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否定・比較はやめて!「試合に出られないわが子」との関わり方

更新日: 2024.05.23
投稿日: 2024.02.09

否定・比較はやめて!「試合に出られないわが子」との関わり方」

わが子がスポーツに懸命に取り組んでいるのに、「なかなか試合に出られない」「結果を出せていない」という時、どう接するか迷ってしまいますね。

保護者のサポートや負担が大きければ大きいほど、子どもにダメ出しをしたくなったり、監督コーチの文句を言いたくなってしまいます。

「試合に出られないわが子」とどう関わったらいいのか、考え方のヒントをご紹介します。

なぜ保護者がモヤモヤしてしまうのか?


子どもが一生懸命取り組んでいるのを知っているからこそ、「試合に出られない」「認めてもらえない」と、保護者の気持ちは乱れてしまいがち。

親はわが子の一番のファンだからこそ、「何かできないか」「どうして出られないのか」とモヤモヤしてしまいます。

そのモヤモヤ・ヤキモキする気持ちの原因は2つあり、一つは子ども、もう一つは保護者ご自身が由来になっています。

子どもが由来
・子どもがかわいそう、不憫という思い
・出場の機会を奪われたことへの寂しさや怒り
・子どものプライドを傷つけられて一緒に傷つく
・出場している他の子と比較して疎外感、劣等感、ストレスを感じる
親が由来
・保護者のサポートが足りないのではないかという責任感
・保護者負担が大きいのに「試合にも出られない」という徒労感
・子どもにどう接していいかわからない不安

ここでわかるのは、親のモヤモヤした気持ちは「子どもへの愛情」と「親としての責任感」から来ていることが多いということです。

それ自体は悪いことではなく、「モヤモヤは仕方がないこと」「親なら当然の気持ちなんだ」と、一度しっかり受け止めましょう。

そして「私は子どもが試合に出られなくてかわいそうだと思っているんだな」と自分の気持ちを整理して見てみると、感情に振り回されることなく落ち着いて考えられるようになります。

