Leifras SPORTS SCHOOL

【夏休み特別インタビュー】元プロサッカー選手の萬代先生が語る子どもたちとサッカーへの想い

2022.08.19

夏休みの特別企画として「子どもの成長」をテーマにインタビューを実施いたしました!
最後となる第三弾は元プロサッカー選手でリベルタサッカースクールの指導員である萬代先生です♪

子どもたちと分かち合う、サッカーの楽しみ

元プロサッカー選手の萬代 宏樹さんが今年1月、地元・仙台のリベルタサッカースクールの指導員に就任し、地域の人々も元プロ選手の指導を受けられると沸いているそう。元々「子どもが大好き」と話す萬代さん。現役時代を振り返りつつ、指導していく子どもたちに寄せる思いを語ります。

【プロフィール】
1986年2月19日生。宮城県仙台市出身、福島県二本松市育ち。現役時代のポジションはFW。福島県立福島東高等学校卒業。2004年ベガルタ仙台に入団し、ジュビロ磐田、モンテディオ山形などへ移籍し、Jリーグチームで活躍。昨年11月、JFLのラインメール青森FCを最後に引退。今年2月より、宮城のリベルタサッカースクールにて指導を行う。

みんなが慕う萬代先生。これまでの軌跡。

夢を現実したふたつの出会い。

—いつ頃、プロのサッカー選手を目指すことを意識し始めたのでしょうか。

萬代 私が中3の頃、福島にはサッカーのプロチームがありませんでした。
プロ選手が輩出されたこともなくて、「サッカー選手になりたい」という夢は現実的ではありませんでした。

高校ではサッカー部のある福島市の進学校に入学しました。入学直前の春にU-15日本代表に選ばれ全国レベルのジュニアたちとの合宿に参加し、プロチームのユースに所属する選手たちとプレーして、「自分も絶対プロになる!」と、奮い立ちました。

サッカー部の監督が元実業団にいた人物で、「本気でプロになりたいなら全力でサポートする」と、徹底した指導で3年間、導いてくれました。そして卒業を前に当時J1だったベガルタ仙台からオファーをいただいて私は夢を叶えました。高校入学直前の春、U-15日本代表の選手たちと、監督に出会っていなければ、プロにはなれませんでした。このふたつの出会いが重なって自分のサッカー人生が拓けました。

辛さ、苦しみも帳消しになる1本のゴール。

—現役時代を振り返って辛かったことはありましたか。

萬代 日々の練習ですね。戦術や動きを繰り返し練習しますが、上手くいくことが少なく、失敗に次ぐ失敗の連続。毎日なので精神的にも相当こたえました。特に試合でチャンスを外した次の日などは、練習にも行きたくなくなります。

その一方で試合で狙った動きがつながりフォワードの自分がゴールを決めると、スタジアムで大歓声が上がるんです。練習の辛さや苦しみもその1本で吹っ飛んで、その瞬間はすべての人が僕しか見ない。そして1本のゴールで2万、3万の人々を幸せにできる。これもまたプロにしか味わえない最高の喜びでした。

福島の子どもたちに贈った「萬代シート」。

—子どもたちへのサッカー指導をセカンドキャリアに選んだきっかけはありますか。

萬代 東日本大震災の翌年、私はモンテディオ山形に移籍して仙台と山形、福島でサッカー教室を行いました。特に原発事故の影響で外での運動が懸念された福島の子どもたちからは笑顔が消えていました。そこで私は福島の子どもたちへ「萬代シート」と名付けた試合への招待券を贈る活動を始めました。

試合を見た子どもから「何も楽しみがなく、暗闇の中にいたけれど、モンテディオ山形の試合を見てサッカーがすごく好きになって楽しみが増えた」と書かれた手紙が届いたんです。この時、サッカーはすごいな、サッカーをやってきて本当に良かったと思いました。そしてゴールを決めてサポーターを喜ばせるのもプロですが、子どもたちにサッカーを楽しいと感じてもらうこともプロの大事な仕事だと気づきました。

引退を決意した時、「子どもたちを笑顔にしたい」「一緒に楽しくサッカーをしたい」という気持ちが強くなり、仙台のリベルタサッカースクールを志望して第二のサッカー人生をスタートさせました。

子どもたちに思うこと、感じること。

いつか子どもたちと同じ場所に立って、サッカーを楽しみたい!

