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非認知能力

「自分の気持ち」が伝えられる子に育てよう

更新日: 2025.01.23
投稿日: 2025.01.28

自分の気持ちを伝える自己表現力。わが子に身についてほしいですよね。
そもそも自己表現力とはどんな力なのでしょうか。
子どもの自己表現力を育むためには、親はどのように関わればよいのでしょうか。
この記事では、子どもの自己表現力を伸ばす方法や親が気をつけたいNG行動、家庭で意識するポイントについて紹介します。

自己表現ができることのメリット


自分の気持ちを相手に伝える自己表現力。

「明るく元気な子は自己表現力が育ちやすい」「慎重で神経質な子は自己表現力が育ちにくい」など、その子の性格に関係するという考え方もありますが、性格というのは多面的で、複雑につくられていくものです。

「うちの子は慎重な性格だから、自分の気持ちを表現するのが苦手」などと、子どもが小さいうちから決めつけてしまうのはNGです。

自己表現が自然にできるようになると、どのようなメリットがあるのでしょうか。3つ紹介します。

良好な人間関係を築くことができる

相手に自分の意思や気持ちをしっかり伝えることができれば、良好な人間関係を築いたり、子ども自身の精神的な安定にもつながります。

周りの人に受け入れてもらえる感覚が得られる

自分の思いや感じたことを表現できると周囲の人が共感したり、認めてくれたりすることで「自分を受け入れてもらえる感覚」が得られます。

相手に誤解を与えないようなコミュニケーションがとれる

自分の気持ちを伝える力があれば、相手からの誘いを自分の言葉でしっかり断ることもできるようになったり、相手の気持ちを考えた言い回しができたりするため、トラブル回避にもつながります。

保護者のNG行動


さまざまなメリットがある自己表現ですが、保護者の行動により、妨げられてしまうことがあります。以下、保護者が避けたいNG行動を紹介します。

大人が先回りしてしまう

子どもから「喉乾いた」と言われ、コップに入れてすぐに渡してしまっていませんか?
「喉乾いた。お茶が飲みたい。」まで言えるかどうかがとっても重要です。
何か困ったことがあった時に大人がなんでも先回りしてやってしまったり、すぐに答えを与えられると、どうするか考える癖がつかなくなります。自分で考えて、どのような行動をとるかを考える力が育まれないのです。

子どもの自己表現を受け流してしまう

忙しかったり疲れていたりすると、子どもの話に対して「ふーん」と聞き流すように受け答えしてしまう場面もあるでしょう。
このようなケースが重なると、保護者に悪気がなくても、子どもは「自分の話はつまらないんだ」「ママ(パパ)は自分の話を聞きたくないと、自分のことを話そうとしなくなるかもしれません。

子どもの感情を抑えつける

心身の発達途中である子どもは、感情表現が未熟なため、言葉よりも泣いたり怒ったり、笑ったりなど、顔の表情や行動で表すことが多いもの。
このような時に「うるさい!」「泣かないの!」などと押さえつけてしまうと、自己表現力を養う機会を失ってしまうことにつながります。

家庭で意識するポイント


子どもの自己表現力を育むために、家庭で意識するポイントを紹介します。

家庭の中で、言いたいことを言い合える雰囲気をつくる

自分の気持ちが言える子に育てるためにいちばん大切なこと。

それは、「社会」のいちばん小さな単位である「家庭」において、家族に言いたいことを言い合える関係をつくることです。

家庭で親が子どもと話すときは、「本音を話すこと」を意識しましょう。

たとえば食事のとき。「残さないで食べてね」「お箸のもち方が違うわよ」など、指示や注意ばかりしていると、子どもは窮屈に感じてしまいます。

「トマトが甘くておいしいね」「ママは、小さい頃わかめのお味噌汁が大好きだったのよ」など、親の本音を伝えるよう心がけましょう。

「まずは子どもの言うことを認めたうえで、自分の考えを述べ、会話を重ねていく」というやりとりを積み重ねるうちに、少しずつ、自分の気持ちを伝える力が育まれていきます。

子どもの感情を言葉にしてあげよう

子どもは語彙力が乏しいため、自分の気持ちをうまく言葉にできないことが多いものです。

それがきっかけとなって、モノにあたったり、周りの友達に手を出したりすることもあるでしょう。

そんなときは、「できなくて悲しいんでしょ?」「怒ってイライラしているんでしょ?」などと先回りして言ってしまわずに、「どうしたの?」「どうしたらいいかな?」と、子どもに考えさせるような言葉かけを心がけたいものです。

そのうえで、「思ったように絵がかけなくて、悲しい気持ちになったのかな」「お友達にオモチャをとられて『悔しい』って思ったのかな」などと、子どもの気持ちをくみとった言葉をかけてあげましょう。

それを繰り返していくことで、子どもは、「悲しい」「悔しい」などの感情がどんなものなのかを理解し、言葉として伝えられるようになっていきます。

「うれしい」「楽しい」などのプラスの感情だけでなく、「悔しい」「腹が立った」「悲しい」などのマイナスの感情もきちんと言葉で表現する力は、自分自身の感情をコントロールする力にもつながります。