わかってはいるけれど…親の「やってはいけない行動」


親なら当然モヤモヤ感ではあるものの、これをすると子どもがますます傷ついてしまう「やってはいけない行動」があります。

「愛情があるから」「つい抑えられず…」と、NG行動を繰り返していると、子どもからの信頼も揺らぐ可能性が…。

やってはいけない行動とは、いったいどんなことでしょうか。

子どものことを否定する

「しっかりやらないから」
「練習をサボってるんだろう」
「もっと監督に上手にアピールするべき」
「声が出ていない」
「下手だから仕方がないな」

などと、子どものことを否定して子どもに責任があると思わせる言動は、子どもがますます落ち込んでしまいます。

「試合に出られる・出られない」は子どもがコントロールできない部分が多いものです。

試合に出られずに一番傷ついている子どものことを考えて、対応したいものですね。

他人と比べる

「ライバルの子の方が上手だもんな」
「○○くんは出てるのに…」
「後から入った子に抜かされたの?」
「○○さんはやる気があるね」

など、チームメイトや同級生などと比較されると、子どもは「自分はダメだ」と否定的な気持ちになってしまい、そのスポーツを続けたいという気持ちがしぼんでしまうかも。

人と比べても、わが子のやる気が奪われるだけでプラスになることはありません。

「試合に出られないわが子」への接し方・サポート方法とは


「試合に出られない」とひと言で言っても、ケガやメンバー構成、チーム方針など、さまざまなケースがあります。

また、明るく応援した方がいいのか、具体的に長所・短所を分析する方がやる気になるのか、その子の個性によっても変わってきます。

わが子の性格や状況を観察しながら、どんなサポートができるかを考えましょう。

○ 出られないことを否定しない・責めない
 
○ 本人の気持ちをじっくり聞く
 
○ 今できる解決策を考える
 
○ 本人から指導者に相談してみる
 

出られないことを否定しない・責めない

試合に出られないのは、当然ながら子どもに責任はありません。

一番辛い気持ちでいるわが子を「ダメだ」「なにやってるんだ」と否定したり、「努力が足りない」などと責めてしまったら、ここから学ぶこともできなくなってしまいます。

スポーツに限らず、思い通りにならないことはたくさんあります。

子どもがここから何を学ぶか、辛い時にわが子はどんな行動を取るかを見守りましょう。

本人の気持ちをじっくり聞く

人は気持ちを聞いてもらうだけで、すっきりすることも多いですね。

もしかしたら「試合に出られない理由」は、子ども自身が一番よく理解しているかもしれません。

「くやしいね」「出たかったね」と共感しながら、子どもの声にじっくり耳を傾けましょう。

「次は頑張る」「僕が出られないのはおかしい」「あいつの方が上手いから仕方がない」「楽しくない」など、子どもの本音が出てくるまで大人は口を挟まずに聞き役に徹してください。

今できる解決策を考える

なぜ自分が出られなかったのか、子どもはある程度自分で考えているでしょう。

その意見を聞き、子どもの得意なこと、反対に不得意なことなど、この機会に大人の別視点があれば伝えてあげるのもいいですね。

「基本練習をもっとやってみよう」「体力アップのために、お父さんとランニングをはじめてみようか」など、今できることにフォーカスすると、悔しさを前向きにとらえられることも。

スポーツに関してだけでなく、「睡眠時間をもう少し長くしたら」「もっと栄養を考えた食事にしよう」など、生活習慣なども見直すチャンスになるかもしれません。

できないことばかりではなく、「頑張っていること」「得意なこと」などのポジティブなメッセージがあれば、子どもも気持ちも回復します。

本人から指導者に相談してみる

「次は試合に出してあげるって約束したのに」「僕の方が練習を休まず頑張っているのに」などと、選手起用に関して子どもが納得できないこともあるでしょう。

その場合は、子ども本人から「なぜ試合に出られないのか」を監督や指導者に聞いてみるのも手です。

子どもが直接質問に行くことは選手として当然の権利で、指導者も子どもの「試合に出たい」という前向きな気持ちを知るよい機会にもなります。

そして自分で勇気を出して聞きに行った経験が、子どもの自信にもつながるでしょう。

親が代わりに直談判するのではなく、子どもが直接質問したり、相談することが大切です。

くやしい気持ちが子どもを一番成長させる


「試合に出られない」「指導者に評価してもらえない」など、スポーツをしていると競争や敗北感を必ず経験するでしょう。

試合に出られないと親も本人も悔しい思いをするかもしれませんが、反対に何をやっても褒められて、常に試合に出場し続けていたら、子どもは成長するのでしょうか。

「悔しい」「次は負けたくない」「もっとうまくなりたい」という気持ちから、練習方法を工夫してみたり、チームを支える側の大変さを知ったり、「試合に出られない」ことの中に大きな学びが隠されているかもしれません。

「子どものため」「かわいそうだから」と監督コーチに親が直談判したり、チームを頻繁に変えるなどの行動は、もしかしたら「親のモヤモヤを解消したいから」ではないかと親が自問することが必要です。

親の先回りは、子どもにプラスになるかどうかは未知数です。

嬉しい・楽しいことばかりでなく、時には「理不尽さ」「悔しさ」を感じること、そしてその感情に向き合い、対応することで子どもの人間力を鍛えることに、きっとなるはずです。

まとめ

・わが子が「試合に出られない」ことで親がモヤモヤするのは、子どもへの愛情と親の責任感からくるもの。
・その感情をしっかり受け止めて、感情的にならず冷静にとらえることが大切。
・わが子が試合に出られなくても、責めたり人と比べても子どものプラスにはならない。
・まずは子どもの気持ちをよく聞いて、共感することが第一歩。

(参考文献)
・CREATE BASEBALL KIDS | 試合に出られない子の親の対応・サポートとよくある問題
・サカママ | 試合に出られない時の保護者のサポート【大槻邦雄の育成年代の「?」に答えます】
・サカイク | 息子を試合に出さない理由を、親がコーチに聞いてもよろしいか問題

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