Leifras SPORTS SCHOOL

Leifras SPORTS SCHOOL

ラージハート

非認知能力

AIがどんなに進んでも、「見えない学力」は子どもの武器になる!

更新日: 2025.12.22
投稿日: 2025.12.19

AIがどんなに進んでも、「見えない学力」は子どもの武器になる!

学力には、「見える学力」と「見えない学力」の二つの側面があります。
「見える学力」とは、従来の学校の成績やテストの点数といった数値化・可視化しやすい能力を指します。
一方、「見えない学力」とは、近年メディア等でたびたび取り上げられる「非認知能力」を指します。

AI(人工知能)の急速な進化により、知識の検索や定型的な処理はAIが代行できる時代になりました。
そのため、これからの変化の激しい時代においては、「見える学力」だけでは不十分です。
変化の激しいこれからの時代には、AIには真似できない、人間固有の能力である「見えない学力」を伸ばすことが求められていく
と言われています。
この記事では、10年後の子どもに必要な「見えない学力」の大切さや、親が心得ておくべき子どもとの関わり方にについて解説します。

「見える学力」と「見えない学力」の違い


学力には、目に見える形で評価される能力と、目には見えないけれども行動や思考の基盤となる能力の二種類があります。

「見える学力」「見えない学力」とは?

「見える学力」(=「認知能力」)は、学校の成績、テストの点数、偏差値など、数値化・可視化しやすい能力を指します。知識の記憶力、計算能力、論理的な思考力など、主に学習によって身につくものです。
これに対し、「見えない学力」(=「非認知能力」)は、リーダーシップ、協調性、自律性、自己肯定感など数値化が難しい内面的な能力を指します。これらは、目標達成へのプロセスや人間関係を築く上で不可欠な、生きる力そのものと言えます。

「見えない学力」が注目され始めたきっかけとその重要性

「見えない学力」である非認知能力は、近年、さまざまな研究によってその重要性が明らかになり、世界的に注目を集めるようになりました。
特に、アメリカのノーベル経済学賞受賞者であるジェームズ・ヘックマン氏が行った研究などがきっかけの一つです。
この研究では、幼少期に非認知能力を伸ばすための教育を受けたグループが、大人になった後、学歴や収入が高くなり、犯罪率が低下するなど、長期にわたって大きな成功を収めていることが示されました。
この結果から、「見える学力」の土台となる「見えない学力」を幼少期にしっかりと身につけることが、子どもの将来の幸福度や成功に直結すると認識されるようになりました。

AI時代の変化と「見えない学力」が必要な理由

現在の社会は、AI技術の急速な進化により、情報検索、計算処理、定型的なデータ分析など「見える学力」が担ってきた多くの知識や定型業務は、AIが高速かつ正確にこなせるようになりました。
AI時代において価値が高まるのは、AIには代替できない、人間固有の能力です。
これこそが「見えない学力」(非認知能力)が基盤となる力
です。
これからの時代は、「見える学力」で得た知識を土台にしつつ、「見えない学力」を駆使してAIを使いこなし、社会で新しい価値を生み出していく力が、重要になっていくと言えるでしょう。

「見えない学力」づくりに大切な5つの要素とは


では、「見えない学力」とは、一体どんなものなのでしょうか。
ここでは、AI時代に必要な「見えない学力」を構成する5つの要素を紹介します。

挨拶・礼儀

挨拶・礼儀は、他者との円滑なコミュニケーションを築くための基本です。
明るい挨拶やTPOに応じた振る舞い、言葉遣いは、相手への敬意を示すとともに、信頼関係を構築する土台となります。
社会生活や集団の中で他者と気持ちよく関わり、協力し合う上で不可欠な要素です。

リーダーシップ

集団を統率する能力だけでなく、目標達成に向けて主体的に行動し、周囲を巻き込み良い影響を与えるリーダーシップ。
状況を正確に把握し、多様な意見を尊重しながらも、最終的な方向性を定めて実行に移すことができる能力は、チームでの活動や社会での役割遂行において重要です。

