ラージハート

非認知能力

スポーツのフェアプレーから学ぶ、子どもに身につけてほしい相手を尊重する気持ちと思いやり

2022.10.07

スポーツには、フェアプレーの精神やスポーツマンシップなど、大人が子どもに「学んでほしい」「身につけてほしい」と思うメンタルの要素がたくさん詰まっています。

なかでも、子どもに理解してほしいのが「相手への敬意」や「思いやる心」。

チームメイトや友だちはもちろん、対戦相手やサポートしてくれる大人たちなど、自分以外の人への尊重の気持ちややさしい気持ちはどう育んだらよいのでしょうか。

今回はスポーツを通して学ぶ「敬意」や「思いやり」について、考えてみましょう。

実際にあったフェアプレーとは?


ワールドカップやオリンピックなどの世界大会をはじめ、子どものスポーツ教室や試合など、スポーツを見ていると、選手のフェアプレーに心を揺さぶられることは多いですね。

まずは実際にあったフェアプレーを振り返ってみましょう。

ライバルチームを迷わずサポートしたノルウェーのコーチ

2006年のトリノ冬季オリンピック、女子クロスカントリースキーの決勝。トップを走っていたカナダのサラ・レナー選手のストックが片方折れ、4位にまで順位を落としました。その時、レナー選手のアクシデントに気づいたノルウェーチームのホーケンスモーエン・コーチが迷わず代わりのストックをレナー選手に差し出しました。その後巻き返したカナダチームは銀メダルに輝き、優勝候補だったノルウェーチームは4位という結果に。レース後、ホーケンスモーエン氏が残した「当たり前のことをしただけ」というコメント。クロスカントリースキーは、雪深い地方の移動手段として誕生したスポーツであり、仲間と助け合うことは、その精神に基づいていると示しました。

13歳が「わざと外したPK」で示したスポーツマンシップ

トルコのサッカーリーグ・ガラタサライのU-14で主将をつとめる13歳のベクナス・アルマスべコフ選手は試合中、ドリブルでペナルティエリアへ侵入した際、ファウルをされたわけではなく自分自身でバランスを崩して転倒しました。しかし主審は相手チームにファウルがあったと誤審しPKを宣告。そこでアルマスべコフ選手は、PKの際、ファウルではなかったという意思表示をするために故意に大きく外してキックしました。このニュースは世界を沸かせ、各国の一流の選手たちからも賛辞が送られています。

このような話を見聞きすると清々しい気持ちになり、我が子にもこんな行動ができる子に育ってほしいと思いますね。

しかしフェアプレーには賞賛もありますが、一方でネガティブな意見を言われることも。

大会後、ホーケンスモーエン氏には地元メディアからの批判が寄せられ、アルマスべコフ選手のPK外しは審判批判とも受け取れる行為です。

フェアプレーに徹しようとすれば、仲間や親から「チャンスだったのに」「相手に勝利を与えた」などと非難される可能性もあります。

それでも彼らはライバルのアクシデントや失敗をサポートし、同じ条件で戦うことを選び、行動に移しました。

子どもがフェアプレーを貫くには、「心の強さ」や「行動力」「冷静な判断力」なども同時に育てる必要があるでしょう。

遊びやスポーツの中で子どもが気づく「人を敬う気持ち」


人を敬う気持ちや相手への思いやりは、教えたらすぐに身につくものではありません。

日々の生活や友だちとの遊び、スポーツなどを通じて教えられ、自ら気づいて考え、正そうとして初めて自然に行動できるもの。

子どもの生活の中に、どんな気づきのチャンスがあるか、考えてみましょう。

◯ 遊びや友だちとの関係で気づく

◯ スポーツや指導者からの指導で気づく

◯ 親からの助言で気づく

◯ 自分で気づく

 遊びや友だちとの関係で気づく

子どもの世界には楽しいことや理不尽なことがたくさんあり、大人が考えるより複雑で小さな社会を形成しています。

それだけに、学べる機会に恵まれているともいえます。

例えば、

・遊びのルールを破った友だちが、一方的に全員から責められている様子を見て、「大人数で一人を責めるのはよくない」と感じる。またそれを止めに入った友だちを見直す。

・ズルをする友だちを見て、「自分はしたくない」と思う。そして「それほど勝ちたいのは、何か理由があるのかも」と友だちの気持ちを想像してみる。

・あまり仲良くない友だちの嫌いなところを仲良しの子に話したら、「本人に言った方がいいよ」と注意される。

小さなやり取りや日常の人間関係の中に、「嫌だな」「自分はそうしたくない」と思ったり、意外な友だちのフェアな点に気づいたり、自分の言動を注意されたりすることもあるでしょう。

その気づきを次に活かし、注意されたことを正そうとする素直な気持ちが必要です。

スポーツや指導者からの指導で気づく

スポーツはフェアなプレーや相手への敬意を一番求められる場面とも言えます。

指導者からは、「ルールを守ること」「審判の判断には素直に従うこと」などの基本的なことはもちろん、スポーツマンとしての心構えやスポーツへの向き合い方を教わっているはずです。

