食中毒予防とお弁当作りで出来ること
投稿日: 2024.06.25
梅雨の時期がやってきました。日に日に気温も高くなり、湿度も高くなるこの時期は特に食中毒を気にされる方も多いのではないでしょうか。
お子さんのスポーツの大会や運動会もこの時期は増えてきますので、お弁当や補食のおにぎりなど傷まない工夫について今一度考えてみましょう。
夏場のジュニアアスリート向けお弁当は、暑い季節でも安全に美味しく食べられるよう、より工夫が必要です。特にジュニアアスリートの場合、ハードな練習や試合前後によって変わる栄養バランスが求められるため、食材選びや調理方法にも注意を払う必要があります。こちらの記事では、食中毒の三原則についてはもちろん、腐らないための工夫や傷まないためのポイントをお伝えします。
もくじ
食中毒予防の三原則についておさらい
食中毒予防の三原則をご存じですか?食中毒予防の三原則は
- つけない
- ふやさない
- やっつける
この3つです。
「つけない」ためには
「つけない」ためには、石鹸を使った手洗いはもちろんですが、指輪などの貴金属、スマートウォッチなどの腕時計も必ず外して手首までしっかりと洗います。手を拭くタオルも、清潔なものを。乾いているからと言って交換せずに使うのは好ましくありません。タオルは必ず、せめて毎日交換して清潔を心がけましょう。キッチン用はタオルではなく、使い捨てペーパータオルもおすすめです。
筆者は自宅で料理教室をしていますが、レッスン時もプライベートでもキッチンではペーパータオルを使用し、洗面所やお手洗いも生徒様用はペーパータオルを、プライベートでは家族それぞれのタオルを用意して毎日取り換えています。
また、お弁当作りでは「お弁当箱と蓋」の洗い方も大事です。蓋は外せるものは全て外して洗っていますか?しっかり乾いてからセットしていますか?
蓋は必ずパッキンを毎回取り外し、食器用洗剤でしっかり洗って乾かしてからセットしましょう。お弁当箱もしっかり洗うのはもちろん、詰める前に酢やアルコールで消毒をしましょう。お箸やお箸箱もしっかり洗って乾かします。
もう一つ、最近良く言われているのは「スマホ」です。SNSが身近なものとなり、作ったごはんを撮影する方も多いかと思います。でも「スマホ」はいつでもどこでも(外出先ではお手洗いにも)持っていきませんか?
そのスマホ、きれいですか?
せっかく綺麗に手を洗っても、その「スマホ」を触った手でまた食材や出来たおかずを触ったら・・・。と考えると恐ろしいですね。
「スマホ」もアルコールを含ませたキッチンペーパーなどで度々拭くことを意識してみて下さい。
「ふやさない」ためには
「ふやさない」ためには新鮮な食材を手に入れること、購入したらすぐに冷蔵保存すること。そもそも「ふやさない」は「細菌がついている」ことが前提の言葉。買い出しの時から新鮮なものを購入するのはもちろん、生ものは最後に購入し、お支払い後すぐに保冷バッグに入れて持ち帰る、寄り道しないで急いで帰宅し、すぐに冷蔵庫へ入れましょう。
お弁当作りでは、出来たおかずはすぐに冷ます。「残りものをお弁当に」は絶対NGです。お弁当用に取っておくなら、出来立てを取り分けてすぐに保冷剤などで急冷を。冷めたらすぐに冷蔵庫へ入れましょう。冷凍しておいたおかずやごはんをお弁当用に解凍する時は自然解凍ではなく、電子レンジ解凍を。時間がかかる自然解凍は細菌が増殖する原因となります。
この時に使用する保冷剤は、ケーキ屋さんなどでもらうものでもOKです。食器用洗剤で表面を洗い、乾いたらアルコール消毒をして冷凍庫で保管しておきましょう。こうすることでいつでも取り出しておかずを急冷することが出来ます。使用後は必ずまた、食器用洗剤で洗ってアルコール消毒を忘れずに。
「やっつける」
「やっつける」は消毒などで細菌を減らすことです。包丁やまな板は食器用洗剤、またはクレンザーなどでしっかり洗い水で流します。食器洗浄機をお持ちの方は、高温で洗って乾かしてくれるので熱湯消毒にもなります。食器洗浄機を持っているけど使ったことがない、という方も良く聞きますがぜひ使ってみてください。水道の節約にもなりますよ。
また、食器を洗うスポンジは定期的に交換していますか?毎日使ったあとのスポンジはどうしていますか?
