子どもとウィンタースポーツを最高に楽しむ方法
更新日: 2023.01.04
投稿日: 2023.01.13
寒い季節はおウチでぬくぬく過ごす…のもいいけれど、冬だからこそウィンタースポーツを親子で楽しむチャンスです。
自然のなかで、五感への刺激を受けながら行うウィンタースポーツは、子どもの体幹を鍛え、基礎体力を育む最高の機会。
さぁ今年こそ親子でウィンタースポーツをやってみましょう!
もくじ
冬の外遊びが大切な理由とは?
寒い時期にあえて外で体を動かすのは、子どもの体や成長にとって大切なことです。
では冬の外遊びがなぜ子どもにプラスになるのか、その理由と影響について考えます。
外遊びが子どもに与える影響は大きい
どんなスポーツにおいても必要な「バランス感覚」「瞬発力」「持久力」などの運動能力は、自由な外遊びでしっかり身につきます。
制約がなく、興味のあることに次々チャレンジできる外遊びは、「走る・飛ぶ・登る・つかむ・押す」など基本的な動作の集大成だからです。
また決まった動きがないため、体の様々な部位がバランスよく鍛えられるのも大きなポイント。
そして温度や湿度がコントロールされた快適な室内ではなく、寒かったり風が吹いたりする屋外で、「寒い・冷たい」と肌で感じ、五感を刺激することは子どもの体と脳の成長にとても大切です。
また体を動かして内側から温まると、血液やリンパの流れもよくなり、さらに元気になりますね。
心と体を成長させる「雪育」
「雪育」とは、雪遊びやスキー、スノーボードなどの雪上で楽しむウィンタースポーツを通して子どもの身体の成長を促し、子どもの心を豊かに育てること。
ウィンタースポーツを楽しむ場所は、自然豊かな非日常の環境が多く、雪に触れることで「冷たい」「ふわふわ」「押すと硬くなる」など、様々な感覚を味わうことができます。
また雪の上は歩くだけでも体幹をしっかり固定し、バランスを取らないと前に進みません。
そりやスキー、スノーボードは滑りながら瞬時に判断して方向を決めたり、止まったり、障害物をよけたり、判断力や反射神経が求められます。
もちろん上手に滑れるようになるまでに、忍耐力ややり抜く力も備わり、上手に滑れた時には達成感や満足感につながるでしょう。
このように非日常環境で行うウィンタースポーツには、身体の成長を促す運動面と、精神面・情操面を育てる要素がたくさん詰まっているのです。
ウィンタースポーツがおすすめな理由
寒い時期は家に閉じこもり、温かい場所でゆっくり過ごしたくなるもの。
特に大人は、「寒くて風邪をひいてしまうかも」「冬はウィルスが心配」と、子どもの外遊びに、あまり積極的になれないかもしれません。
しかしウィンタースポーツを親子で楽しめば、基礎体力もつき、ストレス発散により免疫力も高まって、風邪を寄せ付けない体になります。
また親子で同じスポーツに取り組むことで共感も生まれ、家族の思い出も増えてよいこと尽くしです。
おすすめのウィンタースポーツの紹介
今や日帰り旅行や道具レンタルで気軽に楽しめるようになった、ウィンタースポーツ。
この冬、親子で楽しめるウィンタースポーツをご紹介します。
雪遊び
雪の感触を楽しんだり、雪だるまを作ったり、雪合戦をしたり、親子で「雪」を堪能するなら雪遊びが最適です。
雪の上は足元が不安定なため、歩いたり走ったりするだけでも運動強度が高まり足腰が鍛えられます。
雪遊びなら雪さえ降れば家の近くの公園や広場でも十分ですが、せっかくなら雪遊び用のキッズパークが設置されたスキー場に行くのもの楽しいですね。
スキー
スキーは初めてでもポイントさえおさえれば、比較的、子どものウィンタースポーツ・デビューには最適です。主なポイントは、スキー板をハの字(通称:ボーゲン)にする、左右の体重移動で曲がれるなどです。
また、スキー板は一定の衝撃が加わるとすぐに外れるようになっているので、捻挫や骨折の危険性も低くて安心です。
最初はゆるやかな坂で練習し、1〜2時間で慣れてきたら、小さめのリフトに乗って滑ることもできます。
スノーボード
左右の足を板に固定させ、体の向きと進む方向が違うスノーボードは、スキーに比べると転倒することが多くなります。
スノーボードデビューをさせるなら、他のボーダーやスキーヤーが少ない初心者向けのゲレンデを選んだり、子ども向けのゲレンデのあるスノーリゾートを選びましょう。
家で基本の姿勢「ゴリラのポーズ」や前足重心を練習しておいたり、頭をガードしながらの尻もちなどを習得しておくと安心です。
「スキーとスノーボードはどちらから始めた方がいいか」という疑問は、一般的にはスキーから始めてスノーボードに移行する人の方が多いですが、子どもの興味に合わせてもいいでしょう。
そり
