このセルフ・レギュレーションが育たないと、成長しても、何か不快なことや困ったことがあるとスマホに逃避しやすいとされています。
また親がスマホを長時間使う習慣があると、それに比例して子どもの利用時間も長くなるというデータもあります(内閣府による調査/2023年)。
スマホを育児に活用するポイントは、「使い方の習慣」です。
グズったり、泣いたらすぐに与えるのではなく、まずは子どもが何を求めているかを探り、やむを得ずスマホを使う場合は「終わり」を決めて、それを親子で守ることも大切。
スマホ育児は「日常的な習慣」ではなく、いざという時の最終兵器として使いこなすように心がけることが肝要です。
この機会にママ・パパ、家族全体のスマホの使い方や向き合い方を見直して、子どもとの時間の過ごし方を考えてみましょう。
・いざという時にスマホで子どもを落ち着かせることを「スマホ育児」という。
・子どもが泣いたり、ぐずったらすぐにスマホを頼るのではなく、最終手段として使うとよい。
・WHOや厚生省の指針を参照しながら、なるべく短い利用にすると、子どもの視力低下やスマホ依存の心配を減らせる。
・大人のスマホ使用習慣を見直すことも大切。
(参考元)
・学研 | スマホ育児を取り入れるとき 上手な活用方法をご紹介
・プレジデントウーマン | 「スマホに育児をさせないで」という人たちはわかっていない…小児科が指摘するスマホの意外な効用
・KDDI | スマホ育児のメリットとデメリット 保育士てぃ先生とママリ編集長に聞いてみた
・総務省 | 令和4年通信利用動向調査結果
・COZRE | スマホ育児って実際どうなの?先輩ママパパに聞いたリアルな本音
・内閣府(そのほか省庁) | ネット・スマホのある時代の子育て
・ユニ・チャーム | スマホ育児について
・ポピフル | スマホは危険?これで不安を解消!小学生の親子で決める「スマホルール」












