だいぶ変わった!? 令和の夏休み事情。 親世代との違いから考える、「夏休み、子どもとどう向き合う?」
更新日: 2026.07.10
投稿日: 2026.07.14
「昔は朝から晩まで外で遊んでいた」「夏休みは毎日ラジオ体操に通った」「8月31日に宿題で泣いた」――。
そんな夏休みの思い出を持つ親世代は少なくありません。
しかし令和の子どもたちを取り巻く環境は、大きく変わりました。
危険な暑さが続く夏、共働き家庭の増加、デジタル機器の普及、学習内容の変化などにより、夏休みの過ごし方も一昔前とは大きく異なっています。
令和の夏休み事情を通して、親にできるサポートを考えてみましょう。
外で遊べない!? 猛暑が変えた夏休み

「子どもの頃、夏休みは毎日、朝から夕方まで外で遊んでいた」という思い出を持つ親は多いでしょう。
公園で鬼ごっこをしたり、虫取りをしたり、プールで思い切り遊んだり。夏休みといえば、外遊びが当たり前だったのではないでしょうか。
「夏休み=外遊び」が変わった
しかし、令和の夏は大きく様変わりしています。
気温35度を超える猛暑日が続き、熱中症警戒アラートが発表される日も珍しくありません。
公園の遊具は朝のうちから熱くなり、学校のプール開放が中止になるケースも増えています。
実際、保護者からも、「朝9時には滑り台が熱すぎて危ない」「暑いから入るはずのプールに、暑すぎて入れない」などの声が聞こえます。子どもを遊ばせるため、屋内施設を探して回ることも多いそう。
今や猛暑は「夏らしさ」ではなく、子どもの遊びや生活そのものを制限する存在になっています。
外遊びは「遊び」以上の意味がある
一方で、外遊びは単なる時間つぶしではありません。
日光を浴びながら体を動かすことは、体力づくりや肥満予防だけでなく、近視のリスクを抑えることにもつながるとされています。
また、公園や自然の中には、坂道や段差、でこぼこした地面など室内にはないさまざまな環境があります。
子どもはそうした場所で遊ぶ中で、自分の体の使い方や危険を予測する力を身につけていくのです。
「遊ばせたいのに遊ばせられない」という親のジレンマ
ところが近年は、猛暑によって外遊びそのものが難しくなっています。
熱中症の危険だけでなく、暑さが子どもの健康や発達に影響を及ぼす可能性も指摘されています。
そんなジレンマを抱える保護者は少なくありません。
令和の夏休みは、子どもたちの遊び方だけでなく、親の悩みも大きく変えているのです。
「夏休みの宿題が減った」は本当?

「夏休みの宿題」と聞いて、多くの親が思い浮かべるのは、「夏休みの友」のような分厚いドリルやワークではないでしょうか。
夏休み前に封筒いっぱいの宿題を受け取り、「今年もこれを全部やるのか……」と、ため息をついた人も少なくないでしょう。
しかし近年は、夏休みの宿題のあり方が大きく変わりつつあります。
全員一律の宿題は減少傾向に
全体的な傾向としては、ドリルやプリントなど全員に同じ内容を課す一律の宿題は減少し、その代わりにタブレット学習や、自分でテーマを決めて取り組む自由課題を取り入れる学校が増えています。
宿題そのものをほとんど出さず、「長期休みだからこそ家庭や地域でしかできない経験や、自分で考えて学ぶ時間を大切にしてほしい」という考え方を打ち出す学校もあります。
「やらされる勉強」から「自分で学ぶ」へ
背景にあるのは、子どもが「言われたことをこなす」のではなく、「何を学ぶかを自分で考え、計画を立てて取り組む力」を育てたいという教育の変化です。
実際に、夏休み前に子ども自身が学習計画を立て、休み中は保護者や担任が進み具合を見守るといった取り組みも広がっています。
夏休みの宿題は、「量」をこなすものから、「主体的に学ぶ力」を育てるものへと少しずつ姿を変えていると言えるでしょう。
タブレットが変えた夏休みの宿題
宿題の内容だけでなく、取り組み方や提出方法も大きく変化しています。
一人一台端末の整備が進んだことで、紙のワークに代わってタブレットに課題が配信される学校が増えています。
子どもは毎日少しずつ学習を進め、解答を送信すると、先生が進捗状況を確認できる仕組みになっているケースもあります。
提出方法もさまざま。
アサガオなどの植物観察は、手書きした観察カードをタブレットで撮影して提出したり、リコーダーや鍵盤ハーモニカの練習は演奏の様子を動画で撮影して提出したりする学校もあります。
令和の夏休みの宿題は、「減った」というより、「形が変わった」と言ったほうが正確なのかもしれません。
夏休みの自由研究は「作品づくり」から「探究」へ

