きちんと子どもに謝れていますか?大人が示す反省と謝罪の大切さ
更新日: 2024.12.10
投稿日: 2024.12.13
子どもが悪いことをした時、友だちとケンカをしてしまった時、親は「自分の非を素直に認められる人に育ってほしい」と考え、子どもに「きちんと謝りなさい」と伝えているでしょう。
では反対に大人が間違った時、約束を守れなかった時は子どもに謝っているでしょうか。
実は大人になればなるほど難しくなる「素直に謝る」こと。
今回は子どもに謝ることについて、考えてみましょう。
もくじ
なぜ謝ることが大切なのか
・子どもに必要以上に怒りすぎてしまった
・約束していたことができなかった
・正しいと思っていたことが間違っていた
など、仕事や大人同士のやり取りであれば普通に「謝罪」するような場面でも、子どもに対してだと素直に「ごめん」が言えない時があるでしょう。
「大人が子どもに謝るのは恥ずかしい」「相手が子どもだから許されるだろう」など、その思惑はさまざまですが、「自分より立場が下」と思っている相手には謝りづらいという傾向があるそうです。
しかし本来は、子どもにも同じように謝ることが大切。
大人が素直に謝る姿を見た子どもは、「大人でも失敗することがある」「人は間違えることがある」と学び、相手を許すことを覚えます。
そしてもし自分がミスをしてしまった時も、「間違えた時は謝ればいい」と素直な気持ちで人に謝罪でき、普段から自信のある態度で人に接することができるようになります。
また大人が心をこめて謝る姿を見た子どもは、共感力や自制心、他者への配慮などの非認知能力が育つでしょう。
そして自分の言動に責任を持てるようになり、感情をコントロールできるようになるのです。
なかなか謝れない大人…どうして「ごめんなさい」が言えないの?
「素直にごめんなさい」が言えない経験は、誰でも経験があるもの。
なぜ謝るべき場面で、謝れないのでしょうか。
心理的には4つの理由があるといわれます。
そもそも何が悪かったかを理解していない、鈍感でわからない、状況がわからないなどの場合は、「謝れない」というよりも「悪いと思っていない」ことが理由。
謝ってしまうと、「責任を取らなければならなくなる」「立場が弱くなる」「親としての威厳が保てない」などと考えているケース。
謝ることが自分の弱さを見せることだと感じている、謝ったら負けだと思っている場合。また単純に謝ること自体が恥ずかしいと思っていることも。
「他人のせいでこうなった」「自分は悪くない」「もしこうなっていなければ、間違わなかったのに」など、自分の行動を正当化する思考。
親が悪いことをしてもごまかしたり、きちんと謝罪しない態度は、子どもを深く傷つけてしまうこともあります。
幼い頃から世話を焼き育ててきた子どもでも、一人の人として敬意を持って扱うことを大切にしたいものです。
「いつ」「どんなふうに」…子どもに謝る時のポイントは?
大人が子どもに謝ることは、実はたくさんあります。
・不機嫌な態度をしてしまった
・感情的に怒りすぎてしまった
・イライラして八つ当たりした
・伝えた情報が間違っていた
・子どもをがっかりさせた
など、「子どもを傷つけた」「悲しい思いをさせた」と思ったら、大人としてきちんと謝りたいですね。
「いつ」謝るか
謝るタイミングは、「なるべく早く」が正解。
大人は「理由をしっかり伝えなきゃ」「納得させないと」と思うかもしれませんが、子どもが傷ついた時、納得できない感情の時に謝ってもらうと気持ちがおさまりやすくなります。
タイミングを逃すとギクシャクしてしまい、せっかくの謝罪の気持ちが伝わらなくなってしまうかも…。
「ごめん!」「お父さん、よくないね」「悲しかったね」と簡潔に伝えるだけでも十分です。
「どんなふうに」謝るか
謝る時は、「さっきはごめんね」「反省してる」「悪かったね」「傷つけちゃったよね」と、言い訳せず率直に気持ちを伝えることが大事。
決して「仕事があったから」「しょうがないでしょ」などと言い訳したり、「あなたがわがままだから」と子どものせいにしないこと。
そして自分の「行動」よりも、相手の「気持ち」にフォーカスしましょう。
例えば、「日曜日は遊園地に行こう」と言っていたのに果たせなかった時、「約束を守れなくてごめん」よりも、「がっかりさせて、ごめんね」「悲しかったよね」と伝えた方が、子どもは「自分の気持ちを理解してくれた」と感じて、謝罪を素直に受け入れやすくなるでしょう。
どうしても素直に謝れない時は、手紙を書いたり、メッセージを渡すことから始めてみましょう。
子どもは大人が考えるよりも、ずっと寛大な優しい気持ちで接してくれるはずです。
子どもに謝れる大人は「尊敬」される理由
相手が大人か子どもかに関わらず、きちんと謝るということは「相手への思いやり」を示し、「あなたとの関係をよくしたい」という意思表示です。
つまり「あなたのことを大切に思っている」と、伝えているのと同じこと。
反対にプライドが邪魔をして謝れなかったり、素直に自分の非を認められないのは、相手の気持ちより自分を大事にして、相手を粗末に扱っているのと同じなのです。
どちらが子どもに尊敬されるかは、一目瞭然ですね。
どんな場面でも謝らない大人の間で育つと、子どもは「人にひどいことをしても謝罪は必要ない」「立場の強い人間は、弱い人間を傷つけてもいい」と考えるようになってしまいます。
「相手を傷つけたら謝る」「素直に自分の非を認める」のは、人間関係の基本です。
相手が子どもでも素直に「ごめん」を言えば、想像以上に気分がすっきりして明るい気持ちになります。
・大人が子どもにきちんと謝る姿を見せると、子どもは人を許すことを覚え、共感力や自制心などの非認知能力も身につけることができる。
・謝れない大人の心理は、①謝るべきことがわかっていない ②ダメージがあると思っている ③負けず嫌い ④ 人のせいにする などがある。
・子どもに謝る時は、なるべくすぐに、言い訳せずに簡潔に謝ることが大事。
・子どもに謝れる大人は「尊敬」される。
(参考文献)
・オトナンサー | 「ごめん」の一言がなぜ言えない?「素直に謝れない人」の心理、カウンセラーに聞く
・ダイアモンドオンライン | 親は子どもにどう謝る? 信頼関係を壊さない「2つの鉄則」とは
・ベネッセ | 叱りすぎた時、子どもに謝った方がいい?[教えて親野先生]
・ほっぷステーション | 大人が謝ること