親子で山登りはメリットがいっぱい!運動と自然体験がもたらす子どもへの教育的効果
更新日: 2023.07.06
投稿日: 2023.07.21
親子で山登りがじわじわ注目を集めています。自然のなかで、山登り=親子で運動することにはさまざまなメリットがあるといわれています。
この記事では、親子で山登りをすることの教育的効果や子どもの年齢別の楽しみ方について紹介します。
もくじ
山登りの教育的効果とは?
山登りには、体力や精神力の向上、自然への理解、協調性やチームワークの向上などさまざまな教育的効果があります。
以下、4つの教育的効果を紹介します。
運動機能の向上
山を登るには、長時間歩いたり、荷物を背負ったりする必要があります。
そのため、山登りをすることで体力向上につながります。
体力の中でも、身体を動かし続けるための「筋持久力」、心臓や肺の機能に関わる「心肺持久力」が向上するといわれています。
また、山では上り坂や下り坂、デコボコ道や階段など日常生活よりも負荷がかかる道を歩くため、足腰の筋力や足の裏を良く使うことで、バランス感覚を鍛えることもできます。
脳の発達
山登りは、脳の発達にも効果的です。
山登りをすることで、大自然が子どもの好奇心を刺激して脳の血流が良くなり、脳の細胞が活性化されます。
また、山登りをすることで、脳の神経伝達物質の分泌が促進され記憶力や思考力、学習能力、問題解決能力などの脳機能が向上します。
さらに、山登りをすることでストレスが解消されてリラックス効果が得られ、脳の発達につながります。
山登りは、脳科学的な視点からも、子どもの脳の好奇心を引き出し脳の発達を促すのに適した活動と言えるでしょう。
自然の中で五感を刺激する
山登りは、五感を刺激する最適なアクティビティです。
視覚:自然の美しい景色を眺めることができます。山の景色、川の景色、花の景色など自然の美しい景色を眺めることができ、視覚が刺激されます。
聴覚:風の音、鳥のさえずり、川のせせらぎなどさまざまな自然の音を聞くことで、聴覚が刺激されます。
嗅覚:花の香り、草木の香り、土の香りなど、さまざまな自然の香りを嗅ぐことで、嗅覚が刺激されます。
味覚:山菜、きのこ、果物などさままな自然の食べ物を食べることで、味覚が刺激されます。
触覚:木の枝の触感、岩の触感、土の触感など、さまざまな自然の触感を感じることで、触覚が刺激されます。
五感が刺激されることによって、脳神経ネットワークが強化され、将来的な学習能力の向上につながると考えられています。
目標達成に向かう力を養う
山登りをすることで、途中で挫折しそうになっても目標に向かって努力し続ける力をつけ、「自分は頑張ればできる」という自己肯定感を育むことができます。
途中で疲れたりして山頂に到達できない場合もありますが、それでももちろんOK。
山登りに挑戦し、自分でリュックを背負うことなど小さな成功体験を積むことができます。
親が子どもたちに声かけをし、前向きな気持ちを持たせることが大切です。
それにより、子どもの非認知能力を育むことができると言えるでしょう。
家族で山登りする魅力
ここでは、家族で山登りする魅力について紹介します。
非日常を味わえる
家族で山登りすることによって、
・ 登山しながら大自然のさまざまな風景を目の当たりにできる。
・ 鳥、昆虫、草花などと触れ合える。
など、普段の生活ではなかなか味わえないさまざまな体験ができ、家族皆で非日常を味わうことができます。
子どもは遊びの天才です。
その辺に落ちている小枝や小石でも、なんでもおもちゃにしてしまいます。
そんな自由な発想に親のほうが驚かされることもしばしばです。
時間的な余裕があり、安全な登山道であれば、子どもの興味や好奇心のおもむくまま、子どもの目線で山歩きをしてみるのもおすすめです。
思いがけない発見があるかもしれません。
家族の絆が深まる
親子で山登りをすると、自然の中で家族一緒に過ごし、「⚪⚪がきれいだね」「△△が見えたよ!」など家族でおしゃべりしながら自然の美しさを共有することができます。
そんな中で気持ちが開放的になり、これまでは聞けなかった園・学校生活のことや友達のことなど“本音”を聞けることもあります。
また、家族で協力して山頂を目指すことでチームワークが生まれ、家族の絆を深めることもできるでしょう。
忙しい家庭こそ、家族で特別な思い出になる親子登山はおすすめです。
年齢別アドバイス
まずは、親子登山の準備の基本ポイントを紹介します。
・天気予報を確認する。
・登山道具を準備する。
・食事や水を準備する。
・子どもの体力や体調を考慮してプランを立てる。
・子どもに登山のルールを説明する。
