マイナス言葉をプラスに変換!子どもへの声かけの言い換え例
更新日: 2023.06.02
投稿日: 2023.06.27
「なんでできないの?」「早くしなさい」と、つい口を出してしまうマイナスの言葉。
直したいと思っていても、なんと言っていいのか分からないお母さんお父さんも多いのでは?
ただほめたり甘やかすだけでなく、子どものやる気や負けない心を刺激する言い換え例を紹介します。
もくじ
マイナス言葉の口ぐせは子どもの可能性をつぶしてしまうことも
昔から「7つほめて3つ叱れ」と言われているように、子どもはなるべくほめ、叱るのは最小限にとどめながら育てていきたいもの。
とはいえ、毎日いっしょに生活していると、どうしても子どものできないところばかりに目がいき、「なんでできないの?」「早くしなさい」などと口ぐせのように1日のうちに何度も繰り返し叱ってしまいがちです。
初めは「子どものため」という思いから発していた言葉が、日々の忙しさに流され次第に無意識化、習慣化されていくことにより、お母さんお父さんの言葉は子どもの心から遠く離れてしまいます。
やろうとしている矢先に「早く!」と言われたり、自分なりに頑張ったのに「なんでできないの?」などと言われてばかりでは、子どもは自分の欠点を気にして前向きに生きようとする気持ちがもてなくなってしまいます。
「自分は何をやってもどうせだめなんだ」と、自信をなくしてしまうだけでなく、親からいつも言われる否定的な言葉を周りの友だちに対しても無意識のうちに使い、不愉快にさせてしまうこともあるかもしれません。
マイナス言葉により、子どもは
・ 判断力が育まれず、「指示待ち」になる。
・ 「自分はだめなんだ」と劣等感でいっぱいになる。
・ 「次もできないかも・・・」と、失敗をおそれチャレンジしなくなる。
といわれています。
日々の子育ての中で、お母さんお父さんがつい発してしまう「マイナス言葉」で子どもの可能性をつぶさないように、ふだん何気なく使っている言葉を見直してみましょう。
マイナス言葉をプラス言葉に変換! その1〜生活編〜
ここでは、登園・登校の準備、家での遊び、お手伝いなど毎日の生活のなかでつい発してしまいがちなマイナス言葉をプラス言葉に変換する方法について、場面別に紹介します。
園や学校の準備が遅い
「もう! いつも準備が遅いんだから!」
「着替えがすんだのね。次は何をするんだっけ」
「早く!」とだけいわれても、子どもは何を早くすればよいかが理解できません。
子どもが時計を読めるようになっていたら、「何時までに食事を終える」「何時までに着替える」と親がアドバイスしながらその時間を子どもといっしょに決めましょう。
かたづけができない
「今度片付けができなかったら、捨てるからね!」
「⚪⚪を置きっぱなしにしたら、踏んづけてしまいそうで危ないな」
マイナス言葉で叱る前に、まずは「今の状況」を伝えることが大切です。その上で、親子で片付けながら「残りのオモチャは自分で片付けられるかな?」など、自主性を促すとよいでしょう。
もうすぐ夕飯の時間なのに「お菓子が食べたい」と言いだした
「わがままばかり言わないの!」
「あと10分でごはんだよ。ごはんのあとのほうが、おいしくお菓子を食べられると思うよ」
「今」を生きる子どもは、今の欲求をがまんするのが苦手です。子どもの特性を理解したうえで、まずは「お菓子が食べたい」という子どもの気持ちに寄り添い、でも、「あと少しでごはんであること」をやさしいトーンで伝えられるといいですね。
夜、なかなか寝ようとしない
「早く寝ないとまた寝坊するわよ!」
「明日の朝、元気に園(学校)に行けるように、そろそろ寝ようか」
夜、寝るまでのひとときは、明日への英気を養うためにも穏やかで温かい時間にしたいもの。絵本の読み聞かせや布団のなかで今日あった出来事を話すなどの「入眠儀式」があると、安らかな気持ちで寝付くことができるでしょう。
マイナス言葉をプラス言葉に変換! その2 〜園・学校生活、習い事、外出編〜
ここでは、園・学校生活、習い事、外出先でつい発してしまいがちなマイナス言葉をプラス言葉に変換する方法について、場面別に紹介します。
宿題をなかなか始めない
「宿題しないならおやつはぬき!」
「おやつはいつ食べる?宿題の前?それとも終わってから?」
学校で長時間がんばってきたわが子にねぎらいの言葉をかけ、「宿題をいつやるのか」を子ども自身が決めるような言葉かけを心がけましょう。
「習い事を辞めたい」と言いだした
「ここで辞めたらあとで後悔するわよ」
「辞めたいと思っているんだね。ママは、もう少し頑張ってみたら?と思うんだけどな〜」
まずは「辞めたい」と言ってきた子どもの気持ちに寄り添いましょう。その上で、子どもの思いを聞いたり、親の気持ちを伝えます。
静かにしなければいけない場所で騒ぐ
「騒ぐ子は、嫌い!」
「バスのなかは、みんなの場所だから、静かにしようね」
静かにできないことを責めるのではなく、できるようサポートするような言葉かけを意識しましょう。静かにするべき場所や場面で静かにする“練習”を日頃から積み重ねられるといいですね。
公園で危険な遊びをしようとしている
「まったく、何度言ったらわかるの?」
「こうして遊んだら、危なくないよ」
危険なことは即座に回避する必要がありますが、ただ否定するだけなのはNG。危険を回避するのがどうしてだめなのか、どうしたらいいのかを具体的に伝えることが大切です。
・「マイナス言葉」をつい発していないか日頃の言動をチェック
・発想の転換で、「プラス言葉」をかけるよう意識しよう
・まずは子どもに共感。これがすべてのスタート
参考文献)
「叱りゼロで子どもは自分でできるようになる!」(原田綾子著:PHP研究所)
「アドラー式言葉かけ練習帳」(原田綾子著:日本能率協会マネジメントセンター)
「子どもの困ったが才能に変わる本」(田嶋英子著:青春出版社)
「子どもを追いつめる親のひと言」(羽多野ミキ著:PHP研究所)