—子どもたちに指導してみて感じることは何でしょうか。

萬代 私たちの世代は指導者や先輩が威圧的な体育会系といわれる環境が当たり前でした。でも自分が親になったこともあり、子どもたちがもっと自主的に取り組めるような指導がしたいと考えていました。子どもたちがお互いから学んでいく環境づくりや、「認めて、褒めて、励まし、勇気づける」というスクールの指導方針に共感でき、自分が考える教育と合致しています。

いつも子どもたちと同じ場所に立って、サッカーを楽しみたい。でも最近は子どもたちとの距離が近すぎるのも成長の妨げになるのでは、と悩んでいるところです。私は指導者であり、友達ではない。子どもたちの距離感や境界線が今の課題です。仲が良くても叱るときは本気で叱ってくれるから先生がいい、と言われるようになったらうれしいですね。

チームワークと成功体験

—リベルタに通う子どもたちとのエピソードを教えてください。

萬代 リベルタには、サッカーが上手じゃなくても好きであれば入れます。もちろん上手い子はボールに触れるチャンスも多いし、ゴールも決められますが、入ったばかりの子や低学年の子などもチームメイトが試合に負ければ一緒に落ち込んだり、勝てば一緒に飛び上がって喜んだりします。そんな瞬間や表情を見ていて「チームっていいなあ」、「やっぱりサッカーは最高だなあ」と思いますね。

またちょっと難しい技術を練習してできるようになった時の達成感に満ちた笑顔がすごくいい。できないと泣くこともありますが、成功した時は「見てみて!先生!」と誇らしそうで、「できたね!」と褒めれば、「今度はこれに挑戦する!」と、チャレンジ精神が芽生えます。私が何か伝えようとして聞いている時の目と、「見てみて!先生!」って来る時の目のキラキラ感が全然違うので、もうちょっと教えている時もキラキラしてほしいですね(笑)。

チャレンジし続ける心の強さを。

相手や仲間を大切に思う気持ちを育む。

—子どもたちがどんな人に成長してほしいと思いますか。

萬代 子どもたちには相手の立場になって考えられる人に成長してほしいですね。性格は十人十色ですが、リベルタの子どもたちはあいさつ、道具の扱い方、整理整頓など、スポーツを楽しむための姿勢や態度はきちんとできています。しかしサッカーに真剣になるあまり、先日は足を蹴られたと、相手に手を上げてしまった子どもがいました。特に子どもはボールしか見えずに夢中でプレーするので、つい相手を批判したり怒りをぶつけてしまったりすることがあります。プロが試合で倒してしまった相手に手を差し伸べるシーンが良く見られますが、それを子どものうちからできなければなりません。

すべては相手の立場になって考える思いやりですよね。私はサッカーを通じて子どもたちに人を思いやる心を育んでほしい。選手として自分が1番になりたいことは悪くないけれども、自分さえ良ければいいのではなく、相手や周囲を思いやる気持ちがなければ、信頼できる仲間や友達もできません。普段の生活の中でも家族や友達を思いやれるようになってくれたらいいですね。

そんな思いが果たして子どもたちに伝わったのかなと感じる時もあります。私が話をする時、ボールや砂をいじったりしていた子が、ある時から私の目を見て話を聞いてくれるようになる。変わっていくのがわかると本当にうれしいです。

18年間、プロとしてプレーしましたが、がんばっても結果が出ない、できないことの方が圧倒的に多かったです。しかし、結果が出なくても努力し続けている時が、サッカー選手として、また人としても成長した時だったと思います。だから子どもたちには、結果として勝てなくても、今日はできなくても、チャレンジし続けることが大事だと伝えていきます。大人になってもチャレンジし続けてほしいですね。

今はグラウンドで「萬代せんせーい!」と、子どもたちが笑顔で駆け寄って来てくれる瞬間がめちゃくちゃうれしいんですよ。みんな可愛くてしょうがないです。

最後に

勝ち負けに一喜一憂することなく、努力と挑戦をし続けることは人として大切なことです。苦労した時間に人が大きく成長することを知っているのは、プロとして活躍された萬代さんだからこそでしょう。これからも東北の子どもたちを萬代先生がサッカーで笑顔にします!

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西スクール(宮城県仙台市青葉区)
大河原スクール(宮城県柴田郡)
わかば(水)スクール(宮城県黒川郡)
南小泉スクール(宮城県仙台市若林区)
テクニカル荒井スクール(宮城県仙台市若林区)

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