試合や本番前にやりたい!「いつもどおり」を出すためにしたい3つのこと
更新日: 2025.12.26
投稿日: 2025.12.29
スポーツの試合や発表会など、大切な時にかぎって緊張して力を出し切れないこと、ありますよね。
また反対に張り切りすぎて空回りしてしまうこともあります。
平常心を保つのは、大人が考える以上に子どもにとっては難しいこと。
親子でできるルーティンや約束ごとを決めておけば、自然にリラックスして持っている力を最大限に出すことができます。
これを理解しておくと、将来の受験やテストにも応用できるので活用しましょう。
もくじ
「いつもどおり」はなぜ大切?

緊張や張り切りすぎている状態は、筋肉が硬くなって、いつもどおりのパフォーマンスは出しにくくなります。
しかし緊張がなさすぎても集中力が高められず、力が出し切れないのが悩ましいところ。
ちょうどいいのは、リラックスした状態で試合や本番前のピリッとした感覚がある状態。
そのためには、「いつも」を思い出して気持ちを安心させ、試合に臨むのがいいでしょう。
緊張している子どもに「リラックスして!」「いつもどおりよ」と言葉で伝えても、実はあまり響きません。
視覚に訴え、所定の動作を行うことで、体そのものの力を抜く方が、子どもには有効です。
余計な力を抜き、必要な力が残ったベストな状態をつくるリラックス法をお伝えします。
試合前・本番前におすすめ! いつもの力を引き出す方法

試合前・本番前は、気持ち的にも環境的にも落ち着かないので、サッと簡単にできるリラックス法がおすすめ。
親は言葉をかけるよりも、リラックスする行動を思い出させる方がいいでしょう。
今回は3つの方法を試してみましょう。
◯ 目印を決める(視覚アンカリング)
◯ ギュッとしてふわ〜(筋弛緩法)
◯ 呼吸コントロール(呼吸法)
目印を決める(視覚アンカリング)
誰でも緊張してしまう試合前や本番前は、言葉でどんなにリラックスさせようとしても難しいもの。
人の脳は言葉や行動よりも、「視覚情報」に強く反応することがわかっています。
「見ると落ち着く」「これを見るとスイッチが入る」というモノを用意し、試合前に見ることで、緊張状態が一瞬で解けます。
これを心理学では「視覚アンカリング」といい、イチロー選手がバッターボックスでバットを垂直に立てるのもアンカリングの一種です。
例えば、
・スパイクやシューズについているマーク
・グローブやラケットにつけたシール
・お父さんの着ているTシャツのイラスト
・試合会場の赤いコーン
など、なんでもOK。
大切なのは、その「モノ」と「リラックスした状態」がつながっていることです。
いつもの練習の時や気持ちが落ち着いている時に、「シューズのマークを見る」「グローブのシールを見る」という癖をつけておく。
お父さんがいつも着ているTシャツを見せて、「このイラストを見ると落ち着くぞ」と子どもがリラックスしている時に伝えておく。
すると試合前にそのモノを見るだけで、子どもは「いつもの自分」に戻れます。
親はリラックスさせようと励ましたり、声かけをしなくてOK。
「いつものマーク、見た?」「お父さん、いつもの着てきたぞ」と、見る行動を促せば、あとは子どもが自分で気分を落ち着かせることができるのです。
ギュッとしてふわ〜(筋弛緩法)
試合や本番の前は、気持ちより先に体の筋肉がこわばり、それによって気持ちが緊張してしまいます。
つまり先に体のこわばりを解消すれば、後から気持ちがついてきて、リラックスできるという仕組み。
子どもは立ったままでも、どこかに座っていてもOK。
手→肩→お腹→足と順番に力を入れて、3〜5秒そのまま緊張状態を保ちます。
次は息を吐きながら体の力を一気に抜き、3秒ほど余韻を感じます。
緊張している時は、頭で「落ち着こう」と考えるより、体を先にゆるめるのが早道です。
意識的に力を入れて、それを一気に抜くと、体は「もう安全だ」と感じてリラックスできるようになるでしょう。
呼吸コントロール(呼吸法)
もっともオーソドックスな呼吸コントロールは、子どもでもすぐでき、いつでもどこでも取り入れられる方法です。
呼吸は、唯一自分でコントロールできる自律神経へのアプローチ。
深く・ゆっくり意識して呼吸することで、心が落ち着くといわれます。
まずは
② 2秒息を止める
③ 6秒かけてゆっくり息を吐く
を1〜2回やってみましょう。
②で止めるのが難しかったら、「4秒で息を吸って、そのまま6秒かけて吐く」だけでもOK。
息を吸う時は、胸ではなく、下腹が膨らむように吸いましょう。
また息を吐く時は細くゆっくり吐くのがコツで、「ろうそくの火が消えないくらいやさしく吐こう」と伝えると、わかりやすいかもしれません。
「緊張する」は悪いことじゃない!
緊張している状態は、呼吸も浅くなり、視野も狭くなって、完全な「戦闘態勢」になります。
しかしこれは試合や本番前の状態としては、当たり前のこと。
この戦闘態勢がなければ、試合でガッツのあるプレーをしたり、疲れ知らずに動き回ることもできません。
緊張は「試合の準備ができている状態」であることを理解しましょう。
ただし緊張しすぎると、「いつもどおり」の力を出し切ることが難しいので、少しだけ筋肉やメンタルをほぐす必要があるだけです。
親はつい「いつもどおりにやれば大丈夫」「リラックスして」などと、言葉で子どもの緊張をほどこうとしてしまいます。
しかしただでさえ固くなっている子どもには、言葉(つまり脳)にアプローチしても届きにくい状態。
視覚や体に直接アプローチして、「いつもの自分」を取り戻すサポートをしましょう。
・緊張していると筋肉が硬くなって、よいパフォーマンスが出せないので、試合や本番はリラックスして臨むのがいい。
・リラックスした状態で、少し緊張感があるくらいがちょうどよい。
・言葉で「緊張しないで」「リラックス」と伝えても、子どもには訴えられないので、視覚や行動にうつすとよい。
・「緊張」は悪いことではないので、筋肉やメンタルを少しほぐせばOK。
(出典)
・七田式教育公式サイト | プロゴルファー宮里藍やイチローも使う「アンカリング」がもたらす効果とは…?
・パブリックヘルスリサーチセンター | ストレスに強くなるライフスタイル
・認知行動療法センター | 呼吸法でリラックス