協調性

協調性は、集団やチームの中で、自分の意見を主張するだけでなく、他者の意見や立場を理解し、共通の目的に向かって協力して行動する能力です。
多様な価値観を持つ人々が共に活動する現代社会において、相互理解を深め、建設的な関係を築きながら、相乗効果を生み出すための大切な要素です。

自己管理力

目標を設定し、その達成のために時間、健康、感情などを適切にコントロールする能力です。特にAI時代においては、自律的な学習や仕事の進め方が求められます。計画を立て、実行し、振り返り、改善するというサイクルを自ら回すことで、最大限のパフォーマンスを発揮し、継続的な成長を可能にします。

課題解決力

直面する問題や困難を正確に把握し、論理的に分析した上で、複数の解決策を検討し、最も適切な方法を実行に移す能力です。
複雑で予測不可能な現代において、前例のない問題にも柔軟に対応し、新しい価値を生み出すために必要不可欠な思考力と実行力です。

『みんなの学校』の初代校長が提唱する「見えない学力」

文部科学省特別選定作品にも選ばれ大きな話題となったドキュメンタリー映画『みんなの学校』。

この映画の舞台である大阪市立大空小学校初代校長として、障害の有無にかかわらずすべての子どもたち学び合い育ち合う教育に力を注ぎ、現在は全国で講演活動を行っている木村泰子さん。
著書『10年後の子どもに必要な 見えない学力の育て方』の中で、「見えない学力」は、「人を大切にする力」、「自分の考えを持ち、表現する力」、「チャレンジする力」の3つの要素で成り立っていると述べています。

「見えない学力」を伸ばす家庭での声かけや関わり方


AI時代に求められる「見えない学力」を家庭で育むために、親が意識したい具体的な声かけ(対応)の方法を、3つの視点から紹介します。

すぐに答えを教えない

子どもが問題に直面したり、質問をしてきたりした時、親はついすぐに正しい答えや解決策を教えてしまいがちです。
しかし、これが子どもの課題解決力や思考力を奪ってしまうことがあります。
大切なのは、すぐに教えるのではなく、「どうしたらいいと思う?」「なぜそう考えたの?」といった問いかけを通じて、子ども自身に考える時間と機会を与えることです。
この習慣が、粘り強く考え抜く力や、試行錯誤する力を育みます。

失敗を受容し、前向きな再チャレンジへ

子どもが何か挑戦して失敗した際、「何をやっているの!」「また失敗したの」といった否定的な言葉は、自己肯定感を低下させ、挑戦意欲を削いでしまいます。
家庭では、失敗を「悪いこと」と捉えるのではなく、「成功のための貴重なデータ」であると伝えることが大切です。
「難しかったね。次はどうすればうまくいくかな?」などと声をかけ、努力とその過程を認めましょう。
親が失敗を受容することで、子どもは恐れずに再チャレンジし、レジリエンス(立ち直る力)や粘り強さを身につけていきます。

子どもの考えを聞き、話しやすい環境づくりを

子どもの「見えない学力」を伸ばすためには、子どもの内面にある考えや感情を理解することが不可欠です。日々の生活の中で、子どもが「話を聞いてもらえる」と感じられるような、安心できる環境を作りましょう。
一方的な指示やアドバイスではなく、「今日はどんなことがあった?」「その時、どう感じたの?」と子どもの考えや気持ちを掘り下げる声かけを意識すると良いでしょう。
親が真剣に耳を傾けることで、子どもは自分の意見を整理して表現する力が育ち、自己理解が深まります。

AI時代を生き抜くために。「我が子らしさ」を育もう


AIが急速に進化する今、子どもの「見えない学力」を伸ばすために、親は何をしたらよいのでしょうか。

あまり難しく考える必要はありません。あたり前ですが、親と子は、別々の人間です。
子どもは、親の持ち物ではありません。

わが子の個性を受け入れて尊重することです。

そして、子どもをよくみて、
「この子は何が好きなのだろう」
「今、何に興味があるのだろう」
「何を実現させたいのだろう」
など、子どものことに“気づく力”を磨いていくことが大切です。