スポンジは殺菌も出来る食器用洗剤で洗うだけよりも、しっかり水で流して、たまには日光消毒をしましょう。晴れた日に外に出すだけです。ぜひやってみてください。
「つけない」「ふやさない」「やっつける」を意識するだけでも、やれることがたくさんあります。ぜひ今日から意識してみてください。
お弁当作りで腐らせないための基本的な工夫
食材選び
夏場は気温が高く、細菌が繁殖しやすいため、腐りにくい食材を選ぶことが重要です。以下のような食材を中心に選びましょう。
- 酸性の食材
- 酢やレモン汁を使った料理は酸性が高く、細菌の繁殖を抑えます。
- 塩分が多い食材
- 塩分が多い食材も腐りにくいです。塩を使ったおにぎりや塩鮭、味噌を使った料理など。おかずもお弁当用は少し濃いめの味付けがおすすめです。
- 水分の少ない食材
- 水分があると細菌が繁殖しやすいため、乾物を使う、水気を良く切る、などが大事です。和え物などは水分を出さないようすりごまを混ぜるなどの工夫をしてみましょう。スパイスを使用:スパイスは辛みを加えるだけではなく、色味や香りを加える、防腐の役割をする。などの効能があります。いつものきんぴらにカレーパウダーを振って炒めたり、挽き肉にガラムマサラなどスパイスを入れて使うのもおすすめです。
調理方法
調理の際にも以下に注意しましょう。
- 調理器具を分ける
- 包丁、まな板など調理器具は「生もの用」と「加熱用」に分けます。特にまな板は使い回してはいけません。生で食べるものから「生もの用」まな板で食材を切り、包丁は変えるかしっかり洗って清潔な布巾で拭く、まな板は「加熱用」のまな板に変えて続きの食材を切ります。
- 調理途中の菜箸の使い回し禁止
- 生のものを触った菜箸で作りあげず、火が入ったら菜箸は新しいもの(洗ってあるもの)と交換します。
- しっかりと火を通す
- 生焼けの部分が残らないように、しっかりと火を通すことが大切です。特に肉や魚は中心まで十分に火を通しましょう。
- 調理後すぐに冷ます
- 調理が終わったら、すぐに冷まします。平たいバットなどに並べておかずに直接ピッタリとラップをしてから保冷剤を当てます。バットの上下に保冷剤を当てて急冷しましょう。しっかりと冷ましてからお弁当箱に詰めていきます。詰める際にも出来れば食品用手袋などを使用して、素手で食材を触らないようにします。
- 冷めてから蓋をする
- お弁当箱に詰めた後、完全に冷めるまで蓋をしないこと。温かいうちに蓋をしてしまうと蒸気がこもり、細菌が繁殖しやすくなります。
お弁当の詰め方と持ち運びの工夫
詰め方のポイント
お弁当の詰め方にもポイントがあります。
- 仕切りを使う
- お弁当箱の中で食材が触れ合わないようにおかずカップ(仕切り)を使います。こうすることで、異なる食材同士の細菌の移動を防ぎます。「のっけ弁当」(ごはんの上におかずを乗せるお弁当)は、ごはんに味が付いてとても美味しいのですが、食中毒予防の観点から考えるとおすすめできません。
- お弁当箱選び
- 保冷、保温機能のあるお弁当箱や、保冷剤を入れられるスペースがあるものを選びましょう。保冷バッグに入れて持ち運ぶとさらに効果的です。保冷、保温機能のあるお弁当箱はメーカーによっておかずを温めて入れて良いか、冷まして入れるのかが異なります。メーカーのホームページやお弁当箱の取り扱い説明書を良く確認してみましょう。基本はごはん、汁物は保温状態で、保温弁当でもおかずはしっかり冷ます。というものが多いです。
持ち運びの工夫
お弁当を持ち運ぶ際には、以下の点に注意しましょう。
- 保冷剤を使う
- 保冷バッグに保冷剤を一緒に入れることで、お弁当箱の中を冷たく保ち、細菌の繁殖を防ぎます。保冷剤の他にフルーツを容器に入れて容器ごと冷凍し、それを持たせると冷凍フルーツが保冷剤の役割もしてくれます。缶詰のフルーツも容器に移して冷凍すると子どもたちは喜びます。ぜひお試しください。
- 直射日光を避ける
- 持ち運びの際には、直射日光を避け、できるだけ涼しい場所に保管するようにします。車の中など高温になる場所には置かないようにしましょう。また室外のスポーツの場合、遠征先などでかばんの中に入れっぱなしで外に置いてある、というケースを良く見かけます。日影にお弁当はおけるよう配慮が出来ると良いですね。細菌類は20℃~40℃で繁殖速度が速まると言われています。いくらお弁当に保冷剤を入れて持たせても外気温が高温であればあるほど、その保冷剤の効果は薄れてしまいます。なるべく涼しい場所で保管できるようにしましょう。
・食中毒予防の三原則を今一度思い出し実践する
・調理の際は生もの、加熱のものと調理器具はわける
・できたおかずはすぐに冷まし、温度が上がらない場所で保管する
コメント
スポーツを頑張る子どもを持つ母親として、子どもたちの体つくり、怪我予防、健やかな成長に欠かせない大切なことを 広く伝えていくべく活動をしています。保護者の皆様がお子さんの一番のサポーターとなれるよう、お子さんの成長を末長くサポートできるよう、「お母さんが、無理をしない」をモットーに掲げて 毎日のごはん作りはもちろん、2018年からはスポーツを頑張るお子さんをお持ちのお母さんの個人サポートに取り組んでいます。