頑張らずに取り戻そう、夏休みに乱れた子どもの生活リズム
更新日: 2023.01.04
投稿日: 2022.08.05
夏休みはお出かけが続いたり、楽しいイベントが多かったりと、つい生活リズムが乱れてしまいがち。
夏休みがはじまる時には、
「学校に行っている時と同じ生活リズムを続ける!」
「今年こそ早寝早起きを徹底させよう」
と親子で決めていても、なかなか実行できないのが本当のところ。
生活リズムの乱れは「体調不良」や「学習意欲の低下」にもつながり、2学期だけでなく将来的に子どもに悪い影響を及ぼすこともあります。
でも忙しいお母さん・お父さんにとって、子どもに規則正しい生活を徹底させるのは大変で、プレッシャーも感じますよね。
今回は、生活リズムが子どもに与える影響と、頑張りすぎずに子どもの生活リズムを取り戻す方法をご提案します。
もくじ
夏休みにありがちな生活リズムの乱れ方
約40日間もある夏休み。
実家に里帰りしたり、家族でちょっぴり遠出したり、お祭りや花火などのイベントもあって盛り沢山です。
学校に行っている時と同じような生活リズムを守ろうと思っても、なかなかそうはいきませんよね。
・楽しいイベントから帰ったあとは子どもが興奮して寝られず、そのまま遅寝→朝寝坊の習慣がついてしまう。
・冷たいものを食べ過ぎて胃腸が弱まり、食欲が落ちてしまう。
・ゲームやスマホのやり過ぎで、夜ふかし&睡眠の質が悪くなる。
・エアコンの効いた部屋に長時間いて、低体温や運動不足になる。
など、夏休みは生活リズムが乱れる誘惑がたくさんあります。
お母さんやお父さんも子どもの横に張り付いて終日管理する訳にもいかず、「夏休みだし…」「たまにだから…」と、ついルールもゆるくなりがちです。
乱れた生活リズムが定着してしまうと、どんなことが起こるのでしょうか。
乱れた生活リズムが及ぼす子どもへの影響とは?
夏休みも折り返し地点を過ぎると、残った宿題や新学期のことを考える時期。
「生活リズムの乱れは子どもによくない」といわれますが、具体的にはどんな影響があるのでしょうか。
◯ 遅寝・遅起きで学習や精神面にも悪影響が
◯ ブルーライトの影響で乱れる体内時計
◯ 食生活の乱れによる体調不良
◯ 冷たいものの食べ過ぎで胃腸が弱まる
◯ 長時間のエアコンで低体温・運動不足に
遅寝・遅起きで学習や精神面にも悪影響が
決まった時間に起きる必要のない夏休みは、朝寝坊や夜ふかしが日常的になり、結果「遅寝・遅起き」が習慣化してしまいがちです。
「遅く寝て、遅く起きれば睡眠時間は確保できるのでは?」と思いますが、遅寝の子どもの眠りは浅くなる傾向があり、疲れがすっきり取れないことも。
文部科学省の調査によると、就寝時間が遅い小学生と中学生は「なんでもないのにイライラする」割合が高い傾向があり、ホルモンの分泌や質の良い睡眠に影響があるようです。
睡眠は心身の疲れを回復させるほか、昼間に学んだことを記憶・整理する役割もあるので、睡眠の質が下がると学習力の低下にもつながるでしょう。
また寝不足になると、やる気や感情をコントロールする「前頭葉」の働きが低下し、集中力が続かなかったり、落ち着きがなかったり、周囲に攻撃的になるという研究結果もあります。
幼少期からの睡眠習慣は、その後の子どもの人生の生活習慣に直結するので、早めに直しておきたいですね。
ブルーライトの影響で乱れる体内時計
人間なら誰しも持っている「体内時計」。
朝は心拍数や血圧などが高まって活動準備を始め、夜になると休息できる状態に切り替える役割を果たしています。
本来、太陽の光を浴びたり、陽が沈んで夜になることで整う体内時計ですが、夜になってもテレビやスマートフォンのブルーライトを浴びていると、その時計が後ろにずれこんでしまいます。
体内時計が狂うことで、成長ホルモンの分泌がスムーズにできなくなったり、自律神経の調節がうまくいかなくなったりと、悪い影響が出てきます。
テレビは9時まで。
スマホやタブレットは夜ご飯を食べたら、もう見ない。
など、ブルーライトが睡眠に影響しないようなルールづくりが必要になるでしょう。
寝る時間の2時間前にはブルーライトを目に入れないようにすると、睡眠の質が変わってきます。
食生活の乱れによる体調不良
朝寝坊をすると朝食と昼食の間が空かなくなり、食事回数が減ったり、時間がずれ込んだりして3食規則正しく摂ることが難しくなります。
3食きちんと食事を摂らないと、おやつの量が増え、栄養に偏りが出ることも。
また夏は暑くて食欲が落ちることから、口さわりのよい麺類などの炭水化物が多くなり、必要な栄養素が不足しがちです。
