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「運動」と「学力」どっちが大事? 運動習慣を身に付けて子どもの体と脳を育もう

投稿日: 2024.03.22

「運動」と「学力」どっちが大切?運動習慣を身に付けて子どもの体と脳を育もう

わが子が得意なのは、運動? 勉強?
親としては、運動も勉強も、どちらも得意な子どもに育ってほしいと思いますよね。
「文武両道」という言葉があるように、「運動」と「学力」には意外な関係があるのです。
この記事では、「運動」と「学力」の関係や、運動することが子どもの脳にどのような影響を及ぼすかについて紹介します。

「運動」も「学力」もどちらも大事!


子どもたちの「運動」を取り巻く環境において様々な課題が浮かび上がってきています。

・運動時間の減少
・肥満の割合の増加
・運動能力の低下
・運動が好きな児童生徒の減少

「健康な体には健やかな精神が宿る」とは、よく言われることです。
「運動」と「学力」、どちらも同じくらい大切なのです。

子どもが心から楽しいと思える運動習慣を身につけ、適切な生活習慣を続けることで、体の状態が常に良くなり「やる気」「集中力」が増し、学習の成果も上がるといえるでしょう。

「運動すると頭が良くなる」と言われているのはなぜ?


「運動すると頭が良くなる」というフレーズ、聞いたことはありませんか?
ここでは、「運動能力」と「学力」の関係について、脳科学の視点から紹介します。

「運動能力」と「学力」には密接なつながりがある

文部科学省の「全国学力・学習状況調査」の結果と「体力・運動能力調査」の結果を重ねてみると、「運動能力が高い子どもは、学習能力も高い」という結果が出ています。
また、学習成績が高いほど、運動に取り組んでいる子どもの割合が高いそうです。

また、ハーバード大学医学部のジョン・J・レイティ博士の著書『脳を鍛えるには運動しかない!』によると、脳を構成する神経細胞・ニューロンの数を増やすために最も効果が期待できるのは、運動であると記されています。

さらに、記憶力には脳の海馬という部分が深く関わっていますが、有酸素運動をして適度に心拍数が上がると海馬の血流がよくなって、記憶力が上がるという研究データもあるそうです。

国内外のさまざまな研究データから、「運動能力」と「学力」には密接なつながりがあることがわかります。

「脳を鍛える」のは、「脳トレ」とは異なる

「運動能力」と「学力」には密接なつながりがあると聞くと、「わが子の脳を鍛えよう」と、いわゆる早期教育を始めようとする親御さんも少なくありません。
しかし、「脳を鍛える」のは、「脳トレ」とは異なります。

「脳を鍛える」というのは、視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚といった五感に対してさまざまな刺激を多種多様に入れることをさします。
例えば、

・赤ちゃん時代に、わが子を抱っこして語りかける。
・公園に散歩に行って草花にふれる。

それにより、子どもの脳の中でまだつながっていない神経が作られ、つながっていきます。

子どもの発達段階に合わせ、五感を刺激していくことが、本当の意味で「脳を鍛える」ことにつながるのです。

身体を動かすことが、脳を作り上げていく上で大切

脳をランダムに活性化させるためには、ある特定の動きをするより、さまざまな動きをたくさん取り入れていくほうが理論的には正しいと言われています。

幼少期は、

・公園や校庭で目いっぱい遊ぶ。
・親子で体を動かす時間を意識してつくる。

以上の2つを心がけましょう。
これらは一見簡単にできそうに思われがちですが、「親子で体を動かす時間を意識してつくる」というのは、意外と実現が困難です。
なぜなら、小学校に入学すると、宿題をする時間や、子どもたちが好きな運動以外の娯楽=ゲームや動画視聴などの時間が増え、「気づくと夜になっていた」などというケースが少なくないからです。

小学校低学年くらいまでは、心身の健やかな発達のためにも早寝、早起き、バランスのとれた食生活を送ることが大切ですが、こうした生活サイクルをベースにすると、子どもが持てる平日の自由時間は1時間半ぐらいしかありません。

その1時間半を何に割り振っていくかを考える時に、ゲームなどの娯楽にすべての時間を使うのではなく、20〜30分でよいので子どもが楽しく体を動かす時間をつくることが、子どもの脳を作り上げていくうえで大切な考え方となります。

運動が学力に効果を及ぼす理由


適度な運動をすることで、集中力をはじめさまざまな力が高まり、学力にも効果を及ぼすといわれています。
どのような力が高まるのか、具体的にみていきましょう。

思考力が高まる

運動体験を積み重ねることで、体全体のバランスをとる「体幹」が鍛えられます。
この体幹は、姿勢と大きく関係があります。運動により体幹が鍛えられることで、勉強するときの姿勢もよくなり、深く呼吸することができます。それにより、脳が活性化して思考力が高まるのです。

反対に、運動により体幹が鍛えられていないと正しい姿勢をキープすることが困難で、「ずっとすわっていられない」「背筋がだらっとしてイスによりかかってしまう」などの状態が続き、深く呼吸ができず思考力の高まりが期待できません。

体幹と学力は直接関係がないように思えますが、勉強をするときの姿勢に大きく影響し、思考力の高まりにもつながるのです。

集中力が高まる

ハーバード大学医学部のジョン・J・レイティ博士の著書『脳を鍛えるには運動しかない!』によると、「運動を終えた数分後に(ドーパミンの)分泌量が上がり、数時間はその状態が続く。そのため運動後には感覚が研ぎ澄まされ、集中力が高まり、心が穏やかになる。頭のなかがすっきりして、物事に難なく集中できるようになる」ということが明らかになっているそうです。