子どもの遊びの延長に見えるような「そり」ですが、実は体全体の筋肉を使う立派なスポーツ。
視線が地面に近いため、迫力あるスピードも感じられて、小さなお子さんでも楽しめます。
そりの方向転換には微妙な体重移動が必要で、体勢を維持する体幹や全身のバランス力も求められ、「乗馬」に近い筋肉運動になっています。
滑り終わったら、そりを持って坂道を上るという動きも、心肺機能や筋力のアップにつながります。
スケート
都心部でも楽しめるウィンタースポーツといえば、スケート。
氷上を転ばないように滑るため、バランス感覚を身につけ、体幹を鍛えることができます。
まずは歩く練習をさせて、子どもが怖がらなくなってから氷の上で滑るようにします。
最近は子どもでも簡単に立てる2枚刃のスケート靴が用意されているスケート場も多いので、行く前に問い合わせてみましょう。
つい子どもが泣いたりぐずったりすると抱き上げてしまいがちですが、親が転ぶとより危険性が増すので、抱っこではなく手を引いて誘導するのが鉄則です。
年齢別! ウィンタースポーツおすすめの種目とは
ボードやブーツを使うウィンタースポーツは、転倒やケガを伴うこともあり、始める年齢の目安を知っておくといいですね。
ここでは年齢別におすすめの種目を紹介します。
3歳〜年中へのおすすめは
ゲレンデデビューは2歳頃を目処に、子どもが小さいうちは「雪遊び」や「そり」から始めるのがいいですね。
まずは雪の感触を味わい、雪の上で追っかけっこをしたり、雪合戦やそりをしながら雪遊びの楽しさを堪能しましょう。
3〜4歳になれば、スキーデビューにもちょうどよい年齢。
レンタルのスキー板は90cm〜、ブーツは15cm〜貸し出しているところが多いので、わが子のサイズを見てスタートする時期の参考にしましょう。
ちなみにスキー板は身長からマイナス10cm程度、ブーツは厚手の靴下をはくので0.5〜1cm大きめを選びます。
またスケートも3歳頃から始められるウィンタースポーツ。
スケート靴は15cm〜貸し出しているところが多いので、少し厚手の靴下を履かせて、靴の中で動かないぴったりサイズを選びましょう。
年長〜小学3年生へのおすすめは
5〜6歳頃になれば筋力もついてくるので、スノーボードデビューもできる年齢。
ボードの長さは子どもの目の高さを目安にします。
スノーボードのレンタルも、ボードは90cm〜、靴は17cm〜貸し出しているところが多いので、子どもの体のサイズを見てデビュー時期を見極めましょう。
また、フィギアスケートも5〜6歳から始める人が多いようです。
小学校に入学する頃になると、指導者の話もよく理解できるようになるので、少しずつ競技スポーツに挑戦するのもいいでしょう。
小学校4〜6年生へのおすすめは
小学校の高学年から始めても遅くはありません。むしろ体の使い方が身に付いているので、習得も早いです。親子で一緒に滑るのも楽しいですね。
また、幼い頃から馴染んできたウィンタースポーツなら、この頃まで続けると、かなりの腕前になっている子も多いでしょう。
例えばスキーやスノーボードなら、検定を受けてみる、競技大会に参加してみるなど、一つ先のステップに進んでもよい時期かもしれません。
自分の実力レベルが数値化でき、モチベーションが高まります。
知っておくと便利なウィンタースポーツ基礎知識
子連れでウィンタースポーツを楽しむには、ちょっとしたコツがあります。
ここでは知っておくと便利な基礎知識をまとめました。
安全面で気をつけること
スキーやスノーボード、スケートでは、必ずと言っていいほど転びます。
手袋やヘルメットは必ず装着し、必要であれば肘や膝などのプロテクターもつけましょう。
転びそうになったら、まずは低い姿勢になり、手で支えようとせずに体ごと転ぶようにするとケガが少なくなります。
また「危ないと思ったら自分から転ぶ」「転ぶことは恥ずかしくない」と子どもにしっかり伝えておくと、スピードが出る前に自分の意思で転ぶことができ、ケガや事故も少なくなります。
そして子連れだとちょっぴりコツが必要な「リフトの乗り方・降り方」。
実は大きめの高速リフトの方が、乗り場での速度がゆっくりになるため、初心者向きです。
最初は大人が子どもの体を支えたり、持ち上げながら乗せてあげましょう。
そしてリフトから降りる時が、意外と緊張するもの。
まずは後続の人の邪魔にならないよう真っ直ぐに滑って、リフト降り場から少しでも遠くに行くことが大切です。
子どもの集中力は就学前なら1〜2時間、小学生でも3〜4時間と考えておきましょう。
疲れたり、体調不良の時に雪遊びやウィンタースポーツをすると、注意散漫になり事故やケガにつながりやすくなります。
必ず子どもの体調を優先し、集中力が途切れないよう休憩を取ることが大切です。
服装や道具はどうする?