「5W1H」を意識しながら子どもと会話をする

「5W1H」とは、

いつ・・When
どこで・・Where
だれが・・Who
何を・・What
なぜ・・Why
どのように・・How

を表す言葉です。

子どもは大人と比べるとボキャブラリーが少なく、断片的な伝え方になることもあります。

子どもの言葉を引き出すには、子どもからの言葉を受け止め、その上で「お友達と遊んで、楽しかったのね。だれと遊んだの?」「園で、積み木遊びをしたのね。積み木は、園のどこにあるの?」「⚪⚪ちゃんが、園で泣いてたんだ。⚪⚪ちゃんは、どうして泣いちゃったの?」など、子どもが答えやすい質問を重ねながら会話を誘導するとよいでしょう。
そのやりとりを続けるうちに、伝えたいことの全体像を共有することができます。

大人のほうも、忙しいとつい、言葉を省いてしまいがちですが、「明日の朝、図書館に絵本を借りに行こう。雨がふりそうだから、傘をもって歩いていこうね」など、5W1Hを意識して話すようにしましょう。

子どもに伝わりやすいですし、このような話し方を真似てくれることも期待できます。

自分の気持ちが伝えられる子に育てるためには、親は、「聞き上手であること」が大切です。

子どもの話をじっくり聞き、会話を楽しみながら、自分の気持ちを伝える力を育んでいきましょう。

実際の会話例


ここでは、子どもの自己表現力を養う会話例を紹介します。

あいづちを打ちながら、話している子どもの感情を感じとりましょう。

子ども「今日ね、休み時間に校庭で⚪⚪ちゃんとブランコで遊んだの」
親  「そうなんだ。それでそれで?」
子ども「そのあとね、クラスのみんなで追いかけっこしたんだ」
親  「そう、それは楽しかったね」
子ども 「うん、そしたら、⚪⚪先生も入ってきてね」・・・続く

子どもの言葉を繰り返し、話したい内容をまとめていきましょう。

子ども「友達と遊んでたらぶつかってころんで、ひざが痛くなっちゃった」
親  「お友達とぶつかってころんで、ひざが痛くなっちゃったんだね」
子ども「そしたら先生が、湿布してくれたの」
親  「先生が、湿布くれたんだね。よかったね」

子どもの言葉を言い換え、安心感を抱くように導きましょう。

子ども「学校で、先生にうるさいって怒られちゃった」
親  「先生に『静かにしてね』って注意されたんだね」

集団生活していくためには周りの人とのコミュニケーションが不可欠であり、自己表現はその基礎になります。
今は自己表現が苦手でも、成長とともに語彙も増えていくもの。子どもが自分の気持ちや考えを表に出す力を引き出せるようサポートし、世界を広げていきましょう。

まとめ

・ 指示や禁止言葉の多用はNG。本音が言える家庭の雰囲気が大切。
・ 子どもの感情を、具体的な言葉にしてあげよう。
・ [5W1H]を日頃から意識し、子どもと会話を重ねよう。

編集部より

自分の気持ちを子どもが表す「自己表現力」は、その子どもが持って生まれた性格や人格だけが影響するわけではないことが分かりました。
むしろ、子どもが小さいころに培われる力であり、育ってきた家庭環境の中でいかに子どもが親に対して言いやすい環境で育ってきているかが重要になります。
子どもの表現力、気持ちを言えるようになるためには、
①親は子どもが何でも言えるような言いやすい環境を作ること
②子どもが感じている感情や伝えたいことを親が言葉にして伝えてあげること
③5W1Hを用いて、子どもの伝えたいことを多角度的に引き出してあげること
以上が家庭環境の中で育つ、子どもの表現力になります。
家庭の中でたくさん会話をすると共に、子どもが言いやすい環境を作っていきましょう!

(参考文献)
・子どもの気になる性格はお母さん次第でみるみる変わる(著・秦野悦子 PHP研究所)
・東京経済ONLINE|家庭内の会話で、国語力を上げる2つの方法
・ベネッセ教育情報サイト|自分の気持ちを相手に伝える力を育てよう
・すくコム|子どもの気持ちを知るヒント
・「子どもの表現力を伸ばすには?自己表現を妨げるNG行動とは?」(出典:ベビーパーク)
・「【心理カウンセラーが解説】子どもの「自己表現」を引き出すには?」(出典:コノバス)

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執筆者プロフィール

長島 ともこ(ナガシマ トモコ)

フリーライター・エディター / 認定子育てアドバイザー / AEAJアロマテラピーアドバイザー

コメント

フリーライター・エディターとして、育児、教育、暮らし、PTAの分野で取材、執筆活動を行っています。息子が所属していたスポーツ少年団(サッカー)では保護者代表をつとめ、子ども時代に親子でスポーツに関わることの大切さを実感しました。PTA活動にも数多く携わり、その経験をもとに『PTA広報誌づくりがウソのように楽しくラクになる本 』(厚有出版)などの著作もあります。「All About」子育て・PTA情報ガイド。2 児の母。

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