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「好き嫌い」は成長の一部?子どもの“食”の育ちを見守る&親子で作るさつまいもレシピ3選

更新日: 2025.12.09
投稿日: 2025.11.20

「好き嫌い」は成長の一部?子どもの“食”の育ちを見守る&親子で作るさつまいもレシピ3選

「うちの子、野菜をまったく食べなくて」「毎日同じものばかり食べたがる」
そんな悩みを抱えるお父さんお母さんは少なくありません。
前回の記事では「食べない」問題を取り上げましたが、今回は少し食べるようになってからの次のステップ、「好き嫌い」について考えてみましょう。
「好き嫌い」は悪いこと、克服すべき課題、そう感じる方も多いかもしれません。
けれど実は、好き嫌いがあること自体は、成長の途中にある自然な現象です。

幼児期に好き嫌いが生まれる理由

生理的な理由:苦味を避けるのは『生きる力』

1〜2歳頃になると、味覚や嗅覚が急に発達し、苦味や酸味に敏感になります。
これは「生きるための防衛反応」と言われ、苦味=毒と感じて避けようとする本能的な働きです。

腐ったものは酸っぱく感じる、毒は苦く感じるという本能からの自己防衛です。

つまり、ピーマンやゴーヤを嫌がるのは「わがまま」ではなく「本能」なのです。

感覚的な理由:食感や見た目にも敏感

食感や見た目、温度などの感覚も大きく影響します。
「ぐにゃぐにゃしているのがイヤ」
「見たことがない色だから怖い」

子どもにとって食べることは、五感の経験の連続なのです。
五感とは視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚の5つの感覚。

食べる時は味覚だけではなく、目で見る(視覚)、調理中の音を聞いている(聴覚)、香りをかぐ(嗅覚)、手で触って(触覚)感じるなど五感をフル稼働させているのです。

心理的な理由:食事が“緊張の時間”になることも

また、心理的な要素も関係しています。

・食事中に(食事に関係ないことで)叱られた経験がある
・食事中にこぼすなどして叱られた経験がある
・「これ食べなさい」と言われることが多い
・他の子と比べられる

こうした体験が、「食べる=緊張すること」と結びつき、苦手意識を強めてしまうことがあります。

思い当たることはありませんか?

「好き嫌いを直す」よりも「食経験を増やす」へ

「どうしたら食べられるようになるの?」
その答えは、『克服』ではなく『慣れ』にあります。

同じ食材でも、形・味つけ・食べる場面を変えて何度か出すことで、「知っている味」「見たことがある食べ物」に変化していきます。

たとえばピーマンが苦手なら

・細かく刻んでチャーハンに
・甘辛味の肉詰めに
・カレーに混ぜて煮込む

こうした「あ、これなら食べられた!」という小さな成功体験の積み重ねが、子どもの自信と興味を育てます。

食卓でいちばん大切なのは「安心感」

「食べてくれない」と焦る気持ちは、どの家庭にもあります。
けれど、食卓が『食べることを試す場所』になってしまうと、子どもはますます緊張してしまいます。

「食べなさい」より「食べてみよう」

「食べない=ダメ」ではなく、「食べてみようと思える雰囲気」をつくること。
これが、長い目で見たときに子どもの食を育てる最大のサポートになります。

たとえば・・

・食事中は「おいしいね」「これ好き!」などのポジティブな会話を増やす
・苦手な食材も食卓に「参加」させる(無理に食べなくてOK)
・一緒に料理をする

こうした関わりが、「自分で選んで食べた」という感覚を育てます。
それは、『食べること』を自分ごととして感じる第一歩です。

家庭でできる「小さな食育」

「食育」という言葉を聞くと難しそうに思えますが、
実は家庭の中にこそ、たくさんのチャンスがあります。

日常の中にある“食の体験”

・スーパーで「今日はどの野菜にする?」と選ばせてみる
・皮むきや盛りつけなど、簡単なお手伝いをお願いする
・食材の形や色、においを話題にしてみる
・苦手な野菜を一緒に育ててみる

「関わること」が、食への興味を育てます。
大人から見れば小さなことでも、子どもにとっては立派な「体験」。
どの体験も、そのあとに必ず「良いのを選んだね」「盛りつけが上手!おいしそうだね」と『褒める、感動する、認める』をしてあげてください。

一緒に作ってみましょう

この時期、幼稚園や保育園の行事でお芋堀りに行く機会はありませんか。

・焼き芋にする
・棒状に切って素揚げする
・さつま芋サラダにする

など、食べ方はいろいろ。

今日はお子さんと一緒に作れるレシピ3つのご紹介です。

離乳食が終わった幼児期から小学生まで、幅広く楽しめます。
ぜひお子さんと一緒に作ってみてください。

包んでオーブンへ入れるだけ。しっかり甘い焼き芋(5分+90分)

材料(4人分)

さつま芋…4本(動画では「シルクスイート」を使用しています。)
アルミホイル…さつま芋が包める大きさ、さつま芋の本数

作り方

1.さつまいもは良く洗い、濡れたまま1のアルミホイルで包む。
2.1を天板に乗せる。
3.160度に予熱を入れたオーブンで90分焼く。

ポイント:
粗熱が取れるまでオーブンに入れておくとより甘くなります。
熱々で食べてももちろんおいしいです。

さつま芋のポタージュ(10分)

材料(3人分)

さつま芋…200
玉ねぎ…1/2個
牛乳(または無調整豆乳)…200ml
水…100ml
コンソメ(または塩)…少々
有塩バター(またはサラダ油)…10g
乾燥パセリ

作り方

1.さつまいもは皮をむいて薄切り、玉ねぎは薄切りにする。
2.鍋にバターを溶かし、さつま芋、玉ねぎを中火で炒める。
3.水(150ml)を加え、柔らかくなるまで5分ほど煮る。
4.火を止め、ハンドブレンダーまたはミキサーでなめらかにする。
5.牛乳とコンソメを加えて温め、塩で味をととのえる。

ポイント:

とろみ加減はお好みで。(牛乳を追加するとよりさらさらになります。)
牛乳(無調整豆乳)を入れたあとに煮立たせすぎない。
甘みを感じやすく、野菜が苦手なお子さんにもおすすめです。

ノンオイルでヘルシー さつま芋チップス(10分)

材料(3人分)

さつま芋…200g
塩…適量
あおさ…適量

作り方

1.さつまいもを薄くスライスし、水に5分さらしてアクを抜く。
2.キッチンペーパーで水気を拭き取り、耐熱皿に並べる。
3.600Wの電子レンジで片面2分半ずつ加熱(様子を見ながら)。何回か繰り返しさつま芋すべてを加熱する。
4.仕上げに塩とあおさをふる。

阿部 優の画像

監修者プロフィール

阿部 優(アベ ユウ)

陽だまりきっちん料理教室代表 スポーツジュニア食育コンシェルジュ主宰

専門家コメント

スポーツを頑張る子どもを持つ母親として、子どもたちの体つくり、怪我予防、健やかな成長に欠かせない大切なことを 広く伝えていくべく活動をしています。保護者の皆様がお子さんの一番のサポーターとなれるよう、お子さんの成長を末長くサポートできるよう、「お母さんが、無理をしない」をモットーに掲げて 毎日のごはん作りはもちろん、2018年からはスポーツを頑張るお子さんをお持ちのお母さんの個人サポートに取り組んでいます。

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