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子どもの頃から歯を大切にする方法 子どもの歯を健康に保つには?(後編)

更新日: 2023.10.17
投稿日: 2023.11.08

子どもの歯を健康に保つには、歯磨きはもちろん、フロスや定期的な歯医者通いなど日常的なケアが必要です。

前編では「歯を大切にすべき理由」や「むし歯になる仕組み」について解説しましたが、後編ではその具体的な方法について紹介していきます。

監修者プロフィール:横浜関内矯正歯科ブランシュの副院長。大手歯科医療法人、都市銀行での勤務経験を経て、日本初のマウスピース矯正歯科講師として独立。最新のマウスピース矯正を学び続け、全国のクリニックで独自のカリキュラム研修を行なっている。

むし歯になりにくい食習慣をもう一度おさらい


むし歯は、

食べ物を食べると口の中の原因菌が糖分を餌にして酸を作る

酸が歯のエナメル質を溶かしてむし歯になる

というプロセスを繰り返してできていきます。

ダラダラ食べや、甘いアメやガムが常に口の中にあると、常に口の中が酸性になりむし歯ができやすい環境になります。

食事やおやつは時間を決めて、それ以外の時間には食べないようにすることがむし歯予防の鍵。

そしてむし歯になるには、

① 歯の質(宿主)
② 細菌(むし歯菌など)
③ 糖分
④ 時間

の4つの要素が揃うことが条件で、一つでも欠ければむし歯にはならないと言われます。

「フッ化物を応用し、歯質を強くする」「食事やおやつの後は歯磨きか口をゆすぐ」のように、4つの要素が重ならないようにするのが大切です。

そしてむし歯は24時間内であれば進行しないので、最低1日1回、丁寧な歯磨きをすることがむし歯の予防に役立ちます。

基本中の基本 正しい歯の磨き方とは?


歯の磨き方は、実は学校でも家庭でも教えてもらえないものの代表格。

基本的な歯の磨き方は、

① 歯ブラシは鉛筆のように軽く持って、ブラシの先が広がらない程度の力加減で。
② 一筆書きのように、上の歯の裏側→上の歯の表側→下の歯の裏側→下の歯の表側→噛み合わせ部分、と順番に磨き残しがないように進める。
③ ブラシを寝かせたり、立てたりしながら汚れが取れやすいやり方で、1本ずつ丁寧にブラッシングする。

ブラッシングの方法にも、

バス法:歯と歯茎の間にブラシを斜めに当て、小刻みに振動させて動かすことで歯周ポケットの汚れを掃除する。スクラビング法:歯に直角にブラシを当て小刻みに動かすことで、歯の表面や歯間の汚れを取り除く。

ローリング法:歯茎から歯にかけてブラシを回転させて汚れを取る。

などがありますが、バス法とスクラビング法を組み合わせるのが効果的と言われます。

子どもが小学生のうちは保護者が仕上げ磨きを手伝い、むし歯がないか、変なところから歯が生えてきていないかなど、子どもの口の様子をしっかりチェックしてください。

歯科医院では歯科衛生士が、自分に合った歯磨き方法を指導してくれるので定期的にチェックにいくのをお勧めします。

今さら聞けない「歯磨きの疑問」にすべてお答えします!


毎日磨いているのに、「自分のやり方は正しい?」「磨いているのにむし歯ができた」という疑問を持っている人も多いでしょう。

特に子どもの歯磨きは「一生涯の歯の健康」を左右する大切な習慣なだけに、ベストな方法を知っておきたいものです。

ここでは、ちょっとした疑問から基本的なルールまで、歯磨きの疑問にすべてお答えします。

Q1:どうしたら歯磨きの習慣が身につきますか?

A:赤ちゃんの頃から歯磨きの習慣を。

「食後に歯磨き」を習慣化できれば、これ以上のむし歯予防はありません。

下の歯が生えてきたらスキンシップのひとつとして、保護者の指にガーゼを巻いて歯を拭き取ったり、口の中に指を入れてマッサージをしてあげましょう。

歯ブラシを使い始める目安は、上下合わせて8本ほど生えてくる頃(8ヶ月〜1歳)です。

Q2:歯磨きのベストなタイミングは?


A:ベストは毎食後。難しければ1日1回、寝る前にしっかり磨きましょう。

口の中が酸性に傾く食後に歯磨きができると、むし歯になる確率はグンと下がります。

毎食後の歯磨きが難しい場合は、1日1回、寝る前にしっかり磨くのがポイント。

むし歯は24時間以内では進行しないので、この1回を丁寧に磨き上げましょう。

Q3:朝や昼ではなく、夜や寝る前の歯磨きがよい理由はなんですか?

A:就寝中は唾液の分泌量が減り、細菌が繁殖しやすいためです。

眠っている間は唾液の分泌量が減るため、細菌を洗い流す作用が弱まり菌が繁殖しやすくなります。

少しでも細菌繁殖を減らすためにも、寝る前の歯磨きが効果的。

また子どもは、遊びながら寝落ちしてしまったり、眠くなると歯磨きを嫌がる傾向があります。

夕食後すぐに歯磨きを終わらせておけば、ダラダラ食べも防げて一石二鳥です。

Q4:歯磨きできない時はどうしたらいい?


