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きょうだい喧嘩ばかりでうんざり? 親が疲れないための対応策

更新日: 2024.08.02
投稿日: 2024.08.06

きょうだい喧嘩ばかりでうんざり?親が疲れないための対応策

子どもが2人以上いれば、ほぼ避けられない「きょうだい喧嘩」。

特に夏休みや冬休みなどの長期休みは、家にいる時間が長くなり、きょうだい喧嘩が勃発する機会も増えてしまうでしょう。

ちょっとしたことで火花が散るきょうだい喧嘩に、正直「疲れる…」「うんざり…」と思っているお母さん・お父さんは多いのではないでしょうか。

今回はきょうだい喧嘩の原因や、きょうだい喧嘩を減らすポイントを一緒に考えていきます。

ちょっとしたことから始まるきょうだい喧嘩にうんざり…


さっきまで一緒に楽しく遊んでいたのに…

・モノの取り合い
・勝手に相手のものを使う
・からかったり、ちょっかいを出す
・チャンネル争い
・「言った」「言わない」の喧嘩
・大人に言いつけた
・肩や足が触れた
・ゲームや遊び中のズル

など、きょうだい喧嘩は他愛のないことで急に始まり、大人も驚くことが多いですね。

「喧嘩するほど仲がいい」と言われ、きょうだい喧嘩から学ぶことも多いのですが、身近にいる大人は「げんなり」「うんざり」してしまいます。

きょうだい喧嘩をゼロにすることは難しいですが、日頃の環境づくりやきょうだいへの接し方を変えることで、回数を減らしたり、深刻な喧嘩にならないように工夫できそうです。

なぜきょうだい喧嘩をするのか?


なぜきょうだい喧嘩をするのか、考えたことはありますか。

自分もきょうだい喧嘩をして育ち、子どもも当たり前のようにきょうだい喧嘩をしている毎日。

他人とは決して勃発しない「きょうだい喧嘩」の原因を探りましょう。

きょうだい喧嘩の原因は「距離の近さ」と「負けたくない気持ち」

まずは「距離の近さ」。

子どもといえども、学校や習い事先では我慢をしたり、遠慮することも多いでしょう。

しかし家に帰れば、その分、遠慮なく伸び伸びと過ごしたくなりますね。

友だちにからかわれたら我慢できても、きょうだいに言われたら言い返したくなる、これが「心理的な距離が近い」ということです。

幼い頃から一緒に育ち、心理的・精神的な距離が近いからこそ、ささいなことで怒ったり、言い合いになるのは、遠慮のない関係だからなのです。

そして、きょうだいだからこそ「負けたくない」という気持ちを持つもの。

「大好きなお父さんやお母さんを独り占めしたい」「自分が褒められたい」「注目されたい」という気持ちが強くなり、きょうだいをライバルとして見ることで喧嘩に発展しやすくなります。

