「すごかった!」「えらかった」より子どもの心に響く 「具体褒め」「プロセス褒め」「インタビュー褒め」
更新日: 2026.09.18
投稿日: 2026.09.24
子どもを褒めるとき、どんなふうに声をかけていますか?
「すごかった!」「えらかったね!」と声がけをすると、子どもは「結果がよかったからかな…」と感じてしまうこともあります。
次に子どもを褒める時は、子どもの心にグッと響く、ちょっとユニークな方法を試してみませんか。
子どもの行動やプレーをよく観察して、「どこがどうよかったか」を言語化して褒める「具体褒め」。
結果に関係なく、そこまでの道のりを褒める「プロセス褒め」。
そして「どう感じた?」「どう見えてた?」とまるでインタビューをするように褒める「インタビュー褒め」。
いつもと違う、3種類の「褒め方」を実践するポイントを紹介します。
「すごかった」「えらかった」の落とし穴

子どもが頑張ったとき、予想よりよい結果を出したとき、試合に勝ったときなど、大人も嬉しくなって、「すごい!」「偉かったね」「最高」「天才!」などと褒めちぎってしまいますよね。
パチパチ拍手をしたり、いつもより大きな声で大げさに反応してしまう人もいるでしょう。
もちろん子どもにとって頑張った結果を褒められることは嬉しく、励みにもなるので、めいっぱい褒めてあげましょう。
しかしこの褒め方、ちょっぴり危うい落とし穴があります。
「すごい」「よくやった」と褒められた子どもは「結果を出したから」「なにかを成し遂げたから」褒めてもらえた、つまり「条件つきで褒められた」と勘違いしてしまうことがあります。
そのため、失敗したとき、親が期待したような結果をだせなかったときに「条件を満たせなかったから自分はダメだ」とか、「もっと頑張らないと褒めてもらえない」と考えるようになり、自己肯定感が下がることもあるのです。
親にそのつもりがなくても、子どもは自分がわかる範囲で判断するために、そう考えてしまいます。
近年は「褒めて伸ばす子育て」に注目が集まっている分、子どもを褒めることが注目されていますが、「褒める」って意外と難しいのです。
「具体褒め」ってどう褒める?

例えば試合が終わった後、「今日の試合、勝ったね。すごいね」「偉かったね」と称賛すること、ありますよね。
でもこれだと「なにがすごくて」「なにが偉かったのか」子どもからすると見えづらいかもしれません。
すると「勝つ」「ゴールやシュートを決める」といったわかりやすい結果が出せないと、「自分ってダメかも…」と思ってしまうことがあります。
また「すごい」「えらい」という褒め言葉は、微妙に親目線の評価になりがちです。
子どものプレーや行動を具体的に出し、「狙いどおりのパスが出せてたね」「仲間への声がけが大きくてよく聞こえたよ」など、「何がどうよかったか」を伝えましょう。
子どもも自分のどの動作やプレーがよかったか、振り返りができるので次につなげやすくなります。
「(絵を描いている子に)この色、明るい雰囲気が出ていて素敵だね」
「(片付けをした子に)種類ごとに箱に入れたんだね、次に出しやすいね」
「(料理を手伝ってくれたら)野菜が同じサイズに切れてる」
「(友だちに譲ってあげられたら)相手に“どうぞ”ができたね」
「(弟や妹を手伝っていたら)困っているのに気づいて手伝ってくれたのね」
「(難しい問題を解けた時)習った解き方を使えたね」
「(手を挙げて発表できたら)ゆっくり大きな声が出てたから、よくわかったよ」
「(何度もチャレンジした子に)いろんなやり方を試してるんだね」
プロセス褒めってどう褒める?

