3歳・7歳が決め手!年齢別 子どもの「考える力」の伸ばし方
更新日: 2023.04.11
投稿日: 2020.08.28
親なら誰しも、わが子に対して、「自分で考え、自分で行動できる子になってほしい」と思うものです。
「考える力」を伸ばすためには、子どもの成長や発達に応じ、親をはじめとする周りの大人が適切に、丁寧に関わっていくことが大切です。
それにより自立心が育まれ、自分で行動できる子に成長していきます。
子どもの「脳」の成長や発達を考えたとき、「考える力」の素地が作られる時期は、3歳から7歳です。
自分で考える力をぐんぐん伸ばしていく時期が、7歳から10歳と言われています。
「脳の成長」という視点から、子どもの「考える力」の伸ばし方を、年齢別に紹介します。
もくじ
子どもの「考える力」を育むために、「脳の成長」を知っておこう
子どもの頭の中=脳は、体の成長に負けないくらい、日々驚くほど生まれ変わっています。
0歳から3歳の脳は、まだまだ未熟な状態で、脳神経細胞が爆発的に増えていく時期です。
どんどん増えた細胞の数がピークに達するのが、3〜4歳頃です。
ここから7歳くらいまでの子どもの脳内では、不要な細胞を間引いて脳細胞の選別が行われます。
「脳の成長」という視点で考えると、3歳から7歳の時期は、「考える力」の基礎づくりの時期ともいえます。
7歳から10歳は、脳細胞の選別が完了し、残った脳細胞が情報伝達回路をどんどん進化させていく時期です。
この時期の子どもは、自分で考えたことをやり遂げることに喜びを感じることで、思考力をどんどん伸ばしていきます。
子どもの成長は、いわば、「脳の成長」に値します。
子どもの脳の成長に合わせ、関わり方や導き方を変えていくことで、「考える力」を伸ばしていくことができるのです。
3歳から7歳
子どもの好きなことを尊重して考える力の基礎をつくる
3歳から7歳は、脳内で爆発的に増えた細胞から不要な細胞を間引き、脳の神経回路のベースを作って考える力の基礎をつくる重要な時期です。
大切なことは、以下の3つです。
好きなこと、興味のあることを尊重する
日々の遊びの中で、好きなことや興味のあるものができるのがこの時期です。
自分の気持ちのおもむくままに好きなことをたくさんさせてもらった子は、親から指図されなくても自分で考え、さまざまなことに自主的に取り組むようになり、自立心が育ちます。
子どもの好きなこと、興味のあることを尊重するような関わりを心がけましょう。
くり返し遊びを中断しない
同じ遊びを何度もくり返している様子を見るとつい、「いつまで同じことやってるの?」などと言っていませんか?
子どもは、くり返し遊びをすることによって、ちょっとした違いに気づいたり、よりよいやり方を考える力が養われていきます。
この時期のくり返し遊びは、できるだけ見守りましょう。
親子でたくさん会話する
子どもの気持ちに共感し、「どうしてそう思うの?」などと理由を聞いたりして言葉のキャッチボールを重ねましょう。
子どもからの「なぜ?」「どうして?」にもできるだけ受け止め、「すごいことに気づいたね」「あなたはどう思う?」などと会話を重ねていきます。
これを続けることにより、自ら考えることができ、自分に自信が持てるようになります。
7歳から10歳
「やり遂げる」関わりを心がけ自分で考える力を伸ばす
脳細胞が情報伝達回路をどんどん進化させていく時期です。
自分で考えたことをやり遂げることに、いちばんの喜びを感じます。
この時期に親が心がけたいポイントは、以下の3つです。
先回りして指示や命令しすぎない
「今から明日の学校の準備をしておきなさい」「ハンカチはこれを持っていきなさい」など、親の先出し指示が多すぎると、言われたことはできるけれど、自分で考えて動く子にはなりません。
子どもに対する“先回り”は、極力控えましょう。
「やり遂げる」ことができるよう応援する
7歳からの子育ては、「自主性」がテーマです。
「自分で決めたことを自分で達成したい」という気持ちが強くなります。
子どもががんばっていることを見つけてほめ、失敗したり悩んだりしている時は、「このやり方とこのやり方があると思うけど、どっちを選ぶ?」など、「指示」でなく「提示」を。
最後までやり遂げる経験を積み重ねましょう。
本を読むことで、考えを組み立てられるように
小学校に入学し、自分で本を読めるようになるこの時期は、本を読むクセをつけることも大切です。
一緒に図書館に行って本を探したり、家で教科書を一緒に読み、「今どんなことを勉強しているの?」と聞くのもよいでしょう。
読書を通して正しい日本語を吸収し、自分の考えを組み立てられるようになります。
・子どもの「考える力」を育むには、脳の成長=年齢に応じた働きかけや関わりが重要
・3歳から7歳の時期は、子どもが好きなこと、興味のあることと、とことん向き合える関わりを心がける
・7歳から10歳の時期は、最後までやり抜く経験を積み重ねられるよう応援する
子どもの考える力を伸ばすためには、子どもが主体的であることが大切です。
親が無理矢理やらせようとしても逆効果になりますので、子どもの興味のあることや好きなことからもっと興味を引かせるような問いかけや声掛けをすると子どもの考える力はどんどん伸びていきます。
子どもの年齢や状況に合わせて、大人がどのように関わっていくかがとても大切です。
(参考文献)
・ 子どもの才能は3歳、7歳、10歳で決まる!(著者: 林 成之 出版:幻冬社)
・ 叱り方・甘えさせ方は、3歳、7歳、10歳で変える(PHPのびのび子育て編集部編 出版:PHP研究所)