また親の何気ない言葉が、このライバル心に火をつけていることもあります。

「お兄ちゃん(弟)の方がうまいね」
「お兄ちゃんなんだから、妹(弟)に譲ってあげなさい」

きょうだい間で競争が生まれるような言動を普段から受けていると、きょうだいが競争相手であると認識してしまいます。

すると何気ないやり取りから、「俺の方が先だ!」「これは私のもの!」といった喧嘩に発展しやすくなるのです。

きょうだいは一番心を許せるライバル

生まれてからずーっと一緒に過ごしている「きょうだい」。

親よりも年齢が近く、食事・睡眠などの生活のほとんどが横並びのきょうだいだからこそ、「自分が先になりたい」「親の注目を集めたい」という気持ちが強くなります。

お兄ちゃん・お姉ちゃんなら、「年下に負けたくない」「自分の方が年上だ」という意識も強くなり、弟・妹なら「追いつけ・追い越せ」の気持ちがあるでしょう。

しかしこの気持ちが、スポーツや勉強を頑張るエンジンになる可能性もあり、「あきらめない気持ち」や「やりきる力」といった非認知能力を伸ばすことにもつながります。

大切なのは、親や周囲にけしかけられるのではなく、自然に感じるライバル心であるという点。

きょうだいであれば、自然に「負けたくない」という気持ちになり、「ここは勝てない」「すごいな」と尊敬する感情が心の中から生まれてくるでしょう

周囲の大人は、「きょうだいを比べない」「競争心をあおらない」ように気をつけたいですね。

きょうだい喧嘩を通して学べること


きょうだい喧嘩は、文字通り「きょうだい」の間ででしかできません。

さっきまで喧嘩していたと思ったら、また仲良くじゃれ合いながら一緒に遊んでいたり…これもきょうだいならではの関係。

遠慮のない家族内の喧嘩だからこそ、そこから学べることもたくさんあるのです。

○ 社会性が身につく
 
○ 相手のことを知る・考える
 
○ 我慢や手加減を学べる
 
○ 非認知能力が身につく
 
○ ストレス発散になる
 

社会性が身につく

小さいけれど、家族はひとつの社会です。

その中できょうだいは年齢も近く、ライバルでもあるので、「思い通りにならないこと」や「理不尽さ」、「くやしい思い」など、喧嘩を通してさまざまな感情を経験するでしょう。

遠慮がなく、「けんかをしても大丈夫」という安心感があるせいか、喧嘩も激しくなるかもしれません。

しかし「自己主張する場面ではしっかり意見を言う」「相手が謝ってきたら許す」「妥協点を探す」など、社会で大事な要素もきょうだい喧嘩のなかにはしっかり組み込まれていると思いませんか。

大人にとっては「困りごと」の代表格であるきょうだい喧嘩も、ソーシャルスキルを身につける方法と考えると、少し距離を置いて見られるようになります。

自分と相手のことを知る・考える

「いつも強いお兄ちゃんが喧嘩で泣いた」
「普段は言うことを聞いてばかりの妹が自分を曲げない」

など、きょうだい喧嘩では本音が見えたり、いつもと違う姿を現したりと、相手のことを知る機会にもなります。

そして、
「(相手には)こういう一面もあるんだ」
「自分もされたら嫌だな」
「こんな風に伝えるとすんなり行く」

など、喧嘩は自分と相手のことを考える大切なチャンスでもあるのです。

その蓄積が将来の対人関係の糧になり、人との関わり方の基本になっていくでしょう。

我慢や手加減を学べる

喧嘩も回数を重ねていくと、戦い方も学びます。

喧嘩の様子を見ていると、相手を見て手加減をしたり、「これ以上踏み込んだら相手が本気になる」というラインで我慢したり、子どもなりに押し引きをしながら喧嘩をしていることがわかります。