子どものうちは足のサイズや背がどんどん大きくなるので、スキーやスノーボードなどの道具類は、子どもにぴったりなサイズをレンタルするのもおすすめです。
1シーズンで何度も行くようなら、シーズンレンタルでもいいでしょう。
子ども用のスキーやスノーボードを一式借りると、1日で2,500〜4,000円程度。
シーズンレンタルなら1シーズン10,000〜15,000円が相場で、最新モデルだと少し高めの料金設定になるようです。
ウェアのレンタルもできますが、袖やズボンの長さが調節できるものなら2〜3年着られる可能性もあるので要検討です。
また手袋・帽子・ゴーグルは肌に直接触れるものなので、基本的にレンタルではなく各自で用意しましょう。
「子どもにゴーグルは必要?」という声も聞きますが、晴れた日の雪の反射は想像以上に強いもの。
目を痛めないためにもゴーグルは必ず装着し、必要なら日焼け止めも塗りましょう。
ウィンタースポーツだからといって、ウエアの下に厚着をしすぎると、汗をかいて体が冷えてしまいます。
下着やタイツは速乾性のある薄手のものを重ね着し、脱ぎ着で調整できるようにするといいですね。
親が未経験でも大丈夫
親が未経験だと、つい足が遠のきがちなウィンタースポーツ。
しかし親子で新しいスポーツに挑戦する機会ととらえ、親子でスクールに入るのもよい経験です。
また子どもが小さいと「親が教えた方がいいのでは」と考えがちですが、特にウィンタースポーツはプロにお任せした方が上達も早くて安心。
同じ年齢くらいの子と一緒に切磋琢磨しながら習うと、子どもにも刺激があって成長を促します。
スクールによっては、家族単位で教えてくれるファミリーレッスンを設けているので、リサーチしてみましょう。
自然のなかで体を動かすことの大切さとは
スキーやスノーボード、雪遊びなどのウィンタースポーツは、冷たい風を頬に受けて滑り下りながら、時には雪が降ってきたり、朝と昼の寒暖差を体感したり、まさに自然を感じながら行うスポーツです。
リフトを上れば、遠い山々まで見渡すことができ、日常生活では感じられない自然の美しさや厳しさも目の当たりにするでしょう。
一面の銀世界で、転びながらも自力で山を滑り降り、スピードと風を感じる体験は、この時期のウィンタースポーツでしか得られない特別なもの。
そんな環境で家族一緒にスポーツを楽しめば、絆が深まり、大切な思い出の1ページを刻むことができます。
そして知らないうちにバランス力や体幹が鍛えられ、判断力がつき、達成感も得られるなど、さまざまな学びがぎっしり詰まっています。
家族一緒にウィンタースポーツを楽しめる期間は、そんなに長くはありません。
今年こそ思い切って、家族でゲレンデデビューを果たしましょう。
・雪育は、ウィンタースポーツを通して子どもの身体の成長を促し、子どもの心を豊かに育てること。
・家族でスノーリゾートに出かけ、一緒にウィンタースポーツを楽しむことで家族の絆も強くなる。
・雪遊びやそりも、バランス感覚を養い体幹を鍛える立派なスポーツ。
・スキーは3〜4歳頃から、スノーボードは5〜6歳頃からデビューできるウィンタースポーツ。
・親が未経験でもスクールなどを上手に利用して、家族でウィンタースポーツを楽しもう。
(参考文献)
天気jp | 雪育ってなに?スキー・スノーボードに子供の自律性を発達させる効果あり!
FQ Kids Learning | 雪による自然体験は幼少期からがおすすめ!心と体を急成長させる5つの効果
Chiik! | 寒いからこそ外に出よう!雪の中で子どもと楽しむウィンタースポーツ
北翔大学北方圏障害スポーツ研究センター | 雪を楽しむ外遊びプログラム スノーゲーム