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暑さに負けない体をつくる! 今から始める「汗かき練習」

投稿日: 2026.06.10

暑さに負けない体をつくる! 今から始める「汗かき練習」

今年も暑い夏がやってきます。
近年は全国各地で猛暑日が続き、熱中症によって救急搬送される人も増えています。

特に子どもは大人より体温調節機能が未熟なため、暑さの影響を受けやすいといわれています。
そのため、夏になると保護者は「水筒を持たせよう」「帽子をかぶらせよう」「無理をさせないようにしよう」とさまざまな対策を考えます。

しかし、実は夏本番を迎える前から始めておきたい大切な準備があります。
それが「汗かき練習」です。

今年の夏を元気に過ごすために、今からできる「汗かき練習」について考えてみましょう。

春先や初夏から始める「夏バテ予防」


汗は、体の中にたまった熱を外へ逃がしてくれる大切な役割を持っています。
いわば、体についている「エアコン」のようなものです。

しかし、普段あまり汗をかかない生活をしていると、このエアコンが上手に働きにくくなってしまいます。
すると暑い日に体温が上がりやすくなり、疲れやすくなったり、熱中症になりやすくなったりします。
そこで大切なのが、夏が来る前から適度に体を動かして汗をかくこと。
こうして少しずつ暑さに慣れていくことを「暑熱順化(しょねつじゅんか)」といいます。

暑熱順化は、子どもたちが夏を元気に過ごすための準備運動のようなもの。
本格的な暑さがやってくる前の今こそ、始めたい習慣です。

ところで、暑さへの備えというと、真夏になってから考える人も少なくありません。
しかし、実際には暑熱順化には数日から2週間程度の時間が必要とされています。
例えば、ゴールデンウィーク頃までは快適だったのに、6月に急に暑くなった日に外へ出ると、思った以上に疲れた経験はないでしょうか。
これは、体がまだ暑さに慣れていないためです。

私たちの体は、繰り返し暑さを経験することで少しずつ適応していきます。逆に、涼しい環境ばかりで過ごしていると、暑さへの対応力は育ちません。
特に最近は、エアコンの普及によって屋内で快適に過ごせるようになりました。
もちろん熱中症予防のためにはエアコンは欠かせませんが、一方で汗をかく機会そのものは減っています。
だからこそ、春から初夏にかけて適度に体を動かし、汗をかく習慣を意識することが大切なのです。

「暑熱順化のために特別なトレーニングをしよう」と考える必要はありません。
大切なのは、適度な運動を継続し、体が自然と汗をかく機会をつくる=汗をかく練習をすることです。

なぜ汗をかく練習が必要なの?


では、なぜ汗をかく練習が必要なのでしょうか。

私たちの体は体温が上昇すると汗が分泌されます。
汗が皮膚の表面で蒸発するときに熱を奪うことで、体温の上昇を抑えることができます。
暑熱順化が進むと、

・汗をかき始めるまでの時間が短くなる。
・より多くの汗を出せるようになる。
・体温の上昇を抑えやすくなる。
・心臓への負担が軽くなる。

といった変化が起こります。
同じ気温の中で活動していても、暑さに慣れている人と慣れていない人では疲れ方が大きく異なります。
運動を習慣にしている子どもが比較的暑さに強い傾向があるのも、日頃から汗をかく経験を積んでいることが一因と考えられます。

もちろん「暑さに強いから熱中症にならない」というわけではありません。
しかし、暑さに適応した体をつくっておくことは、夏を安全に過ごすための重要な土台になります。

子どもは意外と暑さに弱い?


「子どもは元気だから大丈夫」と思われがちですが、実は子どもは大人よりも暑さの影響を受けやすい存在です。

子どもは体が小さい一方で体表面積が大きく、外気の影響を受けやすい特徴があります。
また、汗腺の働きも発達途中で、体温調節機能も十分に成熟しているわけではありません。

さらに、子ども自身が体調の変化に気づきにくいことも大きな特徴です。
夢中になって遊んでいると、
「喉が渇いた」
「少し気持ち悪い」
「頭が痛い」
といった体からのサインを見逃してしまうことがあります。

また、異変を感じていても、「もう少し遊びたい」「みんなが続けているから自分も頑張りたい」という気持ちが先に立ち、不調を言葉にできないことも少なくありません。
特に近年の夏は、以前とは比べものにならないほど暑さが厳しくなっています。
大人でも体調を崩しやすい環境の中で、子どもたちは自分の力だけで暑さから身を守ることが難しい場合があります。
だからこそ、保護者や周りの大人が体調の変化に気を配ることが大切です。