その「バランス感覚」こそ、きょうだい喧嘩で学べる貴重なもの。

よその家の子であれば修復に時間がかかるような喧嘩も、きょうだいなら安心して学びの機会をとらえることができますね。

非認知能力が身につく

毎日平和に、つつがなく暮らしているだけでは学べないこともあります。

例えば、問題解決能力。

ピンチになった時こそ、「どう発想を転換するか」「いかに冷静に対応するか」などの問題に直面した時の力を身につけられるでしょう。

また感情むき出しになる喧嘩だからこそ、その感情をどうコントロールするかを学ぶチャンス。

時には大人が助けながら、「怒り」に支配されない気持ちの落ち着け方などを練習させたいもの。

また喧嘩は相手の出方を見ながら自分の主張を通したり、交換条件を提示したりと、究極のコミュニケーションでもあります。

大人からするとうるさくて、うんざりするきょうだい喧嘩ですが、子どもの非認知能力を身につけるヒントも隠されているのです。

ストレス発散

子どもたちは学校で、塾で、習い事で、苦手なものに挑戦したり、さまざまな我慢をして、ほどほどにストレスを感じているでしょう。

きょうだい喧嘩は、そのストレスを発散させる場でもあります。

もちろん楽しいことや好きなことに夢中になることで発散できるストレスもありますが、遠慮のない言い合いがストレス・リリースになっていることもあるようです

喧嘩はいじめと違い、対等な立場で起こる「対決」。

家庭でルールを決めて、そのルール内でおさまる喧嘩であれば見守ることも必要かもしれません。

気をつけよう! 親がしてしまいがちなきょうだい喧嘩のNG対応


「きょうだい喧嘩は見守るのが原則」…などと言われますが、実際にキーキー・ギャーギャー泣き叫ぶわが子を目の当たりにすると、心穏やかにはいられませんね。

「早く喧嘩を終わらせたい」「子どもに泣きつかれて困った」など、つい子どもにプラスにならない対応をしてしまうこともあるでしょう。

ここでは、ついしてしまいがちなNG行動を紹介します。

無理に仲裁しようとする

喧嘩を早く切り上げるために、大人が仲裁しようとするのは、あまり有効に働きません。

そもそもきょうだい喧嘩は、「ものの取り合い」や「足がぶつかった」などの他愛もない原因がほとんど。

仲裁したくても、それぞれの「言い分」もあってないようなことが多いはず。

仲裁して解決しようとするのではなく、それぞれの話をゆっくり聞き、気持ちを落ち着かせてあげましょう。

どちらが悪いかを親が判断する

喧嘩のスタートから親がつぶさに観察していれば別ですが、実際、喧嘩の良し悪しを判断できる人はいません。

「お兄ちゃん(お姉ちゃん)なんだから譲ってあげて」
「弟(妹)なんだから、言うことを聞きなさい」

親が判断すると必ず不公平なジャッジになり、それが子どもを傷つけてしまうこともあります。

子どもの喧嘩に判断は不要なので、それぞれの言い分を、きょうだい別々の場所でじっくり聞きましょう。

喧嘩終了時は当人たちに任せて、無理に謝罪させようとしたり、握手させようとしなくてOKです。

子どもと一緒にヒートアップ

最初は仲裁しようとしていたのに、子どもの乱暴な行動や言葉遣いに腹が立ち、親も一緒にヒートアップしてしまうことはありませんか。

喧嘩を落ち着かせようとしている大人が、喧嘩に参加してしまっては、元も子もありません。

そんな場合は、子どもの喧嘩は見ない方が得策。

喧嘩をしている場所に危ないものがないかを確認して、「声は聞こえるけど姿は見えない」くらいの距離感で見守りましょう。

喧嘩の全面禁止

大人をイライラ・うんざりさせるきょうだい喧嘩ですが、「とにかく仲良く」「喧嘩は絶対にダメ」というのも、子どもにとっては辛いかもしれません。

あまりプレッシャーをかけすぎると、親の目が届かないところできょうだい関係が悪化していく可能性も。

喧嘩や言い合いを通じて学べることもあると考えて、「きょうだい喧嘩は悪いこと」「排除すべき」という認識から、「より規模を小さく」「エネルギー量をおさえて」「最低限のルールを守った喧嘩」にシフトチェンジできるといいですね。

意外な解決方法でクールダウンを


親としては「きょうだい喧嘩をやめさせたい」と、あらゆる方法をすでに試したことでしょう。

正攻法もアリですが、時には子どもの意表を突く方法で熱くなった気持ちをクールダウンできるといいですね。

喧嘩の様子を親が実況する

子どものたちの喧嘩の様子を見て、
時々、「お、そうきましたか」「いつもは静かな弟がまさかの反撃!」などと合いの手を入れると拍子抜けして、双方の怒りが静まることも…。

また、親子仲良しの様子は写真などで残っていても、喧嘩の様子は意外と手元に残っていないので撮影してみても良いかもしれません。

家族が一緒に過ごした思い出としても、きょうだい喧嘩の動画は貴重かもしれません。

段ボールルームへ誘導

夏休みなどの長期休みに入ったら、段ボールなどで個別スペースを作っておくと便利です。

小さな椅子などを置いて、子どもがちょっと本を読みたい時や一人になりたい時、もしかしたら大人の避難場所にもなるかもしれません。

そして一番お役立ちなのが、きょうだい喧嘩時のクールダウン・スペース。

物理的に相手が見えないところへ引き離し、2〜3分じっとして深呼吸すれば少しずつ落ち着いてきます。

それぞれの部屋があっても、リビングや廊下の隅などにいつもと違う趣向のスペースがあると、気分が変わって有効です。

普段の生活を見直して「喧嘩の省エネ化」を


きょうだい喧嘩をなくそうとすると、それはそれで大人にストレスがかかります。

きょうだい喧嘩はゼロにするのではなく、回数を少なくしたり、小さな喧嘩におさまるように工夫したいもの。

子どもの疲れやストレスが溜まり、「親に愛されたい」「寂しい」という気持ちが高まってくると、きょうだい喧嘩も多くなる傾向があります。

ここでは普段の生活でできる「きょうだい喧嘩の省エネ化」のコツを紹介します。

親をひとりじめできる時間を作る

例えば休日は「兄・姉とお母さん」「弟・妹とお父さん」など、親をひとりじめできる時間を作ってみましょう。

1対1で出かけたり、家で一緒にご飯を作ったり、子どものリクエストでやることを決めてもいいですね。

子どもとの時間をじっくり過ごすことができ、「今どんなことが楽しいか」「苦手なクラスメイトはいないか」など、いつもは聞けない話もたっぷり引き出すことができるでしょう。