夏休みといえば、自由研究を思い浮かべる人も多いでしょう。
段ボールで貯金箱を作ったり、昆虫採集や天体観測に挑戦したりと、親子で頭を悩ませた思い出がある人もいるかもしれません。
しかし近年は、自由研究そのものを必須としない学校も増えています。
その代わりに増えているのが、自分でテーマを決めて調べ、まとめる「探究型」の学習です。
正解より「なぜ?」を大切に
例えば、
・食品ロスを減らす方法を考える。
・身近な生き物を観察する。
など、日常の疑問や興味を出発点に学びを深める課題が取り入れられています。
こうした課題では、正解を求めることよりも、「なぜそう思ったのか」「どうやって調べたのか」「何を感じたのか」といったプロセスが重視されます。
知識を覚えるだけでなく、自ら問いを立て、考え、表現する力を育てることがねらいです。
親は”先生”ではなく伴走者に
探究型の学習では、保護者の役割も少し変わります。
以前は「工作を手伝う」「実験を一緒に進める」といった関わり方が多かったかもしれません。
しかしこれからは、答えを教えるのではなく、「どうしてそう思ったの?」「調べてみたらどうなるかな」と子どもの問いを引き出す存在であることが求められます。
もちろん、調べ方を一緒に考えたり、図書館へ足を運んだりするサポートは必要です。
ただ、完成度の高い作品を作ることが目的ではありません。
子どもが自分なりに考え、試行錯誤する過程こそが、これからの時代に必要な学びにつながっていくと考えられています。
共働き家庭の増加で変わる夏休み

令和の夏休みを語る上で欠かせないのが、共働き家庭の増加です。
夏休みの「お昼ごはん、どうする?」問題
子どもが家にいる時間が長くなる夏休みは、多くの家庭で「昼ごはんをどうするか」が大きな課題になります。
仕事の合間に食事を準備したり、作り置きを用意したり、子どもが自分で簡単に用意できるメニューを考えたりなど、保護者の負担は決して小さくありません。
「夏休みは楽しい」というイメージの裏で、保護者にとっては仕事と子育ての両立に悩む時期でもあるのです。
学童・習い事・サマースクールの活用
こうした背景から、学童保育や放課後児童クラブを利用する家庭が増えています。
最近では民間学童やサマースクール、短期の習い事教室など、夏休みならではのプログラムも充実しています。
子どもにとっては、新しい友達と出会ったり、普段できない体験をしたりする貴重な機会にもなります。
一方で、「予定を詰め込みすぎて、かえって疲れてしまう」というケースも少なくありません。
子どもにも「余白」が必要
大人はつい、「せっかくの夏休みだから」と多くの経験をさせたくなります。
しかし、何もしない時間にも価値があります。
本を読んだり、好きな遊びに夢中になったり、ぼんやり空を眺めたり――そんな何気ない時間の中で、子どもは自分で考えたり、創造力を働かせたりしています。
予定を埋め尽くすだけではなく、「今日は何をしようかな」と自分で考えられる余白を残すことも、長い夏休みだからこそできる経験と言えるでしょう。
令和の夏休みに親ができること