子どもが「大丈夫」と言っていても、周囲の大人が小さな変化に気づき、休憩や水分補給を促すことが熱中症予防につながります。
暑熱順化と合わせて、

・のどが渇く前に水分をとる。
・顔がほてってきたら日陰で休憩する。
・十分な睡眠と朝食を心がける。
・体調が悪いときは無理をしない。

といったセルフケアの習慣も身につけていきたいところです。

汗をかけない体にはこんなことが起こる


汗をかくことを避け続けると、どのようなことが起こるのでしょうか。以下、大きく3つ、紹介します。

体温調節がうまくいかなくなる

汗は体温を調節するための大切な仕組みです。しかし、汗をかく機会が少ない状態が続くと、その働きが十分に発揮されにくくなります。
暑さに慣れていない体は、気温が上がったときにうまく熱を逃がすことができません。その結果、少し暑いだけでも疲れやすくなったり、だるさを感じたりすることがあります。

体力が低下し、暑さに弱くなる

汗をかくことを避ける生活は、運動不足にもつながります。

暑いから外に出ない→運動量が減る→体力が落ちる→さらに暑さに弱くなる。

このような悪循環に陥ってしまうこともあります。
最近はゲームや動画視聴など、室内で楽しめるものが増えています。
もちろん室内遊びも大切ですが、それだけでは体力づくりや暑熱順化は進みません。

暑さと上手につきあう力が育ちにくくなる

暑い日は無理をする必要はありません。
しかし、暑さを避け続ける生活が続くと、体だけでなく行動面にも影響が出ることがあります。
少し暑いだけで外遊びや運動を避けるようになったり、「暑いからできない」と感じたりすることも。暑さから身を守ることは大切ですが、暑さから逃げ続けることが、子どもの「できる」を少しずつ狭めてしまうこともあります。

家でもできる「汗かきトレーニング」の方法


暑熱順化は、家庭でも十分に取り組めます。以下、3つの方法を紹介します。

毎日30分程度の外遊びや散歩を取り入れる

暑熱順化は、特別な運動でなくても進めることができます。
通学や散歩、公園遊びなどで少し汗ばむ程度に体を動かすだけでも効果が期待できます。
無理のない範囲で継続することが大切です。

大切なのは、運動の強さではなく継続すること。
週末だけ頑張るよりも、毎日15~30分程度でも体を動かす習慣のほうが効果的です。
スポーツスクールに通っている子どもであれば、定期的な運動機会そのものが暑熱順化につながります。

入浴で汗をかく習慣をつくる

暑さや天候の影響で外に出にくい日もあります。
そんなときはシャワーだけで済ませず、38~40度程度のぬるめのお湯にゆっくりつかることも有効です。
体が温まり、自然と汗をかくことで暑熱順化を後押しできます。
親子でお風呂に入りながら、「今日はどんなことをした?」 「学校や園で楽しかったことは?」と会話する時間にもなります。

水分補給と休憩をセットで考える

汗をかくことは大切ですが、無理は禁物です。
のどが渇く前に水分をとり、顔が赤くなったり疲れを感じたりしたら早めに休憩しましょう。

「汗をかくこと」と「体を守ること」はセットで考える必要があります。
特に運動中は、喉の渇きを感じる前の水分補給が基本です。
スポーツドリンクを利用する場面もありますが、普段の運動では水や麦茶でも十分な場合が多くあります。

早めの準備で夏でも元気な「強い体」をつくろう


熱中症対策は、真夏になってから始めるものではありません。
暑くなる前から汗をかく習慣をつくり、体を暑さに慣らしておくことが大切です。
外遊び、散歩、スポーツ、入浴など、特別なことをしなくても暑熱順化は進められます。

子どもたちに必要なのは、「汗をかいてはいけない」ではなく、「上手に汗をかける体」を育てること。
そして、そのための第一歩は日々の運動習慣です。

本格的な夏がやって来る前の今こそ、親子で体を動かしながら汗をかく機会を増やしていきましょう。
その小さな積み重ねが、暑い夏を元気に乗り切る大きな力になります。

まとめ

・夏本番を迎える前に「汗かき練習」を始めておこう。
・暑さを避け続けることは、子どもの「できる」をせばめることもあるので要注意。
・入浴やちょっとした外遊びで「汗かき練習」はできる。

参考文献)
「暑熱順化って知っていますか?子どもにもあります」(出典:タムスわんぱくクリニック小岩)
「体力・運動能力向上センター便り」(出典:宮城県教育委員会)
「暑熱順化で夏を乗り切れ!」(出典:取手東整骨院)
「暑さに慣らす暑熱順化を始めよう」(出典:公益社団法人スポーツ安全協会)

長島 ともこの画像

執筆者プロフィール

長島 ともこ(ナガシマ トモコ)

フリーライター・エディター / 認定子育てアドバイザー / AEAJアロマテラピーアドバイザー

専門家コメント

フリーライター・エディターとして、育児、教育、暮らし、PTAの分野で取材、執筆活動を行っています。息子が所属していたスポーツ少年団(サッカー)では保護者代表をつとめ、子ども時代に親子でスポーツに関わることの大切さを実感しました。PTA活動にも数多く携わり、その経験をもとに『PTA広報誌づくりがウソのように楽しくラクになる本 』(厚有出版)などの著作もあります。「All About」子育て・PTA情報ガイド。2 児の母。

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