親が我が子の個性=「我が子らしさ」に気づき、それを幼少期から根気強く育んでいくこと。これが、「見えない学力」を伸ばしていくために最も重要なのです。
この成長の土台となるのが、親の愛情と対話です。
親が子どもと真摯に向き合い、愛情を注ぐことで、子どもの心は安定し、様々な課題に立ち向かう勇気が生まれます。また、一緒に考え、共に感じる時間を大切にすることで、子どもは他者への共感性や自己肯定感を高めていきます。

一方で、親自身も、「親」である前に、一人の人間です。

どんなに忙しくても「自分」という人格を忘れず、まずは気楽に、親自身がやってみたいこと、好きなことに関わる時間を意識してもつようにしましょう。親が頑張る姿、輝いている姿は、子どもにとって心の栄養になります。
AI時代だからこそ、親は自身の時間を大切にしながら子どもの成長を支え続け、家族の絆を深めていきたいですね。

まとめ

・AI時代に必要なのは、「見えない学力」
・「見えない学力」の5つの要素は、「挨拶・礼儀」「リーダーシップ」「協調性」「自己管理力」「課題解決力」
・親は、「子どもといっしょに成長していこう」というスタンスで子どもと関わろう

編集部より

学校の成績や学力である「見える学力」認知能力を良くするためには、自分の頭で考え行動できる力「見えない学力」非認知能力を高めることが大切であるとわかりました!
この「見えない学力」は、勉強のみならず、すべてにおいて人としての土台となる力です。
この力を育む時期としては、9歳までの時期が大切と言われており、また家庭のなかでの親とのかかわりが非常に大切になっていきます。
自分の子どもだから、きっとこの子も〇〇だろうと決めつけるのではなく、親と子であっても、人と人である大前提を忘れずに、自分の子が何に興味を持っているのか、何をしたいのか、なりたいのかなど、コミュニケーションを取りながら、受け入れ、認めてあげることが大切です。
家庭の中でこの!「見えない学力」非認知能力を一緒に育んでいきましょう!

(参考文献)
・10年後の子どもに必要な 見えない学力の育て方(木村泰子著、青春出版社)
・AI時代を生き抜くために、子どもに今必要な『見えない学力』とは(木村泰子著、出典:ダイヤモンドオンライン)
・非認知能力の育て方(ボーク重子著・小学館)
・育児情報誌miku|非認知能力って? どうしたら伸ばせるの?
・【非認知能力とは?】子どもの未来を伸ばす5つの方法と家庭でできる習慣づけ(出典:マナビナビ)
・非認知能力とは?文部科学省での位置づけについて徹底解説(出典:こころラボ)

記事一覧に戻る

よく一緒に読まれている記事

無料で非認知能力を測定できます!

バナーをタップすると体験版の測定が可能です。

みらぼ

非認知能力を知ろう

非認知能力とは、IQや学力などとは異なり、社会で豊かにたくましく生きる力と言われる、挨拶・礼儀、リーダーシップ、協調性、自己管理力、課題解決力などのことです。園や学校の先生をはじめ、お子様がいるご家庭のママやパパにも注目され始めている能力で非認知能力を高める教育への関心度が高まっています。

  • 非認知能力とは?
  • 非認知能力が必要とされる理由
  • 非認知能力を高める5つの理由
  • 非認知能力を高める方法

非認知能力を知ろう

非認知能力とは、IQや学力などとは異なり、社会で豊かにたくましく生きる力と言われる、挨拶・礼儀、リーダーシップ、協調性、自己管理力、課題解決力などのことです。園や学校の先生をはじめ、お子様がいるご家庭のママやパパにも注目され始めている能力で非認知能力を高める教育への関心度が高まっています。

  • 非認知能力とは?
  • 非認知能力が必要とされる理由
  • 非認知能力を高める5つの理由
  • 非認知能力を高める方法

ラージハート公式Facebook