あなどれない!レジャーの前に知っておきたい虫さされ対処法
投稿日: 2024.08.23
子どもの外遊びにつきものの「虫さされ」。
たかが虫さされ…とあなどっていると、炎症やアレルギー反応をおこすこともあるので要注意です。
特に山や公園などの緑が多いところに行く時は、予防と対策をしっかりして、子どもの虫さされを最小限にしたいですね。
今回は虫さされ予防のための工夫ポイントや、さされた時の対処法を紹介します。
もくじ
子どもは虫に狙われやすい?どんな虫にさされるの?
子どもは虫にさされやすいといわれますが、なぜなのでしょうか。
そして「蚊」だけではない、かゆみの原因となる虫はどんなものがいるのか、解説します。
子どもが虫にさされやすいのはなぜ?
「蚊」は、体温や汗、吐く息の二酸化炭素などに反応して人を感知しています。
子どもは大人に比べて体温が高く、汗をかきやすいので蚊にさされやすいのです。
また子どもは遊びに夢中になっていると、さされていることに気づかないことがあり、対処が遅くなることも。
子どもが虫にさされた後は、「赤くなる」「かゆみ」「腫れ」などの反応が、大人より強く出る傾向があります。
虫にさされたら、症状を悪化させないためにも、早めに患部を冷やしたり薬を塗りましょう。
「たかが虫さされ」とあなどっていると、かきこわした傷口か「とびひ」に感染することもあります。
普段から爪は短く切り揃え、子どもがかきこわさないような対処が必要です。
虫さされの原因になる「虫」とは
子どもがさされる虫は「蚊」が一番多いといわれますが、自然の中には、さされるとかゆみを起こす虫がたくさんいます。
【ブヨ】
生息場所:山野、渓流など
症状:強いかゆみと腫れがあり、さされた部分が熱くなることも。
【ダニ】
生息場所:主に家の中
症状:強いかゆみと赤く小さな発疹
【ハチ】
生息場所:屋外のどこでも
症状:強い痛みと腫れ。アレルギー反応やアナフィラキシーというショック症状を起こすこともあるので要注意。
【毛虫】
生息場所:山野、公園、人家周辺
症状:小さな発疹と強いかゆみ
虫さされを予防するポイントとは?
外遊びをしていたら、なかなか避けられない虫さされですが、予防するポイントがいくつかあります。
○ 時間帯に注意
○ 虫をよせつけない服装
○ 虫よけの選び方
○ 汗対策とにおい対策
時間帯に注意
蚊やブヨがもっとも活発になるのが、日没前後〜夜にかけての時間帯です。
日本に多く生息する「ヒトスジシマカ」が最も活動的になるのは、気温25〜30度の時。
35度をすぎると、植木の葉の裏などの日陰に身を隠し、涼しくなる時間帯に活発に動き始めます。
蚊は35度以上の猛暑日が続くと死亡率があがり、秋が近づくと再び増加するので要注意です。
夕方以降に公園や山野で活動する際は、虫よけ対策をしっかり行いましょう。
虫をよせつけない服装
蚊やハチ、アブなどは黒い色に反応するといわれるので、黒や紺の濃い色の服は避けましょう。
白黒のボーダーの服なども、黒がより目立ってしまうので避けた方が無難です。
また肌の露出を少なくした方が、虫さされの危険度は下がります。
暑い季節であっても、涼感素材の長袖や長ズボンで対策をしたいもの。
その際、襟や袖口、足首から虫が侵入しないようにすることも大切です。
虫よけの選び方
ドラッグストアなどで手に入る虫よけスプレーの成分は、主に「ディート」と「イカリジン」の2種類があります。
「ディート」は虫よけ効果のある虫の種類が多いかわりに、濃度が12%以下なら生後6ヶ月以上から、30%以下なら12歳以上から使用可能といった年齢に制限があります。
「イカリジン」には年齢による制限はありませんが、対象の虫の種類が少ないことが注意点です。
それぞれ特徴があるので、訪れる場所や子どもの年齢によって使い分けましょう。
また最近は、ユーカリやハッカなどの天然成分を使った虫よけもありますが、「レモンユーカリは3歳以下の子どもには使えない」などの細かい決まりがあります。