初めての親子登山では、登頂などの目的にこだわりすぎず、自然を楽しむなど、山に慣れることから始めましょう。ただ黙々と歩くのではなく、虫や鳥を観察したり川で遊んだりなど、子どもの「やりたい!」を尊重して過ごすことも大切です。
基本の持ち物、装備は以下を参考にしましょう。
・飲み物、食べ物
・ レジャーシート
・ かっぱ、雨具
・ 着替え
・ ウエットティッシュ、お手拭き
・ ビニール袋
・ ばんそうこう、ガーゼ
・ 保険証
・ (季節により)日焼け止め、虫よけ、携帯カイロ
・動きやすい服装
(肌着+Tシャツ+ナイロンジャケットなど、体温調節ができる重ね着で工夫を)
・リュック
・ 履きなれた靴
・ 帽子
山では、ケガや虫刺されなどを防ぐために長袖長ズボンが基本。
暑がりな子どもには、ショートパンツにスパッツを組み合わせるのもよいでしょう。
また、綿100%素材のものはなるべく避け、スポーツウェアなどの速乾性のあるものを選びましょう。
そして、ウィンドブレーカーなどの防寒着も必ず用意しておくこと。
日常使いもできるので、登山のためだけではなくあらゆる場面で使えます。
現地で注意するポイントは、以下です。
・ 水分をこまめにとる。
・ そのときの気温に応じて衣服を着脱しながら、体温調節に気を配る。
・ 岩場を通過するときはしっかり手をつなぐなど、必要に応じて必ず親がフォローする。
以下、子どもの年齢別に、親子登山のポイントを紹介します。
3歳~4歳頃|幼稚園児
子どもの年齢に加え、運動能力や性格を鑑み、無理のないプランを考えましょう。
ポイントは、以下の3つです。
・ 登山道が整備されているコースを選ぶ。
・ ゆっくりと休憩できたり、遊べたりする場所があるコースを選ぶ。
例:高尾山(東京都八王子市)、御岳山(東京都青梅市)、日和田山(埼玉県日高市)など
この年代の子どもは途中で疲れてしまうケースが多く、最初に少しだけ歩いて、あとは大人がおんぶするというパターンもあります。
子どもをおんぶすることになっても苦にならないコースを選択しましょう。
5歳~8歳頃|小学校低学年
ある程度体力がつき、目的意識も芽生えるこの年代は、「登頂できた!」という達成感を味わえるような山がよいでしょう。
ポイントは、以下の3つです。
・ 簡単な岩場や湿原など変化があるコースを選ぶ。
・ 登山道の道幅が広いコースを選ぶ。
例:筑波山(茨城県つくば市)、大楠山(神奈川県横浜市)、宝登山(埼玉県秩父郡)など
体力がつき元気な反面、筋力はまだ発展途上のため、怪我には十分に注意しましょう。
9歳~|小学校中学年以上
個人差はありますが、体格がよくなり体力もついてくる年代です。大人と同等に歩けるようになる子もいますので、子どもと相談しながらより主体的に登山を楽しめるような計画を立てるのもいいでしょう。
ポイントは、以下の3つです。
・ 簡単な岩場や湿原など変化のあるコースを選ぶ。
・ 計画の段階から子どもといっしょに行う。
例:陣馬山(東京都八王子市)、双子山(長野県)など
体力がついてきているとはいえ、道が荒かったり急勾配だったりするコースはあまり適していないので、比較的整備された山を選ぶようにしましょう。
親子登山で、最高の思い出を作ろう
初めての親子登山では、「必ず頂上まで登る」などの目的にこだわりすぎず、自然を楽しむなど山に慣れることから始めましょう。
子どもにとっては、山頂の景色よりも途中の沢や、ガタガタした道歩きが楽しいということもあります。
ただ黙々と歩くのではなく、虫や鳥を観察したり川で遊んだりと、子どもの思いを尊重し、必要に応じて寄り道しながら過ごすことも大切です。
登山をしながら可能な範囲で写真を撮ったりビデオにおさめておくことで、帰宅後、楽しかった思い出を家族で振り返ることができます。
子どもが「楽しい!」と思ったことや、達成感を感じられることが、次の登山につながります。
子どもの成長に合わせてたくさんの山に登り、親子のイベントとして楽しめるといいですね!
・親子で山登りには、子どもの非認知能力を育む要素がつまっている。
・事前準備に加え、服装は持ち物は万全に。
・子どもの年齢や体力に合わせてプランを考えよう。
参考文献)
「親子登山はメリットがいっぱい!山登りで身体を鍛え、脳の発達を促そう」(出典: CONOBAS)
「不安がいっぱい・・・親子登山は何から準備したらいい?」(出典:YAMA HACK)
「【家族登山】子供と登山をするメリット・効果を紹介!子供と登山を始める手順は?」(出典:まなびち)
「年齢別アドバイス付き! 子どもと一緒にハイキング・登山デビュー 徹底安心ガイド」
(出典:るるぶキッズ)