・失敗した選手を責めずに励ましている相手チームの選手や指導者を見て、「自分たちもこうなりたい」と感銘を受けた。

・最近、急に上達した友だちが、誰よりも早く来て練習していることを知り、すごいと思った。

・試合に出ない目立たない選手が、ふてくされずにベンチで大きな声を出したり、誰より動いている姿を見てカッコいいと感じた。

など、上手なプレーや勝つこと以外にも、価値を見出す機会がたくさんあります。

仲間や相手チームから、スポーツマンシップやフェアプレーの清々しさを学ぶ「気づきの力」「共感力」も同時に養いたいですね。

親の態度や助言で気づく

・試合に勝って喜んでいたら、お父さんが「相手チームも泣きながらしっかり挨拶していて立派だった」と感心していた。

・一緒に練習している友だちに、「キャッチボールができるのもあなたのお陰。いつも練習に付き合ってくれてありがとう」とお母さんがお礼を言っていた。

親ができることは、子どもが気づきにくい第三者の視点を持ち、周囲に感謝する気持ちを示すことかもしれません。

親の態度が伝染して、次第に子どもも友だちや指導者を尊重し敬う態度が身につくでしょう。

自分で気づく、周囲に気づかされる

日ごろから、親や周囲の大人が

・試合ができるのは相手のチームがいてくれるから
・学校や放課後も楽しく過ごせるのは、友だちや仲間がいてくれるから

など、周囲への感謝の気持ちや謙虚になることの大切さを伝えていると、次第に子ども自身が気づき、周囲に感謝できるようになるでしょう。

また友だちから注意されて気づくこともあるかもしれませんが、それはお互いの信頼関係があってこそ。

普段から友だちを大切にして、本音を言い合える関係を作っておくことが大切ですね。

相手を敬う子、フェアプレーができる子が育つ家庭とは


「ライバルや対戦相手にも敬意を払う」「正々堂々と戦う」など、フェアプレーの精神を身につけるには、日頃の家庭での接し方もポイントになります。

◯ 子どもの意見に耳を傾ける

◯ 夫婦がお互いを大切にし合う

◯ 大人が間違えたら子どもに謝る

このように、「大人が他者や子どもに敬意を払う」「間違えたら相手に謝る」という態度を普段から示していると、子どもは自然とフェアな精神を学んでいくでしょう。

また、

・ 子どもから友だちの話を聞いたら、「◯◯ちゃんも楽しかったかな」「いつも仲良くしてくれて嬉しいね」などと、相手の気持ちを推し量り、感謝の気持ちをコメントする。

・スポーツ中継を観ながら、「相手も頑張ってるな」「相手が強いから、こっちもやる気になる」など、双方のチームの視点に立ったアドバイスやお互いが刺激し合っていることを話す。

などを心がけてみましょう。

フェアプレーの精神は、大人が普段から手本を見せる→フェアな心・態度は気持ちがいいと子どもが感じる→自分でも真似する、というステップを踏んで身につけていくもの。

この「フェアにすると気持ちがいい」「相手を大事にすると自分も大事にしてもらえる」と子ども自身が感じることが、とても大切です。

まずは家庭内でフェアプレーの気持ちのよさ・楽しさを実感させ、相手を敬う気持ちを少しずつ育てましょう。

まとめ

・フェアプレーをするには「心の強さ」「行動力」「冷静な判断力」が必要。
・「相手を敬う気持ち」は友だちや習い事の指導者、家族などから教えられ、手本を見せられ、自ら気づいて考えることで身につくもの。
・「人を敬う行動」は一朝一夕にはできないので、日々の生活でゆっくり身につけたい。

編集部より

今回はフェアプレーに関するコラムでしたね。フェアプレー。頭の中では大切だと分かりながらも、子どもが頑張っているからこそ、勝たせてあげたい、結果に繋げてあげたいという気持ちも親としては素直な気持ちではないでしょうか?ですが、その瞬間の時のみではなく、その後の人生を考えた時に、どのような行動、姿勢が子どもが大人になった時に良いか?と考えると、間違いなくフェアプレー精神を持って育ってほしいとは思いませんか?選手としての目の前の勝ち負けではなく、人として大切な心を持って成長してほしいものですね。そのためにも、親と子の関わり方や伝え方はもちろんのこと、園や学校の友達との遊ぶ時間、スポーツスクールや習い事先での仲間たちとの関わり合う時間を大切にしていってほしいですね。

(参考文献)

・国際オリンピック委員会 | 心揺さぶるスポーツマンシップ。冬季オオリンピアンが体現したスポーツの真価とは
・FOOTBALL ZONE | 伝説の名FWも称えた13歳の“わざと外したPK
”「FIFAフェアプレー賞決定」と賞賛止まず
・JSPO plus | コロナ禍に生きる私たちに必要なのは「フェアプレー」。スポーツが教えてくれる、日常をもっと良くするためのヒントとは

記事一覧に戻る

よく一緒に読まれている記事

無料で非認知能力を測定できます!

バナーをタップすると体験版の測定が可能です。

みらぼ

非認知能力を知ろう

非認知能力とは、IQや学力などとは異なり、社会で豊かにたくましく生きる力と言われる、挨拶・礼儀、リーダーシップ、協調性、自己管理力、課題解決力などのことです。園や学校の先生をはじめ、お子様がいるご家庭のママやパパにも注目され始めている能力で非認知能力を高める教育への関心度が高まっています。

  • 非認知能力とは?
  • 非認知能力が必要とされる理由
  • 非認知能力を高める5つの理由
  • 非認知能力を高める方法

非認知能力を知ろう

非認知能力とは、IQや学力などとは異なり、社会で豊かにたくましく生きる力と言われる、挨拶・礼儀、リーダーシップ、協調性、自己管理力、課題解決力などのことです。園や学校の先生をはじめ、お子様がいるご家庭のママやパパにも注目され始めている能力で非認知能力を高める教育への関心度が高まっています。

  • 非認知能力とは?
  • 非認知能力が必要とされる理由
  • 非認知能力を高める5つの理由
  • 非認知能力を高める方法

ラージハート公式Facebook