この効果は長時間続くとされており、運動は、集中したい勉強の前や集中力が途切れたときの気分転換のために行うのも効果的と考えられています。
集中力というと、体を動かさず机にじっと座って高めるようなイメージがありますが、体を動かし運動することで、脳が活性化し集中力が高められるのです。

認知機能が高まる

運動をすると血流が増え、より多くの酸素が脳に運ばれます。
過去の研究では、短い時間でもウォーキングなどの運動をすることで、脳の認知機能をコントロールする部位の活動が活発になることが確かめられています。

認知機能とは、理解力・判断力のこと。
学習における認知機能というと、「記憶力や言語力、判断力」などをさします。
認知機能という言葉はなじみがないため、「鍛えるのがむずかしい」「鍛えるためには大変な労力が必要になる」と思われるかもしれませんが、日々の生活の中で、散歩や公園でおいかけっこをしたり、なわとびをしたりなど楽しく体を動かすことで、自然と鍛えられるものなのです。

運動能力と学力をバランスよく育むには?


これまで紹介してきたように、運動能力と学力は別々のものではなく、相関関係があることがわかっています。
ここでは、運動能力と学力をバランス良く育む方法について紹介します。

0〜10才前後の時期が重要!

子どもの成長を曲線グラフで表した「スキャモンの発達・発育曲線」によると、運動能力にかかわる神経系は乳幼児から学童期にかけて急速に成長し、4才前後では成人のおよそ80%、10才前後ではおよそ95%に及びます。

子どもの運動能力が伸びる黄金期は、前述したように、プレゴールデンエイジ・ゴールデンエイジとよばれています。

・プレゴールデンエイジ…5~9才ごろ
・ゴールデンエイジ…9~12才ごろ

繰り返しになりますが、この時期の運動体験は、その後の子どもの成長に大きく影響を与えることを知っておきましょう。

“運動習慣”を楽しく身につけよう

運動能力と学力は相関関係があるからといって、「わが子に無理やりスポーツの習い事をさせる」というのは、本末転倒です。

無理にさせると、コルチゾールというストレスホルモンが出て、脳の神経がストレスを受け、活性化につながりません。
子どもは、興味のあるものには集中して楽しく取り組むものです。

・公園でかくれんぼやおにごっこなどで遊ぶ。
・親子でプールやスキーなど、季節のスポーツを楽しむ。

など、子どもが好きな運動遊びを重ね、「体を動かすのが楽しかった!」と感じるような運動習慣を身につけることが大切です。

「運動」系?「勉強」系? どちらの習い事をさせるか悩んでいませんか?

子どもが2、3歳前後になると、歩いたり走ったりなど自由に体が動かせるようになったり、言葉によるコミュニケーションが可能になります。
興味があるもの、得意なものも少しずつ増えてくることから、この時期に、子どもの習い事をスタートさせる家庭が多いようです。

ひと言で「習い事」といっても、サッカー、野球、体操、水泳など「運動」系、塾、英語、そろばんなど「勉強」系に分かれます。
親としては、子どもの将来を考え、「運動」系、「勉強」系両方の習い事をさせたいと考えるケースが多いようですが、共働きや経済的な負担などの理由から、「まずはどちらかの習い事にしぼってスタートする」という家庭が多いようです。

・共働きのため、複数の習い事をかけもちすると送迎に対応できない。
・経済的な負担を考えると、複数の習い事は困難。

ちなみに、脳科学の分野では、8歳から13歳までの時期は「クリティカルエイジ」とよばれ、「脳が最も効率よく学習する期間」として知られています。言語習得の最も重要な時期で、この時期にさまざまな言語に触れることで、ネイティブレベルの語学力を習得することが可能になるといわれています。

また、6歳から12歳くらいは論理的思考が成長する時期で、算数やプログラミングなどの才能をのばすことができるといわれています。ただ、「クリティカルエイジ」は絶対的なものではありません。
個人差もありますので、年齢を過ぎても能力を向上させることは可能です。

運動については、「プレ・ゴールデンエイジ」の5~9歳ごろの間に運動神経・身体能力は急激に発達し、「ゴールデンエイジ」が終わる12歳ごろの時点で神経系の発達はほぼ完成するといわれています。
つまり、12歳の時点で、運動神経が良いかどうかがある程度決まってしまうということです。

このような、年齢別の成長時期をふまえた上で、どのような習い事をさせるか検討するのもよいでしょう。

まとめ

・「運動能力が高い子は学力が高い傾向にある」という調査結果が存在する。
・運動により、体力がつくだけでなく思考力、集中力、認知機能が高まり学力アップにつながる
・ハードな運動でなくてOK。楽しい運動習慣を身につけよう。

(参考文献)
「“運動能力”と“学力”には密接な繋がりが!運動あそびでからだと脳を育もう」
(出典:アイデス)
「子どもの脳は5歳までに決まる 脳科学から見た「生活習慣」と「運動習慣」の重要性とは」(出典;ダイヤモンドシグナル)
「運動後30分~3時間の脳は “超集中状態”! 1日たった4分で集中力を高める方法」
(出典:子ども学びラボ)
「子どもの能力が最も大きく伸びる時期って!?クリティカルエイジ」(出典:家庭教師のエール)

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