子どもの思わぬ歯のケガ!どうすればいいの?
更新日: 2023.09.21
投稿日: 2023.09.20
子どもは行動が活発になってくると、日々の遊びやスポーツの中で、歯が欠けたり折れたりするようなケガをすることもあります。
そんなとき、親はどのように対処したらいいのでしょうか。
また、本格的にスポーツを行うことで、お口の中のケガ予防としてマウスピースを装着するケースもあります。
マウスピースはどんなスポーツでどのタイミングで装着すればよいのでしょうか。
保護者が知っておきたい、子どもの歯やお口周りのケガと対処法、スポーツ用マウスピースについて、日本初のマウスピース研修講師、穴沢有沙さんに聞きました。
大手歯科医療法人、都市銀行での勤務経験を経て、日本初のマウスピース矯正歯科講師として独立。
最新のマウスピース矯正を学び続け、全国のクリニックで独自のカリキュラム研修を行っている。
もくじ
スポーツ中や日常生活で起こる歯のケガとは?
公園で遊んでいるときに友達とぶつかって口を切ったり、ドッチボールをしていて口にボールが当たった衝撃で歯がグラグラしたりetc.
子どもは、スポーツ中や日常生活の中で、歯や口の周りにケガを負うことがあります。
どのような場面で歯をケガしやすいのでしょうか。以下、場面別に紹介します。
走っている最中に転んだり、自転車に乗っているとき
子どもは動きが活発ですが、まだ先を予測する力が十分に備わっていません。
そのため、園庭や校庭で縦横無尽に走り周っているときに友達とぶつかって転んだり、ブランコなどで遊んでいるときに転倒し、歯や顔面をぶつけてケガをすることがあります。
また、自転車運転中の転倒も、ケガの危険性があります。
スポーツをしているときに相手と接触したり、ボールが当たったりしたとき
サッカーやラグビー、空手や柔道など、相手と接触するスポーツの最中にぶつかって歯をケガすることもあります。
また、ドッチボールで相手からのボールを受け取ろうとしてボールが口に当たったり、野球でキャッチャーの子が、地面にバウンドしたボールが口に当たったりして歯をケガするケースも少なくないようです。
スポーツのトレーニング等で歯を食いしばるとき
運動やスポーツでは、食いしばることで力を発揮します。
そのため、スポーツをしているときはもちろん、トレーニングの際に歯を食いしばることで、歯の一部が欠けてしまうこがあります。
口と歯のケガというのは、からだの他の部位に比べても、最も発生頻度が高いものです。
特に歯をぶつけるなどの外傷は、3人に1人の子どもが経験すると言われるほどで、前歯を失う原因の第一位です。
また、近年、コロナ禍も影響もあり子どもの運動不足が問題となっています。
適度に運動していないと体のバランスを崩したときに手をついて転ぶことができず、「顔から転んで歯をケガする」というケースも増えているようです。
子どもがスポーツや運動、遊びで体を動かすことは心身の健康にとって大切なことです。
「ケガを恐れて運動をしない」のではなく、保護者がケガの可能性を認識しつつ、転倒してもケガをしにくい体づくりを心がけましょう。
子どもが歯をケガしたときの対処法 4つのポイント
子どもが歯をケガしたとき、親はどのように対処すればよいでしょうか。以下、大切なポイントを4つ紹介します。
なるべく早めに歯科医院を受診する
・ 出血している。
・ 歯が抜けてしまった。
・ 歯の一部が欠けてしまった。
・ 歯が曲がったり傾いたりしている。
以上の症状が出ている場合は、なるべく早めに歯科医院を受診しましょう。
抜けた歯は、牛乳に浸して歯科医院に持参する
歯には歯根膜という、歯の根っこと骨をつなぐ組織があります。
この歯根膜はとても乾燥に弱く、約30分で半分以上、約120分で大半が死滅してしまうと言われています。
歯が抜けたり折れたりしたら、乾燥させず、コップやタッパーに牛乳を入れ、そこに抜けた歯を入れて歯科医院に持参しましょう。
歯が抜けてからの時間が短ければ短いほど、もう一度歯を戻して残せる可能性が高くなります。
歯がグラグラしている場合は歯科医師の診断を仰ぐ
転ぶなど歯に外力が加わり(外傷)歯がグラグラしているときは、力のかかり方により、歯にさまざまな影響を及ぼします。
例えば、乳歯の時期に外傷で歯に垂直的な強い力が加わると、乳歯の下にひそんでいる永久歯に影響が出たり、永久歯の時期に強い力が加わると、歯の根っこに影響がでることもあります。
斜めから力がかかると、欠けることもあります。
いずれにしても「たいしたことはないだろう」と自己判断せず、歯科医院を受診し、診断を仰ぎましょう。
歯の周りから出血している場合は、治療後の食事に気をつける
転倒時に歯をぶつけると、唇や頬の内側などを切ってしまうことがあります。
傷が軽度の場合は、口の中を清潔にしておくことでじきに治っていきます。
しかし、出血が多い場合はしばらくガーゼ等による止血を行い、傷口が深い場合は縫合を行うこともあります。
いずれにしても、口の中は暗くて家庭では判断がつきにくいため、歯科医院への受診をおすすめします。
痛みがおさまるまでは、おかゆ、うどんのような柔らかくて食べやすい食事が良いでしょう。
ただし、あまりにも熱いと患部を刺激してしまうため、食事の際はよく熱を冷ましましょう。
香辛料が多く刺激の強い食べ物を食べると傷口が強く傷んで負担がかかることがあるので、避けるのが無難です。
スポーツ用マウスピースによる歯のケガの予防効果は?
子どもが小学生〜中学生になり本格的にスポーツに取り組む場合、スポーツの種目によっては歯のケガを予防するため、スポーツ用マウスピースが必要になることもあります。
マウスピースの装着が必要なスポーツは、
・ ラグビー
・ アメリカンフットボール
・ ラクロス
などとされています。
ただ、ラグビーでは、小学校低学年のうちは危険度の高い「タックル」を「タグ」に置き換えルールを単純化して行うことが多く、その際は、スポーツマウスピースの装着は必要ありません。
公式に装着を義務づけられてはいないものの、スポーツ用マウスピースが推奨されていたり、よく使用されていたりするスポーツも多く、バスケットボールやサッカー、体操、柔道、水球などで使用されるケースもあります。
いずれにしても、スポーツ用マウスピースの装着については、コーチなど指導者の指示に従うのがよいでしょう。
スポーツ用マウスピースを装着することで、
・ 口腔内のケガの防止、軽減。
・ 瞬発力や集中力を高める。
などのメリットが期待できます。
スポーツ用マウスピースには、スポーツ用品店やオンラインショップで購入できるものもありますが、より自分にぴったりと合う、使い心地の良いものを求めるのであれば、歯科医院で型をとって作成するのが安心です。
自分用に作成したマウスピースは、スポーツ中にもはずれにくく、呼吸を妨げたり違和感を感じたりなどのトラブルも少ないものです。
高学年になり、本格的にスポーツに取り組みスポーツ用マウスピースに興味がある、使ってみたいという場合は、歯科医院に相談するとよいでしょう。
・子どもの歯のケガを防ぐためには、日頃からの運動能力向上が大切。
・歯にケガをしたときは、なるべく早めに歯科医院を受診する。
・スポーツに本格的に取り組む場合はスポーツ用マウスピースの使用を検討しよう。
・横浜関内矯正歯科ブランシュ
https://yokohama-kannai-invisalign-kyouseisika.jp/
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・株式会社Blanche
https://dh-blanche.com/
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・日本歯科社会教養推進機構(JDL)
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