子どもにイライラ!話を聞かない子どもとの向き合い方
投稿日: 2024.03.05
毎日の生活の中で、子どもが話を聞かずに困ったことはありませんか?
「もう何度も同じこと言っているのに!」「どうして聞いてくれないの!」などと、つい怒鳴ったり、強い口調で注意してしまうこともあるでしょう。
しかし、子どもが話を聞かないことには、「聞くことに対する集中力がまだ発達していない」「自分の興味のほうが優先」など、さまざまな理由があります。
話を聞かない子どもと、親はどう向きあえばよいのでしょうか。
いくつかのヒントを紹介します。
もくじ
よくある困りごと。子どもの話を聞いてあげていますか?
できれば、わが子には「きちんと相手の話を聞ける子になって欲しい。」と思いますよね。
しかし、現実のわが子を見ると・・・。
「⚪時になったから帰ろうね」と何度声をかけても聞こえないふりをして、いつまでも遊び続ける。
「このおもちゃ、いつ片付けるの? もうすぐ晩ごはんだから早く片付けてね!」と声をかけても一向に話を聞かない。「片付けないならおもちゃ捨てるからね!」と強い口調で叱ると「いやだ!」「だめー!」などと答えるものの、動かずゴロゴロしたまま。
こんな場面に出くわしたことのある保護者の方も多いでしょう。
「この子はなぜ、人の話を聞いてくれないのだろう」「この子はこういう性格なのかしら」などと思ってしまいがちですが、人の話を聞けるかどうかは、親が漠然と悩んだり、「性格上のことだから」とあきらめたりなどで片付けられる問題ではありません。
子どもの「話を聞く力」は、毎日の生活習慣と同じように、親をはじめとする周りの大人達が意識を持って育むべき大切な能力なのです。
「うちの子は、なんで人の話を聞いてくれないのだろう」と思い悩むお母さん、お父さん。
まずは、自分自身を振り返ってみましょう。
子どもの話を聞いてあげていますか?
なぜ話を聞いていないのか? 原因や子どもが話を聞かない理由
子どもが話を聞かないと、親はつい、イライラしてしまいますよね。
それはなぜでしょう。
ここでは、子どもが話を聞かない原因やその理由について解説します。
何かに夢中になっていて本当に聞こえていない
子どもは、遊びやテレビなど自分が興味のあることに集中していると、周りの声が聞こえなくなることがあります。
こちらから何度話しかけても聞かないときは、何かに集中していて本当に聞こえていない可能性もあります。
内容が複雑で理解できていない
子どもが成長し、ある程度言葉でコミュニケーションがとれるようになってくると、こちらの話も理解できていると思ってしまいがち。
しかし、大人と比べて、わかる単語や表現も少ないため、一度にたくさんのことを言われると、言われた情報を処理しきれず、内容も理解できていない可能性があります。
理解できているがわざとやっている
幼児期、学童期は自我の芽生える時期でもあり、その時の気分によって「やりたいこと」と「やりたくないこと」がはっきりしてくるもの。
親のいうことは理解できているけれども、「今はまだやりたくない」という気持ちのときは、親からの声かけに意識的に反応しなかったり、言われたことと逆のことをわざとしてしまうこともあります。
呼びかけ=叱られると思ってしまっている
子どもは、親が思っている以上に親から叱られたことを覚えているものです。
過去に、話を聞かなかった時に叱られた経験があると、子どもは「呼びかけられる=叱られる」と認識し、話を聞こうとしなくなることがあります。
そもそも親が話を聞いていない
子どもは、親の行動をよく見て真似をします。
子どもから話しかけられても生返事だけだったり、「今忙しいからあとにして」などと言ってばかりいると、「お母さん(お父さん)はいつも話をあまり聞いてくれない」と感じ、親の話に興味を持たなくなり、話を聞かなくなることがあります。
話を聞かないことによって何が起こるか
子どもが話を聞かないと、日常生活や将来の成長においてさまざまな問題を引き起こす可能性があります。
ここでは、具体的な例を挙げて説明します。
学校で先生の話を聞かない
学校でも先生の話に耳を傾けることができず、「授業内容を理解できない」「学習に遅れが生じる可能性がある」などのケースが考えられます。
迷子になるなど危険が増える可能性がある
家族でお出かけのときなど、親の声かけに従わずに迷子になったり、事件や事故に巻き込まれたりする可能性もないとはいえません。
相手の話に耳を傾けたり、自分の意見を論理的に伝えたりするコミュニケーション能力は、社会生活を送る上で非常に重要です。
話を聞かない子どもは、これらの能力が育たず、大きくなってから社会生活に適応することが難しくなる可能性があります。
話を聞くことは、子どもにとって必要不可欠なスキルです。
しかし、このスキルは自然に身につくものではありません。そのため、日頃から話を「聞くトレーニング」を意識して行うことが大切です。
話を聞かない子に対する親のNG行動!
