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子どもが怒りっぽいのは何かのサイン?感情コントロールをできる子に育てるために親ができること

更新日: 2024.05.23
投稿日: 2022.06.24

子どもが怒りっぽいのは何かのサイン?感情コントロールできる子に育てるために親ができること

「うちの子、ちょっとしたことで怒りだす」「すぐにかんしゃくを起こす」など、子どもの感情の起伏が激しいと、お母さん・お父さんは必要以上に心配してしまいますね。

子どもは自分の感情をうまく言葉で表せなかったり、不安が強かったりすると、「怒り」や「かんしゃく」で気持ちを表現してしまいがち。

子どもが感情のコントロールを上手にできるようになるよう、今回は親が家庭でできることを考えていきましょう。

 

子どもが怒る理由を知る

「楽しさ」「悲しみ」「怒り」「怖い」「嫌だ」「驚き」といった基本的な感情は、生後6ヶ月くらいまでにほぼ出揃うといわれています。

人は自分に危険が及んだり、大切なものを侵害されそうな場面で「怒り」を感じ、その怒りのエネルギーを使って大切なものを守る行動をします。

つまり怒ることは人にとって必要不可欠な感情。

怒りの感情そのものを避けようとせず、上手に付き合えば、前向きに頑張るエネルギーに変えることができるのです。

まずは子どもが怒る理由を、大まかに5つの種類に分けて考えてみましょう。

◯うまく言葉で伝えられない
◯怒り以外の表現方法を知らない
◯精神的・肉体的な成長によるもの
◯環境変化や頑張りすぎによるストレス
◯感受性が豊か

 

うまく言葉で伝えられない

子どもは語彙や経験が少ないので、言葉でうまく伝えられず、感情が「怒り」になって表れることがあります。

「友だちが遊びの輪に入れてくれなかったから、叩いてしまった」
「隣の席の子が意地悪をやめないから、大声を出した」

「怒らずに頼めばいいのに」「先生に相談すれば?」と大人は正論を言ってしまいがちですが、子どもにとっては簡単ではありません。

そんな時は、お母さんやお父さんが「嫌だったんだね」「頭にくるよね」と代わりに言葉にしたり、怒りの気持ちに共感してあげると、気持ちが落ち着くでしょう。

怒り以外の表現方法を知らない

例えば両親がイライラしている時や不安な時などに、その感情を日常的に「怒り」で表現していたら…。

子どもは「気持ちがモヤモヤしたら、怒っていいんだ」と学習してしまいます。

でも大人にだって、心安らかでいられない日もありますよね。

そんな時は心にある感情を、「心配だ」「辛い」「悲しい気分」などと素直に、かつダイレクトに表現してみましょう。

子どもが嫌な行動をしたら、「◯◯するのをやめて、イライラする」と、そのままの気持ちを伝えます。

そうすれば、子どもは「怒らないで言葉にすればいいんだ」「さびしい時はさびしいって言えばいい」と、感情コントロールの方法を学ぶことができます。

子どもが真似できるような言動を、お母さんやお父さんが家庭内で見せられるといいですね。

精神的・肉体的な成長によるもの

子どもを育てていると、何度となく押し寄せる「反抗期」の波。

自我が目覚める2歳頃の「イヤイヤ期」。
小学校入学頃から始まることもある「中間反抗期」。
親よりも友だちを優先し始める「ギャングエイジ」。
本格的に親離れが始まる反抗期の王道「思春期」。

