泣きわめく前にクールダウン! 子どもの「怒り」の気持ちの収め方
更新日: 2023.01.04
投稿日: 2022.08.26
思い通りにならないとかんしゃくを起こしたり、大声を出したり、すねなどの荒れた様子を見せるのは、「怒りの気持ち」の収め方がわからないからかもしれません。
子どもの怒りの気持ちと上手に向き合う「アンガーマネジメント」について知っておきましょう。
「怒り」の感情は誰もがもつもの。その“大元”に目を向けて
「自分の思い通りにならないと、足を踏み鳴らしたりする」
「きょうだいげんかでカッとなり、泣きわめきながら相手をたたく」
「園(学校)で友達といざこざがあったようで、帰宅してからも怒りをひきずっているようだ」etc
「怒り」の感情は、「喜怒哀楽」とよばれる感情のひとつでだれもがもつものですが、
・足をふみならす
・泣きわめく
など、怒ったことによって起こす行動によってその場の空気が悪くなったり、人間関係がこわれてしまうことで、「いけないこと」「やっかいな感情」とネガティブにとらえられがちです。
怒りは「第二次感情」とも言われます。自分がこうしたいと思ったことができなくて「くやしい」、きょうだいにつみきをとられて「悲しい」などといった根本にあるのが「第一次感情」。
これらの第一次感情に目を向けず、「もういやだ!」「いいかげんにしてよ!」など、カッとなって感情をはき出すのが「怒り」です。
親は、子どもが「怒ってやってしまったこと」に注目して対応してしまいがちですが、怒るきっかけとなった出来事や、そのときの思いに注目することが大切です。
子どもが怒ってイライラしているときは、親は
「すぐに怒るのはやめなさい!」
「またケンカしているんだから!」などと叱りつけたりせず、
「どんなことが嫌だった」のかを聞いてあげるようにしましょう。
解決策やアドバイスは不要です。
「嫌だったね、悔しかったね」と共感するだけで、案外子どもは気持ちを立て直すことができます。
怒りを感じたときに、「周りの大人が受け止めてくれて、言語化してもらう」という体験を積み重ねると、子どもは同じことを自分自身で始めようとするものです。
「怒り」と向き合う「アンガーマネジメント」
「アンガーマネジメント」という言葉、聞いたことはありますか?
アンガーマネジメントとは、1970年代にアメリカで開発された「怒りとうまく向き合うための心理トレーニング」です。
ただし、「アンガーマネジメント=怒らないこと」ではありません。
「怒る必要のあることには適切に怒る。でも、怒る必要のないことは怒らない」ことで、怒り過ぎへの後悔、怒らなかったことへの後悔を減らしていくことを目指すものです。
子どもが怒っているときは、「怒り」との向き合い方を教えていく良いチャンス。
親子でいっしょに“怒りのクールダウン”の基本を学びましょう。
怒りの反射行動は、怒りを感じてから6秒以内におこると言われています。
つまり、6秒待てば、より冷静に対応できるようになる、ということです。
子どもが何かのきっかけで怒る様子が見られたら、
と、折にふれて声をかけてみましょう。
・子どもが好きな歌のさびをいっしょに歌う。
・「大丈夫」「どんまい」など、子どもの気持ちが落ち着く言葉をつぶやいてみるよう促す
以上の方法もよいでしょう。
これらにより子どもの怒りがクールダウンしてきたら、
・イラッとしたときの状況
など、子どもの気持ちをていねいに聞いていきましょう。
これを繰り返すことで、子どもは少しずつ、自分の怒りの感情と向き合うことができるようになっていきます。
お母さんお父さんが「ガミガミ気分」を減らすポイント
子どもだけでなく、お母さんお父さんも、日頃から「怒り」の感情と向き合いながら生活していることと思います。
「なんだかいつもガミガミしてしまう」というお母さんお父さんは、自分を怒らせている正体を知ることが大切です。
自分を怒らせている正体。
それは、「時間は守るべき」「あいさつは元気にするべき」などといった、自分の価値観です。
これが裏切られたと思ったときに、怒りを感じるのです。
ガミガミ気分を少しでも減らすためには、たとえば子どものオモチャの片づけについて「遊んだオモチャはすぐに片づけるべき」といった自分の価値観の許容ゾーンを、少し広げてみることをおすすめします。
子どもが遊んだオモチャをすぐに片付けなかったら叱るのではなく、「『ママ(パパ)といっしょに片づけよう』と言えば片づけるならOKにしよう」などという新しい基準をつくると頭の中が整理され、“いつもガミガミ”から解放されるのではないでしょうか。
「怒り」は自然な感情です。
ついカッとなってしまって「またやっちゃった……」と、自分を責めるのでなく、怒りの感情と上手に向き合いながら言葉のキャッチボールを重ね、家族の絆を深めていきましょう。
・「怒り」の感情をネガティブにとらえないようにしよう
・子どもの興味・関心に合わせ、体験スポットを探す
・「べき」を知ってガミガミ気分を減らそう
子どもが自分の気持ちを抑えられずに爆発してしまい、取り乱し、落ち着かせてあげるのが難しかった経験は、親ならば誰でもあるのではないでしょうか?今回は、そうなった時の子どもの「心」を知ることの大切さが分かりました。「なぜ」怒ったのか、何があったのかを親はしっかりと把握したり、聞き出したりすることが大切ですね。また、落ち着かせるためのテクニックも知ることができました。子どもの怒りを落ち着かせるための「アンガーマネジメント」を学び、子どもの怒りと真摯に向き合ってみてはいかがでしょうか?
(参考文献)
「怒りやすい子の育て方」(菅野昭子:著、かんき出版)
「怒りをコントロールするアンガーマネジメント」(戸田久実:監修、育児情報誌miku)
「感情のコントロールができない子どものための5トレーニング/アンガーマネジメント」(出典:ソクラテスのたまご)