「悪口を言われた」「友達とケンカした」子ども同士のトラブルで傷ついた気持ちへの対処法
投稿日: 2024.05.31
子どもが「悪口を言われた」「友達とケンカした」などと傷ついた気持ちを抱えた時、親としてどのように対応すれば良いのでしょうか?
この記事では、子ども同士のトラブルで傷ついた気持ちを理解し、適切なサポートをするための方法について紹介します。
もくじ
子ども同士のトラブル。その時、親はどうする?
子どもは、2歳頃から自我が芽生え始め、自分の意見や欲求を主張するようになります。
周りの友達との遊びを通して社会性を学んでいきますが、幼児期から学童期にかけては、
遊び方の違い、言葉の意味を十分に理解していないことによるコミュニケーション不足などにより、友達とのトラブルが起こりやすい時期といえるでしょう。
子ども同士のトラブルの代表例として、
・ケンカをして、叩いたり、蹴ったりする。
・うそをついたり、ごまかしたりする。
・特定の子をいじめる。
などがあげられます。
子どもから「友達に悪口を言われた」などと打ち明けられたりすると、親としてとても心配になりますよね。
しかし、子どもは、このようなトラブルから学ぶことがたくさんあります。
幼児期・学童期は楽しい経験を重ねることもちろん大切なのですが、親からするとマイナスに見えるようなトラブルも経験することで、悲しい気持ちやくやしい気持ちを味わいながらもその子なりに成長し、社会性や協調性、課題解決能力を育むことができます。
大前提として知っておきたいのは、友達との間で起きたトラブルは、「子どもの課題」である、ということ。
親はあえて深入りせず、「イヤだったね」「それは悲しかったね」などと共感し、
・ そのときどう思ったのか。
・ 相手に言い返したのか。
・ 言い返した場合、相手はどんな反応だったのか。
などについて、やさしく聞きましょう。
子どもの話にはきちんと耳を傾けつつ、最初の段階ではすぐに子どもの人間関係に介入しないようにすることが大切です。
友達とのトラブルで傷ついている子どもとの関わり方
ここでは、友達とのトラブルで傷ついている子どもの心をいやし、問題解決をサポートするための親の関わり方について、具体的に紹介します。
親は聞き役に徹する
まずは、子どもの話をじっくりと最後まで聞くことが重要です。
子どもの話にうなづいたり、アイコンタクトをとったりしながら子どもが自分の気持ちを言葉にできるよう、共感的な態度で話を聞きましょう。
「オウム返し」とは、相手の言ったことをそのままくり返して言う方法です。
たとえば、こんな感じです。
子ども:「今日、公園で⚪⚪ちゃんと口ゲンカしたんだ」
親:「へー、公園で⚪⚪ちゃんと口ゲンカしたんだ」
子ども:「そう、⚪⚪ちゃんがすべり台の順番をずるっこしたから」
親:「そうなんだ、⚪⚪ちゃんがすべり台の順番をずるっこしたんだね」
無理にこちらから話題を振らなくても大丈夫。
「オウム返し」をすれば、子どもからどんどん話をしてくることが多いです。
また、子どもの話を聞くときは、次の4つのポイントも忘れないようにしましょう。
・自分の意見を言わない。
・質問攻めにしない。
・責めたり、否定したりしない。
共感しながらも、子どもの話を鵜呑みにしない
子どもがトラブルに巻き込まれると、どうしても我が子の「主張」を中心に聞いてしまいがちです。しかし子どもは、まだ客観的に物事を判断することが難しい場合があり、自分の都合のいいように伝えてくることもあります。子どもの話をそのまま鵜呑みにせず、
・ どこで
・ だれと
・ なにがあったのか
など、実際に起こった事実を尋ねます。
このときも、詰問調でなく、ゆっくり、やさしい口調を心がけましょう。
一方的に叱らない
話を聞いていて、「わが子の方が悪いのではないか」と感じることもあるかもしれません。
ただ、子どもは「自分の気持ちをわかってほしい」という気持ちから、保護者に話をしています。「それはあなたが悪かったんじゃないの?」などと一方的に叱ってしまうと、子どもはさらに傷つき、心を閉ざしてしまうこともあります。
子どもを一方的に叱るのは逆効果になりがちですので注意しましょう。
解決策を子どもといっしょに考える
子どもの気持ちに耳を傾けながら、親子で解決策を考えます。
そのとき、「お母さんはこうしてきたからあなたもこうするといいわよ」など、親の思い込みを押し付けないように気をつけましょう。
なるべく子ども同士で解決できるよう、サポートできるとよいですね。
たとえば、友達と口ゲンカをして、子ども自身も相手に「言いすぎた」と感じているようなそぶりが見えたときは、相手にお手紙を書いて渡してみるのもひとつの方法です。
解決策をいっしょに考えたらそれで終わり、ではなく、その後の様子もさりげなく見守ることが大切です。
こんな子どものサインには要注意! 必要に応じて園・学校に相談を
親としては、子どもの傷ついた気持ちに対応できていると思っていても、子どもに以下のような様子が見られたら要注意です。
・ ふさぎこむような様子が見られる。
・ 体調が悪いわけではないのに食欲がない。
・ なんとなく元気がない。
・ 朝、なかなか起きてこない。
・ 学校に行くのをいやがる様子が見られる。
子ども同士のトラブルは子ども同士で解決するのが基本ですが、上記のような様子が続くような場合は、園・学校の担任の先生に相談してみましょう。
相談する際は、「いつも⚪⚪が大変お世話になっております」と感謝の気持ちを伝えた上で、我が子の様子について話しましょう。その際、自分の子だけを弁護するニュアンスで話すのではなく、「うちの子は、⚪⚪⚪⚪と言っているのですが、相手の子から聞いたら違う答えが返ってくるのかもしれません」など、中立的な立場で伝えるよう心がけるとよいでしょう。
すくすく育つ子どもの姿に喜びを感じる一方で、「友人関係のトラブルに巻き込まれないか」「子ども同士のケンカに、親はどこまで介入したらいいのか」など、悩みや不安は尽きないもの。
子ども同士のトラブルをすべて避けることは難しいですが、いちばん大切なのは、子どもにとって、家庭が「安心して帰れる場所」であれば、多少時間はかかっても、傷ついた気持ちをいやすことができるということです。
加えて、
・ 日頃から子どもとのコミュニケーションを大切にする。
・ 自分の意見を伝えたり、人の意見を聞いたりする練習を、可能な範囲で家庭で行う。
以上を心がけましょう。
子ども同士のトラブルに直面した時には、やさしく寄り添いながら対応し、子どもの元気とパワーを家庭で取り戻せるといいですね。
・「子ども同士のトラブルが起きるのは当たり前」と、親が認識する。
・子どもといっしょに解決策を考えることが大切
・家庭を子どもの「安心基地」にして、パワーチャージを。
参考文献)
「叱りゼロで子どもは自分でできるようになる!」(原田綾子著:PHP研究所)
「小学生の友達トラブル 子どもからのサインを見逃さず適切に対処するには」(出典:学研教室)
「【小1】子ども同士のトラブルに親はどこまで介入する?適切な対応法」(出典:コノバス)
「子どもが友達関係のことで落ち込んでいるとき、保護者はどう対応すべき?」(出典:ベネッセ教育情報)