不規則な食事や栄養不足が続くと、成長期の子どもたちの体はもちろん、脳の発達や精神面にも影響が出ます。
・お味噌汁やスープを具沢山にする。
・果物を多めに摂る。
・ちょい足しアイテム(きのこや卵、かいわれ大根など)を追加する。
など、手間をかけずに栄養を補う習慣をつけたいですね。
冷たいものの食べ過ぎで胃腸が弱まる
夏はそうめんや冷製パスタなど、冷たくてのどごしのよいものが食べたくなるもの。
そしてアイスクリームや冷やしたゼリーなど、冷たいお菓子も目白押しです。
しかし体を冷やす冷たい食べ物は、摂りすぎると内臓を冷やし、体全体の代謝が下がってしまいます。
また胃腸などの消化器官の働きが弱まり、体調不良の原因になることも。
特に子どもが甘いものを摂りすぎると、糖分で満腹感が得られてしまい、食事量が減ってしまう傾向があります。
冷たい食べ物は1日1回など、回数を決めて、体を冷やさないようにしましょう。
長時間のエアコンで低体温・運動不足に
夏休み中も、冷房のついた部屋で過ごすことも多くなった子どもたち。
学校では冷房温度も高めに設定されていますが、自宅では好きな温度に設定できるので、必要以上に体が冷えてしまうことも。
冷房の効いた部屋で長時間過ごしたり、扇風機に長い時間当たりすぎると、低体温症になる恐れがあります。
また学校では適度に体を動かしていた子どもたちですが、夏休み中はソファでゴロゴロしたり、まったり過ごしてしまうこともあるでしょう。
運動不足は筋力の衰えや体力低下を引き起こすうえ、骨密度が下がったり肥満の原因になるなど、子どもにも悪い影響が。
朝や夕方などの比較的気温が低い時間帯に散歩に行ったり、公営プールを利用したり、暑い時期でも体を動かす工夫をしたいものです。
頑張らずに1週間続けるだけ! 生活リズムを整えるたった一つの習慣
夏休み中に乱れてしまった生活リズムは、新学期が始まる前に整えておくことが大切です。
でも、大丈夫! 1週間あれば、ストレスなく子どもの生活リズムを戻すことができます。
難しいことはありません。その方法は、たった一つ。
「前日の就寝時間に関係なく、朝早く起こすこと」
夜の就寝時間は、電気を消しても、布団に入らせても、子どもの入眠時間まではコントロールできませんよね。
でも朝の起床時間は、子どもがグズグズしていても、文句を言われても、親が決心して起こせば、子どもは必ず目を覚まします。
・小さい子どもなら、抱っこで縦にして起こしてしまう。
・氷で冷やしたタオルを顔や首に当てる。
・カーテンを開けて朝日を入れる
・起きるまでくすぐり続ける
など、とにかく「絶対に起こすこと」がポイント。
朝早く起きれば、夜は必ず眠くなります。
1〜2日は早寝ができずに多少睡眠不足になるかもしれませんが、早起きさえ徹底して続ければ、早寝できる日は必ずやってきます。
「早起き→早寝」のサイクルを無理やりつくることで、乱れた生活リズムが強制的に整います。
朝早く起きられれば、涼しい時間帯に散歩をすることも可能。
朝から体を動かせば、朝ごはんもおいしく食べられ、頭もスッキリと動き出します。
そのためには親も早起きすることが必須ですが、そこはお母さん・お父さんも頑張りどころ。
まずは「早起き」から始めてみましょう。
・夏休みは楽しいイベントや気の緩みから、生活リズムが乱れがちになる。
・生活リズムの乱れは、子どもの健康だけでなく学習意欲や集中力、メンタルにも影響する。
・生活リズムを取り戻すには「早起き」が一番の近道。
親としては子どもの夏休みの生活リズムは気になりますよね?心配にもなりますよね?不規則な生活リズムは子どもの体の成長のみならず、心や脳の成長にも大きな影響を与えることが分かりました。でも、だからと言って無理やり子どもたちを押し付けて正しいリズムにさせることは、子どもにとっても良くないですし、親にとってもストレスとなってしまう所かと思います。大切なのは、不規則なリズムがなぜ子どもにとって良くないのかを子どもに分かってもらえるように伝えることや、正しい生活リズムの中でも楽しい時間を過ごせるようにすことが重要なのではないでしょうか?親子で試行錯誤しながらバランスの良い生活リズムを作ってみましょう!
(参考文献)
・文部科学省 「睡眠を中心とした生活習慣と子供の自立等との関係性に関する調査の結果」
・All About 「子供の夜型化の影響とは……危険がいっぱい!」
・サワイ健康推進課「体内時計のずれを上手にリセット、健やかな整体リズムで生活習慣病をSTOP!」
・日経WOMAN SMART「1日を決めるのは朝 子どもの起床時間」