子どもが自分で考えるようになる!?親の声かけポイント!!
更新日: 2023.01.04
投稿日: 2021.06.25
超情報化社会の現代、価値観の多様化やグローバル化が進むなか、これからを生きる子どもたちに必要な力のひとつとして注目されているのが、「課題解決力」です。
子どもの課題解決力は、一朝一夕で身につくものではありません。
家庭での親子の関わりや対話などを通し、少しずつ育まれていくものです。
子どもにとっての「課題」が出てきたとき、それをどのように受け止め、その課題を解決していくために、親はどのように関わっていけばよいのでしょうか?
子どもと対話を重ねるときのOKポイント、NGポイントを紹介します。
もくじ
子どもの課題解決力を育む4つのステップ
課題解決力とは、その言葉どおり、自分の前に問題や課題が立ちはだかったときに状況を正確に把握して情報を集め、自分の力で解決方法を考え、実行する力のことです。
小学校の学習指導要領にも出てくる課題解決力は、4つのステップで育むことができます。
学校の勉強を例にあげて紹介します。
①課題を発見し、認識する
②情報を収集し、原因を分析する
③解決策を考え、実行する
④結果を振り返って、評価をする
STEP1 課題を発見し、認識する
たとえば国語のテストで思うような点数がとれなかった場合です。
なぜこのような結果になったのかを考え、「漢字問題での間違いが多い」など、具体的な問題を把握していきます。
STEP2 情報を収集し、原因を分析する
漢字問題での間違いが多い原因を、漢字ノートや教科書などを見ながら考えます。
・漢字練習をあまりしていない
・ノートを見ると、練習の時に書き順が間違っている
など、具体的にあげることで、間違えた原因がわかります。
STEP3 解決策を考え、実行する
・漢字練習をあまりしていない→これまでよりも5回ずつ多く練習する
・書き順が間違っている→漢字練習の時に親がつきそい、書き順をチェックする
など、原因の解決策を考え、実行に移します。
STEP4 結果を振り返って、評価をする
良くても、悪くても、国語のテスト結果を振り返ります。
今回は、思うような結果が出なかったことを前提に説明します。
・なぜその様な結果になったのか→5回ずつ多く練習した回数では十分でなかった
・次回どの様に改善するか→5回ずつ多く練習した回数を10回ずつに増やす
など、改めて原因と今後の改善策を考えます。
そして、また「STEP1 課題を発見し、認識する」に戻ることで、課題解決をするための好循環が生まれます。
幼児期、学童期の子どもが自分ひとりの力でこれらのステップを踏んでいくのは困難です。
親が子どもに問いを投げかけ、対話を重ねながら子どもが自分で考え、課題解決への道しるべを探っていくことが大切です。
子どもが自分で考えるようになる親の声かけポイント〜生活編〜
子どもの課題解決力を育むために必要なのは、日々の暮らしのさまざまな場面で子どもが「自分で考える」機会を増やすことを意識し、その場その場で適切な言葉をかけることです。
以下、日常にありがちなシーンをあげ、OKの言葉かけ、NGの言葉かけを紹介していきます。
まずは、日常生活編です。
〇親子で話し合って約束したお手伝いをしないとき
〇食器など、家のものを誤ってこわしてしまったとき
〇友達と遊び、約束した帰宅時間が守れないとき
親子で話し合って約束したお手伝いをしないとき
NGの言葉かけ 「お手伝い、もうしなくていいから!」
↓
OKの言葉かけ「最近お風呂掃除してくれないけど、どうしたのかな?」
「いつだったら手伝いできそう?」
【ポイント】
「もうしなくていいから!」と突き放してしまうと、子どもの心が傷つくだけで考える力が育ちません。
子どもなりの「できない理由」を聞き、親子でその解決策を一緒に考えてみましょう。
食器など、家のものを誤ってこわしてしまったとき
NGの言葉かけ 「どうするつもり?! 謝りなさいよ!」
↓
OKの言葉かけ「うっかり落として割っちゃったのね。今度から気をつけよう。どうしたらいいと思う?」
【ポイント】
叱りつけると、子どもは萎縮するだけ。
「失敗は成功のもと」ととらえ、どうしたら失敗しないようになるか一緒に考えるなど、失敗から学べるような導きをしましょう。
友達と遊び、約束した帰宅時間が守れないとき
NGの言葉かけ 「遅いじゃない! こんな時間まで何やってたのよ!」
↓
OKの言葉かけ 「ママ心配したよ。どうして遅くなったのかな?約束の時間どおりに帰ってくるためにはどうしたらいいと思う?」
【ポイント】
責め立てるのではなく、心配していた気持ちを伝え、理由を説明する余地、改善する余地を与えましょう。
子どもが自分で考えるようになる親の声かけポイント 〜園・学校・習い事編〜
続いて、園・学校・習い事編です。
〇友達とケンカして気まずくなり、悩んでいるとき
〇習いごとの進級テストで合格できなかったとき
〇苦手な教科の勉強がはかどらないとき
友達とケンカして気まずくなり、悩んでいるとき
NGの言葉かけ 「そんな子と遊ぶのは、もうやめなさい!」
↓
OKの言葉かけ 「お友達とケンカしたのね。どんなことができるのか、一緒に考えてみようか」
【ポイント】
子どもと同様、子どもの友達を否定するのはNGです。
子どもに考えさせ、なるべく子ども同士で解決できるような関わりを心がけましょう。
習いごとの進級テストで合格できなかったとき
NGの言葉かけ 「だめじゃない! 次は絶対合格しなさいよ!」
↓
OKの言葉かけ 「こういうところは前より進歩したよね。どうしたらうまくいくか、考えてみようか」
【ポイント】
「不合格だった」という事実にとらわれず、未来に向けてできることを子どもと一緒に考えましょう。
苦手な教科の勉強がはかどらないとき
NGの言葉かけ 「できないなんて言わないで、さっさとやりなさい!」
↓
OKの言葉かけ 「どんなところがわからない?ママに教えて」
【ポイント】
子どもの勉強に、無理強いは禁物です。
苦手教科のつまづきポイントを聞き、その克服のためにはどうすればよいかを考えましょう。
場面に応じたこのような言葉がけにより、自分で考える力とともに、課題解決力を育むことができます。
・課題解決力は、親子で対話を重ねることにより育まれていく
・日常のあらゆる場面で子どもが「自分で考える」機会を意識する
・子どもを否定、強制するような言葉はNG
情報化社会が進み、たくさんの変化が伴う社会の中で、自分自身で「課題解決」する力が必要なってくることが分かりました。
この課題解決力を身に付けるためには、子どもが小さな時に親がどの様な関わり方をしたのかが大切になってきます。
なぜなら、小さい時ほど、子どもは課題が何かを理解する力が弱いからです。
そこで親として大切にするサポートとして、頭ごなしに物事を伝えるのではなく、まずは子ども自身に考えさせるような問いかけをして、寄り添ってあげましょう。
また、子ども自身がそれでも課題を分からない時は、ヒントを与えることや、お父さん、お母さんだったら〇〇するかなの様に伝え、一緒に話し合い、考え時間を設けていきましょう。
(参考文献)
・「課題解決能力」育成のためのハンドブック(出典:神奈川県立総合教育センター)
・叱りゼロで子どもは自分でできるようになる!(原田綾子著 PHP研究所)
・ベネッセ教育情報サイト|子どもの課題解決力を育む対話とは(石川尚子執筆)