子どもは常に親に反抗している生き物ですね。

反抗期の「怒りっぽさ」は、成長に伴って自分の殻を破ろうとしている証なので、厳密には「怒り」ではないこともあります。

反抗期の怒りっぽさの場合、少し客観的に様子を見守ることも必要です。

環境変化や頑張りすぎによるストレス

・幼稚園や保育園に入園し、初めての集団生活で疲れている。
・小学校に入学して、友人関係や勉強にストレスを感じている

子どもがこれまでの生活とは違う環境に入った時は、その環境に自分を合わせるためにストレスがたまったり、我慢することが増えて怒りっぽくなることがあります。

また勉強が始まり、テストや成績などで他人と比べられる機会も増えるので、必要以上に頑張ってしまったり、劣等感や焦りを感じてしまうことも…。

家庭では、適度に子どものやりたいことを思いきりさせてあげる、親に甘えさせてあげるなど、上手にストレス発散をさせてあげることも大切ですね。

感受性が豊か

「頑張ったことが評価されなかった」「試合に負けてしまった」など、大人からすれば些細なことや仕方のないことでも、必要以上に傷ついてしまう子もいます。

そんな時、「気にするな」「仕方がないよ」「いつまでもクヨクヨしてないで!」という言葉は逆効果。

「くやしかったね」「わかるよ」と、親や周囲が残念な気持ちに共感してあげることで、「自分の気持ちをわかってもらえた」と落ち着くことがあります。

そもそも「怒り」の感情とはなにか

「怒り」は、人間が自分の身を守ったり、価値観を見直すために必要な感情です。

ただ怒りによって引き起こされる「大声を出す」「乱暴になる」といった行動が、しばしば周囲の迷惑になるため、「怒り」の感情そのものが敬遠されてしまうのです。

しかし「怒り」の引き金になっているのは、実は心の奥にある「さびしさ・悲しみ・心配・落胆・恐怖・苦しさ」といったマイナスの感情であることが多いもの。

「友だちと遊びたいと思ったのに、仲間に入れてもらえなかったさびしさ」
「意地悪をやめてくれない隣の子に対する恐怖心」

そういった本当の気持ちが、「怒り」になって表面化しているにすぎません。

わが子が怒りっぽいと感じたら、「さびしさや悲しさを抱えているのかも…」と考えてみると、別の側面から子どもの「怒り」をとらえることができるかもしれませんね。

子どもが怒っているときに親が取るべき4つの行動

子どもが怒っていると、つい大人も「いいかげんにしなさい」「いつまで怒っているの!」と一緒に怒りの感情に飲み込まれてしまいがちです。

ここはぐっと我慢して、大人は4つの行動を取ってみましょう。

とりあえずクールダウンさせる

理由や原因を説明させる前に、まずは子どものたかぶった気持ちをクールダウンさせましょう。

・距離をとって見守れる場所で落ち着かせる
・目をつぶって深呼吸
・10から逆にゆっくり数を数えさせる(カウントに集中して怒りから離れられる)

など、怒りの原因や怒った気持ちから精神的に離れられるようにしてあげましょう。

幼い子なら、抱っこしたり、背中や胸をさすってあげるのも効果的です。

子どもの話を聞く

子どもの気持ちが少し落ち着いたら、なぜ怒っているのか、理由や原因を子どもに聞いてみましょう。

子どもは冷静になれなかったり、順を追って話せないかもしれませんが、急かさずゆっくりと聞き出します。

その時、「それはあなたが悪い」「◯◯と言ってみたらよかったのに」などと批判やアドバイスはしないようにしましょう。

子どもの気持ちをすべて吐き出させるつもりで、とにかく耳を傾けます。

子どもの気持ちに共感し寄り添う

「それは嫌だったね」「すごくわかるよ」「頭にくるよね」と、子どもの気持ちをすべて受け入れてみましょう。

この時も、アドバイスしたい気持ちはグッとこらえます。

悔しい気持ち、悲しい気持ちを一度受け止めてもらい理解してもらえると、子どもはさらにクールダウンし、乱れた気持ちが落ち着きます。

取るべき行動を一緒に考える

子どもが落ち着いたら、子どもが間違っている部分を指摘したり、親としてのアドバイスをしてあげましょう。

子ども自身も、「本当は周囲と仲良くしたい」「できれば怒ったりしたくない」と思っているはずです。

そんな気持ちを引き出し、怒りの感情が湧きあがったらどうすべきなのか、一緒に考えられれば、子どもは感情のコントロールの仕方を少しずつ身につけることができます。

子どものストレス発散を手伝おう

子どもといえども学校などの社会に出れば、我慢したり、身の丈以上に頑張ってストレスがたまるもの。

そのストレスが「怒り」のスイッチになる前に、適度にガス抜きをしてあげることも大切です。

子どもがイライラしていたり、ふさぎこんでいる様子があったら、

・新聞紙などをビリビリに破く
・カラオケで思いきり声を出して発散させる
・夜の散歩をして話を聞いてあげる
・普段、制限していることを適度にさせてあげる

など、いつもとはちょっと違う行動を提案してみましょう。

子どもは大人のように、自由な「うさ晴らし」はできません。

大人がタイミングを見計らって、子どものストレス発散を手伝ってあげられれば、大きな感情の爆発が少なくなるかもしれませんね。

そして「◯◯をすると気分がスッキリする」「イライラが吹き飛ぶ」といった自分にベストなストレス発散法が見つかれば、次第に感情のコントロールができるようになるでしょう。

まとめ

・「怒り」は必要な感情で、前向きなエネルギーにも変えられる。
・子どもが怒るのは、子ども特有の理由がある。
・子どもの気持ちを大人が受け止めてあげることで、怒りが落ち着くことが多い。
・親子で一緒に怒った時の行動を考えたり、ストレス発散をすることで、感情コントロールできるようになる。

編集部より

わけも分からず急に怒り出す子どもや「そんな怒ることじゃないのに・・・」ということでもかんしゃくを起こす子どもは確かにいますよね。そしてそうなってしまった時の子どもへの対応で頭を悩ましたり、学校や園では大丈夫なのか?と心配したりする親もたくさんいると思います。誰でもそうですが怒るという行動にはしっかりと理由や背景があります。まずはそれが何なのかを親は知ってあげましょう!そして子どもが怒ってしまった時にはサポートすることも親の大切な役目です!子どものストレスを捉え、発散させてあげましょう。

(参考文献)
・手に取るように発達心理学がわかる本(かんき出版)小野寺敦子著
・アンガーマネジメント 怒らない伝え方(かんき出版)戸田久実著
・ベネッセ | 【感情がコントロールできない子ども】特徴と対処法は?
・大人んサー | 親がそうだから? わが子を「短気」「怒りっぽい」子 にしないための育児とは
・ちょこまな | 子供が怒りっぽくなる理由6つ 対処法と幼少期にさせておくべきこととは

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