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子どもの運動神経は生まれつきじゃない!大切なのは小さい頃からの運動経験

投稿日: 2024.03.15

「僕は(私は)運動が苦手だから・・・」と、体を動かそうとしないわが子の姿を見たり、運動会や学校参観などで周りの子と比べて動きが鈍いわが子の様子を目の当たりにしたり。

「うちの子、運動神経が悪いのでは?」と、不安を感じたことがあるお母さん、お父さんもいるのではないでしょうか。

実は、子どもの運動能力は、遺伝や生まれつきのものではありません。

この記事では、子どもの運動能力や苦手意識を克服する方法、子どもの運動経験の大切さについて紹介します。

子どもが運動を苦手と感じてしまうのは運動経験が少ないから


「子どもが運動が苦手で心配」「遊びでは活発なのに、園や学校の体育の時間は嫌いと言っている」などの子どもの運動に関する悩みを抱いたことはありますか?

小さい頃、運動を苦手と感じてしまうと将来さまざまなスポーツを楽しめないのではないかと心配になりますね。

ここでは、子どもが運動を苦手と感じてしまう理由について取り上げます。

「生まれつき運動神経が悪い子はいない」って本当?

私たちは普段何気なく「運動神経が良い」「運動神経が悪い」という表現を使っていますが、そもそも、人間の機能をつかさどる神経系の中に、「運動神経」というものは存在しません。

「運動神経が良い」=「運動能力が高い」ということ。

そして、この運動能力は親からの遺伝や生まれつきのものではなく、幼少期に体験した運動経験や、運動の楽しさ・興味次第で後天的に伸ばすことができるのです。

親から見た「運動音痴」や「運動神経が悪い」というのは、幼少期に運動体験が少なかったり、運動の楽しさを味わっていないことにより、上手に体を動かすことができないだけ。

体を動かす頻度を高めながら運動を楽しむことで、これらの問題を解決することができます。

運動で自信をなくす子どもの共通点

運動で自信をなくす子どもの共通点は、ずばり、「運動経験が少ない」ということ。

日頃から活発に体を動かす習慣が少ないと、運動に対して「慣れ」がなく、頭ではわかっていても、それを実際の動作に落とし込めないことが多いのです。
縄跳びを例にあげると、「ジャンプをしながら、縄を回す」などの1度に2つのことを行う動作が難しく感じます。

人間の体は、脳からの指令で初めて動きます。

慣れている動きや動作はスムーズに指令を出せますが、初めての動きや不慣れな動作に関しては上手に指令が出せません。

「運動経験が少ない」→「体の動かし方がわからない」→「運動で自信をなくす」といった負のスパイラルに陥ってしまいやすいのです。

幼少期に「運動が苦手」と感じると、その後も苦手意識を持ち続けることも

スポーツ庁の「令和4年度(2022年度)全国体力・運動能力、運動習慣等調査」によると、小学5年生男子は7.6%、女子は14%が、中学2年生の男子では11.2%、女子は22.8%が「スポーツが嫌い・やや嫌い」と感じていることが明らかになりました。

この調査では、小学校入学前、1〜2年生時にも同様の調査をしていますが、小学校入学前に「運動が苦手」と感じてしまうと、その後学年があがっても「苦手」と感じ続けてしまう傾向が高いという結果が出ています。

「運動が苦手」と感じる理由としては、

⚫️「ボールが飛んでくるのが怖い」「痛い思いをするのではないか」など、「怖い」気持ちが強い。

⚫️「周りの友達のようにうまく体を動かせないため、運動に対してコンプレックスを抱く」など、できないことに対する「恥ずかしい」気持ちが強い。

⚫️「チーム対抗のゲームで負けたのは自分のせい」など、「何をやってもだめだ」という気持ちが強い。

などがあげられます。

体を動かす頻度を確認してみよう!


わが子が運動に対して苦手意識を持ちにくくするために、まずはどのくらいの頻度でどのように体を動かしているのか、確認してみましょう。

週にどれくらい運動をしている?

