Leifras SPORTS SCHOOL

Leifras SPORTS SCHOOL

ラージハート

非認知能力

「自分はできる!」と信じる力 子どものセルフ・エフィカシー(自己効力感)を高めるには

更新日: 2023.07.04
投稿日: 2023.07.18

何かに挑戦しなくてはいけない時、少し難しい問題に直面した時に「大丈夫!」と思える子と、「無理だ」と諦めてしまう子がいます。

その違いは、自己効力感とも呼ばれる「セルフ・エフィカシー」の高さに関係しているようです。

今回は、子どものセルフ・エフィカシーについて考えてみましょう。

セルフ・エフィカシー(自己効力感)とはなにか


セルフ・エフィカシーとは、何か行動を起こす時、そして目標を達成しようとする時に、「自分にはきっとできる」と自分の可能性や能力を認知する力のこと。

「自己効力感」や「見込み感」とも呼ばれ、いざという時、自分自身を信じられる力のことでもあります。

セルフ・エフィカシーはカナダの心理学者、アルバート・パンドゥーラが唱えた概念で、子どもが自己効力感を持てるようになるには、

◯ 成功経験…自分でトライしたことが成功した・やり切ったという体験

◯ 代理体験…周囲の人の行動や成功する姿を見て参考にする

◯ 言語的説得…周囲から褒められたり、認められたりすること

◯ 生理的感情的状態…心も体も健康で前向きにいられること

この4つの要素が関わっていると言われています。

自己効力感が高いと、失敗しても再チャレンジしたり、やる気が継続したり、失敗に対して必要以上に落ち込まなかったりと、メリットがたくさんあります。

特にスポーツや勉強など、チャレンジすることが多い子ども時代にセルフ・エフィカシーを高めておくと、挑戦することを恐れなくなり活動の幅も広がるでしょう。

自己効力感と自己肯定感はなにが違うのか?


非認知能力の一つとして語られることの多い「自己効力感」と「自己肯定感」ですが、この2つの違いはなんでしょうか。

自己肯定感とは
・ありのままの自分を肯定する力
・自分は自分でOKだと満足する気持ち
・できてもできなくても自分の存在を認めること
自己効力感とは
・「自分にはできる」と信じる気持ち
・目標達成や困難を打破する力を持っていると認識すること
・自分の「行動」と「結果」をポジティブに考えられる

このように、自己肯定感は「自分そのもの」に対して肯定する気持ちであるのに対し、自己効力感は自分の「自分の行動」に対して自信を持ち、前向きに考えられる力のことを示しています。

自己肯定感があれば、チャレンジする時に背中を押してもらえますし、自己効力感によって行動したことが成功すれば自己肯定感もアップするでしょう。

つまり自己肯定感と自己効力感は、それぞれが影響し合う関係なのです。

セルフ・エフィカシーを高めるにはどうしたらいいのか


子どものセルフ・エフィカシーを高めるには、普段の生活での接し方も大切です。

パンドゥーラの考える4つの要素に沿って、考えてみましょう。

成功経験をさせる

自己効力感を高めるうえで、もっとも重要だと言われる「成功経験」。

「成功」というと大袈裟に考えてしまうかもしれませんが、子どもに選択肢を持たせて、それが「よかった」「いい選択だった」と思わせることで成功経験を積み重ねることができます。

例えば…
・今日着る服や靴を選ばせて、外出先で「よく似合ってる」「その靴だから今日は長く歩ける」「大正解」などと声をかける。
・週末の過ごし方を考えてもらい、「今週末は楽しかったね。いいアイデアだった」と褒める。

このように自分の選択や提案が成功する経験を何度も繰り返すと、「自分の行動がよい結果につながる」と認識でき、自分の選択に自信がついて、自己効力感が高まっていきます。

また子どもは自分の「小さな成功」を理解していないことが多いので、保護者が積極的に探してあげることも大切です。

代理体験をさせる

代理体験とは、クラスメイトやチームメイトなど自分と同じ立場の人、能力が近い人が成功する姿を見て、「自分にもできるかも」「きっとできる」と思う体験のこと。

人の成功を見て「私ならもっとうまくできる」と感じることも、代理体験の一つです。

自分に自信が持てないと「あの子はできたけど、自分はきっと無理」と感じたり、劣等感を持ってしまうこともあります。

「あの子にできて、あなたにできない訳がない」などと、保護者が焦って焚きつけようとせず、ゆっくり自信を育くむことからスタートしましょう。

自信が持てずに尻込みしているようなら、「何が心配?」「どこからならできそう?」と子どもの意見を聞きながら、少しずつ前に進めるといいですね。

言語的説得をする

周囲から認めてもらうこと、特に言葉で「頑張ってるね」「さすが!」と声をかけられることは子どもにとって強い影響力があります。

大人はつい「あからさまに褒めるのは逆効果では?」「褒めるのが恥ずかしい」などと考えがちですが、わが子を褒めるのに遠慮は不要。

褒めるだけで自信がつき、自己効力感が育めるなら、積極的に褒めるが勝ちです。

・子ども自信が気づいていない部分に注目して褒める
・結果よりも、努力のプロセスや着眼点などを褒める
・「信じてるよ」「きっとできるよ」「大丈夫」と子どもの存在を丸々信頼する言葉がけ

