「地頭がいい子」の育て方
更新日: 2023.01.26
投稿日: 2023.01.20

判断力や決断力、物事に臨機応変に対応できる力をもつ子、いわゆる「地頭のいい子」は、生まれ持った才能を秘めているのでしょうか?
地頭の良し悪しは、テストの点数だけで判断できるものではなく、周りの環境次第でぐんぐんのばすことができます。
「地頭のいい子」に育てるための、親の関わり方について紹介します。
もくじ
「地頭がいい子」ってどんな子?
「地頭がいい」という言葉を聞いたことがある人は多いと思いますが、そもそも「地頭がいい」とは、どんな意味なのでしょうか?
「地頭がいい」とは、「その人が生まれ持った頭の良さ」を指す言葉。
学校の成績など後天的な学習や暗記による「頭の良さ」ではなく、論理的な思考能力の高さや柔軟な発想力、コミュニケーション力などを指します。
「勉強ができること」と「地頭がいいこと」は、必ずしもイコールではありません。
たとえば、以下のようなケースがあてはまります。
・ テストはいつも100点だけど、さまざまな人間関係の中で、他人を思いやったり感謝の気持ちを示すことができない。
・ 「僕は(私は)勉強ができるから」と、自分の意見を曲げず、相手に歩みよることができない。
いくら勉強ができても地頭がよくないと、周りの人とうまく関われず、真の意味で自立することが困難になると考えられています。
では、「地頭がいい子」とは、どんな子なのでしょうか?4つの特徴をあげます。
好奇心が旺盛で理解力が高い
好奇心が旺盛だと自分からいろいろなことにトライし、柔軟な考え方ができるようになります。
また、教えられたことを頭の中で整理し、自分のものにする力が高く、より多くの経験や知識を得ることができます。
コミュニケーション能力が高い
相手とのやりとりを通してお互いが考えていることを理解し合おうする子は自分から話しかけるだけでなく、周囲の同年代の子どもから大人にまで話しかけられやすいもの。
異なる相手とのやりとりを通して自身を成長させることができます。
自分なりの考えを持っている
何かトラブルが起きたときも、自分の考えに基づいて行動することができる子、また、相手が間違ったことをしているときも、流されずに注意したりすることができる子は、「地頭がいい」と言えます。
コツコツ努力ができる
途中で投げ出さず、目標に向かってコツコツ努力ができる子は、自分の知識や経験をフル活用し、「これとこれを組み合わせたらどうだろう」など、身につけた知識を判断材料にして有効に活用できるようになります。
これこそが、地頭のよさにつながります。
地頭がいいと、子どもの成長のプラスになる!
地頭がいいと、子どもの成長のプラスになることが多いもの。
どんなときに「地頭力」が役立つかを紹介します。
壁にぶつかったときにも乗り越えられる
友だちとケンカをしたとき、習い事などで成果や結果が出なくなったとき、勉強で力を出したいときなど、さまざまな場面で「ダメだ」「できない」と投げ出さず、どうにかして解決しようと考えられるのが地頭力です。
うまくいかなかったとしても、考えた過程が次に活かされていきます。
人間関係を円滑にできる
地頭がいいと、自分の考えていることを頭の中で整理してから相手に伝えることができます。
反対に、相手の言いたいことを理解することもできます。
それにより、周りの人たちとの人間関係が円滑になり、信頼関係を築くことができるようになります。
これからの社会を生き抜く力になる
情報化社会が進み、予測不能な「VUCAの時代」といわれている現代。
マニュアル通りに行動するよりも、新しい発想や論理的な思考を求められることが多くなってくると言われています。
そのために必要なのは、頭の良さではなく「地頭力」です。
「地頭力」があれば、仕事や日々の生活で自分らしく活躍できる可能性があります。
子どもの地頭を鍛えるポイント5つ
地頭がいい子に育てるために、家庭で簡単に取り入れることができる習慣を紹介します。
自分で考えさせる
子どもが興味を持ったことに対し、「それはどうしてだと思う?」などと質問しましょう。
たくさん質問されることで、自分で考えるクセがつきやすくなり、理解力や判断力などを鍛えることもできます。
子どもが質問をしてきたときも、ただ答えを教えるだけでなく一緒に考えたり、ヒントを出すだけにとどめたりすることも大切です。
たくさん話す機会を作る
話すことで、自分の考えを言語化し、整理していくことができます。
自分が何を感じたのか、どう思ったのかなど、理由までしっかり聞くようにしましょう。
食事のとき、入浴時、夜寝る前など、子どもとの会話の機会はたくさんあります。
親子ともにリラックスした状態で、会話を楽しみましょう。
興味のあることに集中できる環境をつくる
地頭を鍛えるためには、子どもの好奇心を満たすことが大切です。
子どもが電車に興味をもったら、電車の本を図書館でいっしょに探したり、子どもが好きな電車を見にいくなど、「好き」を追求できる環境を整えましょう。物事を追求する楽しさや知識が増える喜びが感じられ、探究心が深まります。
「遊び尽くす」体験を重ねる
遊びや生活での経験は、子どもの知的好奇心を刺激します。
親目線で見ると、危ないことや汚れること、難しいことは避けたくなるかもしれませんが、そのような経験の中からこそ学べるものもたくさんあります。大きなケガや事故には気を付けながら、家の中でも外でも、「遊び尽くす」体験を重ねましょう。
保護者自身も「学ぶ」姿を見せる
保護者自身が、自分の知りたいことや興味のあることに対して学ぶ姿を子どもに見せましょう。
保護者が子ども自身のお手本となることで、保護者の言動や姿勢に感化されたり、考え方を吸収することができます。
・「勉強ができること」と「地頭がいいこと」は、必ずしもイコールではない
・「地頭がいい」とは、「その人の本来的な頭の良さ」を指す
・保護者自身も「学ぶ」姿を見せることが大切
(参考文献)
「本当に頭がいい子の育て方」(高濱正伸:著、ダイヤモンド社)
「子どもの地頭力は鍛えられる!具体的な方法と地頭がいい子どもの特徴」(出典:ベネッセ教育サイト)
「地頭がいい子の特徴5つ。頭がいい子との決定的な違いとは?」(出典:こどもまなびラボ)
「地頭のいい子は賢い子?受験で成功する自力を家庭で育てる方法」(出典:伸芽’Sクラブ)