子どもたちの運動時間や体力についてスポーツ庁がまとめた令和4年度(2022年度)「全国体力・運動能力調査」(全国の小学5年生と中学2年生を対象に、2022年4~7月に実施)によると、体育の授業を除く1週間の運動時間は、男女ともに年々減少傾向にあります。

一週間で420分(1日平均1時間)以上、体を動かしている小学生男子は50.1%(2021年は47.8%)、女子は29.2%(2021年は28.3%)でした。

これは前年の2021年に比べるとやや増えてはいるものの、2019年の51.4%(男子)、30.0%(女子)の水準には戻っておらず、過去5年間を比べても体を動かす機会や時間が年々減っていることがわかります。

また一週間で420分以上運動をしている児童は、それ以外の子よりも「体力合計点」のポイントが高く、運動時間さえ確保すればダイレクトに体力がアップすることも示しています。

さらに、「学習以外の1日のスクリーンタイムは4時間以上」という児童の割合が男女ともに増えており、「運動はあまりせず、スマホやゲームの時間が長い小学生」が増えているという実態が明らかになりました。

わが子は週にどれくらい運動をしているかを振り返り、週末に親子で運動遊びをしたり、スポーツの習い事をしてみたり、大切な成長期に体を動かす習慣を身につけたいですね。

12歳までの運動経験の大切さ

誰もが生まれながらにたくさんの神経細胞を持っていますが、赤ちゃんの頃は未発達で、まだ細胞同士のつながりがありません。

しかしその後、神経細胞が少しずつつながり始め、脳から出した指令を筋肉に伝えて骨や筋肉を動かせるようになっていきます。

このような神経細胞は5歳頃までに成人の80%の成長を遂げ、12歳までにほぼ100%まで達すると言われます。

神経回路が形成されていく5〜8歳までの時期を「プレ・ゴールデンエイジ」、9〜12歳までを「ゴールデンエイジ」と呼びます。

神経系が著しく成長する「プレ・ゴールデンエイジ」は、多種多様な動きや運動を経験し、体を動かす楽しさを感じることが大切といわれています。

そして神経系の発達がほぼ完成する「ゴールデンエイジ」は、集中力が高まり、運動学習能力がアップするので、スポーツなど技術的に向上させやすい時期でもあります。

大人でも難しいような動作などもすぐ覚えることができる「ゴールデンエイジ」は、自我がめばえ、競争心もついてくるのでスポーツをするには最適な時期です。

ポイントは、「プレ・ゴールデンエイジ」にさまざまな運動を経験していると、その後の「ゴールデンエイジ」に運動能力が向上しやすくなるので、5歳頃から継続して運動していることが望ましいでしょう。

5歳〜12歳までの時期に豊富な運動経験を重ねることが、運動への苦手意識を少なくすることにつながります。

子どもを運動嫌いにさせないための4つのコツ

子どもを運動嫌いにさせないために、親は日々の生活の中でどのように関わったらよいのでしょうか。以下、4つのコツを紹介します。

ほめる

子どもが運動に取り組んでいたら、「⚫⚫をがんばってるね!」など、まずはその姿をほめましょう。

たとえば縄跳びなら、跳べるか跳べないかは問題ではありません。

興味を持って取り組み、縄を回せたときに「すごい、まわせたね!」などと声をかけると、子どもはどんどんやる気がわいてくるでしょう。

認める

子どもが遊んだり、運動している時に「もっとこうしなさい」「それはダメ」などと細かな注意は必要ありません。

もし失敗したとしても、トライしたことを尊重して認めてあげることで、自己肯定感も高まります。

最初から上手に体を動かす必要はないので、「楽しい」「やってみたい」という気持ちを最優先に、「いいね」「その調子!」と子どものやる気を育てましょう。

きっと自分が認められたような気持ちになって、運動そのものに前向きになれるはずです。

親も一緒に楽しむ

徒歩や自転車で買い物する、空いた時間にお散歩するなどでもOK。

親子で一緒に体を動かす時間を意識して設けましょう。

近くの公園のみならず、体育館やスポーツ広場など、手軽に安全に体を動かせる場所を地域のHPなどで探し、活用するのもおすすめです。

強制しない

「子どもに少しでも運動に親しんでほしい」という気持ちから、「⚫⚫をやってみたら?」「⚪⚪は△△の方法でやるんだよ」など、親からいろいろ強制してしまいがちですが、子どもにとってはやらされ感しか残りません。