など、とにかくポジティブな言葉のシャワーを浴びせてみましょう。

「認める」「褒める」といった相手を受け入れる言葉がけは、かけられた側だけでなく、かける側も肯定的な気持ちになり、プラスの相互作用が期待できます。

生理的感情的(健康な)状態を良好に保つ

「子どもは元気な生きもの」というのは大人の思い込みです。

最近の子どもたちは習い事や塾で忙しく、夜更かしも日常的、そこに学校でのストレスなども加わって、疲れていることが多いと言われています。

元気がないとやる気が出ないのと同じように、身体的に健康で体調が整っていないとセルフ・エフィカシーを高めることはできません。

寝不足や疲れ、体調不良などから自己効力感がダウンしないように、日々の生活習慣を整え、栄養をたっぷり摂って元気でいられるようにサポートすることも大切です。

セルフ・エフィカシーは学力にも影響する!?


このセルフ・エフィカシーは、スポーツや習い事のみならず、学力にも影響することがわかっています。

ベネッセ教育総合研究所のリサーチによると、小学生の成績上位者では87%の子どもが「やる気になれば何でもできる」と自己効力感を持っているのに対し、成績下位者では74.2%と自己効力感が低くなっているそうです。

中学生になると、成績上位者では83.7%に対し、成績下位者では68%とその開きが大きくなっています。

またセルフ・エフィカシーが高いほど、実際に目標達成したり、問題解決をする率が高くなるというデータもあり、自己効力感が「くじけない心」や「根気強く取り組む力」にも関わっていることがわかります。

子どもが生きていくうえで大きな味方になる「セルフ・エフィカシー(自己効力感)」という力。

子どもが幼い頃から少しずつ育てて、いざという時に前向きに挑戦できる子になってほしいですね。

まとめ

・セルフ・エフィカシー(自己効力感)とは、「自分にはきっとできる」と自分の可能性や能力を認知する力のこと。
・自己効力感が高いと、失敗を恐れずにチャレンジしたり、やる気が継続する。
・・自己効力感を高めるには、「成功経験」「代理体験」「言語的説得」「生理的感情的状態」の要素が必要で、そのためには周囲の大人の関わり方も重要になる。
・セルフ・エフィカシーが高まると学力にもよい影響がある。

(参考文献)
・光村図書 web magazine | 子ども理解の「そこ大事!」 すぐに諦めてしまう子― 自己効力感
・こどもまなびラボ | 子どもの自身がぐんぐん育つ! 学力の高さと比例する「自己効力感」を上げる法方
・ベネッセ教育総合研究所 | 自己効力感が高い小・中学生はどのような子どもか
・ピポラボ | 自己効力感とは? 4つの要因とその高め方について

記事一覧に戻る

よく一緒に読まれている記事

無料で非認知能力を測定できます!

バナーをタップすると体験版の測定が可能です。

みらぼ

非認知能力を知ろう

非認知能力とは、IQや学力などとは異なり、社会で豊かにたくましく生きる力と言われる、挨拶・礼儀、リーダーシップ、協調性、自己管理力、課題解決力などのことです。園や学校の先生をはじめ、お子様がいるご家庭のママやパパにも注目され始めている能力で非認知能力を高める教育への関心度が高まっています。

  • 非認知能力とは?
  • 非認知能力が必要とされる理由
  • 非認知能力を高める5つの理由
  • 非認知能力を高める方法

非認知能力を知ろう

非認知能力とは、IQや学力などとは異なり、社会で豊かにたくましく生きる力と言われる、挨拶・礼儀、リーダーシップ、協調性、自己管理力、課題解決力などのことです。園や学校の先生をはじめ、お子様がいるご家庭のママやパパにも注目され始めている能力で非認知能力を高める教育への関心度が高まっています。

  • 非認知能力とは?
  • 非認知能力が必要とされる理由
  • 非認知能力を高める5つの理由
  • 非認知能力を高める方法

ラージハート公式Facebook