またきょうだいが別々に過ごすことで子どもの気持ちもリセットでき、四六時中一緒にいる時よりも、きょうだいに優しくできるかもしれません。

大人が判断を担当しない

例えば子どもは、「これって、僕が正しいよね」「お姉ちゃんがこう言った」と、ジャッジをしてもらいに来ることがありますね。

つい「それは○○ちゃんが正しい」「それは間違ってる」と判断してしまいそうになりますが、できれば「お母さん(お父さん)はわからないけど、そう思うんだね」と言い分を聞いて、共感するだけにしましょう。

大人に言っても判断してもらえないとわかると、少しずつ「自分の判断基準」が養われ、人に頼らずに考える力も身につきます。

普段から大人が「正しい・間違っている」のジャッジしていると、その小さな積み重ねが「不公平感」につながることも。

伝えたいことがある時は、「お母さん(お父さん)はこう思うけど…」など、あくまでも一つの意見として提案する程度にとどめましょう。

子どもの気持ちの言語化を手伝う

子どもは「気持ちを上手に伝えられない時」「うまく言葉にできない時」、イライラしてつい手を出してしまったり、乱暴な言動になることがあります。

子どもが自分の気持ちを話そうとする時、ゆっくりと聞きながら、言語化を助けてあげられるといいですね。

「そうか、くやしかったんだね」
「お姉ちゃんより先に終わらせたかったのか」

言葉を補いながら、気持ちを吐き出す練習を重ねると、少しずつ表現方法を覚えて、コミュニケーション力がつくでしょう。

普段から言葉で気持ちを表す習慣がつくと、喧嘩になる前に話し合いで解決することも増えるはずです。

喧嘩のルールづくりをしておく

例えば

・首から上は絶対に攻撃しない
・きたない言葉や乱暴な言葉は使わない
・道具や武器は使わない
・片方が謝ったら、やめる

など、「これだけは守る」という家庭内の喧嘩ルールを普段から決めておきましょう。

基本的にきょうだい喧嘩は見守り、ルールを破った時は厳しく叱るなどメリハリがあると、子どもも「これ以上はダメ」という境界線がわかりやすくなります。

一朝一夕にはなくならないきょうだい喧嘩ですが、普段から子どものストレスやプレッシャーを減らし、日常生活で安心感が得られるようになると、少しずつ回数が減り、激しい喧嘩に発展することが少なくなるでしょう。

きょうだい喧嘩への親の介入は、最小限にできたら理想的ですね。

まとめ

・きょうだい喧嘩は、距離の近さと負けたくない気持ちが原因でおこる。
・きょうだい喧嘩によって、社会性や我慢すること、非認知能力も身につくことがある。
・親や周囲の大人は、きょうだい喧嘩の仲裁やジャッジはしないこと。
・きょうだい喧嘩はなくならないので、回数を減らしたり、深刻な喧嘩にならないように工夫を。

(参考文献)
・おやこのへや | また始まってうんざり…仲裁に入るのも疲れた…絶え間ない「きょうだいゲンカ」を減らすには?
・コノバス | 兄弟喧嘩に毎日うんざり! 親ができる対応とおすすめ対策をご紹介
・学研 | 困ってしまう「きょうだいげんか」けんかの理由と上手な対処の仕方とは
・マイナビ子育て | 兄弟喧嘩がひどい家庭必見!最低限守らせる4つのルールと親介入タイミング

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執筆者プロフィール

元井 朋子(モトイ トモコ)

編集ライター

コメント

実用書の編集・ライティング、人物インタビューを中心に活動中。子育てや街紹介のポータルサイトでは1000件以上の学校や教育施設、子育て支援施設を取材。「学業とスポーツは必ず両立する」を信条に、息子2人を大学まで野球漬けに育てあげる。趣味は、はた織り・耳かき・スポーツ観戦。好きな言葉「中庸」。

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