外遊び、宿題、自由研究、家庭環境――。夏休みを取り巻く環境は大きく変わりました。
一方で、子どもの成長を支えたいという親の思いは、今も昔も変わりません。
では、令和の夏休みに親はどのようなことを意識すればよいのでしょうか。
4つのヒントを紹介します。
昔と比べすぎない
「私たちの頃はもっと外で遊んでいた」「宿題はもっと多かった」。
そんなふうに感じることもあるでしょう。
しかし、猛暑やデジタル化、家庭環境の変化など、今の子どもたちを取り巻く環境は親世代とは大きく異なります。
だからこそ、「昔はこうだった」と比べるのではなく、「今の子どもに合った夏休みとは何か」という視点で考えることが大切です。
家族の”わが家流”を見つけよう
夏休みの過ごし方に正解はありません。
旅行やイベントに出かける家庭もあれば、自宅でゆっくり過ごす家庭もあります。
毎朝一緒に散歩をする、週に一度は図書館へ行く、夕食を一緒に作る――そんな小さな習慣も、子どもにとっては大切な思い出になります。
ほかの家庭と比べるのではなく、自分たちに合った「わが家流」の夏休みを見つけることが、親子にとって無理のない過ごし方につながります。
思い出は特別な旅行だけではない
夏休みというと、旅行やレジャーを思い浮かべる人も多いかもしれません。
しかし、子どもの心に残る思い出は、遠出や特別なイベントだけでつくられるものではありません。
一緒に料理をしたり、近所を散歩したり、図書館へ出かけたり、夜に花火を楽しんだり――。
何気ない日常の中で親子がゆっくり過ごした時間も、子どもにとってはかけがえのない夏の思い出になります。
子どもの「やってみたい」を応援する
令和の夏休みは、「決められたことをこなす」よりも、「自分で考え、挑戦する」ことを大切にする時代へと変わりつつあります。
・料理を作ってみたい。
・飛行機に詳しくなりたい。
そんな子どもの「やってみたい」という気持ちは、学びの大きな入り口です。
子どもの興味に寄り添い、「面白そうだね」「一緒に調べてみようか」と背中を押してあげること。
結果よりも、夢中になって取り組んだ過程を認めることが、子どもの自信や主体性につながっていきます。
昔とは違う夏休みだからこそ、親も「こうあるべき」にとらわれすぎず、今の子どもたちに合った関わり方を見つけていくことが大切です。
今年の夏も、親子にとって笑顔あふれる思い出を作っていきましょう。
・気候、学習内容、家庭環境etc.夏休み事情は変わりつつある。
・親は「教える人」ではなく「伴走者」の視点で子どもと関わることが大切。
・長期間の休みだからこそ「余白」を大切に、子どもの「やりたい」を見つけよう。
参考文献)
「小学生の夏休みの宿題が減った理由 宿題もテストも通知表も“全廃”した学校に起きた変化」(出典:アエラデジタル)
「今どきの子どもたちは夏休みどう過ごしている?親世代との違いは?傾向&変化を徹底リサーチ」(出典:日本テレビニュース)
「だいぶ変わった令和の小学生夏休みの宿題ドリルがない?工作や自由研究はどうなった?」(出典:ヤフーニュース)
「小学生の夏休み、共働きの過ごし方は?タイムスケジュールや2025年夏のイベント情報も!」(出典:みずほビジネスパートナー)












専門家コメント
フリーライター・エディターとして、育児、教育、暮らし、PTAの分野で取材、執筆活動を行っています。息子が所属していたスポーツ少年団(サッカー)では保護者代表をつとめ、子ども時代に親子でスポーツに関わることの大切さを実感しました。PTA活動にも数多く携わり、その経験をもとに『PTA広報誌づくりがウソのように楽しくラクになる本 』(厚有出版)などの著作もあります。「All About」子育て・PTA情報ガイド。2 児の母。