運動するのは子どもなのですから、親が強制せず、子どもがやりたいことを尊重するようにしましょう。

普段から親が楽しく体を動かしている様子を見ていると、「気持ちよさそう」「楽しそうだな」と興味を持つかもしれません。

色々な運動遊びをする

サッカー、野球、バスケットボールなどのスポーツだけでなく、「片足ケンケンしながら親子で鬼ごっこする」「風船を落とさないようにする
など、多様な動きが必要な運動遊びを楽しむことで、体を動かすことの楽しさを味わえるようになります。

「ボールを使う運動は苦手だけど、走るのは好き」「大人数でやる競技より、個人で取り組む方が楽しそう」など、子どもによって好みはさまざまです。

子どもに合った運動遊びを探してあげたいですね。

スポーツのキホンになる遊びで身に付く「36の動き」


ここでは、12歳ごろまでに身に付けたい、すべてのスポーツの基礎になる「36の動き」を紹介します。
36の基本動作は、

・姿勢の変化や安定性を伴う9の動作
・重心の移動を伴う9の動作
・人や物を操作する18の動作

と大きく3つに分けられ、これらの動きはすべて、遊びを通して身につくといわれています。

姿勢の変化や安定性を伴う9の動作

以下の9つの動きは「平衡系動作」と呼ばれ、姿勢変化や平衡維持の運動です。

姿勢の変化や安定性を伴う9の動作

・回る
・起きる
・立つ
・組む
・渡る
・さかだちする
・(鉄棒などに)ぶらさがる
・(水などに)浮く
・乗る

重心の移動を伴う9の動作

以下の9つの動作は「移動系動作」と呼ばれ、上下・水平方向の移動や回転運動です。


重心の移動を伴う9の動作

・はう
・歩く
・のぼる
・垂直に跳ぶ
・水平にとぶ
・走る
・くぐる
・泳ぐ
・滑る

人や物を操作する18の動作

以下の18の動作は「操作系動作」と呼ばれ、モノや自分以外の他者を扱う運動です。


人や物を操作する18の動作

・つかむ  ・持つ  ・投げる
・蹴る  ・当てる  ・捕る
・掘る  ・振る   ・運ぶ
・渡す  ・支える  ・積む
・倒す  ・押す   ・おさえる
・引く  ・打つ   ・漕ぐ

私たちが毎日無意識に行っている体の動きは、この36パターンに分類されます。
これらの基本動作をバランス良く身につけることが、すべてのスポーツの基礎になり、運動能力につながります。

36の基本動作は「遊び」を通して十分に育むことができます。
子どもといっしょに運動するときは、これらの動作を意識するとよいでしょう。

子どものうちから運動の機会を作ろう


体を動かすのが「楽しい!」「面白い!」と感じると、子どもは運動を苦痛に感じません。
もし運動を好きになれないようであれば、「好きな種目」や「興味を抱いている種目」を見つけ、スポーツ教室などで体験させるのもよいでしょう。

その際、「パパやママに言われたからやってみる」のではなく「自分で選んで運動している」状況をつくることが大切です。

さらに、道具を使う運動ならその道具を家の中で子どもが取りやすい場所に置くなど、「やりやすい」「運動しやすい」環境が整っているとベターです。
「週末には家族で公園遊びする」「親子でジョギングの日を設ける」など、定期的に運動習慣をつけることで、子どもも体を動かすことが苦ではなくなるでしょう。

ちょっとした工夫で運動の機会をつくることができます。日々の過ごし方を見直し、子どものうちから楽しく体を動かす機会をつくりましょう。

まとめ

・小さい頃からの「運動経験」が、「運動が得意」につながる。
・親も子どもといっしょに体を動かし、運動を楽しむ姿勢が大切。
・プレゴールデンエイジ、ゴールデンエイジくらいまでに運動習慣を身につけるとよい。
・「36の基本動作」を知り、日々の生活に無理なく取り入れよう。

参考文献)
「令和4年度 全国体力・運動能力、運動習慣等調査結果」(スポーツ庁)
「子どもの運動音痴は運動体験で克服できる!遊びを通して調整力を高める方法をご紹介!」(出典:へやすぼNavi)
「子どもがスポーツ嫌いになる理由は? 苦手意識を持ちにくくするには? 専門家に聞く」(出典:朝日新聞Edu)
「運動神経・運動能力は遺伝でなく経験!8歳までのあそびで運動が得意な子に」(出典:るるぶKids)
「幼児期に身につけておきたい36の動きと幼児が運動遊びを楽しむことの重要性」(出典:おやこのくふう)

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