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非認知能力

「勇気づけ」で子どもの非認知能力を育もう

更新日: 2023.05.27
投稿日: 2023.06.30

勇気づけ(encouragement)とは、アドラー心理学の対人支援における理論で、自分自身や他者に「困難を乗り越えられるようサポートすること」を表します。
「ほめる」と「勇気づける」はなにが違うのか、勇気づけることで子どものどんな力がのびるのかについて解説します。

「勇気づけ」とは、「困難を克服する活力を与えること」


「勇気づけ」という言葉、聞いたことがありますか?
「勇気づけ」とは、ひと言でいうと、「困難を乗り越えられるようサポートすること」。
オーストリア生まれの医師で心理学者のアルフレッド・アドラー(1870〜1937)が提唱した「アドラー心理学」が大切にしている理論です。

アドラー心理学における勇気づけは、次の3つのポイントに注目しています。

・相手の長所や努力を認め、肯定する。
・相手の可能性を信じ、期待する。
・相手の自立を補う。

親子関係にあてはめて考えてみると、目の前のわが子の行動そのものや、その行動の「結果」で評価するのでなく、「過程」や「姿勢」に注目する。
そして子どもの気持ちに寄り添い、できないことや苦手なことはあっても、保護者や周りの大人が「この子は大丈夫」と信頼し、「頑張っているね。お母さん(お父さん)も嬉しいよ」などと声をかける=勇気づけることで、子どもは自分自身を信頼し、困難があっても乗り越えられるようになるという考え方です。

勇気づけの言葉の例

・うれしい!たすかる!ありがとう!
・あなたががんばっていること、知ってるよ。
・ちゃんと前に進んでいるよ。
・あなたが嬉しいと私もうれしい!
・失敗はチャレンジのあかしだよ。

勇気づけをたくさん受けた子どもは、

・ 自分に自信をもち、困難な状況の中でも解決策を見つける課題解決力が向上する。
・ 周りの人と関わりあいながら物事を進めるコミュニケーション能力が向上する。
・ 目標に向かってコツコツ努力を続ける忍耐力が向上する。

など、非認知能力が育まれるといわれています。

ほめすぎに注意! 「子どもをほめる」と「子どもを勇気づける」の違いとは


子育てにおいて、「子どもをほめましょう」「ほめて子どもを伸ばしましょう」などと聞くことがよくありますが、以下のようなほめ方には注意が必要です。

・ 「テストで100点をとった」「運動会のかけっこで1位になった」など、“結果”だけを評価してほめる。
・ 「テストで100点とったら好きなお菓子を買ってあげる」などと約束し、“ごほうびつき”でほめる。

親にとって達成してほしいことがあり、「それができたら○」「できなければ×」というような関わりを重ねることにより、子どもは、

・ 「100点とれなかったらどうしよう」など、失敗をおそれる。
・ ごほうびがないと頑張れなくなる。

など、子どもの成長に逆効果となることもありますので、注意が必要です。

もちろん、テストで100点をとった子どもに対して「ほめるのはNG」といっているわけではありません。
「すごいね!」「やったね!」だけでなく、
「毎日宿題コツコツがんばってたから100点とれたね!」
「あ、この問題、この間は間違ってたけど今回はできたんだね。復習してたもんね。嬉しいね!」

など、子どもが頑張ったプロセスに注目して言葉をかけましょう。
これが「勇気づけ」の言葉がけとなります。

このような関わりを重ねることで、子どもは
「お母さんお父さんは、いつも自分のことを見守ってくれている」「自分の頑張りをわかってもらえている」と安心します。
さらに、「自分はやればできるんだ!」と、自己肯定感を育むこともできるでしょう。

ほめることは悪いことではありませんが、ほめ方によっては意外な“副作用”が出てしまうこともあることを、気にとめておきたいものです。

「勇気づけ」の言葉のかけ方のポイント4つ


子どもの非認知能力を伸ばす「勇気づけ」の言葉のかけ方のポイントを4つ、紹介します。

「できていないこと」よりも「できるようになったこと」に注目する

これまで一口も食べられなかったニンジンが、一口食べられるようになったら、「ニンジン、
一口食べられたね!」など、ちょっとしたことでよいのでできるようになったことに注目し、声をかけましょう。

「結果」でなく「過程」に注目する

たとえ結果がうまくいかなくても、「よく頑張ったね。途中で諦めずに最後までやり切れたことが素晴らしいよ。」
「失敗したかもしれないけど、とてもいい経験ができたね」などと勇気づけましょう。
子どもの心に「結果よりも、チャレンジすることが大切なんだ」という意識が芽生えます。

「当たり前のこと」に注目する

「元気に学校に行けたね」「友達といっしょに遊べてよかったね」「お風呂気持ちいいね」など「当たり前のこと」に注目して言葉をかけることで、毎日の生活が豊かで幸せなものであることに気づくことができます。

お母さんお父さんの「気持ち」も伝える

「食器の片付けをお手伝いしてくれてありがとう」「一生懸命サッカーの練習している姿をみて、嬉しくなったよ」など、お母さんお父さんの「気持ち」を伝えることを意識しましょう。
子どもの自信や自己肯定感を育むことにつながります。

アドラー式子育てで重要と位置づけられていることのひとつに、「完璧を目指さない」があります。
「失敗してしまう自分自身にも、勇気づけを行なおう」という考え方です。

時には、お母さんお父さんも子どもに対して、感情的に怒ってしまうこともあるでしょう。
そういう自分を受け入れ、「自分はイライラしていたんだな」「どうすれば怒らないですむかな」と、自分自身に勇気づけを行うことが大切です。

まとめ

・「勇気づけ」の関わりにより、子どもの非認知能力を育む。
・子どもが頑張ったプロセスに注目して声をかける。
・自分自身の感情も受け入れ、勇気づけを行おう。

参考文献)
「叱りゼロで子どもは自分でできるようになる!」(原田綾子:著、PHP研究所)
「アドラー式言葉かけ練習帳」(原田綾子:著、マイナビ)
「子をほめて伸ばすブームの罠、真に伸ばすアドラー流 勇気づけ」(田宮由美:著、出典:
All About)
「すごい、えらい、より効果的! 褒めず・怒らずに子どもを自立させるアドラー式子育てとは」(出典:こどもみらいラボ)

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