子どもが話を聞かないとき、感情的に叱ったりすると、かえって子どもの反抗心を招いたり、親子関係が悪化したりする可能性もあります。
ここでは、話を聞かない子に対する親の関わり方について解説します。
四六時中注意する
子どもは、親に注意されることで、自分の行動を振り返り、成長することができます。
しかし、四六時中注意されてばかりだと、子どもは「何をしても怒られる」と感じ、萎縮してしまう可能性があります。
また、親の言葉に耳を傾けなくなってしまうこともあるので注意しましょう。
イライラしたまま注意する
子どもが話を聞かないと、親もイライラしてしまうのは当然です。
しかし、イライラしたまま注意すると、感情的な言葉が出てしまったり、過去に話を聞かなかったことを思い出し、行き過ぎた言葉を発してしまったりして、かえって子どもを傷つけてしまう可能性があります。
脅し文句を使う
「話を聞かないなら、ゲームを取り上げるからね!」「言うこと聞かなかったら家を出てってもらうから!」など、実際には行わないような脅し文句を使うのはNGです。
また、脅し文句で一時的に言うことを聞かせても、子どもの心の中には傷が残るだけで、根本的な解決にはつながりません。
命令口調で言い聞かせる
「親の言うことを聞きなさい!」と、子どもに命令口調で言い聞かせようとするのもNGです。
子どもは、親に支配されているように感じ、自己肯定感が低くなってしまう可能性があります。
子どもにしっかり伝わる!「伝え方」のコツ
子どもに何かを伝える時、ただ単に言葉を並べれば伝わるとは限りません。
子どもは大人よりも理解力や集中力が低いため、伝える内容や方法を工夫する必要があります。
ここでは、子どもにしっかり伝わる「伝え方」のコツを紹介します。
手を止めて伝える
子どもに何かを伝えたい時は、まず手を止めて、子どもと向き合うことに集中しましょう。
テレビを見ている、スマホをさわっているなど他のことに気を取られている状態で話しても、子どもの耳には入りません。
全身で子どもに向き合うことで、子どもは自分が大切にされていると感じ、話を聞く準備ができます。
目線を合わせて伝える
子どもと話す時は、必ず目線を合わせましょう。
目線を合わせることで、子どもは自分が尊重されていると感じ、話を聞くことに集中しやすくなります。
また、子どもの目線に合わせることで、親は子どもの表情や気持ちを理解しやすくなります。
具体的な言葉で伝える
子どもは抽象的な言葉よりも、具体的な言葉の方が理解しやすくなります。
例えば、「早く宿題をしなさい」よりも、「算数の宿題を⚪時までに終わらせよう」の方が、子どもは具体的な行動に移しやすくなります。
伝えたいことは1〜2個にしぼる
子どもは一度にたくさんの情報を処理することはできません。
伝えたいことが多すぎると子どもは混乱し、頭に入りづらくなるでしょう。
伝えたいことは1〜2個にしぼり、簡潔に伝えることが大切です。
「〇〇しよう」と理想形を伝える
子どもに何かをさせたい時は、「ダメ」と言うよりも、「〇〇しよう」と伝える方が効果的です。 たとえば、「走っちゃダメ」よりも、「ゆっくり歩こう」の方が、子どもは自分が何をするべきか理解しやすくなり、意欲を高めることができるでしょう。
理由もつけ加える
子どもは、なぜその行動をしなければならないのか、理由が分かると納得しやすくなります。
たとえば、「歯磨きしなさい」よりも、「虫歯にならないように、歯磨きをしよう」の方が、子どもは歯磨きの必要性を理解できます。
脅さずに伝える
子どもを脅して言うことを聞かせようとするのは、逆効果です。
脅された子どもは、親に恐怖心を抱き、親子関係が悪化する可能性があります。
子どもに何かをさせたい時は、脅迫ではなく、根気強く話しかけ、理解を得ることが何よりも大切です。
じっくり待つ
子どもは、大人よりも理解力や集中力が低いため、すぐに理解できないこともあります。
一度で理解できないからといって、すぐに怒ったり、あきらめたりせず、じっくり待つ姿勢が大切です。
子どもが理解できるまで、繰り返し同じことを伝えたり、質問に答えたりして、サポートしましょう。
話を聞かない子どもを変えるために親の意識を変えよう
子どもに話を聞いてもらいたいのに、なかなか話を聞いてくれないと、親としてはイライラしてしまうことでしょう。
しかし、子どもが話を聞かないのは、子どものせいばかりではありません。
実は、親の「聞き方」「関わり方」にも問題がある場合が多いのです。
子どもが話を聞くようになるためには、まずは親が話を聞く姿勢を持つことが大切です。
親のほうから言動を変えることで、子どもの言動が変わるよう、根気よく働きかけていきたいものです。
・子どもが話を聞かない。悩む前に、その理由を考えてみよう。
・子どもの「話を聞く力」は、親をはじめとする大人が育むべきもの。
・子どもが話を聞くようになるためには、親の「聞く姿勢」が大切。
参考文献)
「人の話を聞ける子に育てるには – マスターからのアドバイス」(出典:子育て宝箱)
【3歳・4歳】子どもが話を聞かない!?〜叱る回数がグンと減る「伝え方」7つのコツ〜
(出典:コノバス)
「子どもが話を聞かない!叱らず聞けるようになる伝え方のコツを7つ紹介」(出典:知育玩具.jp)
「子どもが話しを聞かない理由は?”話しを聞ける子”に育てる接し方を紹介」(出典:伸芽sクラブ)
「人の話を聞かない子ども」の原因は?話を聞ける小学生に育つ親の対応 (出典:キッズカウ)