使用可能年齢や効果のない虫などをチェックしてから購入するといいでしょう。
虫よけを子どもに使用する際は、
・塗り残しがないように、まんべんなく広げる。
・目や口の周り、傷口、粘膜には塗らない。
・2〜3時間ごとに塗り直す(ディード配合のものは回数に制限あり)
・日焼け止めと併用する際は、先に日焼け止めを塗ってなじんだ頃に虫よけを塗る。
などに注意しましょう。
汗対策とにおい対策
蚊やアブは汗の匂いをかぎわけて人に寄ってきます。
子どもが汗をかいたら、タオルや汗ふきシートなどで汗をこまめにふきとったり、早めに着替えさせると汗の匂いが残りにくくなるでしょう。
また蚊は、人の体にある常在菌の「菌のにおい」にも集まってきます。
在来金は特に足の裏や指の間に多く、そのにおいを目指してくるので、サンダル履きなどの場合、足の裏や指の間を除菌シートや消臭シートで拭き取っておくと虫さされ予防になります。
少しでも虫を子どもに近づけないために、小さなことから気をつけたいですね。
さされたらどうする?虫さされの対処法とは
さまざまな努力をしても、虫を避けられない時もあります。
虫にさされた時は、すぐに下記の処置をしましょう。
まずは流水で洗い流す
虫にさされたら汚れた手などで触らず、患部から雑菌が入らないよう、すぐに流水で洗い流しましょう。
ハチや毛虫にさされた時は、粘着テープや毛抜きなどで針をそっと抜き取り、同じように患部を流水で洗います。
ハチやアブなど毒素の強い虫にさされたら、傷口を強くつまんで、毒をしぼり出すように洗いましょう。
患部を冷やす
虫にさされた部分は赤くなったり、かゆみが出ることもあります。
そこを冷やすことで炎症を抑えて、痛みやかゆみ、腫れなどを抑える効果もあります。
冷やしたタオルや保冷剤などで冷やしておけば、かきこわし予防にもなりますね。
子どもが嫌がる時は、無理に冷やさなくても大丈夫です。
薬を塗る
さされた患部を洗って冷やしたら、早めに薬を塗っておくと症状が軽くすみ、早めに治ります。
虫さされには、かゆみを止める「抗ヒスタミン成分」が入った塗り薬や軟膏などをつけておきましょう。
かゆみが強く、赤みや腫れもある場合は、抗ヒスタミン成分が入った「ステロイド軟膏」を塗ってもいいですね。
腫れや痛みが続いたり、患部に熱が残る場合は、皮膚科を受診しましょう。
2度目のハチさされに注意!アナフィラキシー・ショックとは?
一度ハチにさされると、体内に抗体ができ、2回目にさされた時に過剰に免疫反応を起こすことがあります。
これが「アナフィラキシー・ショック」です。
ハチにさされてから15分以内に、さされた患部以外の赤い発疹や呼吸困難、じんましん、皮膚が赤くなる、唇や口の中やまぶたの腫れなどが見られたら、すぐに救急車を呼びましょう。
一度回復したかに見えても、またぶり返すことがあるので、アナフィラキシー・ショックの症状が見られたら、必ず医療機関を受診してください。
一度ハチにさされたことがある人は特に、虫さされ対策をしっかり行うことが大切です。
・虫さされは炎症やアレルギー反応、「とびひ」などの原因になることもあるので要注意。
・子どもは体温が高く汗をかきやすいので、蚊に狙われがち。
・虫さされの予防ポイントは、「服装」「時間帯」「汗対策」「虫除けの選び方」。
・虫にさされたら、まずは流水で洗い流し、患部を冷やして薬を塗る。
(参考文献)
・トムソーヤクラブ | 虫さされ対策で大切なこと
・バルサン | 赤ちゃん、子ども向けの蚊・虫除け対策を紹介!虫除け剤の剪定ポイントは?
・ロート | 「虫刺され」の予防法・対処法を解説
・NHK 首都圏ナビ | この夏 蚊が少なかった? その理由は連日の猛暑? 蚊も夏バテ?
・CBC magazine | 「蚊」に刺されないための対策を体を張って実験 ポイントは「足のにおい」?
・慶應義塾保健管理センター | 応急処置の方法
・くすりと健康の情報局 | 虫さされの対策