「勝った」「できるようになった」という結果に注目するのではなく、そこまでに努力した道のり、準備のプロセス、試行錯誤したことやどこに工夫していたかに触れましょう。
例えば運動会の徒競走で1位になったとしたら、「1位になったね、すごい!」ではなく、「スタートのとき、前をしっかり見てたね」「コーナーでスピードが落ちなかった」「練習の成果が出てた」など、頑張ったプロセスを認めます。
プロセスを褒めてもらえると、「結果は出なかったけど、努力した」「頑張りを認めてもらえた」「理解してもらった」と自分に自信が持てるようになります。
結果ではなく、そこまでのプロセスを見てくれている人がいると感じられるだけで、「次もまた挑戦してみよう」という気持ちになれるのです。
周囲の大人が努力の過程に注目していると、子どもも結果ばかりを追い求めなくなります。
「(徒競走で1位になったら)練習の成果が出てたね」
「(鉄棒や跳び箱ができたら)体の使い方を変えたからできたのかも」
「(楽器が上達したら)繰り返し練習したもんね」
「(テストの点数が上がった時)何度もやって解ける問題が増えたんだね」
「(宿題がおわったら)遊びたかったのに先に終わらせたんだね」
「(友だちと仲直りした時)相手の気持ちをちゃんと聞けたね」
「(苦手なものに挑戦した時)やってみようと思ったことがすごいね」
「(最後までやりきって完成させた時)工夫してたの、見てたよ」
インタビュー褒めってどう褒める?

インタビュー褒めとは、親からの発信で褒めるのではなく、インタビューをするように質問を投げかけ、子ども自身で語らせるというもの。
「あの場面って、シュートじゃなくてなんでパスしたの?」「今日、自分でうまくいったなと思う部分はどこ?」「練習してたところは、できた?」など、「あなたはどう感じているの?」と聞いてみます。
質問をされることで、子どもが自分自身を振り返ることができ、言葉にすることで客観的に自分を見ることができます。
また質問されることで、大人が「自分に関心をもってくれている」ことが理解でき、自己肯定感・自己有用感も同時に育ちます。
「(絵を描いている子どもに)一番よく描けたと思うところは?」
「(テストが終わったら)テストに出るかも、って思った問題出た?」
「(発表会が終わった時)発表している間、どんなふうに感じてた?」
「(友だちに親切にしている瞬間を見たら)どうしてそうしてあげようと思ったの?」
「(スポーツで失敗していたら)次にやるなら、どうする?」
「(子どもがなにかに集中していたら)どんなところが面白いの?」
「(練習を頑張っていたら)前よりできてるなって思うところ、ある?」
「(試合を終えた子どもに)次の練習までに“こうしてみたい”っていうアイデアある?」
「(スポーツを頑張っていたら)やる気をどうやってキープしてるの?」
子どもに届く「褒め」には「観察」が重要

子どもが頑張っている時、結果を出した時、大人なら「褒めてあげたい」と思いますよね。
そんな時に大切なのは、子どもの行動をよく観察し、「どんな気持ちかな」「ここまでなにを頑張っていたっけ」「なにを工夫してたかな」と考えを巡らすこと。
そしてただ「すごかった」「カッコよかったよ」「えらいね」と声をかけるだけじゃなく、「ここがよかった」「あなたのこんな工夫が結果に出た」と言葉にして伝えることで、子ども自身が「結果ではなく、プロセスが大事なんだ」「失敗してもいいんだ」と思えるようになります。
また子ども自身に意見を聞くことで、自分を振り返って「自分は努力した」と自信を持つことができ、「次はどうしたらいいか」を考えられるでしょう。
「すごいね」と結果を褒めること自体が悪いのではありません。
その「すごいね」にプラスして、「なにが」「どうして」「どう感じたか」を伝えてあげると、子どもが前向きに成長する助けになります。
そのためには子どもをよく見て観察し、大人が見つけたことを子どもに伝えていきましょう。
・「すごい」「えらかったね」と褒めると、子どもは「結果を出さないといけない」と感じることもある。
・具体的にどこがよかったかを伝えると、子どもは「ちゃんと見てくれている」と自信を持つことができる
・そこまでのプロセスを褒めると、「失敗してもいい」「そこまでの過程が大事なんだ」と理解できる。
・インタビュー形式で子どもに語らせると「言語化」ができるようになる。
・子どもをきちんと褒めるには、子どもをよく見て観察することが必要。
(参考)
https://homesha-pj.jp/dictionary/
https://yomeruba.com/plus/edu/montessoriryuu/entry-14976.html












専門家コメント
実用書の編集・ライティング、人物インタビューを中心に活動中。子育てや街紹介のポータルサイトでは1000件以上の学校や教育施設、子育て支援施設を取材。「学業とスポーツは必ず両立する」を信条に、息子2人を大学まで野球漬けに育てあげる。趣味は、はた織り・耳かき・スポーツ観戦。好きな言葉「中庸」。