A:口をすすぐ、キシリトールガムなどでも代用可能です。

学校や外出先で歯磨きができない場合や、時間がない場合など、「口をすすぐ」「水や麦茶を口に含ませてから飲む」だけでもむし歯の予防になります。

またキシリトールが入ったガムやタブレットを利用して、口の中を中性に戻すのも効果的。

その場合、市販品よりも歯医者で販売されているものの方がキシリトール含有量が多いので、効率的です。

しかしキシリトールは大量に摂取するとお腹が緩くなることがありますので、量のコントロールをしてあげましょう。

Q5:歯磨き粉は使った方がいいですか?

A:むし歯予防の観点から言うと、「どちらでもいい」です。

フッ化物が含まれる歯磨き粉なら効果が期待できますが、基本的には歯ブラシだけでも汚れは取り除けます。

歯磨き粉は汚れを落とすためというより、主に「爽快感」のために使うもの。

もしお気に入りの歯磨き粉を使う方が歯磨きのやる気につながるなら、使うのも手です。

そして意外に多いのが、「歯磨き粉の味が苦手」という子どもの声。

ミント系のスースーする味はもちろん、ブドウ味やいちご味などの風味が嫌いという子も一定数いるので、使用は子どもと相談しながら決めましょう。

歯磨き粉を使わない場合、歯磨きの後にフッ化物ジェルなどを塗ることで予防効果が期待できます。

Q6:子どもでもフロスは使うべき?

A:フロスは歯磨き後に必ず使いましょう。

歯と歯の間は、歯ブラシで完全に磨くことは難しいので、フロスは幼い頃から使う習慣をつけておきたいもの。

口腔ケア先進国のアメリカでは、5歳の子どもでも自分でフロスをしています。

歯ブラシで取り除ける汚れは頑張っても60%ですが、フロスを適切に使えば80%と格段にアップします。

Y型やF型の初心者用フロスも販売されており、ロールタイプ(糸巻きタイプ)ならさらに経済的。糸タイプのフロスを30〜40cmほど取ったら、中指に2〜3回巻きつけて、親指と人差し指を使って歯周ポケットの中まで掃除します。

最初は大人がやって見せると、子どもは好奇心で一緒に挑戦したがるかもしれません。

気持ちよさが理解できると、進んでやるようになるでしょう。

Q7:どんな歯ブラシを選ぶべきでしょうか?


A:その子に合った歯ブラシを歯医者さんで処方してもらうのがベスト。

ドラッグストアなどで子ども用歯ブラシを選ぶと、「3〜6歳用」「小学生用」などと対象年齢が明記してありますが、これはあくまでも目安。

子どもであっても口の中の状態や歯の生え変わるスピード、歯並びや歯茎の状態などは個人差があるので、歯医者で歯ブラシを処方してもらうとぴったりの歯ブラシがわかります。

歯医者は「痛くなったら行くところ」ではなく、中学生以下なら無料で歯を診てもらえて、アドバイスをもらえる場所。

上手に利用すれば、治療費も最低限におさえられます。

Q8:歯磨きしているのにむし歯になった…どうして?

A:やり方の問題かも…的外れな磨き方では汚れは落ちません。

歯磨きは受験勉強と同じです。「勉強したのに試験に落ちた」のは、やり方が間違っていたから。

どんなに頑張って磨いても、汚れが落ちていなければむし歯になります。

噛み合わせ部分を磨く人は多いですが、一番汚れが溜まるのは歯と歯茎の間の歯周ポケット。そして歯と歯の間です。

ブラシを斜め45度に当てるバス法で歯周ポケットを、フロスで歯間の汚れをしっかりかき出しましょう。

Q9:歯医者さんに行くのを怖がります。

A:怖いのは、何をされるかわからないから。事前練習で克服できます。

歯医者を嫌がる主な理由は、「何をされるかわからないから怖い」「痛いことをされるから」。

人は自分が見えない部分を触られるのは怖いもの。5歳くらいになれば親子で歯の磨き合いをして、口の中がどうなっているかを理解させるのも有効です。

また「痛いことをされる」のが怖いという子ほど、半年〜1年に一度は歯医者通いを習慣にすると痛い治療にはなりません。

時々「悪いことをしたら歯医者で歯を抜いてもらうよ!」などと、歯医者を懲罰の対象にする人がいますが、その言動が歯医者嫌いな子を育ててしまいます。

歯医者は定期的に通う場所であり、「健康になる手伝いをしてくれる場所」。

悪いイメージを保護者が植え付けないように注意しましょう。

まとめ

・歯のブラッシングには、バス法・スクラビング法・ローリング法などがあり、それらを組み合わせてブラッシングするとよい。
・歯磨きをしていても、やり方を間違えるとむし歯になるので、正しい方法を習得しよう。
・赤ちゃんの頃から歯磨きの習慣を身につけ、最低でも1日1回はフロス仕上げまでする歯磨きをするとむし歯になりにくくなる。
・歯磨きは毎食後にするのがベストだが、できない場合は口をすすぐだけでもOK。
・寝ている間は唾液の分泌量が減るので口の中の雑菌が繁殖しやすい。だから夜寝る前の歯磨きはしっかりするとよい。

・横浜関内矯正歯科ブランシュ
https://yokohama-kannai-invisalign-kyouseisika.jp/
https://www.instagram.com/blanche_kyousei/

・株式会社Blanche
https://dh-blanche.com/
https://www.instagram.com/arisa_anazawa/

・日本歯科社会教養推進機構(JDL)
https://japan-dental-liberalarts.com/

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